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ユタ州のサンダンス映画祭で“How to Die in Oregon(オレゴン州の死に方)” がドキュメンタリー部門で受賞。
http://www.reuters.com/article/2011/01/30/uk-sundance-awards-idUKTRE70T0A920110130

日本。小児科学会が終末期医療の指針案。
http://mainichi.jp/select/science/news/20110127k0000m040136000c.html

ちなみに2009年に米国小児科学会が出した「栄養と水分の差し控えガイドライン」はこちら。 
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61254998.html

トイレの訓練が十分でなくて、しょっちゅうお漏らしするから、とワシントンD.C.の3歳児が幼稚園から一か月間の通園停止をくらい、問題になっている。:子どもが子どもらしい成長段階を経ることが、どんどん許容されなくなっていく。そのうち3歳児のお漏らしも薬で治療する“異常”ということになるのかも? 
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/01/29/AR2011012903854.html?wpisrc=nl_cuzhead

今後10年間で認知症患者が5割増える。英国の予測。
http://www.edp24.co.uk/news/health/dementia_cases_predicted_to_rise_by_50pc_in_10_years_1_784145

米国の「新たな中絶戦争」。NYTの社説2本。
http://www.nytimes.com/2011/01/30/opinion/30sun1.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha211
http://www.nytimes.com/2011/01/30/opinion/30sun2.html?nl=todaysheadlines&emc=tha211

関節炎の虎に画期的な関節置換手術。
http://www.guardian.co.uk/environment/2011/jan/30/tiger-hip-replacement-operation?CMP=EMCGT_310111&
2011.01.31 / Top↑
著者らは冒頭部分でWGメンバー内の重症障害についての意見概要をまとめてみせる。

メンバーの重症障害についての共通認識は、

① 社会が重症児・者を価値の低い存在とみなしていること。
② 医療・社会サービスの改善に投資することは優先事項である。
③ 発達障害のある人への社会の人々の姿勢を向上させることも同様に重要である。
④ 重症児の親は数々の難しい選択に直面しており、
そうした子ども特有の複雑で困難な決定を行う際には、
親は敬意を持って尊重されるべきであると考えている。



メンバー内の意見の相違点は

身体をありのままに受け入れる姿勢を重要視する立場と、
利益になるように身体を作り替えることの道徳的な重要性を強調する立場



これは事実と違うだろう……と、強く思う。

・まず、批判する側の中心的な論点である差別と権利の問題が不在。

・ ①が共通認識になれるわけがない。
批判者は、成長抑制は重症児には許されるとの考え方そのものが
重症児を価値の低い存在だとみなしていると批判しているのであり、
この認識そのものが擁護者の正当化論と両立しない。
②も③についても同じことが言える。

・批判する側は前者の①~③が成長抑制と両立しない、むしろ損なうと主張しているのに、
その繋がりをバラして①~③を共通認識と確認してしまうことによって
批判の論点が「了解済み」の問題として切り捨てられている。
その問題の重要性についてはみんな分かっているのだから、既に議論は終わり、と。

・差別と権利の問題が、単に身体に手を加えることについての「立場」の違いにすり替えられ、
それによって大して重要でない相違のようにごまかされている。

・障害児の医療決定における親の選択権の範囲という医療倫理の問題が、
「親は大変なんだから、親の言うことは尊重してあげましょうね」と
親の支援という別問題にすり替えて語られている。

・総じて、共通点の方が多く、相違点は小さいかのように思わせている。
また、決定的に相いれない対立はそこにはないかのように書かれている。

そして、これらの作為は、もちろん、
次に控えている、より大きなマヤカシへの下地作りに過ぎない。

なにしろ、皆で集まって、よくよく相手の言うことを聞き話し合ってみたら、
これはそんなに大騒ぎして目くじら立てて対立するほどの問題ではなくて、所詮は

This is one of many parental decisions for which a decision in either direction may be ethically justified.

これは、どっちの決定が行われたとしても、そのいずれも倫理的に正当化することができる類いの、
親がよく行っている意思決定の1つ。


に過ぎませんからね。……と言ってのけるのだから。

この捉え方は、論文全体を通じて何度も繰り返されているが、全く事実と反している。

WPASが違法性を指摘したのは確かに子宮摘出を巡る手続きだったかもしれないが、
WPASは同時に成長抑制についても侵襲性と不可逆性をもって、
子宮摘出と同じく親の決定権の例外とすべきだと判断した。

それはワシントン大学インフォームドコンセントでも同様の理解

さらにオーストラリアの法律事務所の解釈も同じ

法学者のQuelletteに至っては親の決定権の例外とするだけでなく
成長抑制も女性器切除と同じ過激な医療と捉えるべきだと説いている。

裁判所の命令の必要以前に、
侵襲度が高く不可逆な医療介入については親の決定権の例外、という捉え方こそが共通認識ではないか。

なぜ、その決定が
親がどっちに決めたにせよ正当化できる程度のものだと言えるのか。

このWGの論文を読んで、
何よりも学者としての著者ら不実を感じて不愉快になるのは、この一文のように、
それ自体まず論証し正当化しなければ述べることができないはずの、
まさに批判に晒されている擁護論の論点そのものが
あたかもそれが所与の事実であるかのように、しれっとステートメントになり、
批判への反論、正当化の論拠として使われていること。

著者らは、批判されている立場を論拠にして論点そのものを無いものにしてしまうという
とんでもない不実のウルトラCをやってのけている。

しかも、この論文のほとんどすべての議論が、このパターンの繰り返し――。

著者らが論証も正当化もせずに論文中に投入しているステートメントは、

成長抑制の影響は小さく、障害児の親が通常行っている医療に関する決定と変わらないと
表現を多少変えながら繰り返している、少なくとも4か所。

それから、例えば、

The children for whom growth attenuation would be considered have persistent, profound developmental and intellectual impairment.

成長抑制の対象となるのは永続的な重症の発達および知的障害のある子どもたちとなろう。

….consideration of growth attenuation is limited to children with the most profound disabilities, who have an IQ of less than twenty to twenty-five.

成長抑制の対象者は、IQ20から25未満の、最も重症な障害のある子どもたちに限定されている。

Their needs may justify interventions that would not be appropriate for others. The benefit associated with growth attenuation may improve their quality of life and promote the family’s flourishing.

重症児のニーズは他の子どもたちに行われれば適切ではない介入を抵当化する可能性がある。成長抑制の利益は、QOLを改善し、家族の暮らしを助ける可能性がある。

Neurologic conditions that are unquestionably degenerative – such as Tay-Sachs, Trisomy 13, or Leigh’s Encephalopathy – are a different matter.

(重症児の認知能力アセスメントには慎重を期さなければならないが)進行性であることに疑いの余地のない神経障害、例えばテイ・サック病、トリソミー13、レイ脳症などでは、話は別だ。

The implications of growth attenuation are unique for children who are nonambulatory and have persistent, profound developmental disabilities. In this context, growth attenuation is one of several means to try to include such children in family life and improve their quality of life.

成長抑制の対象となるのは、歩くことができず、永続的な重症の発達障害のある子どもたちのみである。この意味で、成長抑制はこうした重症児を家族の生活に参加させ、QOLを向上させようとする、いくつかの手段の一つである。




こういう”基準”や”解釈”は、いったい、どこから出て来たのか――?

なぜ、この論文では、何の論拠もなく、こうした”基準”や”解釈”が、
あたかも既に広く確認された規定事項であるかのような顔つきで投入されているのか――?
2011.01.31 / Top↑
スペインで、とんでもないスキャンダルが浮上している。

医師や看護師が密かにネットワークを作り、
新生児を親から盗みだしては売りさばいていたとして、

産科クリニックの元従業員や違法な養子縁組をした親の証言を証拠として提出し、
スペインの病院で過去50年間に姿を消した261人の新生児の親たちが
検事局長に捜査を求める嘆願書を提出。

子どもは死産だったとか生まれてすぐに死んだと
医師、看護師、尼僧、僧侶みんなが母親にウソを付いていたという。

問題が指摘されたマドリッドのクリニックを調べたジャーナリストは
冷蔵庫に入った赤ん坊の遺体1体を発見した。
子どもが死んだ証拠として親に見せるためだったのでは、
との憶測を呼んでいる。

The National Association of Irregular Adoptionsでは、
今のところDNA鑑定で証明されたケースもあり、
ただ盗まれた疑いだけのケースもあるが、
いずれにしろ組織的犯罪だと考えている、と。

被害者となった親の多くは、出産当時、
元気そうに見えたのに生まれてしばらくして死んでしまったと聞かされており
遺体に会うこともなく埋葬も病院が引き受けたという。

医療職として患者に対して高圧的に出ることによって騙しおおせたこと、
狙われたのが特に貧しい患者だったことが共通している。

しかし、葬儀が行われていれば書類が残っているはずだが、
それらの子どもたちは生まれた事実そのものが記録されていない。
その事実こそが、疑わしいケースの多さを予感させる。

確かに我が子の泣き声を聞いた、という母親も多く、
今どこにいるのかを知りたい、あなたを捨てたわけじゃない、盗まれたのだと伝えたい、と。

ただ、話がややこしいのは、
1987年に養子縁組法が改正されるまで、規制が緩やかで、
独身女性が産んだ子どもは秘密裏に養子に出されるケースが多かったこと。
そこにも秘密のネットワークが介在し、最初から養母が生んだように
出生届が改ざんされることも行われていたという。

フランコ時代には
危険な左翼思想を持つ母親からは、生んだ子どもを取り上げることもあった。

秘密の組織はその時代にできたものではないか、
そういう子どもを売って儲かっていたので、フランコ以降も続いたのではないか、と
推測する人もある。

Hundreds of Spanish babies ‘stolen from clinics and sold for adoption’
The Guardian, January 27, 2011

Spain seeks truth on baby-trafficking claims
The Guardian, January 27, 2011
2011.01.30 / Top↑
州ごとにワクチン接種を記録して、接種時期が来たら医療機関からお知らせが届く制度をコロラド大学の研究者らが提案している。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214826.php

英国議会に提出されているNHSの改革に向けた「医療と社会ケア法案」。詳細は不透明ながら、NHS Commissioning Boardとcommissioning consortium という新たな組織を設けて、NHSの機能を地方に分散し、患者の高度医療の予算配分の権限をGPに委譲するというものらしい。それはNHSから N(National つまり国民皆保険)の部分を外すことに等しく、NHSの解体に繋がるのでは、との懸念を表明するLancetの論説。保守党は選挙のマニフェストに、そんなことは書いていないじゃないか、それなのに何故こんなに素早く改革法案が出てくるのだ、とも。:マニフェストに書いてなかったのに、なぜか準備万端、世論誘導の仕掛けも万端に出てくるというのは、管首相になってからの民主党も全く同じだけど、その背景も英国と日本は同じなのかしら。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2960110-4/fulltext?elsca1=TL-280111&elsca2=email&elsca3=segment

エストロゲンがアルツハイマー病その他の予防に効く、という話が出てきている。:スタチン、アスピリン、ビタミンDに続くヒット商品に? ホルモン剤って、そういうものとはまた一味違って、恐ろしい感じがするのは素人だから? 発がん性とか血栓症リスクの副作用は?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214875.php

そのスタチンについて、先頃、権威あるCochrane Reviewで、低リスクの人にまで長生きの万能薬として広めることに警告を発した調査報告に、ケチをつけるLancetの論説。で、結論として、安全だというエビデンスはあるのだから、これまでどおり、GPはスタチンの利益とリスクとを十分に説明したうえで、患者が最良だと思うようにさせればよいのだ、と。:この理屈、ワクチンもそうだし、その他、多くの「科学とテクノの簡単解決バンザイ文化」の背景にある論理と全く同じでは? 医療技術そのもののリスクや倫理問題を丁寧に調べたり議論する必要が、「患者の自己選択」で否定されていく。ついでに説明と見せかけて誘導すれば、GPも儲かる、製薬会社も儲かる、その大株主である世界中のスーパー・リッチ(一部は「途上国にワクチンを、薬を」と“愛と善意の慈善家”を装っている)はさらにメガ・リッチになる。あ、ついでに、その慈善家の一人はLancetのパートナーでもある。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2960111-6/fulltext?elsca1=TL-280111&elsca2=email&elsca3=segment

そのスタチンにはアルツハイマー病の進行を抑制する効果もある、という話も前に出てきていた。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/53441259.html

米国保守層の台頭で激化する中絶論争を、これもLancetの論説が。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2960112-8/fulltext?elsca1=TL-280111&elsca2=email&elsca3=segment

米国が遺伝子組み換えアルファルファを承認。
http://www.nytimes.com/2011/01/28/business/28alfalfa.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha25

ジュリアン・アサンジが日曜日のCBS“60 Minutes”に。
http://www.cbsnews.com/stories/2011/01/26/60minutes/main7286686.shtml
2011.01.30 / Top↑
一般化の動きとシアトル子ども病院の切り離しが図られている――?

07年5月の成長抑制シンポジウムを、この論文は
Benjamin WilfondとPaul Steven Millerとが開催したものだ、と整理する。
シアトルこども病院とワシントン大学は、それぞれの所属先として言及されているのみ。

しかし、
当該シンポのページを見てみると、
主催はUW障害学講座と子ども病院トルーマン・カッツ小児生命倫理センター。

それなら、この書き方はおかしい、と思う。

また別の個所では、この論文は病院の見解を代表するものではない、と断ってもいる。

彼らがやっている強引な一般化を、子ども病院から切り離そうとする意図が
この論文からは匂ってくる。

もう1つ、その同じ匂いを発しているのは
今回の論文がWPASと病院の合意の事実を認め言及していること。

08年1月にこのシンポが行われた際のWGの議論では
WPASとの合意は完全に無視されていたし

WGの議論が進行している最中にDiekemaはじめWGメンバー数人が書き
09年に小児科学会誌に発表された成長抑制論文はさらに踏み込んで
WPASとの合意そのものを「法的裏付けがない」と一蹴してみせたものだ。

ところが今回のWGの論文は一転して
病院とWPASとの合意を認めているのだ。

この転向は何によってもたらされたものなのだろう。

ちなみに、当ブログでは
Diekemaらの動きと病院の動きとの間にはズレがあるということは
07年5月の合同記者会見のあたりで指摘している。


これは証明できることではないけれど、私の感触としては、
子ども病院はとりあえずAshleyケースでの不正さえ無事に隠しおおせれば
成長抑制であれ”Ashley療法”であれ、それ以上に熱心に一般化するつもりはなかったのではないか、

現在の一般化のプロモは、病院の意図とは別に
FostとDiekemaとがAshley父と繋がってやっていることではないか、

ただ、ゲイツ財団とのつながりから病院も露骨な否定もできずにいるのではないか、
そんな感じを受けている。

確信があるとまでは言えないけれど。

それに、仮にそうだったとしても、
これは成長抑制の一般化に関してのみ言えることで、
同病院やワシントン大学が、IHMEやGAVI その他を通じてゲイツ財団とパートナーシップを組み、
DALYに見られるようなビジネスモデルの功利主義的切り捨て医療を推し進める一方で、
死産・早産撲滅運動、新生児遺伝子診断などでも連携しつつ優生思想を復活させつつあること、
また「ワクチンの10年」黄金時代の実現に向け、鋭意協力していることは事実――。
2011.01.30 / Top↑
代理母と生殖子ドナーのグローバルなネットワークを作り
各国の法規制の網の目をくぐって安価に子どもを作らせてくれる
新たなビジネスが出現している。

Assembling the Global Baby
WSJ, December 10, 2010


冒頭、紹介されるのは、
ベルギーからギリシャに移住した女性。代理母をしている。お腹にいるのは
ヨーロッパのドナーの卵子と、依頼者のイタリア人夫婦の夫の精子でできた子ども。
夫と3人の子どもがあり、代理母の報酬は、末っ子を大学へ行かせる費用にするそうだ。

こうして世界中の生殖資源と技術を組み合わせて
パッケージ商品として売り出す企業が増えているらしい。

記事の中で紹介されている
医療ツーリズム企業、Planet Hospital の代理母サイトはこちら。
(インドの新興代理母産業を取材したテレビ番組のビデオがあります。)

「リーズナブルな値段で経済的に子どもを持てるようセット・プランをご用意。
伝統的な家族、シングルの方、ゲイの方でもお引き受けします」


以下、記事と企業のサイトから、まとめてみると、


最もお得なプランは「インド・セット(India bundle)」。
その内容とは、

ドナー卵子が一つ。
4個の胚を4人の代理母に入れる技術代。
生んでくれる代理母の部屋と食事代。
親になる人たちが赤ちゃんを引き取りに来る時の車と運転手。

パナマでは、
双子だと5000ドルの追加料金。
子どもの性別を選びたければ6500ドルの追加。

2007年に生殖補助サービスを開始。
これまでに459の出産を取りまとめてきた。

去年は280人のクライアントが利用してくれて、
210人の赤ちゃんが生まれ、そのうち168人が双子だった。
今年は既に200人のクライアントと契約を結んでおり、
75人の代理母が妊娠中だ。

もちろん倫理問題を指摘する声は多い。
お馴染み倫理学者のArthur Caplanは
「多くの点で虐待の可能性が大きい」。

この会社ではなかったが、2008年に
日本の男性がインドの代理母に産んでもらった子どもを連れて帰れなくなったケースが
法律が曖昧だったり国によって食い違う1例として紹介されている。

だからこそ、
材料の調達と技術の調達先をグローバルに分散することで商売も成り立つ。

代理母への報酬についても、法律の網の目は粗い。
養子をとる際のような厳格なチェックもない。

Planet Hospital の代表者が気になるのは、
幼児性愛者がこのような手を使って子どもを持つとしたら? ということだとか。

自分の卵子と息子の精子で子どもがほしいと言って来た女性がいて、
そのケースは断ったという。

最終的に自国で生じる法律問題には予測がつかないところもあるので、
依頼者には弁護士を雇うようにアドバイスするという。

しかし、日本、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスは代理母を禁じているし
英国も金銭目的の代理母は禁止。2005年には匿名ドナーも禁じた。
米国の州によっては金銭目的の代理母が禁止されているし、
最近ではゲイの養子縁組を認めないところも出てきて、需要は大きい。。

Planet Hospitalでは、新しくゲイの夫婦を対象にした代理母斡旋ページを作った。

あるゲイの夫婦が支払った料金35000ドルの内訳は
Planet Hospitalが3600ドル。
卵子のドナーに5000ドル。
旅費等で3000ドル。
代理母に8000ドル。
クリニックに1500ドル。

生まれるまでしばらくインドに滞在したいと言えば、
モダンなアパートまで世話してくれる。

インドは2002年に代理母を合法化。
安価な代理母も卵子のドナーもわんさといる。
代理母の年齢制限と3回までというガイドラインがあるだけだ。

Planet Hospitalはインドに続いてギリシャへの進出が成功したことで
次はメキシコとウクライナへの進出を考えている。

                ―――――

こちらは、インドの代理母ツーリズムを描いた映画 Made in India の予告編と、論評。

New doco about Indian surrogacy
BioEdge、January 28, 2011


Planet Hospitalのサイトにあるテレビ番組に登場した米国人夫婦のケースが
この映画でも取り上げられています。

夫の方が、
「インドの女性への搾取だと批判されるが、
元々の彼女らの生活水準を考えれば、我々が罪悪感を感じる必要はないと思う」
(実際の文言ではないかもしれませんが、なにしろ、そういう意味のことを)

それから企業側が
「これは、どちらにも利益のあるウィン・ウィンの契約なんです」

                 ----

そのウィン・ウィン、
既にある経済格差や数々の(特に女性に対する)人権侵害、搾取の構造という現実を
あくまでも追認する形でのウィン・ウィンですけどね……。

もう他にそれしかない、というところまで追い込んでおいて、その弱みに乗じて、
「自己責任」「自己選択」「個人の選択権」「プライバシー権」でやっていることだとか
当人にだって利益があるじゃないかと、それ以前の問題もそこに潜む差別も追認し、
それによって倫理問題を指摘する声を強引になぎ倒して
容認・導入される科学とテクノの応用がビジネス原理でシステム化されていく中で、
その差別はさらに強固に塗り固められていく……

インドの女性だから、ギリシャの女性だから、いいんだ……と。

“Ashley療法”も”救済者兄弟”も、まったく同じ構図――。

そういうことを繰り返しつつ、世の中の人々が、
既に搾取され、差別されている人を道具として利用したり、
弱い立場にある人の人権を踏みにじることに対して、
良心の呵責を感じること、心を痛めることをしなくなり、
人としての心の感度を低下させていく……

そして、世の中がどんどんと
圧倒的に強い立場の人たちが弱い立場の人たちを
自分の強欲・貪欲に無理やり奉仕させながら
「あなたたちのためだ」と狡猾に抵抗を封じる
虐待的な親のような場所になっていく……
2011.01.30 / Top↑
オレゴン州の昨年の自殺幇助報告書が保健局から出ています。

報告書そのものはこちら。わずか3ページです。

とりあえず、内容をかいつまんで解説してくれているLifeSiteのブログ記事から。

1年間の致死薬の処方件数は96件。
それを用いて死んだ人として報告されているのは59人。
前年の処方薬を使って死んだ人が6人で、

尊厳死法による2010年の自殺者は、計65人。

70%が65歳以上の高齢者で、
全員が白人、高学歴のガン患者。

大半が自宅で亡くなっており、自殺時にはホスピス・ケアを受けていた。
3分の1はメディケア患者。

これで尊厳死法ができてから同法のもとで自殺した人は525人に。

気になるのは、
精神科医に紹介されたのが、たった一人だったこと。

それから、処方された致死薬を飲んだけれども死なず、
後に元々の病気で亡くなった人が2人いること。

そのうちの一人は、致死薬を飲んで24時間以内に意識を取り戻し
5日後にもともとの病気で亡くなった。

もう一人は、飲んで3日半後に意識を取り戻し、
それから3カ月後に、もともとの病気で亡くなったという。

2010年に処方された人のうち、飲まずにもともとの病気で亡くなった人が20人。

ただし、処方数も死者数も
1月7日時点で保健局に届いた報告に基づくもの。

安楽死防止連盟のAlex Schandenbergは
多数が、自律できないことや社会参加できないこと、尊厳がないことを
理由に挙げていることを指摘し、依然、高齢者虐待の可能性が残る、と。


Oregon Report Shows Assisted Suicide Deaths Increase Again
LifeNews.com, January 26, 2011


当ブログが拾った情報では、
ここ数年の尊厳死法による死者数は、

2008年が60人。
2009年が59人。


【関連エントリー】
Oregon尊厳死法による自殺者増加(2008/3/21)
WA州とOR州における尊厳死法の実態(2009/7/6)
WA州とOR州の2009年尊厳死法データ(2010/3/5)
OR州の「尊厳死」:97%にC&Cが関与、たった20人の医師がせっせと処方(2010/3/11)
2011.01.28 / Top↑
1月21日の補遺で拾ったスイスの事件について、
詳細がありました。


提訴していたのは57歳のスイス国籍の男性、Ernst G. Haasさん。

20年間、重症の双極性障害に苦しんでおり、
もはや尊厳のある生を送ることができないとして
2回の自殺を試みるが、いずれも失敗。

自殺幇助に使われる処方薬のペントバルビタールを使えば確実に死ねると考えつく。

もちろん処方してくれる精神科医はいないので、政府や裁判所に対して、
苦しまずに確実に自殺できる支援を受けることはプライバシー権だと
再三に渡って訴えたが、いずれも失敗。

その後170人の精神科医に当たったが
誰も処方してくれなかったという。

そこでヨーロッパ人権宣言の8条のプライバシー権を主張して
ヨーロッパ人権裁判所に提訴していたもの。

1月20日、同裁判所が判決を下した。判事の全員一致。

確かに2002年の英国人女性Diane Prettyの判決で
生きているのが尊厳がなく苦しいなら自殺する権利を認めているので、
第8条は自殺する権利を認めているように見えなくはないが、

一方、第2条は生きる権利(the right to life)を保障しており、
多くの参加国が自殺する権利よりも生きる権利を重視している。

(自殺幇助用の毒物の処方には
医師の確認や精神科医のアセスメントが必要とされる)薬の処方システムは、
弱い立場の人たちが性急な決意をしたり濫用されることを予防するためのものであり、
特にスイスのように自殺幇助が合法である国では重要。

自殺幇助が容易に行われる国での濫用のリスクは決して侮れない。

自由意思による自殺希望の確認のためには
医師と精神科医による診察を経ての処方はセーフガードとして必要。

No right to assisted suicide, says European Rights Court
BioEdge, January 27, 2011


んー……この記事からだけでは、
裁判所の論点がイマイチはっきり伝わってきませんが……。


ダイアン・プリティ裁判についてはこちら
2011.01.28 / Top↑
カリフォルニアの研究者らから、現在の事前指示書に関する法的規制は(例えば署名がないと無効とか、そういうことだと思われます)せっかくの患者の意思を生かせないので、もっとコミュニケーション主体の柔軟なものに、との声。:それって、モノが言えなくなった時に身内が「こういうのは無駄な延命だからやめてほしいと言ってました。私は本人から聞いたんです」と言ったら、それで認めよう、ということ? 話が、なんだか英国の自殺幇助起訴ガイドラインみたいになってきましたね。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214772.php

脳にシャントを入れることで、認知症の症状が改善される。:あー、そういえばDBSでウツ病を治すという話もあったな。(この下にリンク)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214775.php

DBSうつ病応用へ(2008/5/28)
「強迫性障害、ウツ病、肥満にも」DBSなど“実験的脳手術”(2009/11/29)

インドの代理出産産業の舞台裏。:たぶん、そういう話じゃないか、と。まだ読んでいないけど、読むつもり。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/9373/

英国女性の身につけるブラジャーのサイズが跳ね上がっているそうな。今や3人に1人が肥満だから? いえいえ、それだけではなく、本当に胸だけが大きくなっているらしいっすよ。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2010/may/16/womens-breasts-are-getting-bigger?CMP=EMCGT_270111&

豊胸手術のインプラント、リンパ腫のリスクがあるかも?
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/01/27/AR2011012700119.html?wpisrc=nl_cuzhead

車の騒音が脳卒中のリスクを上げるんだって。:今、仕事の関係で、健康リスクとしての住環境の改善に取り組む英国のプログラムを調べてみている。NHSの予算も投入されているらしい。車の騒音も、確かに対象にするべきだよなぁ。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214567.php

この前のアリゾナの乱射事件で撃たれたGiffords議員がヒューストンで脳の手術を受けたらしいのだけど、脳損傷を負った多くの帰還兵が治療を受けられずにいる問題がクローズアップされている時だけに……。
http://www.propublica.org/blog/item/in-houston-rep.-giffords-could-receive-brain-injury-treatment-thousands-of-

2010年秋に米国の4年制大学に入ったばかりの1年生200万人に精神状態を自己申告してもらったところ、精神的な健康状態が「平均以下」と回答した学生の数がこれまでで最高水準に達した。:なんとなく、分かるような気がする。頭の良さとか成績が良いこと(この2つは同じことじゃないんだけど、同じだと思っている人がすごく多い)だけが価値になっていくし。Obama大統領の一般教書演説のごく一部を日本のテレビニュースで聴いても、あまり彼らの救いにはなりそうもなかったし。いいのよ。あなたの人生は、あなた自身のために、あなたの好きなように生きても。一人一人に、そう言ってあげたい気分だわ。自分が本当は何が好きで、何をやりたいのか、もう分からなくなっているかもしれないけど。
http://www.nytimes.com/2011/01/27/education/27colleges.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha2
2011.01.28 / Top↑
この論文は

シアトルこども病院は裁判所の命令を取らないかぎり成長抑制はやらないとWPASと合意したが
その他の病院はこの合意に縛られるわけではなく、そのような医師や倫理委が
「親たちの成長抑制の要望を受けガイダンスを熱心(eager)に求めている」と述べて、

それを根拠に、「成長抑制の倫理を議論し、
医療職のための実務的なガイダンスを作るために」
このWGを組織したのだと説明する。


そう――。WGを組織した目的には
最初から「実務的ガイダンス」を作ることが含まれていたのだ――。

でも、ここで疑問が湧いて出てこないだろうか。


① 治療としての効果をまったく持たない成長抑制療法のガイドラインを
なぜ、それほど急いで作る必要があるのか。

これは、命を救うために、病気を治すために、
できたらなるべく早く医療現場に……といった類の療法ではない。

しかも、第1例では人権侵害が確認されており、
その第一例の決定がいまだに十分に説明されてもいなければ
議論が尽くされたわけでもない、したがって十分に正当化されたわけでもない段階で、
なぜ急いでガイダンスを作る必要があるのか。


② ガイダンスを望んでいるという医師や倫理委は、いったい、どこにいるのか。

私の目についた限りでは
慎重論を説く医師の方が圧倒的に多数。
論争の中で擁護論の論文を書いた医師も確かにいるけれど
親の要望があるからやりたいとか実際にやったと名乗り出た医師も病院も存在しない。

未だ多くの批判が出て論争が続いている成長抑制に
早急にガイダンスを作らなければならないほど多くの医師や病院が熱心だというなら、
論文著者らには、そのエビデンスをデータで示す責任があるはずだ。

しかし、仮に彼らが言うように、やりたい医師が沢山いるとしても、
一体、それが成長抑制を正当化するのだろうか?

そういう医師が何人いれば、
成長抑制の倫理的妥当性が証明されたことになるというのだろう?

患者の自殺を幇助したいと明言する医師なら、そこらじゅうにいる。
そういう医師が一定の人数いれば、PASの倫理性、道徳性が証明されたことになる
とでもいうのだろうか。

誠実なリーズニングに基づいてものを考えるならば、
ガイダンスが必要とされる前に、成長抑制の一般化が
倫理的に妥当であると広く認められる必要があるはずだ。

それが認められるためには、
成長抑制療法の倫理性について誠実、公平かつ徹底的な議論が必要なはずだ。

成長抑制療法一般化の倫理性が公平かつ徹底的に議論されるためには、
アシュリーの個別ケースで行われた成長抑制だけでなく子宮摘出や乳房摘出を
なぜシアトルこども病院の倫理委が了承したのか、その議論の詳細が
きちんと説明され、誠実、公平かつ徹底的な議論において
しかるべく正当化される必要があるはずだ。

そのためには、アシュリー事件で起こったことについて、
あの中途半端なWPASの調査ではなく、もっと徹底した調査が改めて行われ
事実関係が明らかにされる必要があるはずだ。


③ そして、万が一にも、
それらが順次(今のWGの論理と逆の順番に)十分に行われた上で、
なおかつガイダンスが必要だという段階に、仮に至ったとしても、
このWGは、その任ではないはずだ。

半数がAshley事件を起こしたシアトルこども病院かワシントン大学の職員。
メンバーのうち3人は2009年に小児科学会誌に書いた論文で
自分たちの勝手なガイダンスをすでに提示し、3歳で親に提案すべきだと主張している。

Diekemaは第一例の担当医だし、
Fostも既に世界中に名の知れた成長抑制アドボケイトではないか。

仮にガイダンスが必要とされる段階がやってきたとしても、
その時には、関係者を排除し、まったくAshley事件と利害関係のない、
公平で徹底的な議論が担保される検討メカニズムが
第三者によって用意される必要があるはずだ。


これらの論理的な検証段階をすべて経るまで、
ガイダンスなど必要ない。

こんな段階で、わざわざ手前ミソのWGがガイダンスを作る必要は、さらさら、ない。

WG論文が前提しているガイダンスのニーズは、実際は
この論文がいう「親の要望を受け熱心にガイダンスを求める」医師や倫理委よりも
議論をAshleyの個別ケースから成長抑制一般へと摩り替えていきたいDiekemaらや
自分の考案した療法を早く広めようとジリジリしているAshley父のニーズではないのか。
2011.01.27 / Top↑
シアトルこども病院が組織した成長抑制WGの論文については
去年の11月、12月と既に非常に多くのエントリーを書いています。

その中から、論文そのものに対する疑問や、本文の内容について書いた主なものとしては

まだ論文を読む前のものとして
成長抑制WGの論文がHastings Center Reportに(2010/11/7)

アブストラクトのみを読んだ段階のものとして
成長抑制の対象はIQ25以下の重症重複障害児、とWG(2010/12/1)

論文を読んだ段階のものとして、
成長抑制WGのHCR論文:とりあえず冒頭のウソ3つについて(2010/12/8)
子ども病院成長抑制WGメンバーの正体(2010/12/8)


あまりにも露骨な作為に不快ばかりが募って
1度読んだ後は2度と手に取る気にもならなかったのですが、
もう一度読みこんでみようとチャレンジ。

すると、思った通り、ツッコミどころは、ほぼ数行置きに見つかる。
その腹立たしいことといったら……。

これは当初からDiekemaらの書いたものを読むたびに痛感することですが、

事実関係の把握が中途半端な人が、この事件の関連文書を読む際に、
うっかりDiekemaらの倫理学者としての誠実を信頼して読むと
もわぁ~っとした曖昧模糊の中で鼻づら引き回されて、
何となく納得したような気持ちにさせられてしまう。

逆に、
彼らは1つの作為を持ってこの事件を展開させてきているのだとの仮説に立って読むと、
この事件の膨大な資料にあまた存在する矛盾には、むしろ一貫性が見えてくるし
そこに彼らの作為が、くっきりと浮かび上がってくる――。


これより、いくつかのエントリに分けて、
WG論文の不実を指摘するシリーズを書いてみることにしました。

かなりの期間に渡って、
間に他の記事をはさみながら、断続的に書いていくことになると思います。

以下、前に書いた内容と重複しますが、重要なことなので、その1。


          ――――――

冒頭部分で、著者らはまず06年のGunther & Diekema論文とそれに対する批判について
論争の取りまとめのようなことを行っています。

そこの個所に既に3つの重大なウソがあり、それは
上記12月8日のエントリーで書いたように

① 主治医論文が成長抑制の倫理的正当性をきちんと論じてみせた、とのウソ。
② 主治医論文にアシュリーの最終身長の予測データが示されている、とのウソ。
③ 親のブログに対して批判が出たのは障害当事者とその支援者たちからだった、とのウソ。

この部分に続いて、その後の事件の展開に沿って
このWGがなぜ作られ、なぜこの論文が書かれるのかが説明されている。

その部分が、これまたマヤカシに満ちている。

それについて、「成長抑制WGの論文を読む 2」で。
2011.01.27 / Top↑
以下のエントリーで追いかけてきたフランスの自殺幇助合法化法案は
昨日、否決されたとのこと。

フランス上院、25日に自殺幇助合法化を審議(2011/1/13)
フランスの安楽死法案、上院の委員会を通過(2011/1/19)


賛成 142 vs 反対 170 。

差が小さいのが気になるけど、まずは、よかった。

French Senate’s rejection of assisted suicide and euthanasia is welcome
John Smeaton, SPUC Director, January 26, 2011/01/27


ブログ主はthe Society for the Protection of Unborn Children のディレクター。

1967年に世界で初めてのプロ・ライフの組織として立ち上げられ、
中絶、ヒト胚の実験利用、安楽死に反対している。

このニュースに関しては、
ここで英国が合法化などしたら、国際的な恥さらしになるぞ、と。
2011.01.27 / Top↑
去年5月に以下のエントリーでとりあげた話題の続報。

ベルギーで2年前にロックトインの女性、「安楽死後臓器提供」(2010/5/9)


Antwerp, Lerven と Liegeの大学病院の
Dirk Ysebaert, Dirk Van Raemdonck, Michel Meurisseの3医師が
12月にthe Belgian Royal Medial Academy主催のカンファレンスで
公然とプレゼンを行ったところによると、

2008年に公式に報告された安楽死者705人のうち、
約20%は神経筋肉障害の患者で、彼らの臓器は移植対象として比較的高品質だった。

このような安楽死者は
ベルギーにおける臓器不足の解決策として使える臓器プールである。

臓器提供を前提にした安楽死が通常の安楽死と異なっているのは
患者が自宅ではなく病院で死にたいと望むこと。

(いや、それを望むのは患者ではなく臓器がほしい医師のはずだけど)

医師らは既にプロトコルを作っており、

安楽死の要望と、その方法と、臓器摘出とは厳密に分けられなければならない。
ドナーと親族の両者の同意が必要。
安楽死は神経科医または精神科医と、病院所属医師2人によって行われる。
臓器摘出は3人の医師が死を臨床的に宣告した後に行われる。
職員の参加は自発意思によるもの。(個人的信条から拒否することができる、の意?)

Belgian doctors harvest high quality organs from euthanased patients
BioEdge, January 26, 2011

(プレゼンのリンクがあるのですが、ちょっとヤバい感じになって、読めない。)

なお、去年5月段階でWesley Smithが手に入れていた情報は
08年のTransplantation誌に掲載された書簡だったのですが、

同誌には2006年にも医師らは以下の論文を掲載しており、

Organ Procurement After Euthanasia Procedure
Transplantation: July 15, 2006 – Volume 82 – Issue 1 – ppg 1011


アブストラクトは ↓

http://journals.lww.com/transplantjournal/Citation/2006/07152/Organ_Procurement_After_Euthanasia_Procedure.2883.aspx

(字が小さすぎて読めない。印刷してみたけど字が薄過ぎて読めない)

たぶんSmithが書簡を見つけたのと同じ号と思われる
08年7月27日の論文もリンクされているのですが、
こちらはエラーになって開けません。

これら情報を読んだBioEdgeブログ主によると、
2005年から2007年の間に3人の患者が安楽死し、臓器提供にも同意したとのこと。



【関連エントリー】
「生きた状態で臓器摘出する安楽死を」とSavulescuがBioethics誌で(2010/5/8)

このSavulescu論文、手に入れてくださる方があって
かなり前に読んでいるのですが、なかなかまとめる時間がとれずにいます。
2011.01.26 / Top↑
その名も「修士号」というブログが
「科学の学生必読の秀逸ブログ50」を選んでいる。

50 Excellent Ethics Blogs Every Science Student Should Read
Masters Degree, December 14, 2010


当ブログでも何度も取り上げているWhat Sorts of Peopleブログが入っている。
私もAshley事件しか書けないけど筆者の一人に加えてもらっているし、
ここに選ばれた他のバリバリの科学とテクノ系ブログとは一味違うところだけに
これは嬉しい。


既にときどき覗いているブログとしては

Wesley SmithのSecondhand Smoke

Hastings CenterのブログBioethics Forum


いくつかA事件でおなじみのトランスヒューマニズム系のブログも、
まぁ、入るわな、やっぱり。

http://www.ieet.org/index.php/IEET/IEETblog

http://www.acceleratingfuture.com/michael/blog/


その他、目についたものを覗いてみた中で、
これは今後ときどき覗いてみようと思ったのは

http://www.bioedge.org/index.php/site/

http://bioethics.com/

http://www.bioedge.org/index.php/site/

http://blog.practicalethics.ox.ac.uk/
2011.01.26 / Top↑
VT州の自殺幇助合法化法案のゆるさをWesley Smithが指摘している。その同じゆるさがOR州で既に違法な自殺幇助を現実にしている事実も。
http://www.firstthings.com/blogs/secondhandsmoke/2011/01/24/vermont-assisted-suicide-bill-the-usual-loophole-scam/

中国の新保健相の課題は介護保険法の成立。
http://www.chinapost.com.tw/taiwan/national/national-news/2011/01/25/288990/Long-term-care.htm

末期の肺がん患者に医療職が、痛みや体力低下、息苦しさや咳、不眠、口の渇きなどのな症状管理を真面目に行えば、QOLを上げることは可能。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214446.php

パキスタンでボリオの感染率が65%も上がったため、5歳以下の3200万人にワクチン接種へ。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jan/23/pakistan-polio-jabs-32m-children?CMP=EMCGT_240111&

アフリカで肺炎の新しいワクチン。ゲイツ財団もシアトルこども病院もパートナーであるGAVIによると、まずは19カ国から。
http://www.bbc.co.uk/news/health-12263356

感染の前であれ後であれ有効な結核のワクチンがデンマークの科学者によって開発されつつある。:ニュース・レターがBBC内のトラブルを理由に止まったままなので、BBCを覗くのは久しぶりだけど、相変わらず、ここならではの「科学とテクノ」関連記事。しかもワクチンだらけときた。やっぱり時代のビジネス・トレンドはワクチン。
http://www.bbc.co.uk/news/health-12224172

認知症の母親(70)が急に痩せて体重が減ってきたことを疑問に思った家族がこっそりビデオ・カメラを設置してみたところ、ヘルパーが母親の食事を横取りして食べている姿が録画されており(それも、おなかをすかせている本人の目の前で)、高齢者虐待で起訴。でも、ご本人は結局亡くなった模様。娘さんが「(在宅)介護が大変だからヘルパーを頼むのに、こういうことになると、自分たちで全部やっていたら、こんなことにはならなかったのに、と思ってしまう」。
http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-12264415
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/northern-ireland/carer-ate-alzheimer-womans-food-15062869.html

英国アルツハイマー病協会が、在宅介護サービスが不十分で不適切だから、そのために施設入所を選ばざるを得ない実態を指摘。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/jan/25/dementia-care-homes-early?CMP=EMCGT_250111&

米最高裁が中絶に関する女性の選択権を認めたRoe v. Wade判決から38年。Obama大統領が女性の選択権支持を確認。
http://content.usatoday.com/communities/theoval/post/2011/01/obama-recalls-roe-vs-wade-backs-abortion-rights/1?csp=Dailybriefing

DNAのシークエンシングだけでは病気の理解はできない。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214540.php

幻覚に悩まされていたショパンはてんかん持ちだったのでは、とスペインの研究者らが。
http://www.bbc.co.uk/news/health-12265573

英国のキャメロン首相に、メディア王ルパート・マードックとの関係が取りざたされているさなか、Daily Mirror誌に政治家の電話盗聴の疑惑。
http://www.guardian.co.uk/media/2011/jan/25/phone-hacking-scandal-dpp-inquiry?CMP=EMCGT_250111&

米国でまた乱射事件。今度はWA州ポート・オーチャードのウォールマートで。2人死亡。警官2人が負傷。
http://www.usatoday.com/news/nation/2011-01-23-walmart-shooting_N.htm?csp=Dailybriefing

BBCオンラインが2013年までに360人のリストラで予算を25%カットへ。
http://www.guardian.co.uk/media/2011/jan/24/bbc-online-job-losses?CMP=EMCGT_250111&
2011.01.25 / Top↑
ウチの娘は強情だ。

飲み物にしろ食べ物にしろ、
「要らない」と言ったら絶対に口を開けない。
断固、ゼッタイに拒絶する。

でも、親としては、
どうしても、お茶だけは飲んでほしい時がある。

熱を出している時の水分補給はもちろんだけど、
夕食後の抗けいれん薬を飲んだ後なんかにも、
歯磨きをする前にお茶を飲んで口の中の薬を流してほしい。

ミュウは、わずかにとろみをつけたお茶を
幼児用のマグマグ(ストロー・タイプ)で飲む。

ついでながら、恐ろしく長い時間をかけて飲む。

長い時間じっとマグマグと娘の頭を支えて耐える能力が母親は乏しいので、
万事において忍耐力と寛容が妻よりも勝る父親が担当してくれる。

すぐにネを上げる母親にはミュウも信頼が持てないらしく、
「今日はお母さんと飲もう!」などとマグマグを持って行くと
「おとーさーん、おかーさんがあんなことを言ってるぅ」と目で父親に助けを求める。

しかし、傍目には分かりにくくても、
ミュウにお茶を飲ませるのがいかにしんどい仕事かは知っていて
日ごろから申し訳なく感じているだけに、

「いやだ、いらない」と拒絶を続ける娘に父親が手を焼いていたりすると、
母親としては、せめてもの援軍として駆けつけることにしている。
そして、「ミュウ、ほら、ほんのちょっとだけでいいから。
ね、一口だけ、飲も、ね、ね」などと、2人がかりで、なだめすかす。

たま~に、2人がかりの懇願口調に何を思うのか、
「まぁ、そうまで言うんだったら……」という顔で
ストローをしぶしぶ口に受け入れてくれることがある。

で、そういう時、
こいつは本当に「一口だけ」ちゅっと吸ってみせると、ストローを吐き出すんである。

あとは脅そうがすかそうが、2度と口をあけない。
「一口というから一口だけ飲んでやったぞ」と澄ましている。

だから、私は
この子は「1」だけは分かっている、と前からずっと思っている。

「ひとつ」vs「たくさん」または「すこし」vs「たくさん」という
分かり方をしているのかもしれない、と思ったりもする。

で、この週末――。

例によって、夕食後の薬を飲んだ後でミュウがお茶を拒否。
夕食の片づけものを放って父親の救援に駆け付けた母は、
なんてことない思いつきで、娘に言ってみた。

「ミュウさん。じゃぁ、こうしよう。5口だけ。(ここで手をかざし、1つずつ指を折って見せながら)
ちゅ、ごっくん。ちゅ、ごっくん。ちゅ、ごっくん。ちゅ、ごっくん。ちゅ、ごっくん。
これだけでいいよ。5口だけ。それで手を打とう。どう?」

すると、いつもと違う戦略に心が動いたか、
ミュウはしぶしぶながら、まれに見る素直さでストローを口に含んだ。

ちゅ、と一口。……ごっくん。
「はい、いちー」(指を折る)

ちゅ、ごっくん。
「にー」(指を折る)

ちゅ、ごっくん。
「……」

……ちゅ……? 困惑し、横目で母親をチラっと見る。

(えへへ……あんまり素直に飲んでくれるもんだからさ、つい……)
「さんー」

ちゅ……ちゅ……ちゅ……横目が「あれぇ?」と言う。
「よーん」

ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ……目が「こらぁ」と言う。
「ごー」

その瞬間、ミュウはストローを口から出した。

その瞬間、私は確信したね。この子は「1」だけじゃない……。
でも、「1」だけ、だろうと、「5」も、だろうと、まぁ、そんなのは、どうだっていい。

我が家には、時々こういう、なんだかうまく説明できないけど、
「おとーさん、今の、見た?」「うん。見た、見た!」的な出来事が起こる。

たった今、あたしたち、ちょっと面白いものを見たよね!
夫婦とも、そんなハレの気分になるような。

23になった娘は、そんな両親を
「あほくさ……」と眺めているのかもしれないけど、

ミュウさん、未だに新しいあんたを発見できる瞬間が、
父と母には、他では絶対に得られない、極上の娯楽なのだよ。

だって、ねー、おとーさん、ウチの子、えらいよねー。すごいよねー。ねー。うふ、ふ。
2011.01.25 / Top↑
スコットランドの国際劇場が春に“Girl X”というタイトルで
Ashley事件を題材にした演劇を上演する。

どういう立場の人か確認していないのだけど(脚本家?)
国立スコットランド劇場のブログ担当者のRobert Softley氏が
2007年の論争時にこれで演劇をとのアイディアを思いつき、
劇場に持ち込んでOKをとり、脚本にも参加。
この4年間の準備期間を経て、今回リハーサル中とのこと。

この問題を世の中に広く知らしめるべきだと思いついたことだったけれど、
もちろん演劇として楽しめるものにする必要もあるし、
その2つを両立させながら、基本的には論争の背後にある情熱を描く……

……って、ワケのわからない説明になっているので、
実際にどのような描き方になるのか、ちょっと不安。


Robert Softley’s Girl X blog – Part 1
National Theatre of Scotland
2011.01.24 / Top↑
製薬会社から新薬が出てくる速度が遅すぎると、Obama政権が政府機関として新薬開発センターを立ち上げることを決めた。:いよいよ製薬業の国際競争が過酷になって、なにがなんでも勝者となるために米国はこういう手を打つ、ということ? で、そのマーケットを国内だけじゃなく、日本とか途上国とか、そういうところに求めるつもり?
http://www.nytimes.com/2011/01/23/health/policy/23drug.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23

最近のWakefield論文叩きから、NYTのコラムニストが、米国の親のワクチン不信はWakefield論文よりもはるかに前からあった、この不信を払しょくするためには、ワクチンに伴うリスクと利益の両方を正直にきちんと説明して親を説得する姿勢が必要、と。:リスクがあるということ自体が日本では全く語られないけど。
http://www.nytimes.com/2011/01/21/opinion/21willrich.html?pagewanted=1&nl=todaysheadlines&emc=tha212

ネブラスカでは、遠隔医療で中絶薬を患者に届けるシステムを禁じる法案、ニューハンプシャーでは、子どもが中絶を望んだ場合に親に連絡することを求める法案、オハイオではン妊娠後期の中絶を禁じる法案。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214239.php

銃乱射事件があったアリゾナ州の知事さんには、統合失調症の息子があり、メンタル・ヘルスには力を入れてきた人なんだとか。ところがこのところの種財政のひっ迫で、他の州と同じくメンタル・ヘルス・サービスを実際には縮小せざるを得なかった。が、今回の事件で、その縮小策が批判を浴び、見直しを迫られている。
http://www.nytimes.com/2011/01/21/us/21mental.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23

オーストラリアの高齢化に関する記事なんだけど、タイトルにそこはかとなく非難の響きがあって「高齢化するブーマーズのおかげで我々の負担は18億ドル」。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/ageing-boomers-to-cost-us-18b/2054759.aspx?src=enews

日米豪の3国が諜報活動で連携強化の方針。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/australia-us-japan-watching-the-rest/2054762.aspx

中日新聞が、「胃ろう」に関して真面目な連載を始めている。

1 認知症 早すぎる医師の判断
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110105161319249
2 家族、現場の葛藤 必要な処置か延命か
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110112142307757
3 広がる拒否感 「管」=「終末」との誤解
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110119145604991

【胃ろう関連エントリー】
ヘンだよ、Ashleyの胃ろう(2008/12/20)
有吉先生の卵焼き(2008/12/23)
食事介助の時間短縮策としてのみ語れる胃ろう(Wilfond論文)4(2009/4/27)
認知症が進んだ人の胃ろう、利益と害の検証が不十分(2009/4/27)
「ケアホームのコスト削減で安易な胃ろうが強要されている」と英内科学会(2010/1/7)
ETV特集を機に「胃ろう」について書いたエントリーをまとめてみる(2010/7/26)
“栄養補給所”を作って「業務がはかどる」と胸を張った師長さん、「胃ろう検討は十分な看護ケアをしてから」と主張した師長さん(2010/7/26)
在宅医療における終末期の胃ろうとセデーション(2010/10/6)
2011.01.23 / Top↑
シアトルの誰かの意を受けて、米国でワクチン拒否する親は裁判にかけろと息巻いているDiekema医師のことだから、まぁ、予想される行動と言えば言えるけど、BMJのサイトに18日付でアップされているのが、Diekemaら3人の論説。たぶん主著者も同じ所属。つまりシアトルこども病院/ワシントン大学。タイトルはAssuring research integrity in the wake of Wakefield 3種混合ワクチンの自閉症犯人説を流したWakefield論文の後に、いかにして研究の信頼性を担保するか……。 Diekemaに、他人の論文のマヤカシを非難する資格があるのか、と呆れる。研究や論文が偽りだと、科学そのものの信ぴょう性が傷つけられるのだとか、「真実を求める権利とは、真実と分かったものについて、いかなる部分も隠ぺいしてはならない義務のことでもある」というアインシュタインの言葉まで引っ張ってくる鉄面皮。アンタね、Ashley事件で自分がやっていること棚に上げて、それを言うのかよ。ったく。
http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2.full

スイスで自殺のための薬を処方箋なしに薬局で買おうとして、売ってもらえなかった精神障害のある男性が、裁判でも敗訴し、認められないのはプライバシーの権利を侵しているとヨーロッパ人権裁判所に提訴していた件で、男性が敗訴。:スイスも、なんもかもデタラメというわけでもない。何もかもデタラメは Dignitasか。国際自殺ツーリズムだって、目的地はDignitasなんだし。
http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2.full
http://www.swissinfo.ch/eng/news_digest/Suicide_appeal_dismissed_by_European_court.html?cid=29292862

コロラド州デンバーで自殺幇助事件か。その後、8日にMSの妻Carol Morrisさんが強い麻薬を飲んで自殺。翌日、夫の方も死んでいるのが見つかった。少し前に、Raymondさんがそれらしいことを言い出したので、娘婿が警察に電話をして、夫妻が事情を聞かれたことがあったらしい。家族はそうした経緯から自殺幇助の後で自殺したのでは、と。
http://www.9news.com/news/article.aspx?storyid=176877&catid=339

英国では介護費用をねん出するために家を売るというのはとっくに珍しいことじゃなくなっているらしいけど、豪でも、家を担保に介護費用を借りたら? と政府が提案するつもりらしい。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/agedcare-report-eyes-homes/2053841.aspx?src=enews

「いつか読みたい」と拾ってはそのままになるものばかりだけど、有名なタスキギの人体実験(黒人梅毒患者に治療していると見せかけて治療しなかった場合の進行を観察していた。米国医療の黒人に対する差別・虐待の代名詞になった実験)の全貌をまとめた1996年の論文がネットで全文公開されている。
http://www.hsl.virginia.edu/historical/medical_history/bad_blood/report.cfm

タスキギ実験については、こちらに簡単にまとめている ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/50487163.html

闘病記研究会というのがあることを初めて知った。
http://blogs.yahoo.co.jp/akihito_suzuki2000/60639747.html
2011.01.23 / Top↑
20日の朝日新聞に「教えて! ワクチン助成」という記事があり、
副題に「Q副作用は? 深刻な事態に陥った報告はなし」とある。

その中に、報告された事例の件数が挙げられていたので、一応メモ。


ヒブ・ワクチンは
推定140万人が摂取して、44例。

小児肺炎球菌ワクチンは
推定70万人が摂取して、42例。

HPV(子宮頸がん)ワクチンは
推定40万人が摂取して、81例。


ヒブと肺炎球菌は発熱やけいれんなどが多く、
HPVでは発熱や失神が目立つが、
深刻な事態に陥ったという報告はない。

2011.01.23 / Top↑
米国の「無益な治療法」といえば、
なんといってもテキサスの事前指示書法(別名:無益な治療法 1999)のようですが、

当ブログではこれまで、他にも少なくとも2州にあるとの断片情報を見つけており、
いったい本当のところ、どれだけの州に同様の法律があるのか
ずっと知りたいと思っていました。

長らく探していたのですが、やっとその情報にヒット。
それだけではなく、法学者が米国の無益な治療論について40分に渡って解説してくれるという
なんとも贅沢な講演を見つけたのです。うっしし。


2008年11月7日にオクラホマ大学で行われた
the Second Annual Bioethics Conference“Bioethics and the Law”で、
St.Johns Medical Centeの法学者Jan Slater-Andersonの講演ビデオ。

Managing Patients or Families Who Demand Medically Futile Care: Ethics and the Law

以前は原稿なのか、それが論文になっているのか、文書をブクマしたのだけど、
いつのまにかファイルがリンク切れになっていて、ビデオだけになってしまった。
さっさと印刷しておけばよかった。


とりあえず前半を聞いたところで、
今日のところは一番の関心事だったことのみをメモ。

現在、
医療提供者と患者または代理人との間で治療に関する意見が対立した場合について
法律で何らかの対応をしているのは以下の11州。

(講演では10州と言われ続けているのですが、同時に示されるのは以下の11州。
後述する理由でテキサスを特例として、残り10州と区別しているのかも?)

アラスカ
カリフォルニア
デラウエア
ハワイ
メーン
ミシシッピ
ニュー・ジャージー
ニュー・メキシコ
テネシー
テキサス
ワイオミング

もちろん詳細はいろいろと異なっているが、

10州すべてが、
「医学的に効果がない」または「医学的に不適切」な治療を拒否することを
医療提供者に認めている。

ただし、治療を「医学的に効果がない」または「医学的に不適切」と決定した段階で、
速やかに患者または代理人に通知することや、

患者の希望に沿った治療を受け入れる医療機関に患者を移送するまで
生命維持治療を続けることなどを義務付けており、

対立が解決しなかった場合に、最終的に(患者や代理人の意思に逆らって)一方的に
生命維持治療を中止することを医療提供者に認めているのはテキサスだけ。


他にも色々、各州法の違いが解説されているのだけど、
あまりにも違いが微妙な上に、早口で、私には1度では分からない。
今後の必要に応じて、もう一度聞くか、文書になったものをもう一度探したい。

ともあれ、「無益な治療」法と呼ぶにふさわしい、
えげつない切り捨て合法化をしているのはテキサスだけなのですね。
悪名が高いはずだわ。

それから、この講演の中で印象的だったのは、

無益な治療の無益概念の定義は今だに確立されたものがないこととか
患者のオートノミーだけでなく、医師のオートノミーも尊重される必要があることとか、
量的無益論では治療の成功率5%がラインになることが多いとか、
無益性を誰が、どういう基準で判断するのかが明確ではないことなどに加えて、

特に、Norman Fostが大好きな、患者のQOLの低さを基準にした「質的無益」について、
医療職だけが判断すると差別に結び付く危険性が指摘されていた。

Norman Fostの「無益な治療」論については
生命倫理カンファレンス(Fost講演 2)(2007/8/25)
Fostのゴーマン全開 13日午前のパネル(2007/9/12)
「Kevorkianだってすんなり起訴されなかったんだから医師は安全。障害新生児に“無益な治療”するな」と説くFost(2010/8/5)


あと、うわぁ、やっぱり……? と思ったのは、

現在は「死にゆく患者 dying patient」を対象に議論されているが、
徐々に「死に瀕していない患者 non-dying patient」が対象になっていくだろう、

それから無益な治療論の舞台も、
病院からナーシング・ホームへとシフトしていくだろう……って。

そういうことなんだろうと、思ってはいたけど、
でも、それって、「死の自己決定権」が如何にウソ八百か、ということでしょう。

この講演がどっちの方向に向かって締めくくられていくのか、
また、いずれ態勢を整えてから後半も聞いてみます。

       ――――――

ちなみに、08年から09年にかけて、
アイダホ州でも無益な治療法制定の動きがあったのですが、なんとか流れたようです。

ただ、こちらの法案は明らかにnon-dying patients も対象に
質的無益論をベースにして、障害者の治療はしないよ、というものだったみたい。

Idaho上院、発達障害者の治療「無益または非人間的なら差し控え」と全員一致で(2009/3/4)
Idaho州上院で「無益な治療法」可決(2009/3/11):法案が最終的に流れたことは追記に



ついでに、無益な治療法の概要をまとめた以下のサイトも見つけた。
http://en.citizendium.org/wiki/Futile_care

ここによると期限を切ることを認めているのはテキサスとヴァージニアだけ、と。

不思議なのは、ヴァージニアは上の11州の中に入っていないことなんだけど、
私が前にヒットした情報のカケラでも、テキサスとカリフォルニアとヴァージニアになっていた。

やっぱり内容がそれぞれ違うから捉え方によるのかしら????
そのあたり、いずれ確認できたら、また追記します。

なお、このサイトの末尾に文献6本リンクされています。
2011.01.23 / Top↑
英国Bristol在住の6歳の重症障害児の母親 Riven Vincentさんは、
地方自治体の社会サービスにレスパイト・サービスを増やしてほしいと要望していたが、
昨日20日に、これ以上のレスパイトは増やせないとの回答を文書で受け取った。

頭にくると同時にパニックしたVincentさんは、その日のうちに
社会サービスに電話をして、それなら入所施設を探したいと申し込みをした。

そして、インターネット上に
「ウチの娘を施設に入れてちょうだい、と社会サービスに頼みました。
レスパイトの追加はできないというんです。それなら私はやっていけません」と書きこんだ。

これが反響を呼ぶ。

特に、昨年の政権交代が実現した選挙の期間中、
Cameron現首相が選挙活動の一環で彼女の家を訪れて面談し、
障害児を害するような施策はとらないと約束していたことが判明するや、
連立政権の社会福祉削減策への反発も手伝って、ネット上での非難は過熱。

この訪問は、
選挙期間中にオンラインで障害児の親と対話をもったCameron氏が
重症障害のある我が子のオムツ代がどれだけ支給されているかを知らなかったことから、
ウチに来れば教えてあげるのに、とネットにお茶への招待を書きこんだところ、
本当にやってきた、というもの。

その時、自分が首相になったら
1日オムツ4枚の支給制限を外すよう地元のプライマリー・ケア・トラストに手紙を書くと
約束もしたらしい。実際に首相になっても4枚制限は変わっていないけれども。

オムツ代はともかく、Vincentさんは
施設に入れると介護費用は毎週2000から3000ポンドかかるのに対して
在宅でケアすればヘルパーは1時間15ポンドで済むのに、と。

娘のCelynちゃんは全介助で、
経管栄養、歩くことも話すことも座ることもできず、
腕も使えず、排泄も自立していない。移動はリフトを使用。

VincentさんがCelynちゃんの介護について語っていることを以下に抜き出すと、

(Celyneの呼吸モニターの傍で寝ているので、とぎれとぎれにしか眠れない)日々が
7年間も続いて疲れ果て、母親の方がぐったりエネルギー不足になっている。

「(施設に入れるという選択は)母親として私自身にとっても大きな痛手になります。家族のいる家に置いてやりたいです。まさか自分がここまでになるとは思っていませんでした。娘を施設に入れたくないです。そんなことになったら、私は立ち直れないと思います。でも、これ以上の支援がないとなれば、家で娘のニーズに応えるのは難しい」

施設入所の決断は単純ではなく、まだ最終的に結論を出したわけではないが、
もうそれ以外にやりようがない。

Celynのケアは「過酷」。

「誰かが24時間つきっきりにならないといけないんです。
Celynは成長しないんですから」


ネットでの非難を受け、首相の秘書官は
Vincentに手紙を書くこと、自治体に圧力をかけることを約束する一方で、
しかし、これは地方自治体の問題である、と。

また今後、障害児の親のレスパイトには既に8億ポンドの予算を約束しています、とも。

もっとも、この予算は使途の制限を付けずに地方に降りるので
必ずしもレスパイトに回るとは限らないとの指摘も。

Mother who met PM asks to put disabled daughter into care
The Guardian, January 19, 2011


問題は連立政権が進めている社会保障縮小からくる制度的なものだと思われるので、
この人、よく声を上げたなぁ、えらいぞ、勇気があるぞ……とも思うし、
それにネット世論がうまく反応してくれて、こうしてクローズアップされ
首相広報官のところにまで話が上がっていったことには、
同じ親として、しめしめ……という気分がないわけではないけど、

でも、なぁ……と、どうしても今ひとつ全面的にこの話にノリ切れないのは、

① 「これをしてくれないなら、こうしてやる」という、一種の脅しに聞こえること。
② これは個別ケースの問題なのか、という疑問を感じてしまうこと。

以上2つの点で、
「私が死にたい時にスイスに付き添ってもウチの旦那を罪に問わないと
法を明確化して保障してくれないなら、まだ行きたくはないけど、
私は自分だけで行ける早いうちにスイスに行って死んでやる」と
言い続けたDebbie Purdyさんのヤリクチに通じるものを
そこはかとなく感じてしまうから。

あくまでも個別ケースの問題として考えるならば、
仮に英国の法律が明確化されない場合に、スイスに行って死ぬ計画を早めるなら、
それこそ自己決定であり誰の責任でもないだろうに、

「まだ死ななくてもいいし、死ぬ予定もなかった時期に
あたしが早々とスイスに行って死ぬことを決めたら、
それは夫の不起訴を約束しなかったあなたたちの責任だからね」とばかりに
英国政府の責任だと当てつけて、それを駆け引きに使うのは筋違いだろう。

Vincentさんの「レスパイト増やしてくれないだったら、施設に入れます」というのも
通知を受け取った日の内に社会サービスに電話をかけて、そう言い、ネットにもそう書きこんだもので、
決して親として熟考してのこととは思えないし、
そこまでさせる行政をそういう形で責めて動かそうとしているだけのような……。

で、そんなふうに罪悪感によって相手を操作しようとする戦術が入ってくるのは、
私はPurdyさんにしろVincentさんにしろ、個人的な問題と捉えているからなんだろうという気がする。

そして、Vincentさん自身だけでなくネット世論も、首相広報官までもが、
この一件をVincentさん一家の個別の問題としてしか扱っていない、
というところにも違和感がある。

インターネットで騒ぎになっているからといって、
首相の広報官がVincentさんの地元の社会サービスに圧力をかける、などと言いだすのは
まったく筋の通らない、おかしな話だし、

仮に、それで追加のレスパイトが認められたとしたら、
Vincentさんは納得して、ネットで非難している皆さんも「めでたし、めでたし」で
この件は落着するのか。そういう問題なのか。

じゃぁ、Vincentさんと全く同じ境遇に置かれている多くの重症児の親はどうなるの――?

みんな、それぞれにインターネットで窮状を訴え、世論を動かさなければならないの?
それぞれに首相に直接訴えていけ、というの?

最近めっきり少なくなったけど、
日本のメディアが障害児を美談に祭り上げる時にも、いつも同じ疑問を感じてきた。

○○ちゃんがテレビで天使のようだとクローズアップされ、世間の話題になり、
そうするとボランティアをやりたい人たちが、どわっと世間から沸いて出る。
でも、その大半は○○ちゃんのボランティアをやりたい人たちで、
○○ちゃんちの近所に同じような障害のある子どもがいたとしても、
その子になんか興味があるわけじゃないのね。

なんか、そういうズレ方みたいなものが
この一件にも、そこはかとなく漂っているような……。

それから、もう一つ。

この展開、
Vincentさんの家庭の事情とか、現首相との因縁とか、
ネットで書き込みのトーンとか表現とか、
書きこんだネット上のサイトの性格とか、
その日その時のそのサイトの空気とか、
そういう、何か、ちょっとしたことが違っていたら、

案外、誰か一人が
「もう自分で面倒見れないっていうんだったら、勝手に入所させろよ」と言い放ち、
そうすると今とは全く逆の、そっちの方向に周りの反応がわっと振れてしまった可能性だって
今の英国社会の空気にはあるんじゃないのかなぁ……。

なんとなく日本の“タイガー・マスク運動”を連想してしまった……。

          ――――――

日本の重症児の親たちの多くが十分な支援がないまま
Vincentさんのように「もう自分にはやっていけない」というところに
(もしかしたら、それ以上に)追い詰められていることを
追記しておきたいと思います。

報道を読んでいると、不足ばかりが言われているような印象を受けますが、
専門家ならぬ私には詳細までは分からないものの、たぶん英米の支援のベースラインは
日本よりもかなり高いのではないかと私は常々感じています。

たとえば、07年の英国のKatie Thorp事件の際に
当時15歳のKatieがどれほどの支援を受けていたか、
こちらのエントリーから抜き出してみると、

・知的障害児の学校からの帰りはタクシーを利用。
・週に1度は「ティーンズ・クラブ」に通い、定期的にお出かけにも連れて行ってもらう。
・時々家族のレスパイトのためにKatieを預かってもらう。

英国の福祉については、
「イギリスではなぜ散歩が楽しいのか」という本から(2009/3/9)
英国の介護者支援に思うこと(2008/7/4)

特に英国の介護者支援は法制化されており、
それらについてのエントリーはこちらとかこちらのシリーズにまとめています。

また米国の重症児への支援の実態については
Ashleyケース、やはり支援不足とは無関係かも(2008/12/8)
米国IDEAが保障する重症重複障害児の教育、ベースラインはこんなに高い(2010/6/22)

2011.01.23 / Top↑
この動き、見逃していたけど、豪の首都特別区で出されていた自殺幇助合法化法案は否決される見通し。:いいね!
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/euthanasia-bill-bid-doomed/2052593.aspx?src=enews

あれこれ気に入らない発言の多い哲学者のMary Warnockが、DPPのガイドラインはおかしいと指摘。ただ、主張は合法化。素人が愛情さえあれば、自殺を手伝ってもいいって、そんなこと言ってたら、失敗して死に切れない人が出るに決まっている。だからちゃんと法改正をして、医療職によって安全な死を保障しましょう……って。:確かに、あのDPPのガイドラインはものすごくおかしいと思う。善意でやることなら家族が勝手に患者を死なせてもOK。そんなの、アリです? でも、だからといって、安全に死ねるかどうかとか、なんで死に方の問題にするのよ?
http://news.uk.msn.com/uk/articles.aspx?cp-documentid=155902397
http://www.google.com/hostednews/ukpress/article/ALeqM5g02wlJBLXCiZCkcjBlOuL3Y-n5Ng?docId=N0246461295447248280A

オレゴン州が財政赤字のため、高齢者ケアの予算をカットすることに?:またまた「あなたは高齢のためケアは提供できませんが、自殺幇助ならOKですよ」って、通知を送るのか?
http://www.dailyemerald.com/news/oregon-s-budget-deficit-may-lead-to-more-cuts-in-elderly-care-1.1903614

去年通したObama大統領の医療制度改革法案を、共和党優勢に転じた下院が投票で廃止に。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jan/20/republicans-repeal-healthcare-reforms-vote?CMP=EMCGT_200111&

若者の多くが仕事がなくて食い詰めているというのに、英国の銀行がまたまた多額のボーナスで国民感情を逆なで。
http://www.guardian.co.uk/business/2011/jan/19/bankers-10bn-unemployment-record-high?CMP=EMCGT_200111&

英国の政治家から「イスラムへの偏見はあって当たり前」との発言。
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/jan/20/lady-warsi-islamophobia-muslims-prejudice?CMP=EMCGT_200111&

環境保護団体に潜入していた囮捜査官が団体職員と恋に落ちて結婚。そんなことはプロのすることじゃねぇ、と警察長官。:笑い事じゃないのだろうけど、こういう話は、なんか、いいね!
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/jan/19/undercover-policeman-married-activist-spy?CMP=EMCGT_200111&
2011.01.23 / Top↑
昨日の補遺で、この日本で子どもたちが所在不明となっているニュースを取り上げた。

いつもお世話になっているガウタマ・シンラン・ソリドゥスさんが
その話題でちゃんとしたエントリーを書かれているのを読ませていただいていたら、

確かに、ここのところ世界中から「奴隷労働」の話が出てきているんだよねぇ……と
改めて気になってきたので、自分のブログの中をちょいと検索して、
当ブログが知る限りの概要を眺めてみようと思いたった。

(たまたま連想が繋がったので
世界で起こっていることを見渡してみようというだけで、
日本で不明になっている子どもたちのニュースに関して何の根拠もなく
「彼らは奴隷労働に連れて行かれている」などと言いたいわけではありません。)


まず、補遺で拾った「奴隷労働」に関する記事が、こんなにあった。

どの国で起こっているか。どの国から人が流れて行っているか。
なんとなく1つの流れのようなものが見えてくる気がする――。

① 中国:レンガ工場で25歳から45歳の知的障害者32人が奴隷として働かされていた。2007年にも1000人の知的障害者が奴隷労働から救出された事件があったらしい。町を歩いている知的障害者をさらって売り払っている組織がある……みたいな話。
http://icad.wordpress.com/2009/05/23/32-slave-laborers-rescued/
(09年6月13日の補遺)

② アイルランドの高齢者問題関連機関から、人口高齢化に伴い、移民介護労働者が不可欠で貴重な存在となる、との報告書。:これ、既に起こっているけど、貧乏国の国民が金持ち国で介護・家事・子育てを担う奴隷労働者にされていく構図。前にカナダの国を挙げてのプログラムをちょっと調べたけど、本当に酷い実態だった。06年12月の「介護保険情報」に書いた文章をアップしようと思いながら、まだ机の横に転がったままだけど、これ、やっぱり近くアップしよう。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/165431.php
(09年9月30日の補遺)

③ で、その後アップしたのが、06年12月に「介護保険情報」に書いたこちらの文章。
“現代の奴隷制”輸出入される介護労働(2009/11/12)

④ 「奴隷労働」と呼ばわるのは失礼かもしれないけど路線としては同方向の記事。
「パリの女は産んでいる」から考えたこと(2010/2/23)

⑤ 夕方のニュースで見た件。香港のIT関連工場で、従業員の若者の自殺が相次いでいる問題で、アップル、HP、デルの3社が労働環境の調査に 乗り出す、と。:グローバリゼーションとネオリベで奴隷労働が広がっている。でも、夕方のニュースのコメンテーターは「中国では一人っ子政策で子どもの数 が減って、若者がたくましさを欠いているんじゃないか」と、またまた自己責任におっかぶせるような、たわけたコメントを。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/05/26/AR2010052604793.html?wpisrc=nl_cuzhead
(2010年5月27日の補遺)

⑥ ハワイの農場で、タイから好条件を謳って連れてこられた労働者に強いられていた奴隷労働が明らかに。
http://www.nytimes.com/2010/09/21/opinion/21tue4.html?th&emc=th
(2010年9月21日の補遺)

⑦ 英国のWorcestershireの農場で、ルーマニアの子ども7人が奴隷労働させられているのが見つかり、保護された。9歳から15 歳。凍えるような寒さの中、防寒できる服も着せられず、働かされていたらしい。大人も50人ばかり。農場労働者の手配師のことをどうやら gangmasterと呼ぶらしくて、the Gangmasters Licensing Authority(GLA)という役所が監督しているんだとか。:奴隷労働と人身売買、実は私たちのすぐ身近にまで広がってきているのかもしれない。子 どもたちにとって世の中全体が虐待的な親のような場所になっていく。
http://www.guardian.co.uk/society/2010/oct/24/children-working-in-freezing-field?CMP=EMCGT_251010&
(2010年10月27日の補遺)

⑧ イタリアで不法移民を入国させていた一味を摘発。ドイツ、フランスでも更に逮捕者が出る見込み。入国させていた移民の多くがアフガンの子どもたちだとのこと。人身売買、奴隷労働、ここにも。一味が国際テロと関与しているとの話も。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-12178074
(2011年1月13日の補遺)


その他、奴隷労働に関する記事としては、

restavekという名の幼い奴隷(ハイチ)(2008/9/24)
知的障害者の奴隷労働70年代から州が黙認(2009/3/3)


闇の臓器売買については

バイオ企業と結託した葬儀屋が遺体から組織を採り放題(2009/7/30)
被災地に“援助”ではなく“臓器狩り”に人が駆けつける“腎臓バザール”パキスタン(2009/7/31)


以下は、こういうことの背景を、
何も知らない素人なりに考察してみるという大それた試みのエントリー。

飲むだけで運動効果が得られる薬(2008/8/4)
「インドで考えたこと」で考えたこと(2009/11/21)
事業仕訳の科学研究予算問題から考えること(2009/12/12)
人類は2040年に滅亡、でもグローバル福祉国家は通産相兼務の厚生相がご活躍だから大丈夫?(2010/3/18)
流れが決まったら学者さんは口をつぐむ……ものだとしたら?(2010/3/30)
2011.01.20 / Top↑
各国から自殺希望者が押し掛ける「自殺天国」スイスの法務大臣が、ここまで自殺ツーリズムが繁盛してはまずいだろうと、規制を提案:ここ2年くらい、スイスのエライさんはずっと、こういうことを言いつつ、世論調査をやってみたりしては、また腰が砕けることを繰り返しているような気がするんだけど。
http://www.bloomberg.com/news/2011-01-18/suicide-tourists-make-swiss-minister-uneasy-as-terminally-ill-seek-escape.html

【スイスでの規制関連エントリー】
スイス議会が自殺幇助規制に向けて審議(2009/6/18)
Dignitas あちこち断られた末にお引越し(2009/6/28)
スイスで精神障害者の自殺幇助に「計画的殺人」との判断(2009/6/30)
スイス自殺幇助グループExit、当局と合意(2009/7/12)
APが「スイスは合法的自殺幇助を提供している」(2009/7/18)
チューリッヒ市が自殺幇助に“規制強化”とはいうものの……(2009/7/21)
スイス当局が自殺幇助規制でパブコメ募集(2009/10/29)
スイス連邦裁判所が「チューリッヒ市とExitの合意は無効」(2010/6/18)
スイス政府、“自殺ツーリズム”全面禁止せず、規制強化で対応の方針(2010/9/18)


英国保健大臣が明日発表するNHS法案のNHS改革案が、あまりにもラディカルで大規模なことに、官邸もびっくりだとか。プライマリー・ケア・トラストの廃止など。でもマニフェスト違反だと与党内からの反発も。:労働党が頑張っていたのになぁ……。築き上げるのはシコシコ。壊すのは一瞬。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/jan/19/nhs-cuts-scale-shakeup-surprise?CMP=EMCGT_190111&

英国のアルツハイマー病協会がずっとずっと闘い続けていた件で、ついに勝利。重症者にしかNHSで治療薬を認めないとのNICEの方針を撤回させた。:ずっと情報を目にするたびに、陰ながら応援していた。おめでとう。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/213982.php

ビデオ・ゲームはメンタル・ヘルスの問題に繋がりますよー。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/213861.php

一時はゲイへの反感が強かった米国南部で事情が変わり、フロリダではゲイのカップルが親になっているケースが非常に多い。
http://www.nytimes.com/2011/01/19/us/19gays.html?nl=todaysheadlines&emc=tha23

スイス銀行からWikiLeaksのアサンジ氏に、2000年の世界の富裕層の税金情報が流れたらしい。流すぞ、と。
http://www.guardian.co.uk/media/2011/jan/17/julian-assange-tax-wikileaks-swiss?CMP=EMCGT_190111&

日本。所在不明高齢者に続いて、所在不明の小中学生。いかにもヤバそうな話も。:各国の奴隷労働や人身売買の話を思い出してしまい、そんな話に思いを重ねたこと自体、自分が道徳的に許されないことをやってしまったような気分になった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110119-00000092-san-soci

【20日追記】
ガウタマ・シンラン・ソリドゥスさんが、この問題でちゃんとした記事を書いてくださっている。
http://blogs.yahoo.co.jp/solidussolidarity/33947668.html

「人体の不思議展」にやっと捜査のメス。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110119-00000510-san-soci

【関連エントリー】
死体の展覧会(2008/2/22)
「人体の不思議展」中止要望所への緊急署名(2008/5/5)
2011.01.20 / Top↑
13日のフランス上院、25日に自殺幇助合法化を審議のエントリーで
紹介した件の続報。

25 vs 19の賛成多数で上院の委員会を法案通過。

13日の報道では2つだったし、バラバラだったけど、
社会党、UMP(国民運動連合)、Gauche(左翼急進党)から出た別々の案が
ミックスされて1つの法案として出てきたようです。

第一条は

any mature person, in the advanced or terminal phase of a accidental or pathological affliction that is grave or incurable, causing physical or psychological suffering that cannot be relieved, can request to receive medical assistance to die.

成熟した人なら誰でも、事故によるものであれ、病気であれ、
重症または不治の状態が進行しているか、またはターミナルで
それが和らげることのできない身体的または心理的な苦しみをもたらしているならば
死ぬための医療支援を受けことを求めることができる。




フランスの上院で特に安楽死に特定した審議が行われたのは初めてのこと。

1月25日に上院議員で審議されるが
フランスの新聞は、通過することは考えにくい、と。

死ぬ権利協会では、フランスの史上初めて
自殺幇助合法化に向けた議会の第一歩が踏み出された、と声明を発表。

一方、UMPの議員グループが
弱者を保護する目的にかなう現行法に反するものだとして、遺憾の意を表明。

France consider euthanasia law
The Connexion, January 19, 2011


そこそこ年端のいった人が(子どもも含めて)
そこそこ気の毒な状態で本人が辛くてならないというなら、
死なせてあげてもいいことにしよう……。

……て話、これ?
2011.01.20 / Top↑
臓器移植法を問い直す市民ネットワークのHPからの情報。


 食道がんの名医である加藤抱一氏(1944年生まれ、環境省・公害健康被害補償不服審査会会長、外科医)が、2010年10月25日発行の『日本臨床外 科学会雑誌』(第71巻10号)の編集後記に以下の文章を掲載されています。「植物状態にもなれないだろう」と診断された状態から生還されたご自身の貴重な体験談です。「日本救急医学会雑誌」への症例報告が待たれます。



として、「不人気」と題した、以下の編集後記が紹介されている。


                     不 人 気
                                            加 藤 抱 一

 最近の新聞記事に、「獣医師確保,悩む自治体」との見出しで、「口蹄疫や鳥インフルエンザなどに対応する公務員獣医師の確保に自治体が苦心している」と 書かれていた。獣医師は10年で20%増加し、待遇の良いペットの医師は増加しているのに公務員獣医師は1998年から4%減。報酬など待遇面で不利な公 務員は不人気という。翌日の紙上には、「医学部の地域枠16大学定員割れ」と、われわれ人間の医者についても「不人気」の記事が載った。若い人あるいは医 師の卵にとって、待遇の良くない地域医療を担うことは不人気ということである。必要なものが、本当に必要とされている所に行き届かない日本の社会を反映しているといえよう。

 今日の医学雑誌では「症例報告」が不人気である。世界的にも症例報告を掲載する医学誌は極端に少なくなっている。そのような状況にも関わらず、本誌の掲 載論文は各号、概ね原著2、3編、症例報告40~50編で、症例報告に偏重した構成を維持している。邦文誌に原著論文の投稿が少ないのも最近の一般的な傾 向ではあるが、本誌には症例報告の投稿が多く、われわれもそれを歓迎している。今日、臨床や研究の場で活躍中のシニア外科医の多くが、学術論文執筆の手始めに症例報告を投稿した経験があり、論文を執筆すること自体が医師としての勉強の機会であったはずである。また、症例報告は貴重な経験を医学界に周知させる手段であり、後世に残る貴重なデータベースでもある。われわれはそのような症例報告の価値を十分認識している。

 不人気とは逆に、最近毎日のように紙上で目にするものに、改正臓器移植法によって脳死の判定を受けた人の臓器移植が家族の承諾だけで行われた記事があ る。その記事を目にするたびに、半年前、私自身に起こった心肺停止の経験が思い起こされる。人工呼吸と数回のAEDで心拍は再開したが、当日と翌日の2回 の脳波を含む諸検査結果をもとに、救急病院の担当医から家族に、回復の可能性は絶望的であり、植物人間にもなれないだろうと説明された。しかし、家族の希望で低体温下のICU管理が継続され、3,4日後には意識が回復に向かい、2週間でICUを退出。約1ヵ月で独歩退院して、6ヵ月後の今こうして編集後記 を書いている。私事で恐縮だが、私の蘇生に関与してくださった皆様にこの場を借りて心からの感謝の意を表したい。

 私自身はまだ意識が朦朧としていた時のことで家族から聞いた話ではあるが、救急担当医は、私の回復を「奇跡が起こった」と表現したという。この奇跡は、 私自身にとって極めて幸運な出来事であったと同時に、非常に勉強になった。私の家族や知人、蘇生に携わっていただいた救急関係者の方々にとっても貴重な経験となったに違いない。のみならず、あれが奇跡であったとすれば、当世人気の臓器移植の対象となる脳死に関連した資料として、不人気な症例報告をする意義 がある出来事であったと思う。一流の救急病院で適切に対応していただいた結果であるから、症例報告に必要な医学的資料は十分に存在しているはずである。



加藤氏が最後の数行で言外に訴えていることを、
しかと聞くべきだ、と強く思う。

海外ニュースを中心に追いかけていると、
「どへぇ?」と仰天することばかりで、まるで海の向こうでは
日本とは別世界が繰り広げられているかのように思えてもくるけれど、
そこは既にグローバル経済の世界。ちゃんと地続きで、
ブローバル・ネオリベ経済の後ろから
グローバル「科学とテクノで簡単解決バンザイ」ネオリベ文化が
しっかり追いかけてきている。日本でも。

ぜんぜん違うように思えるとしたら、その要因の1つは、たぶん
メディアにかかっているフィルターの厚みなんじゃないのかなぁ……。

もっとも、英語圏のメディアだって「報道は死んだ」と言われて久しいし、
Ashley事件を眺めてみるだけでも、全く機能しないところまで
何らか(誰か?)の意によって操作を受けているとしか思えないのだから、
それよりも厚いフィルターとなると……。

日本の臓器移植についても
広く一般に報じられていることと
専門医らの業界内で論じられていることとの間に
大きなギャップがあり、そのギャップによって、
実際に何が行われているかが移植業界の外からは分かりにくくなっているという事実は
こちらの「ドナー神話」エントリーで紹介した「脳死」・臓器移植に反対する関西市民の会の守田憲二氏から
具体的な情報と共に多くを学ばせてもらっている。

そして、そのたびに、
専門文献を緻密に読みこんできた守田氏の頭脳と努力によって
日本の臓器移植の実態が欺瞞に満ちたものだということが暴かれていて、
それらの事実検証がインターネット上に歴として存在しているというのに、
メディアは目をそむけ続けている……という現実について考え込む。

果たして、加藤氏のケースは報告されるでしょうか――。
2011.01.20 / Top↑
成長抑制WGの論文が出て2カ月近く。そろそろ真面目に論文を読みこんだ人たちからの反論が出始めるのかもしれない。障害当事者から批判のブログ・エントリーがあった。まとめるだけの余裕がないけど、なかなか鋭いところをいくつも突いている。大筋、WGは正面から問題と取り組んでいない、ということを繰り返し言っている。
http://meloukhia.net/2011/01/on_growth_attenuation_and_moral_compromise.html

上記ブログ記事の一部を、誰かがコピペしたものに、4人が「いいね」。
http://meloukhia.tumblr.com/post/2796597321/this-aint-livin-on-growth-attenuation-and-moral

偶然なのか、やっぱりそれなりに何かを言おうと思えば、腹をくくって読み込む時間がちょうどこのくらいかかるということなんだろうけど、Bill PeaceもAshley事件について17日付でエントリーを書いている。ただ、この人のポスト、長いのよ、いつも。今すぐには読めない。
http://badcripple.blogspot.com/2011/01/invisible-people.html

モンタナ州議会の自殺幇助法案審議。
http://www.nbcmontana.com/news/26512312/detail.html

ニコール・キッドマン、代理母出産で第2子。:サラ・ジェシカ・パーカーも代理出産だった。仕事のブランクないしね。体の線も崩れないしね。お金ならいくらでもあるしね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110118-00000034-jij-ent

いい加減な会社がたいして正確でもないDNAテストをインターネットで売りこんでは、それに大枚をはたく人が大勢いる米国の現状に、NY州はDNAテストの消費者直結販売を禁止したとか。特に正確さ、リスクマネジメントなどの点で専門家を心配させているが、最近の調査で、国民は自分の体に関する情報なのに、専門家にわざわざ守ってもらう筋合いはないと感じている、と。また重大な病気の可能性が分かっても、さほど取り乱したりしてもいない、と。
http://www.nytimes.com/2011/01/18/science/18tier.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha210

英国で現在中年期にある人は、将来、介護費用ねん出のために家を売ることになる。
http://www.thisismoney.co.uk/pensions/article.html?in_article_id=521366&in_page_id=6&position=moretopstories
2011.01.18 / Top↑
教育と児童心理・年次カンファレンスでの
教育心理学者 Dave Traxson氏の13日の発表。

概要は

NHS Business Service Authorityによると
1994年から2009年の間に子どもへのアンフェタミンの処方は120倍に急増し
教育関係者と児童心理学者の間で懸念されている。

一時的に眠らなくなるとか、ちょっと不安になったり内向的であることなど
単に子どもというのはそういうもので長期的にみなければ何とも言えないようなことを
社会がこれまでのように正常範囲と捉えなくなって、
過剰に異常視し、安易に薬を飲ませるようになっているのではないか。

そして、その背景として、個人的に思うのは、
多くの問題行動は脳の化学物質のバランスの乱れによって起こるとの説を広めて
利益拡大を狙う製薬会社の思惑があるのではないか。

しかし薬の飲ませ過ぎこそ脳へのダメージを引き起こしたり、
成人してから後にも薬への依存リスクを高めるのではないか。

今こそ、公平な調査が行われ、この問題に対処する必要がある。



Overuse Of Medication To Treat Children’s Behavioural Issues Causes Concern, UK

MNT, January 16, 2011


医師ではなく、児童心理学者というところがミソかも?

日本でも最近、子どものメンタル・ヘルスには力が入っているみたいですが
日本の教育心理学者の方々は、それについてはどのように……?


【関連エントリー】
子どもに安定剤飲ませ過ぎ(2008/4/17)
「8歳からコレステロール薬」にNYTimesが社説(2008/7/11)
子どもへの抗精神病薬でFDAと専門家委員会が責任なすりあい (2008/11/19)
10年間で精神科薬の処方が倍増(米)(2009/5/7)
「12-18歳全員に定期的うつ病スクリーニングを」と専門家が提言(米)(2009/6/3)
中流の子なら行動療法、メディケアの子は抗精神病薬……?(2009/12/13)
双極性障害で抗精神病薬を処方される2-5歳児が倍増(2010/1/16)
2歳で双極性障害診断され3種類もの薬を処方されたRebeccaちゃん死亡事件・続報(2010/2/22)
ビッグ・ファーマが当て込む8つの“でっちあげ病”(2010/4/17)
拘留施設の子どもらの気分障害、攻撃的行動に抗精神病薬?(米)(2010/10/6)


影響として、こういうことも起こってくる?

米国のティーンの間で処方薬の濫用が広がっている(2009/12/1)
ADHD薬の“スマート・ドラッグ”利用を解禁せよ、とNorman Fost(2010/12/28)
2011.01.18 / Top↑
Diekemaは、まだ女性性器切除FGC容認姿勢を受け入れさせようとしている。
http://blackpridenetwork.com/female-genital-cutting-affecting-young-girls-in-america/

オーストラリアの首都特別区、キャンベラの障害のあるティーンを対象にしたレスパイト・センターTandem Houseが新たに開設された。600人に年間11万時間のサービスを提供。放課後、休暇や週末にも。:「障害のある子どものためのレスパイト」というから頭が混乱した。記事の最後のところに来て、やっと普通の「障害のある子どもの親や介護者のためのレスパイト」事業なのだということが分かった。もちろん「子どもたちのための、過保護な親からのレスパイト」になるような事業であれば、そりゃ何よりなんだけど。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/respite-centre-for-disabled-teens/2048906.aspx?src=enews

英国NHSの財政改善策として、ヘルニア、白内障、関節炎などの手術の禁止令が検討されていることに対して英国外科学会から、患者の健康にツケが回る、と反発。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/jan/17/nhs-bans-operations-surgeon-warns?CMP=EMCGT_170111&

ビッグ・ファーマのJ&J社はこのところ製造ラインの品質管理の問題から製品のリコールが相次いでガタガタ。立ち直れるのか? とNYT。
http://www.nytimes.com/2011/01/16/business/16johnson-and-johnson.html?nl=todaysheadlines&emc=tha25

ビッグ・ファーマで思い出した、ななはなさんのブログ記事。製薬会社主催の勉強会について書いてある。実態はあちこちで聞いてはいたけど、面白い。「しかし、製薬会社も大変ですよね…。お薬入れてもらうために、豪華ホテルの会場借りて、講演開いて、商品紹介して、食事提供して、冊子・ボールペン、レポート用紙などなどのプレゼント。更に、交通費(タクシー代)も、だしーの。。。」:確か米国では、一連のスキャンダルを受けて、こういうプレゼントが禁止になったんじゃなかったっけか。それとも自主規制みたいな話だったか……。記憶が定かでない。
http://blogs.yahoo.co.jp/hanako197132/2554027.html

男子校の中学生の方が共学校の男子生徒よりも成績について自信を持っている傾向があるのだそうな。:なんとなく、ほほえましい感じを受けつつ、もしかしたら長じて女をバカにしたがる男たちというのは、共学校で女子に成績で勝てなかったコンプレックスを大人になってから晴らしているのかしらん???? 特に最近、身近な女に甘えて依存しきっているくせに過剰にエラソーに女を見下してみせなければ気が済まない旧知の男友達が、目については不快でならない。彼らは何がしかの強烈なコンプレックスの持ち主である。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/213787.php

NYTのコラムニストが、先日出て日本でも話題になった子どもたちの学力ランキングで上位を占めた上海、総じて教育を重んじるアジアはすごい、という話を書いている。かつては酷い学校制度だった中国が、目覚ましい教育力をつけてきた背景の一つが「首を切れない社会主義ではダメ教員も使いまわす方法を考える。体育教師に回したり」という分析が面白い。もう1つ、米国人から見ると羨ましい成果を上げているのに、中国の中では主体性や創造性を削ぐ詰め込み教育だとの批判・反省ばかり出ている、という見方も、日本にそのまま通じて面白かった。ついでに、中国の教育で忘れてならないのは儒教の影響、とも。:たしかビルダーバーグ関連で誰かが言っていたけど、「中国人と日本人は昔から従順に、支配に甘んじる」ってのも教育の成果なのよね、きっと。
http://www.nytimes.com/2011/01/16/opinion/16kristof.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha212

先の選挙で盛り返した共和党が、Obama政権の医療制度改革を押し戻そうと戦いの火ぶた切られる。
http://www.nytimes.com/2011/01/16/opinion/16sun1.html?nl=todaysheadlines&emc=tha211

ヨーロッパの経済危機に関するNYTの長~い記事。
http://www.nytimes.com/2011/01/16/magazine/16Europe-t.html?nl=todaysheadlines&emc=tha210
2011.01.18 / Top↑