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米国の複数の専門医会が集まって「賢い選択」キャンペーンを行い、4月までに医師と患者が賢い選択を行うに当たって問うべき5つの事柄なるものを設定することに。過剰な検査や治療を防ぐため。
http://medicalfutility.blogspot.com/2012/01/choosing-wisely-five-things-physicians.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+MedicalFutilityBlog+%28Medical+Futility+Blog%29

ニュー・メキシコでトレーラー・ハウスで暮らす86歳の寝たきりの姑をベッドに縛り付けて、壁の破れ目から自由に出入りするネズミやその他野生動物の餌食にした(足の指が食べ尽くされていたとのこと)ネグレクトで、介護者として登録されていた嫁とその娘を逮捕。姑のメディケアとか福祉手当を横取りもしていたらしい。トレーラー・ハウスは汚く、悪臭がすごかったとか。姑は衰弱も酷く、病院で死亡。:そのトレーラー・ハウスに同居だったのか別居だったのかとか、その女性の息子はどうして記事にまったく出てこないのか、ヘルパーなど外部の専門職がどうして入っていなかったのか、など、分からないことの多い記事、事件。いずれにしろ、高齢者介護と貧困の問題が重なると虐待が起きやすくなるんだろうと思う。
www.dailymail.co.uk/news/article-2087076/Carers-charged-neglect-death-woman-86-toes-chewed-wild-animals.html?ito=feeds-newsxml

日本。高齢者賃貸マンション、生活保護受給者の争奪戦。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120107-OYT1T01037.htm

パーキンソン、ALS、MSと診断される人が増えており、早急にNHSの神経科を強化しなければ破たんが近い、と関連チャリティの連盟が警告
http://www.guardian.co.uk/society/2012/jan/17/nhs-neurological-alliance-warns-timebomb?CMP=EMCNEWEML1355

NYT. 米国で医師への金銭の流れのディスクローズを製薬会社に義務付ける方向? :Grasley議員が主導して出来たサンシャイン法とはまた別に?
U.S. to Force Drug Firms to Report Money Paid to Doctors: To head off medical conflicts of interests, the companies would be required to disclose what they pay doctors for research, consulting, speaking, travel and entertainment.

【関連エントリー】
ProPublicaが暴く「ビッグ・ファーマのプロも医師軍団の実態」(2010/11/2)
ProPublicaの製薬会社・医療機器会社と医師との金銭関係調査アップデート(2011/9/9)


NYT. 子どもたちの肥満スクリーニングとそれを受けたカウンセリング費用が保険会社と雇用主の負担となるらしい。
Learning to Be Lean: Health insurers and employers must now pay to screen children for obesity and provide them with counseling. Experts say creating such programs will be a challenge.

英国の社会保障費削減を受けた福祉改革で、障害のある学生たちへの手当が危うくなる懸念。
http://www.guardian.co.uk/education/2012/jan/16/disabled-students-welfare-reform?newsfeed=true

今年に入ってロンドンではもうティーンエイジャーが14人も殺されている。:ずいぶん前から、ちょっとしたことでギャング化した若者同士が争って刺し殺したり撃ち殺したりが問題になっていた ⇒ ロンドンの若者が荒れている(2008/9/17)
http://www.guardian.co.uk/uk/2008/may/25/ukcrime?CMP=EMCNEWEML1355

親がちょっと気をつければギャングからの誘いには抗えますよ、という研究結果。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/240354.php

ジョンズ・ホプキンスの調査で、古いデータで主治医が高齢者は移植対象から外しているが高齢者でも腎臓移植すれば予後が悪くない、と。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/240356.php

【関連エントリー】
「腎臓が欲しければ、他人にあげられる腎臓と物々交換で」時代が始まろうとしている?(2010/6/30)
「質のいい腎臓は若者優先に」とNYT社説(2011/3/1)
「若い人が優先」腎臓分配方式の提言にRossが反論(2011/3/7)
イスラエルの貧困層から米国の富裕層へ、腎臓を闇売買(米)(2011/10/29)


中国のどこぞに日本人のための町がつくられようとしているみたいなんだけど、それってやっぱり富裕層の避難先? 
http://timesofindia.indiatimes.com/city/chennai/1500-acre-Japanese-township-to-come-up-soon-on-OMR/articleshow/11443415.cms

日本語ニュース。誘拐の子供ら1332人救出=物乞い強制―中国新疆ウイグル自治区
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120116-00000072-jij-int

人身売買の犠牲となり英国のマリファナ農場で働かせられていた7人のヴェトナム人の子ども達、英国政府とフランス政府との極秘の紳士協定により、フランスへ送還。
http://www.guardian.co.uk/uk/2012/jan/17/child-trafficking-victims-bounced-back?CMP=EMCNEWEML1355

NYT. 数年間のデータだけで教師の良しあしが分かるか? というタイトルの記事なのだ度、そのリード部分にある「より良い教師がより良いテストの点数とより良い人生に繋がる」というセンテンスに、イヤ~なものを感じる。
Can a Few Years’ Data Reveal Bad Teachers?: Better teachers lead to better test scores and better lives. But with only a few years’ data, can districts tell which teachers are good?

ビル・ゲイツがナイジェリアへ。ワクチン・プログラム推進で知事らと大臣が合意。:去年からビル・ゲイツはせっせとナイジェリアへ力を注いでいる。10月には「2012年の内に撲滅に成功した州には50万ドル上げるよ」と賞金まで。
http://www.thenationonlineng.net/2011/index.php/health/33458-governors-okay-immunisation-programme.html

ナイジェリアのワクチン推進については、去年9月30日の補遺で↓
ビル・ゲイツがポリオ撲滅推進でナイジェリアへ。:大統領選挙を巡って、すさまじい内乱状態が起きた ばかりの国でも、この人は最重要課題はポリオの撲滅だ、ワクチン推進だ、と説く。「無政府状態のソマリアだってワクチン接種率は高いんだぞ」と胸を張るこ の人にとって、いったい物事の優先順位ってどうなっているんだろう、とずっと不思議。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5igG2I_nNG70Bo-ObivptdutviDGA?docId=CNG.211f4e001608b37db54efe2a0eef44b5.551

ビル・ゲイツが来たとなると、ナイジェリアの上院議長が「2年以内にポリオを撲滅してみせます」と約束したそうな。:2年で撲滅ったって当面それどころじゃなかろうに、それでも約束してみせたくなるほどに、何かイイコトがあるんだろうな……と、どうしても。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5igg1wgeq1pHQyeh_DIHww-8eTniw?docId=CNG.11b830e74e89175fd9b015ca71842771.551

10月7日の補遺では↓
そのゲイツ氏、この前ナイジェリアに行って議会の要人に「2年間でポリオ撲滅します」と約束させていたけど、やっぱ信じられなかったのかしら。「2012年のうちに撲滅に成功した州には50万ドルあげるよ」と賞金まで。:どうも、この人の発想にはこういうのが多い。中国でエイズ検査キャンペーンをやった時も「検査受けたらゼニあげるよ」だったし。
http://www.vanguardngr.com/2011/10/polio-eradication-bill-gates-to-give-states-500000-award/
http://allafrica.com/stories/201110070226.html
2012.01.19 / Top↑
ブログでは、ちょっと書きづらかった親として介護者としてのナマの思いが
なぜかツイッターではさらさらと書けるのが不思議です。

たぶん、ブログでは一定の整理を経てまとまったことしかエントリーにできないけれど
ツイッターでは、未整理の断片をそのままつぶやけるからだろうと思います。

そうやって言葉になった断片が繋がって、
自分の中に一つの方向を作ってくれる感じもあって、
今のところ、とても興味深く使っています。

ブログを始めてずっと、私はモノを知らないので
どのエントリーも私自身がものを考えるプロセスの一点だと考えてきましたが、
一つのエントリーを書くためにも一定のプロセスを経ているわけで、
ツイッターはそちらのプロセスのさなかにある
思いや考えの断片を言葉にできるのだろうな、と。

そのままにしておくとツイートの川の中に沈んでしまうので、
主として、私自身のメモとして、折に触れてエントリーに流れごとに拾っておこう、と。

以下、ほとんどは複数の方とのやり取りの中でツイートしたことですが、
相手の方のツイートを無断でコピペするのははばかられるし
私自身が考えたことの繋がりはこちらの発言だけでも見えると思うので
私の側のツイートのみで。

やりとりについて興味がおありの方はツイッターでご確認ください。
アカウントはspitzibaraです。

    ―――――――――――――――――――――――


私自身は、自分の中に相反する強い慾望があって、どちらにも別の自責が予測され自分でダブルバインド状態になる時が一番苦しい気がします。一方がミュウ以外に関わっていると倍加しますね。

責めてくるのは自分が内在化させてしまっている誰かの「べき」の声だと思う。それから、純粋に「こうしてやりたい」という親としての思いと、してやれない悔しさがすぐに「私さえ頑張ればしてやれたはずだったんでは」と自責に転じる。そんなこんな。私も考えてみます。

そう、そう。ホンネはいつも支離滅裂で、自分の中でも相反していたり矛盾しているので、理路整然と説明するというのが無理なんでしょうね。それに、いい年こいた大人が自分の弱さや痛みを語るのはそれ自体が痛いことだから、ジョークにしたり怒りの力に乗せないと語れない。

本当は誰かを責めたいんだけどできない時に、ぐるっと一回りひねくれた形に転じて自分を責める、という心理ってありますよね。すごく苦しい時にはそれ。すごく消耗的で下降らせん状にグルグルと連鎖する。うつ病になる時の感じにとても近い感じも。自責にもある種の快感が。

             ・・・

おはようございます。昨日あれから湯船の中で気付き、PS書こうと思ったけど寝られなくなるので止めました。私はいわゆるACなので、それゆえという面があるんだろうとも思います。(起きても覚えていられたじゃないか。まだいけるぞ、自分)

「障害のある子どもの介護者でもある親」という位置に立っている人は同時に抑圧された者であり、抑圧された者の代弁者・保護者でもあり、抑圧する者でもありうる。(つづく)

そのことの内に、ACの問題にもつながり得る親子の関係性の問題や、社会が女性をどのように遇してきたかという問題や、社会が障害児・者をどのように遇してきたかという問題が連環して、巡り巡っているんじゃないのかなぁ……という気がしている。

↑すみません。どうしてもツイートしたくなって、みっともないんだけど自分のブログ・エントリーから引っ張ってきました。http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/62226979.html

              ・・・

信田氏のアダルトチルドレンの定義は「現在の自分の生きづらさが親との関係に起因すると認めたひと」(「愛しすぎる家族が壊れる時」p.73)。「認めた」というところがキモなんだと思う。(つづく)

ただ「そう思うひと」なのではなくて、自分にとって苦しくてたまらなくて、だからずっと否認してきた事実とついに正面から向き合って、事実を事実として受け止める勇気を持ち、その苦しい事実を「引き受け」て生きていこうとしている人、なのだろうと思う。(つづく)

だから「認める」までが長く苦しいのではあるけれど、そのように「認める」ことは到達点というよりもスタートであり、それならACは誤解されているように「すべてを親のせいにして甘えている人」ではなく、むしろ、

そこから抜け出すためのスタートラインに自覚的に立とうとする人なのだ――。そんなふうに考えて、自分の中でAC概念を整理することができた。。。。と、一応、カミングアウトしたからには確認しておきたかった。

              ・・・

ACとか共依存などの概念は、「自ら自覚的にそこに立つことを引き受けた」人にとってのみ有効で、当人の外側からそれらを押し付けることは被害者を責めることにしかならない……ということでは? 昨日からのぐるぐるで、一つこんなふうに考えてみた。



【関連エントリー】
障害のある子どもの子育ては潜在的な家族の問題を顕在化させる(2008/10/20)
ACからEva Kittay そして「障害児の介護者でもある親」における問題の連環(2010/12/1)
2012.01.16 / Top↑
園との連絡ノートより

火曜日の夜、(同室の)Aさんの希望でいつも”NHK歌謡ステージ”を見ているのですが、今週、特に気に入ったようで、”キャーキャー”と、にじ部屋が引っくり返るような大騒ぎだったとのこと。ちなみに出演歌手は「小林旭」だったそうですが……。ミュウさん、渋いですねぇ。



この話は、薬をもらいに詰め所に寄った際に、父親が看護師さんからも直接聞いたので、
よほど園内で噂になるほど本当に「部屋が引っくり返るような大騒ぎ」だったようで……。


さらに昨夜は、夕方のNEWS番組で”キャーキャー”と叫ばれていたミュウさん。何が面白いのかさっぱり分からず??と思っていたら、Bさん(身障の女性)が”橋下徹が出とったんよー”と教えてくれました。大阪市長も好みなのかな?




小林旭は、まぁ、よい。許す。が……、ちょっと待て。なんだとぉ、はし……?

おかーさんは、あんたを、そんな子に育てた覚えはないよっ。
2011.12.11 / Top↑
「介護の成績表」を州ごとに――米国

米国退職者協会AARPは9月8日、米国の州ごとの高齢者と身体障害者に関する介護サービスと支援の“成績表”、“Raising Expectations: A State Scorecard on Long-Term Services and Supports for Older Adults, People with Physical Disabilities, and Family Caregivers”を発表した。①費用面での利用しやすさとアクセス、②ナーシング・ホームかアシスティド・リビングか在宅かの選択と事業者の選択、③生活の質とケアの質、④家族介護者への支援の4点について、全25の指標に基づいてデータを点数評価し、その詳細と共に全州をランクづけしたもの。総合点のトップ3はミネソタ、ワシントン、オレゴン。最下位にはミシシッピ、アラバマ、ウェスト・ヴァージニアなど南部の州が並ぶ。

AARPでは、「下位の州が上位の州の実践から学ぶ機会にと意図した調査だが、上位の州にも改善すべき点はあるので、この情報を元に関係者には改善に向けた意識を持ってもらいたい」。さすがに点数化・ランキングされたとなると各州とも地元メディアが敏感に反応し、自州の成績の要因を考察する記事が相次いだ。実際、報告書で明らかになったバラつき幅はショッキングである。

例えば、メディケイドの給付資格基準は州ごとに決めることになっているが、この指標でのトップ5州では平均して要介護の低・中所得者の63%に給付されているのに対して、最下位の州では20%にしか給付が認められていない(全米の平均は37%)。また障害者の生活に関する満足度の指標では、トップ5州で91%が満足と回答しているのに対して、最下位の州では81%。この指標で1位のノースダコタ州では、満足と回答した障害者の内57%が仕事についているのに対して、最下位の州で仕事についている障害者は5人に1人。ナーシング・ホーム長期入所者のうち辱そうのある人の割合でも、全米の平均12%に対して、7%から16%の開きがあった。

 報告書は、総合ランキングで上位の州には以下の3点の施策方針が打ち出されていることが共通している、と分析している。

① 介護サービスと支援を必要とする、より多くの人にアクセスと選択が可能となるよう、またナーシング・ホーム以外の選択肢を提供できるよう、メディケイド事業で工夫。

② 必要とする人がサービスに繋がりやすいよう、効果的なワン・ストップ体制で情報とサービスへのアクセス改善。

③ 燃え尽きを予防するべく、介護者への支援とサービスの提供のみならず法的な保護措置をとって介護者ニーズに対応。

介護者支援施策を打ち出している州は、その他の指標全般においても高得点となる傾向があるとの分析は、たいへん興味深い。

報告書の試算によると、全州がミネソタ州並みの実践をすれば、12万人以上の入院が避けられ、130億ドルの医療費削減効果が見込まれる。ナーシング・ホーム入所にかかる費用負担はどの州でも中流家庭の支払い能力をはるかに上回っているため、地域で利用可能な範囲のサービスを整備していくことが必要だと説く報告書には、州ごとに具体的な改善策の提言と共に、それによって避けられる入院件数の試算まで添えられている。実に懇切な“ご指導”つき成績表なのである。

ただ、報告書の結論を読んでいると、そこはかとなく違和感を覚えるのは、こうした米国型競争原理が本当に公平なのだろうか……という点だ。曰く、高齢者にも障害者にも選択する権利がある。ニーズに応じた最も制約の少ない環境で暮らす権利は法的にも確認されている。上位の州の実践を見れば、介護サービス充実はコスト・パフォーマンスがよいことが一目瞭然。住む州によって介護の選択範囲や質が変わってはならない。だから各州はもっと頑張るべきだ――。

しかし、ランキングの下位に並んでいるのは低所得層も高齢者、障害者人口も多い“貧しい”州である。一方ニューヨーク・タイムズの当該記事は、物価も人件費も高い都市部のジレンマに触れている。報告書で指摘された不備の責をすべて州に帰すことが果たして公平な競争原理といえるのだろうか……。

報告書の結論(要約版)はその冒頭で、バラつきの要因として、米国にユニバーサルな介護サービス制度がないことを挙げているのだが、その後は個々の「選択」を保障する重要性を繰り返し説く一方で、「だからユニバーサルな介護提供制度を」とは一度も提案せず、各州の尻を叩き続けて終わってしまう。医療制度改革を巡って、格差の広がりを背景に自己責任論と個人の選択重視で真っ二つの米国世論に、AARPも配慮せざるを得ないのだろうか。

「介護保険情報」2011年11月号 連載「世界の介護と医療の情報を読む」(p.66)


なお、文中のゴチックは、このエントリーで付け加えたものです。
2011.12.06 / Top↑
Obama大統領が「科学の力で医療費削減を」と就任演説をした途端に始まった
米国で初めてのヒトでの胚幹細胞による脊損治療実験について、
以下のエントリーで拾いましたが、

早くも米国で胚性幹細胞による脊損治療実験にGO(2009/1/24)

そこに、今回、突然の中止という続報――。


Geron社の発表によると、
現在の資金不足と経済状況の不透明の中、
ガン治療薬開発に集中するために下されたビジネスとしての決定だといい、

それを裏付けるように、
同社は同時に常勤社員の38割のリストラも発表。

なお、新たな患者に治療することはないが
これまでに治療した4人の患者については今後もフォローしつつ、
こちらの研究の技術面でも資金面でもパートナーを探していくとはいうものの、

ヒト胚の廃棄を前提にした技術の倫理問題や今だ動物実験も十分でないとの安全性懸念、また脳損傷から2週間以内に治療開始という治験の条件について
受傷直後の患者が冷静に参加を決断できるのかという疑問もある中、

米国で初めて承認された同種の治験には
幹細胞治療研究そのものの今後の命運がかかるだけに
心臓病、ガン、アルツハイマーやマヒなどに大きなポテンシャルを謳う
幹細胞治療の研究業界界隈では、大きな失望の声が上がっている。

クリストファー・リーブ財団の幹部はカンカン。

「ったく腹が立つわ、胸糞が悪いわ。
みんなの希望を煽っておいてカネがないからやめるなんて悪党のやることだ。
これでは我々は実験室のマウス扱いじゃないか」

米国ではもう1つ、眼病の幹細胞治療の治験も行われており、
こちらはUCLA Jules Stein Eye Instituteが不治の眼病患者2人に実施しているとのこと。

First test of human embryonic stem cell therapy in people discontinued
WP, November 15, 2011


素人だからなのか、
なんとなく疑問に感じるのは、

確かにがん治療開発は科学とテクノのマーケット創設のトレンドで
それなりに国際競争が熾烈になっているというのは想像がつくのだけど、

でも、本当に副作用は今のところ出ていないというなら、
将来的にはオンボロ儲けが確実な分野なわけですよね、これって?

しかも米国初で、脊損治療ではGeron社だけがやっているわけだから
一人勝ちが保障されているようなもので?

それで「経営的判断でがん治療薬に専念したいから撤退」……?

それとも、
その筋のハーバードの研究者のコメントで「幹細胞は貴重な研究だが、
将来有望な科学技術を新しい治療法にしていくのは長くて骨の折れるプロセス。
途中で何度も挫折はつきもの」というのを読むと、

この世界的な不況の中、そろそろ
「命を救う技術」「難病に新たな治療の可能性」というだけで
実験につぎ込まれるカネが正当化される……という時代じゃなくなってきた……ということ?

いや、でも、それでは新たなマーケット創出ができなくならない?



【関連エントリー】
「幹細胞治療のウェブサイトは危険」と専門家が警告(2008/12/8)
米国FDAが認めなかったかな細胞治療、英国で治験へ(2009/1/19)



アップする際、
リスクに関する興味深い記事を書いてくださっているブログがあったので
以下にTBさせていただきました。
2011.11.17 / Top↑