http://dfw.cbslocal.com/2011/03/28/fda-asking-about-food-dye-hyperactivity/
環境ホルモンで女性の更年期が早く起こっている可能性。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219954.php
失恋した心の痛みに、脳は肉体的な痛みと同様の反応をするんだとか。:まぁ、ほんとに痛いっすよね。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220427.php
心臓病予防にスタチンが有効であるように、乳がんリスクの高い人が薬を飲むことで発症を予防できる。:昨日ひょんなことから知ったのだけど、最初にスタチンを売り出したのはメルク社。なんだ今ごろ知ったのかと言われそうな気もするだけど。ついでに、それを知ったところにたいそう興味深いことが書いてあって、製薬会社の従来のお客さんは歳と共に病気を抱える高齢者だったのだけど、その高齢者がどんどん健康になる一方なので、必然的にマーケティングの対象が病気でも何でもない人たちに移らざるを得なくなった、と。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220414.php
で、そのスタチン剤Livazoの治験がレバノンで行われるんだそうな。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219935.php
川崎病で幼児期に片手を失った女性に手の移植手術、成功。アトランタのエモリー大学で。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220574.php
次世代の新治療を担うのはバクテリア。バクテリア内で薬効のある物質を生成させ、さらにそのバクテリアを使って患部に届ける。食中毒から癌まで有効範囲は広い。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220626.php
携帯電話が脳に及ぼす悪影響について米国医学会が調べたのだけど、イマイチ結論がはっきりしない?
http://www.toonaripost.com/2011/03/new-study-inconclusive-about-cell-phones-and-brain-damage/
携帯の電磁波が骨をもろくする可能性があるとの調査結果。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220182.php
マイクロソフト社の創設者の一人ポール・アレンが4月16日に出版する回想録の中で、彼が癌で治療を受けた後でビル・ゲイツがアレンの持ち分になるはずの同社の株を横取りしようとした、と書いているらしく、話題になっている。当時の両者を知る人たちの間からは、回想録の細部が事実と異なっているとの指摘もあるとか。:映画の「ソーシャルネットワーキング」を思い出した。その事実はともかく、ビル・ゲイツが慈善家だから全面的な善人だと思いこもうとする集団心理には、くれぐれも気をつけるべきだと思う。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703806304576232051635476200.html
米国内でもウォールマートの労働環境の劣悪は問題になっているけど、海外の同社の系列企業での労働環境はまた一段と酷く、さらに驚くことにそれを告発した女性がストライキを先導したなどとして刑事告発され、死刑や終身刑の可能性まであるとのこと。支援者らがバングラデシュ政府に告発の取り下げを働きかけている。
http://www.inthesetimes.com/working/entry/7127/locked_doors_stolen_wages_and_death_sentences_stories_from_the_wal-mar/
全米で大規模な教員のリストラ。
http://www.nytimes.com/2011/03/31/education/31layoffs.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23
アポロ14号の乗組員だったEdger Mitchellが、UFOの研究者らのカンファで「地球外生物がいるのは事実。政府はこの事実を隠さずに国民に明らかにすべき」と。
http://www.guardian.co.uk/world/deadlineusa/2009/apr/22/ufos-apollo-astronaut-extraterrestrials?CMP=EMCGT_310311&
Warren Buffetの後継者の話。
http://www.guardian.co.uk/business/2011/mar/31/warren-buffett-berkshire-hathaway-rocked?CMP=EMCGT_310311&
こっちはRupert Murdochの後継者の話。
http://www.guardian.co.uk/media/2011/mar/30/news-corp-promotes-james-murdoch?CMP=EMCGT_310311&
日本の放射線物質ヨード131がオハイオ州で観測されたっていうんだけど、なんだか、なぁ……。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220488.php
07年の北九州の男性の自殺のきっかけになった生活保護打ち切りに、違法判決。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/234296
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220523.php
乳児の血液サンプルの保管と利用について、米国の多くの州が未規制。:一方、全州で遺伝子スクリーニングは行われているので、すべての乳児のサンプルがあるはず。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220500.php
統合失調症の遺伝子が特定されたって。:一方、自殺企図の遺伝子も見つかったとか言うわけだからして。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220494.php
所得層を問わず、世界中で15歳から24歳までの層の死亡率が、これまで一位だった1歳から4歳の層を抜いた。特に男性では、怪我。暴力の被害。それから自殺。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220561.php
北朝鮮で600万人が飢え死にの危機。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/29/north-korea-food-crisis-plea?CMP=EMCGT_300311&
タイで大洪水。夕方のCNNでチラッと見たんだけど、月の平均降水量が50mlくらいのところに、数日間で800ml以上が降ったとか。
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12903505
24年前にバルト海を航行中の船の上から5歳の少年が瓶に入れて投げた手紙が、ロシアの13歳の少年に拾われた。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-12902868
4月29日のウイリアム王子とケイトさんの結婚式を祝して、BBCがあなたの結婚式の写真を送って、と呼びかけ、寄せられた写真8枚。いずれも、なかなか良い写真です。
http://www.bbc.co.uk/news/uk-12854296
瀟洒な作りのその家には、若いアジアの女性が何人も頻繁に出入りする。
どの女性も裕福そうである。しかも、どの女性も妊娠していたり、
生まれたばかりの赤ん坊を連れていたりする。
サン・ガブリエルそのものがアジア系の移民の集まる町で、
それも定住するよりも通り過ぎる人たちのニーズに応える場所になりつつある。
1つの家に臨時に住んでいる人たちが40人ばかりも、ということだって
決して珍しくはないのだけれど、
妊婦ばかりというその家の異様さは
そんな町でも人目を引いて、近所ではずいぶん前から噂になっていたという。
近所の苦情を受けて建築調査官と警察官とが家に入ったところ、
そこには何人いるのかわからないほど沢山の中国人女性がいた。
そのうち赤ん坊を連れていた10人は
とりあえず近所のモーテルに移されたが、
一体何人がいたのか、これまで何人がそこにきたのかは不明。
彼女らは何万ドルものお金を払って、
米国内で出産するためだけに中国からやってきた女性たち。
米国憲法の修正第14条により
米国内で出生した子どもには米国籍が与えられる。
子どもが成人すると両親にも米国籍を求めることが可能となる。
裕福な中国女性たちは旅行者ビザで米国に入国し、
出産、子どもに米国籍を得て自国に帰っていく。
そのどこにも違法性はない。
そうした「出産ツーリズム」が米国内で
どこまでビジネスとして広まっているのかは不明だが
中国、メキシコ、韓国には医師、保険、産後のケアをパッケージにした
「出産ツーリズム」ビジネスがあるという。
女性たちの行動に違法性がない以上、
今回のサン・ガブリエルの家も
部屋ごとの仕切りが建築法に違反だとして閉鎖されただけで
当局は今後の対応に頭を痛めているという。
しかし、こうして表面化した以上、今後の対応が必要となることは必定。
去年、移民法の厳格化を求める議論はあり、
修正14条の廃止まで説く議員もいたが、
それは不法移民を念頭に置いたものだった。
Arriving as Pregnant Tourists, Leaving With American Babies
The NYT, March 28, 2011
http://blogs.wsj.com/law/2011/03/25/whos-disabled-feds-expand-the-definition/
Johns Hopkinsの研究者らが自殺企図に遺伝子4つの繋がり方が関連していることを発見したんだそうな。:タイトルを見た瞬間に「はぁぁぁぁ????」と、我ながら感じの悪い声が出てしまった。じゃぁ、福島で野菜が出荷できなくなって自殺したと今朝がた報道されていた農家の男性も、そういう事情や今の状況とは関係なく、いずれ自殺しようと試みる遺伝子を持ち合せていたとでも? どこかの携帯の中国工場で従業員の自殺が相次いだのも、みんなそういう遺伝子を持って生まれていただけで、非人間的な労働環境は全く無関係だったのよね。きっと。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220409.php
インドのジャイナ教に餓死を理想とする考えがあり、安楽死も自殺幇助も法で禁じられているインドで宗教的な行為としての餓死は慣習的に免罪されてきた。06年に、弁護士が禁じるよう裁判所に求めたというが、去年、心臓まひを起こした80歳の女性が、餓死を宣言し、62日後に死亡するという事件もあったばかり。:ジャイナ教についてはこちら。起源はゲイツ夫妻が“養子”にしたビハール州……。ゲイツ夫妻の訪印のタイミングでこういう記事が出てくるのは、まったくの偶然なんだろうか?
http://newsinfo.inquirer.net/breakingnews/world/view/20110327-327909/Indian-fasting-to-death-custom-faces-court-test
なぜゲイツ夫妻はインドに、中でも特にビハール州に関心を持つのか、というインタビュー。その中で、ビル・ゲイツが現地政府とのパートナーシップについて問われて、こんなことを言っているのが目についた。Vaccination is something that can be done worldwide even in places like Somalia that has no government but there is a very high vaccination rate.ワクチンは無政府状態の地域でも打てるし、政府なんかないソマリアでも接種率は高い、と。:それはむしろ、無政府状態の地域なら製薬会社やその息のかかった人たちは何だってやりたい放題だということなんじゃないでしょうか。しかし、無政府状態の地域で何よりも優先してやらなければならないことがワクチン接種だといわんばかりの、その感覚は一体なんなのか。
http://www.moneycontrol.com/news/special-videos/what-draws-billmelinda-gates-to-india-especially-bihar_532380.html
オーストラリアでインフルエンザのワクチンを薬局で看護師が打ってもよいことにしようという動きがあって、医師らが反発している。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/doctors-oppose-pharmacy-flu-jab-plan/2117012.aspx?src=enews
tu_ta9さんが原発事故に関連して「障害児を産みたくない」というような言説について興味深い掲示板的エントリーを立ち上げている。:そのやりとりで出ている「癌のリスクを言うのはよくて障害リスクというのはいけないというのも差別的ではないか」という指摘を、グルグル考えている。反論する理屈が見いだせないまま、ふっと頭が飛躍して、そのうち出生前遺伝子診断で発がんリスクの高い胚は障害リスクの高い胚と同じようにはじかれていく時代がくるかもしれない……みたいなことを、先に考えてしまった。
http://tu-ta.at.webry.info/201103/article_12.html
ナーシング・ホームの入所者に処方されることの多い従来の向精神薬が、非定形型の向精神薬よりもリスクが少ないということはない。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220129.php
子どもで腸の炎症が増えているらしい。:それが仮に食品や生活環境に含まれる化学物質によるものだとしても、もはや因果関係を調べることなどできないと思うんだけど……。あ、それとも、これも原因遺伝子を見つけましょう、という話になるのか。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220422.php
2001年に6人の女性従業員がウォールマートを相手取って起こした女性差別の集団訴訟の判決で、もしも原告勝訴の場合に補償の対象となる女性従業員数が莫大なものになり、米国史上最大の雇用問題の集団訴訟に発展する可能性。
http://www.washingtonpost.com/politics/wal_mart_asks_supreme_court_not_to_allow_class_action_suit_by_female_employees_alleging_discrimination/2011/03/25/AFTMXokB_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
テキサス州で去年9月から約4カ月に渡って、11歳の少女を14歳から27歳の19人の男性が少なくとも6回に渡って集団レイプ。発覚は、被害者のビデオが学校の友人らの携帯に届けられたことから。大人が見て見ぬふりをしたのでは、と全米に衝撃が走っている。:少女の父親が「娘のマインドは子どものマインドなんだ。それだけに腹が立つ」と語っているのは、もしかして障害を意味するのか?
http://www.nytimes.com/2011/03/29/us/29texas.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha2
http://saynoga.blogspot.com/2011/03/dear-ashley-x.html
Idaho州の下院委員会が自殺幇助を違法とする法案を可決。
http://www.lifesitenews.com/blog/idaho-committee-unanimously-passes-bill-to-clarify-that-assisted-suicide-is/
原発反対の機運の高まりで、原発の危険性の象徴として「障害児」を使い、「障害児が生まれないように」というものの言い方がされているんじゃないか、と危惧する声をいくつか耳にした。某MLへの投稿によると、同じことが原発反対運動でずいぶん前から繰り返されてきたみたい。「まだ、まにあうのなら」という原発反対の書の、89年の書評。書いた人は脳性マヒの女性。
http://www.geocities.jp/aichan822/myuutanntonokigu.htm
これも“風評被害”なのか?? 世界各国が放射能汚染を警戒して自国の船舶に東京湾や横浜港に近づかないよう指示しているため、世界中の物流に影響が出始めている。
http://www.nytimes.com/2011/03/26/business/global/26shipping.html?nl=todaysheadlines&emc=tha25
「東電のカネに汚染した東大に騙されるな!」というインサイトのブログ記事。:構図がワクチンと似ている気がする。そういえば、日本のワクチン開発でゲイツ財団のカネが入っているのも東大。
http://www.insightnow.jp/article/6430
ゲイツ財団がインドへのHIV/AIDS対策支援を打ちきり。それにより12年からインドのエイズ対策資金は3億3800万ドル減額に。
http://ibnlive.in.com/news/gates-stops-hivaids-funds-to-india/147312-3.html
以下の記事にゲイツ財団の保有株一覧があります。
Bill and Melinda Gates Foundation Holdings Outperforming S&P 500 Handily
Seeking Alpha, February 26, 2008
ざっと見で私にもわかるビッグ・ファーマだけでも、
Baxter
Pfizer
Eli Lilly
Johnson&Johnson
そして、やっぱり、ありましたね、
強引な子宮頸がん(HIV)ワクチン売り込みで反発を買ってライバルに負けたけど、
その後、CDCの前センター長をワクチン部門の責任者に天下りさせて
このところゲイツ財団が力を入れている5価ワクチンPentvalentで盛り返そうとしている、
Merck。
他に、ちょっと目を引かれたところでは、
いわゆる「革新的な医療」を目指している分野として、
Seattle Genetics
Abbott Labs
それから、なんとなく象牙海岸の悲劇を連想してしまう、
廃棄物処理会社Waste Management。
さらに、
前に指摘したコークのほかに、
なにかとグローバル・ネオリベ経済の象徴的なWal-Mart。
それに、これは、あくまでもゲイツ財団の方の保有株の話。
ビル・ゲイツ氏個人はCascadeという投資会社を通じて
財団とは別途、投資をしておられるわけで、もちろん、
そこは奥様をはじめ、ご一族の皆々様も……。
【関連エントリー】
リスクの“リ”の字もなく“黄金時代”に沸くワクチン開発記事(2009/11/19)
「これからはワクチンが儲かりまっせぇ」の陰には、やっぱりゲイツ財団が……(2009/11/20)
「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」を書きました(2010/7/5)
ゲイツ財団のメディア・コントロール(2010/10/21)
シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の密接な関係:グローバルな功利主義・優生主義医療の動き(2011/2/9)
ここ数年の英国での急激な「死の自己決定権」議論の高まりと
09年の公訴局長のガイドライン制定のきっかけを作り、
その後もすっかり合法化ロビーの広告塔として存在が定着した
MS患者のDebbie Purdyさんが興味深い方向転換の様子を見せている。
NICE(医療技術評価機構)が治療ガイドラインを2003年から更新していないため、
英国NHSでMS患者が使える薬の種類は地方によって格差があり、
国際的に見てもMS治療薬へのアクセスでは英国は最下位に近い。
英国MS協会はこの状況に改善を求めて運動を始めているが、
そこにPurdyさんも行動を共にして議会に訴えることに。
で、以下のGuardianでの彼女の発言は、
MSの人たちの自殺率は高すぎます。
必要な薬とサービスを得るために彼らはたいへんな思いをしているのです。
それらがあれば生活は改善できるというのに。
多くの人が誤解していますが、
MSは克服不能な障害ではありません。
正しい手助けと支援があれば何年も生きることが可能です。
選択肢がないからという理由で酷い選択をせざるを得ないとしたら
それは間違っています。
――――
生きることが耐え難くなったら自分で終わらせる
権利を求めるMS患者として私は知られています。
私が生きることを耐えられるものにしてください。
Debbie Purdy presses MPs to improve access to multiple sclerosis drugs
The Guardian, March 28, 2011
Access to MS treatment criticised
Press Association, March 2, 2011
だ・か・ら、
あなたが今言っている、そのことをこそ
自殺幇助合法化に反対する人たちは
あなたが自分と自分の夫のことだけを念頭に
せっせと死ぬ権利を求めて広告塔をやっていた間も、
ずっと主張し続けてきたんですけど……?
それにしても、まったく、この人らしいと思うのは、
自分が使いたい薬があって、
でも、それは他の薬が効かなくなった際の最後の手段とされている薬なので、
自分が住んでいる自治体のトラストが認めてくれるかどうか分からないという
個人的な問題に直面して初めて、
こういうことを考え、言い始めたらしいこと。
自分の病気以外の病気や障害には相変わらず想像力が及ばず、
一般化して問題を考えることは相変わらずできないらしいこと。
まぁ、理由はともかく、
転換してくれるのならありがたいですが、
あなたが転換したら、
メディアはこれまで通りには、もてはやさなくなりますよ。きっと。
あ、もう1つの「権力が批判を抑える場合によく使う姑息な手段」で
あなたの求めている薬だけは、もしくは、あなただけは使えるようにしてもらえれば、
転換するのは引っ込める……なんてことは、あなた、まさか、しませんよね?
【Purdyさん関連エントリー】
MS女性、自殺幇助に法の明確化求める(2008/6/27)
親族の自殺協力に裁判所は法の明確化を拒む(2008/10/29)
自殺幇助希望のMS女性が求めた法の明確化、裁判所が却下(2009/2/20)
Debby PurdyさんのBBCインタビュー(2009/6/2)
自殺法改正案提出 Falconer議員 Timesに(2009/6/3)
MSの教育学者がヘリウム自殺、協力者を逮捕(英)(2009/6/26)
作家 Terry Pratchett ”自殺幇助法案”を支持(2009/7/1)
英国医師会、自殺幇助に関する法改正案支持動議を否決(2009/7/2)
英国上院、自殺幇助に関する改正法案を否決(2009/7/8)
Purdyさんの訴え認め、最高裁が自殺幇助で法の明確化を求める(2009/7/31)
Purdy判決受け、医師らも身を守るために方の明確化を求める(2009/8/15)
法曹関係者らの自殺幇助ガイダンス批判にDebbie Purdyさんが反論(2009/11/17)
Debbie Purdyさんが本を出版(2010/3/22)
http://ibnlive.in.com/generalnewsfeed/news/gates-favours-cheaper-treatment-for-tb/621705.html
http://www.thehindu.com/health/medicine-and-research/article1568387.ece
上の記事を読んだ時にたまたま目に付いた去年8月のインド関連のスライド記事なんだけど、タイトル「臓器提供を運動に」。どうやらインドにはthe Multi Organ Harvesting Aid Network (MOHAN)財団なる組織があるんだそうな。直訳すると「多臓器採取支援ネットワーク」財団。
http://www.thehindu.com/news/article568285.ece
Gates夫妻と一緒にインドを訪れているウォーレン・バフェット氏、ビジネスマンを対象にしたトークで「ヤバい金を慈善に回したって全然構わない。途上国でワクチンを打ってもらう子どもたちは、その金の出所なんか気にしないさ」と。
http://blogs.wsj.com/indiarealtime/2011/03/25/black-money-give-it-to-charity/
ずっと当ブログで追いかけてきた問題。英国のNICEがアルツハイマー病の治療薬に関する最終ガイドラインを出し、4種の薬がいずれも初期から使えるようになった。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/220045.php
遺伝子組み換え作物を栽培している農場の近くではオーガニック農場の作物が汚染被害にあうとの争いで、ついに米国政府はオーガニック農場を犠牲にしてGM農場の側につくとの姿勢を見せたみたい。
http://www.washingtonpost.com/politics/genetically_modified_crops_get_boost_over_organics_with_recent_usda_rulings/2011/03/10/ABAAWNLB_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
アフガニスタンで手慰みに市民を殺して、記念に指を持ちかえっていた兵士たち。
http://www.guardian.co.uk/world/2010/sep/09/us-soldiers-afghan-civilians-fingers?CMP=EMCGT_250311&
たしか3日ほど前のGuardianに、福島第一原発では定期点検を怠っていたために使用済み燃料棒が溜まってしまっていた、という記事があったんだけど、このニュース、日本でも出てましたっけ?
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/22/japan-nuclear-power-plant-checks-missed?CMP=EMCGT_230311&
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/21/nuclear-samurai-fukushima-japan-reactor?CMP=EMCGT_230311&
日本の地震がこういうところにこういう形で波及するとは。生殖補助サービスを利用している人に向け、あなたのラボの地震対策は万全? いざという時にも胚はちゃんと守られる?
http://fertilitylabinsider.com/2011/03/is-your-ivf-lab-prepared-for-a-natural-disaster/
生命倫理学者に必要な一定の素養を定めて資格化が必要なのでは、と提言する論文。この前Wesley Smithがブログで取り上げていたヤツ。By Susan Ipaktchian。大学の生命倫理学の教育課程の内容だってまちまちで、例えば医学、法学、哲学その他どういう学問分野のどういう知識が必要なのかさえ標準化されていない、それなのに生命倫理学者たちが寄ってたかって患者の命を左右する議論を展開している現状は、これいかに?(ほとんど読んでいないので、たぶん、そういう内容では、という推測ですが)
http://stanmed.stanford.edu/2011spring/article1.html
これは何とか読みたいのだけど今すぐには読めない。上記論文と同じくスタンフォード大学の倫理学関連サイトの別論文で、臓器移植に絡んで「人はいつから死んでいるのか」。By John Staford.
http://stanmed.stanford.edu/2011spring/article5.html
なんでも「ワクチン債」というのが日本でも個人投資家に人気なんだとか。ワクチン景気に沸くグローバル金融資本主義……というのは頭にあったけど、経済に疎い私には想像もつかなかった。09年1月のワクチン債説明会の主催は大和証券、IFFlm、 GAVI、それから世界銀行だったそうな。債権であり「投資」という以上は、利子付けて戻ってくるわけですよね。てことは、どこかで利益が出ているってことですよね。途上国の子どもたちの命を救うためにゼニをただ拠出するのではなくて。じゃあ、その利潤を上げる仕組みって……? また、そういうことと日本のワクチン産業ビジョンとの関係とは……?
http://www.iff-immunisation.org/pdfs/update4_jpn.pdf#search=%27pentavalent%20%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%27
Gates夫妻がインド訪問中。まず昨日は保健大臣と会って「キミはなかなかよくやっているよ」と褒めてつかわし、今日はBiharへ行幸。ビル・ゲイツ氏はインドの5州で5価ワクチンPentvalentを導入すべく、1億1000万ドルを提供している。またインド政府に対しても、もっと子どもにワクチンを、と働きかけている。まぁ、以下にリンクしたように、ビハール州とはゲイツ氏はあれこれと縁が深いことでもあるし。ちなみにPentvalentの製造元は、ゲイツ氏が株を保有しているという噂のメルク社。
http://www.thehindu.com/news/national/article1562683.ece
http://www.rediff.com/business/slide-show/slide-show-1-what-bill-gates-plans-to-do-in-india/20110323.htm
【ゲイツ財団とインド関連】
ゲイツ財団が、インドの貧しい村を「養子に」???(2010/5/17)
ゲイツ財団がインドのビハール州政府と「革新的な家族保険」の協力覚書(2010/5/17)
サウス・ダコタ州で中絶しようとする女性は、まずプロ・ライフ系のカウンセリングを受けることになるんだとか。
http://www.nytimes.com/2011/03/23/us/23sdakota.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23
低身長症の女児は男児ほど治療の対象とされにくい。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219704.php
http://www.guardian.co.uk/society/2011/mar/22/transplant-patients-kidneys-donor-cancer?CMP=EMCGT_220311&
http://www.guardian.co.uk/society/2011/mar/22/kidney-transplant-cancer-robert-law?intcmp=239
感電で負傷し、米国で初めてほぼ顔全体の移植手術を受けたテキサスの男性 Dallas Wiensさん、順調に回復している、とのこと。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/22/full-face-transplant-recdovering-us?CMP=EMCGT_220311&
【関連エントリー】
顔の部分移植が2例成功、「次はフルフェイス!」というけれど(2008/8/23)
米国初顔面移植「これまでで一番広範囲」と胸を張る(2008/12/18)
各種調査から世界の持てる者と持たざる者の格差は広がる一方だというのに、米国人はなぜそれを問題視しないのか、というNYTの特集。
http://www.nytimes.com/roomfordebate/2011/03/21/rising-wealth-inequality-should-we-care?nl=todaysheadlines&emc=thab1
メデイア王Rupert Murdoch氏のSkyニュース買収に、ライバル社らから批判。
http://www.guardian.co.uk/media/2011/mar/22/sky-news-rupert-murdoch-independent?CMP=EMCGT_220311&
そういえば、ちょっと前に見た記事だけど、Murdochさんって125歳まで生きるつもりなんだそうな。THニスティックですねぇ。
http://www.nytimes.com/2011/03/06/magazine/06murdock-t.html?_r=1&src=me&ref=general
Gates氏とBuffet氏がインドの富裕層の財布を慈善に開けさせようとしている。
http://profit.ndtv.com/news/show/gates-buffet-to-urge-indian-billionaires-for-charity-145698?pfrom=home-Business
ワシントンポスト、震災を受けての16日の天皇談話に関して。
http://www.washingtonpost.com/lifestyle/style/the-emperors-speech/2011/03/17/ABLvBQo_story.html
Peter SingerがNY Dialy Newsに寄稿し、
Josephを米国に転院させたプロライフの団体は彼を広告塔にしてしまって
彼の医療費をねん出するための募金を呼び掛けているが、
どうせ回復の見込みのない重症児の命を長引かせるためだけにそんな多額の金を使うくらいなら、
同じ金額を途上国の子どもたちにワクチンや医療機器を届ける活動に回せば
健康に幸せな人生を50年は生きられる子どもたちを沢山救うことができる、
Shiavo事件と同じことがここでも繰り返されているが、
ジョセフやテリー・シャイボのような命に拘泥するか
同じカネで多くの名もなき子どもたちを救うかは我々の選択である、と。
最後の部分を抜き出すと、
Here's the irony. According to the most rigorous charity evaluation agency in the country, GiveWell.org, you can save a child's life for about $1,000. All you have to do is give the money to their top-rated charity, Village Reach, which delivers vaccines and other urgently needed medical supplies to rural areas in developing countries.
If Priests for Life were really serious about saving lives, instead of "rescuing" Joseph so he can live another few months lying in bed, unable to experience the normal joys of childhood, let alone become an adult, they could have used the money they have raised to save 150 lives - most of them children who would have gone on to live healthy, happy lives for 50 years or more.
We've seen such things happen before. In 2005 the anti-abortion movement put a huge effort, and large sums of money, into "saving" Terri Schiavo. In the end, after Congress had been recalled specifically to enable a federal court to hear the case, she was allowed to die. An autopsy showed her brain had been severely and irreversibly damaged.
We can obsess over Joseph and Terri - or we can make an honest effort to save the lives of countless children whose names we may never know. It is our choice.
この中のシャイボさんについて書かれた部分を読んで、
前からずっと漠然と疑問に思っていたことをまた考えた。
Shiavoさんが植物状態だったことは死後の脳の解剖からも明らかだというのは
Art Caplanも言っていたのだけど、
彼女が脱水死に至る2週間の過程で起こった、または進んだ脳委縮……ということは
果たしてゼッタイにあり得ないことなんだろうか???
Attempted rescue of Baby Joseph Maraachli, pro-life poster child, is deeply misguided
Peter Singer,
NY Daily News, March 18, 2011
Joseph君が、プロ・ライフの広告塔になってしまっているというのは
私も3月15日のエントリーで考えた。
ただ、ピーター・シンガーが引っ張り出してきている
「同じ15万ドルをかけるなら」という、いかにも功利主義な計算には、
計算の土台になった15万ドルという金額そのものに、
功利主義の数々の思考実験と同じような罠があるような気がする。
なぜなら、同じく15日のエントリーで指摘したように、
それほど多くの費用がかかることになったのは、もともと
Joseph君をわざわざカナダから米国の病院に移さなければならない事態が発生したためで、
病院が両親と柔軟な姿勢で話し合いをしていたり、
その希望をかなえて気管切開をした上で在宅療養に切り替えていたら
はるかに安上がりで、15万ドルもが必要となるはずもなかったのだから、
その15万ドルが募金によって集まるとしたら、
それはJoseph君の事件があって初めて集められる金額。
渡米して移植を受けたいという日本の子どものための募金で
例えば5千万円が集まったからと言って、その5千万円があったら
どれほどの途上国の子どもが救えるかと計算することに意味がないように、
Joseph君の事件の展開を踏まえて始められた募金で集まる金についても、
最初からそれだけの金額がどこかにプールされているかのように
「それだけの金額があったら」と前提することには意味がない、と思う。
共に、その特定の子どもがいなければ、できなかったカネなのだから。
そして、そこで集まった金額だけ、途上国の子どもたちへの支援が減るという話ではないのだから。
しかし、もちろんSingerがここで主張しているのは
本当はそういうことではない。
彼が言いたいのは
「医師らはJosephにはベッドから出ることも、
周囲と意味のあるやり取りをすることもできないと言っている」というような子どもの
命を長引かせるために使うカネは、金額を問わず、全て無駄だということだ。
もともと無益な治療停止の強行がなかったら無用だったカネの
その額の大きさを持ち出すことによって「無駄」観を強調してみせているだけで、
彼が説いている問題には実は金額は全く関係がない。
Peter Singerという学者はどうしていつも、
こういうセコイ詐術を使うのだろう。
もしも彼が、これをカネの問題として提示し、功利主義の好きな例のトロッコ問題のように
医療費の額と、その額で救える命の数を比較計算してみせる戦術をとるのであれば、
「一人の患者の延命年数」と「その金額で救える(他の患者の延命年数)×(人数)」とを
比較計算をすべきケースは、本当のところ、
高額な最先端医療にこそゴロゴロ転がっているのではないのか。
功利主義的な無益な治療論の計算にもまた
ない計算は見えなくされているというマヤカシが存在している――。
そして、そこに「ない計算」とは、
グローバル金融ひとでなし強欲資本主義で世界を回して行くための
科学とテクノの利権構造が関わる医療の周辺の計算ではないのか――。
【23日追記】
それにしても Singer までが「途上国」「ワクチン」「医療機器」とは、
あちこち符号することが生命倫理の界隈では増えてきました……。
【Maraachli事件関連エントリー】
1歳児の「無益な治療」で両親が敗訴(カナダ)(2011/2/24)
2011年3月1日の補遺(2011/3/1)
2011年3月5日の補遺(2011/3/5)
呼吸器外し命じられたカナダのJoseph君、セントルイスの病院へ(2011/3/15)
A事件繋がりのRebecca DresserがMaraachli事件で「コスト懸念で類似の訴訟はこれから増える」(2011/3/17)
http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html
フォトジャーナリストの國森康弘氏、地震当日夜から現地に向かい1週間弱、被災地で写真を撮り続けたとのこと。
http://www.kunimorifoto.net/
被災地の重度障害者の在宅医療の問題。人工呼吸器など。
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110317t73008.htm
一日中テレビから流れてくる説教臭いメッセージと、子宮頸がん・乳がん・脳卒中予防CMに、もういい加減ウンザリで、企業CM自粛の影響だろうとは想像しつつも検索してみたら、ACからお詫びメッセージが出されていた。それにしても前から思うけど、うさんくさい団体だこと。
http://www.ad-c.or.jp.nyud.net:8090/information.html
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昨日の朝日新聞に角田光代の「八日目の蝉」の書評があった。気分が悪くてならない。佐々木敦によれば、描かれているのは「母性と呼ばれるものの矛盾に満ちた本質」なんだそうな。な~んにも読めてないのね。これに比べれば、文庫の解説を書いている池澤夏樹の方がいくらかはマシ。「これは相当に過激なフェミニズムの小説」と見抜いただけは。
角田光代という作家はAC的な生きづらさを抱えた人間の生きはぐれ方を書かせると右に出る者がいないほどうまいと思う。だからこそ、その生きづらさを生じさせている側にいる人間は、突きつけられた問題を否認し問題をすり替える……という、いかにも虐待的な親のような反応を示すのではないか。
池澤氏も「母性に促された、いわば生理の犯罪」だの「聖母子」だの「母と子が一緒にいることはそれだけで祝福であるから」だのと、男にとって都合のよい「美しい母の愛」解釈ばかり展開している。「この話には頼りになる男は一人も登場しない」とかろうじて見抜いているところだけ、佐々木氏に比べれば池澤氏に分がある。この小説を読む男性には、ここに描かれている女を理解しようなどと、そんな無謀なことはしなくてもいいから、この物語に出てくる男たちから目をそらさずに読んでほしい。描かれているのは「母性」ではなく、女にとってこの世界がどのような場所であるか、ということではないか、というのが私の印象だった。
池澤氏も佐々木氏も、育児と介護を美化して語り母性賛美で母や介護者に悲鳴の口封じをしておきながら、いざ子どもや要介護者が殺される事態に至ってもなお母性や愛を云々して自分と問題を切り離しておこうとする社会の意識にそっくりだ。
そのそっくりさ加減は、信田さよ子が言っている「つまり権力とは『状況の定義権』のことである」ということに繋がってもいくような……↓
ACからEva Kittayそして「障害児の介護者でもある親」における問題の連関(2010/12/1)
それから、たぶん、こういうことにも ↓
女のエクスタシーと自殺幇助の関係性(2011/3/11)
【追記】
去年12月1日の「ACから……」のエントリーを読み返していて、ふっと思ったのだけど、
ACという概念のもつ告発性とでもいったものが指差しているところは
障害者運動がかつて言った「親が一番の敵」とか「愛と正義の否定」の告発性と
すごく近いところにあるんじゃないか……って。
今日のところは、ふっと頭に浮かんだだけで、
ぜんぜん深く考えちゃいないんですけど。
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かつて同州の優生委員会の強制不妊事業の被害にあった者に対し、
終結(closure)と補償(compensation)とカウンセリング(counseling)の3つのCを目指す、と。
5人のメンバーからなる対策委員会を作り、
1929年から1974年の間実施された同事業の実態を解明し
2011年8月1日までに中間報告、12年2月1日までに最終報告を行う。
当初の優生委員会には5人のDorothea Dix 精神病院の職員が入っており、
同州の強制不妊事業の最初の20年間は施設を対象とし、
精神障害、知的障害のある人たちが強制不妊の対象者となった。
1945年からは貧困層の福祉受給者、教育水準の低い者、病気のある者が
新たに対象とされた。
1950年代からは、対象者判断の権限がソーシャルワーカーに与えられた。
45年間で7600人の州民が優生委員会のプログラムで不妊手術を施された。
すべて医師らが「悪い」遺伝傾向の連鎖と考えたものを断ち切るために行われたもの。
多くは高齢化しており、
2005年に3000人以上生存しているだろうとされた被害者は
2010年には2944人ほどになったと推計されている。
NC州は2002年12月に優生委員会が引き起こした不便に対して謝罪。
2003年には前知事 Mike Easleyが優生法の廃止にサインした。
Governor’s Executive Order targets eugenics and sterilization program
Raleigh Headline Examiner, March 14, 2011
当ブログが拾ったNC州の同じ話題としては、↓
NC州に優生手術の歴史を認める記念碑(2009/6/23)
それから、インディアナ州も2007年に
米国で優生法を制定する最初の州となったことを謝罪しています ↓
今なお聞こえる優生思想のこだま(2007/12/2)
上のの09年6月の記念碑の記事の後半で書いたことを、
もう一度繰り返したく、以下にコピペ。
この記事を読んで目を引かれたのは
優生プログラムの開始が1929年だったという点。
1926年の世界恐慌の直後ということになる。
やっぱり、すごく符合するんだなぁ……と思う。
世界的な不況──。
ヘイトクライムの急増──。
その突出した形としての民族差別、障害者差別、女性差別──。
あちこちで起きている戦争。さらに起こるかもしれない戦争──。
そして、エセ科学の横行──。
(人間の脳やDNAについて、
ほんのわずかなことが解明できたからといって、
それで、すぐにも人間の全てが説明できたり、
体も心も頭も思い通りにコントロールできるかのように
世論を煽り立てるのも立派なエセ科学だと私は思うし)
そして、かつて専門家の権威でそのエセ科学の正当性をでっち上げた
優生委員会に当たる存在として、
今では例の生命倫理とか医療倫理だとかいうご都合主義の御用学問があり、
誰かの必要によって操作可能と思われる(Ashley事件がその証左かも)倫理委員会なる仕組みも
アリバイ作りの装置として、でっち上げられている。
そっくりだ……。
使える科学技術のレベルが断然違うだけで──。
【その他、関連エントリー】
受胎前遺伝子診断:巧妙な言葉の操作が優生思想を隠蔽する(2009/1/16)
米国優生運動の真実を描く映画“War Against the Weak”(2009/1/26)
http://blogs.yahoo.co.jp/kicyomu_0401/19493986.html
一方的な生命維持治療停止を認めている米国唯一の州Texasで、無益な治療法の改正法案 Patient and Family Treatment Choice Rights Act of 2011がBryan Hughes下院議員によって提出された。転院までの治療続行を義務付けるもの。
http://medicalfutility.blogspot.com/2011/03/texas-treat-til-transfer-bill-patient.html
2月9日にSavulescuらが、今度はICUにおける一方的な「無益な治療」停止の正当化のエントリーでアブストラクトを紹介した論文の、全文が読めるようになっている。
http://journals.lww.com/co-anesthesiology/Fulltext/2011/04000/Knowing_when_to_stop__futility_in_the_ICU.8.aspx
一方、BMJの2月号では、Medical futility: a commonly used and potentially abused idea in medical ethicsという論文で、無益概念の濫用が指摘されている(のではないかとタイトルから推測)。
http://bjhm.co.uk/cgi-bin/go.pl/library/article.cgi?uid=81856;article=hm_72_2_96_99
Bill Gatesがラテンアメリカ最大のコカコーラの製造会社Femsa(メキシコ)の株を14.7%取得。ビル・ゲイツがコーク株を大量買いすることの意味については、ゲイツ財団がコークとマックに投資することの怪、そこから見えてくるもの(2011/3/9)に書いた。
http://www.deccanherald.com/content/147173/bill-gates-buys-stake-mexican.html
心理療法を受けた患者がネット上で自分の担当者の評価をすることのリスクについて、NYTのコラム二ストである心理学者の懸念。
http://www.nytimes.com/2011/03/19/opinion/19kolmes.html?_r=2&nl=todaysheadlines&emc=tha212
NYTのコラムニストで、かつて日本の支局長だったNicholas Krsitofが、被災後の日本人の弱者をかばう助け合いや整然とした行動に、ハチ公を引いて米国人に向け訓を垂れている。:米国の知人が、日本の「がまん」について米国メディアから知った、見習うべきだと思う、と書いてきた。それを読んで、ビルダーバーグの世界人口抑制策の中で日本人と中国人だけは残してもいいとされていた理由は、確か「長い間権力によって抑圧されてきたために従順な民族だから」だったことを思いだした。
http://www.nytimes.com/2011/03/20/opinion/20kristof.html?nl=todaysheadlines&emc=tha212
高橋源一郎他3人が、この度の大震災についてNYTに寄稿。:何日か前に東浩紀も書いていたけど、ブクマしたつもりがしていなくて読まないうちに見失った。
http://www.nytimes.com/2011/03/20/opinion/20superhed.html?nl=todaysheadlines&emc=tha212
統合失調症のリスク遺伝子組み換え治療。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219533.php
http://www.bbc.co.uk/ouch/interviews/girl_x.shtml
ProPublicaが「福島原発をチェルノブイリにしない6つの方法」と、もう一本、同じ趣旨の記事。:私は読んでいません。
http://www.propublica.org/article/six-ways-fukushima-is-not-chernobyl
http://www.propublica.org/blog/item/our-quick-guide-to-nuclear-plant-safety-what-could-go-wrong
いつもお邪魔しているトンコさんのブログに、日本の“原発奴隷”のとことん恐ろしい話。:ビッグ・ファーマが途上国を非倫理的な人体実験場に使っているというのは、まさにそのグローバリズム版。つまり、構図は全て同じということ。
http://blogs.yahoo.co.jp/tonko_hard/51511913.html
これも読めていませんが、Lancetに今回の地震が日本で健康に及ぼす影響。:日本人の健康……と書こうとして、日本国内にいる人、被災した人がすべて日本人というわけではないという事実に気付いた。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2960368-1/fulltext?elsca1=TL-180311&elsca2=email&elsca3=segment
これは、上の記事よりもっと読みたいけど、とりあえず棚上げ状態で、Wesley Smithが生命倫理学者ってのは、ちょこちょこっと有名な哲学者の文献をかじっただけで、人の生命を左右する発言をさせてもらっているが、そんなのを許していていいのか、一体それはどういう資格なんだ? と疑問を呈している。
http://www.firstthings.com/blogs/secondhandsmoke/2011/03/18/should-bioethicists-be-licensed/
ナーシング・ホームでのホスピスケアに関する調査が少なすぎる。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219473.php
ニューヨークタイムズ電子版、ついに有料化。とはいえ月に20本までは無料で読める。その後は4週間 15ドルから3プラン。:う~む……。まぁ日本の紙の新聞の半額ではある。全部が有料化されるなら、米国NYT、英国Guardianかなぁ……とは思っていたんだけど、読みたい放題と言われても、そんなにたくさん読み切れる訳じゃないしなぁ……。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/cifamerica/poll/2011/mar/17/new-york-times-digital-media?CMP=EMCGT_180311&
歳をとってくると、一度に複数のことを同時進行でこなせなくなるので、歩きながら携帯でしゃべるのは止めた方がいい。:これは、なんとなく実感している。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219292.php
ヨーロッパで人々は肥満する一方なのに、でも実は長期的には寿命は延びている。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219512.php
すみません。あまりタチの良くないジョークです。この記事のタイトル、Metropolitan Jonah goes to Washington というんですけど、昨夜これを目にした瞬間、私には Metropolitan Japan goes to Washington と見えてしまって、えええっ? 東京がワシントンへ???? 地震と津波の被害で? それとも原発対応で? と、頭の中がオタオタとしてしまいました。20秒くらい後に気付いたのですが、そしたら今朝のYahoo! Japanのニュースで、米国から原発対応の450人規模の専門家集団が送り込まれてくる、と。あれって、頼んだわけじゃないですよね。じゃぁ、方向が逆でワシントンの方から来た……とか?
http://www.washingtonpost.com/lifestyle/magazine/metropolitan-jonah-goes-to-washington/2011/02/24/ABnZq3l_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110317-00000015-mai-soci
http://www.asahi.com/national/update/0317/TKY201103170134.html
米国のアフラックのコマーシャルでアヒルの声を演じてきたコメディアンGilbert Gottfried氏が日本の地震と津波について無神経なジョークをツイッターで次々に流し、アヒル役をクビに。
http://www.usatoday.com/life/television/news/2011-03-14-aflac-dumps-duck_n.htm?csp=obnetwork
アフラックは顧客の7割近くが日本人世帯だとかで、それを考慮したとのことだけれど、コメディアンはジョークが仕事だと弁護する人たちも現れている。
http://www.usatoday.com/life/television/news/2011-03-14-aflac-dumps-duck_n.htm?csp=obnetwork
その他、米国で日本の災害についてのジョークでひんしゅくを買っている人とその発言一覧。不快なので詳細は省くけど、シャイボさんを心ないジョークのネタにし、ダウン症をコケにして笑いのめしたFamily Guyの作家 Alec Sulkinが、パールハーバーがらみのジョークを飛ばしている。ラッパーの50 Cent が同様のジョークを流し、「僕のツイッターの中には、過激さで受けようとするバカなのがある」と謝罪。あと、やっぱり「天罰」系の発言もいくつか。そういうのは、外見的には強がっているけど実はすごく脆弱で未成熟な人格が行きつきやすいジタバタの典型反応なのかもしれない。
http://www.usatoday.com/life/people/2011-03-16-sickjokes16_ST_N.htm?csp=Dailybriefing
NASAの計測で、今回の東北関東地震で地球軸が6.5インチずれ、一日が1.8マイクロ秒、縮まったらしい。
http://content.usatoday.com/communities/sciencefair/post/2011/03/japan-earthquake-shifted-earth-axis-shorter-day-nasa/1?csp=Dailybriefing
英国のGPの3分の2は認知症を正しく診断する能力を欠いている。:去年、取材先で若年性の人たちの支援者の方から、日本の医師についても同様の指摘があった。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219240.php
公共住宅に住んでいる高齢者は、それ以外の住宅に住んでいる人に比べて健康度が低い。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219283.php
中国でナーシング・ホームが爆発的に増加。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219239.php
マイクロRNAによる新薬が、ついに臨床現場にデビューか。こういうのをPotential drug targets というんだろうな。
http://genengnews.com/gen-articles/mirna-drugs-close-in-on-clinical-debut/3600/
パーキンソン病への遺伝子治療の有効性がダブル・ブラインドのランダム実験で確認された、という論文がLancet Neurologyに発表されたらしいのだけど、その治療法とはGADという遺伝子を直接脳に埋め込む手術のこと。で、ダブル・ブラインドというのは施術者と患者の両方が、誰が実際の治療を受け誰がsham surgery(恰好だけの手術)を受けたか分からない状態で実験することなので、じゃぁ、この実験でプラシーボ・グループにランダムに振り入れられたパーキンソン病の患者さんたちは、自らに何の利益もない手術のリスクを負わされたということじゃないかと思うのだけど、そんな実験が倫理的に許されるものなんだろうか。研究者らはNYの研究機関に所属だけど、被験者についての情報は少なくともMNTには出ていない。Lancetのサマリーを見ても、米国の7か所の病院で行われたと場所は言及されているけど、被験者の詳細はない。論文本文にはあるのかもしれないけど。途上国がビッグ・ファーマの人体実験場となっているという話を読んだばかりなので、引っかかる。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219212.php
http://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422%2811%2970039-4/abstract
患者が医療に関する倫理問題に直面した場合には、看護師が大きな影響力を持つ、との調査結果。:ある方向への誘導に利用したい人たちがいそうですね。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219182.php
子どもに楽器を弾かせるのは知能向上に役立つけど、そこで中古の楽器を使わせると健康リスクがあるんだと。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219164.php
Nature誌の記者が「福島原発はもう制御不能だから退避者対策に集中せよ」とコラム。それに対して日本の誰からかコメントで「今の時代に、こんな原始的な対応しかできないのか、と唖然。リモコンのヘリやロボットで対応できないなんて」というのが興味深かった。育児や介護でのロボット応用開発より、確かに、そういう分野が先じゃないのか、という気がする。産業創出のウマミの差が問題なのだろうとも思うけど。
http://www.nature.com/news/2011/110316/full/news.2011.164.html
米国のプロ・ライフ団体の支援により特別機でセントルイスの病院に転院がかなった
Joseph Maraachli君(1歳1カ月)の続報があり(事件詳細は文末にリンク)、
セントルイスの病院はJoseph君に気管切開を行ったうえで
ナーシング・ホームに送る、との見込み。
しかし、カナダで訴訟を起こしてまで彼の呼吸器をはずそうとした病院は
あくまでも自分たちの判断は正しかった、と。
Baby Joseph mored to U. S. after Canadian court rules docs can remove breathing tube
The Toronto Star, March 15, 2011
ところで、この記事には、とても気になる人物が登場して、
とても気になるコメントをしています。
Washington大学セント・ルイス校の
法学・医療倫理学の教授、Rebecca Dresserが
米国の裁判所はこのような訴訟では、たいていの場合、
明らかに救うことのできない症例であっても、
愛する者の治療を続けてほしいと望む家族の側に立つものだ、
これからは、こういう終末期医療を巡る類似の訴訟が増えていくだろう、
「コストを巡る懸念が大きくなっているので、
こういう訴訟は増えていくでしょうね」と。
なんとも Norman Fost 的な物言いの Rebecca Dresser、
シアトルこども病院が組織した成長抑制ワーキング・グループの
メンバーの一人でもありますが、
それ以上に当ブログで注目してきたのは、
以下のエントリーで読んだChristian Ryanの論文で何度も引用されていること。
憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(2009/10/8)
憲法が保障する“基本的権利”をパーソン論で否定する“Ashley療法”論文(後半)(2009/10/8)
Ryanの論文によれば、Rebecca Dresserは
重症障害児は我々とは別の世界に住んでいるのだとして、
重症障害児には通常の最善の利益の考え方とは別の
「改定最善の利益」基準を設けるべきだと主張している人物です。
【Maraachli事件関連エントリー】
1歳児の「無益な治療」で両親が敗訴(カナダ)(2011/2/24)
2011年3月1日の補遺(2011/3/1)
2011年3月5日の補遺(2011/3/5)
呼吸器取り外し命じられたカナダのJoseph君、セントルイスの病院へ(2011/3/15)
http://www.nytimes.com/2011/03/16/opinion/16saeki.html?nl=todaysheadlines&emc=tha212
最後の防衛線として福島第一原発に残った50人のfaceless, unnamed のオペレーターたちについてNYTの記事。東電は彼らについてほとんど何も語らないが、と。
http://www.nytimes.com/2011/03/16/world/asia/16workers.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha2
ProPublicaから福島第一原発第4号炉に置かれている使用済み燃料棒の問題指摘。NHKでは問題が起こってから出てくるけど、海外メディアでは問題が起こる以前に指摘されていたみたい。
http://www.propublica.org/article/spent-fuel-now-focus-at-japanese-reactor-highlighting-concerns-about-plant
日本の原発の状況についての英語情報リンク一覧をProPublicaがまとめている。:在日外国人が出国していることに対して、心ない発言がネット上に多発しているのを読んで胸が痛んだ。被災を免れた私たちに今できることは、募金と節電と、善意からだけの無思慮な行動を起こしてしまわない自制、それから自分の不安を他者への排斥や攻撃性にすり替えることなく、こんなにも不安になっている自分を素直に認め、自分自身でそれを引き受けることだろう、と思う。そのためには「真の日本人」だ「日本人の誇り」だと力むことも強がることもせず、不安な気持ちを身近な人とそのままに素直に語り合うのがよいという気がする。この大災害や原発事故やこれからの日本がどうなっていくのか、多くの人と同じように不安でならない弱い一人の人間として、できる限りの努力を払って節度ある言動を心掛けたい、と思う。本当の強さとはたぶん静かなものであるはずだ。
http://www.propublica.org/blog/item/following-disaster-news-from-japan-heres-our-reading-list
ずいぶん前に話題になっていた事件なのだけど、インターネットで女性看護師を装ってイギリスの男性とカナダの女性2人に自殺をそそのかしたとして米国人男性William Melchert-Dinkelに有罪判決。
http://www.emirates247.com/news/world/us-man-guilty-of-assisting-in-2-suicides-2011-03-16-1.368916
世界のバイオ製薬企業最大手のQuintilesから刊行された白書の結論として、「これから新薬開発のフロンティアとなるのはアジア。西側諸国の企業はアジア各国の製品の製造を担いたがっているし、アジアの企業は自社製品をグローバル化したがっている。ただし、両者の利益が一致して「この好機から最大の利益を引き出すためには」現在の新薬開発モデルを捨て、複合的な戦略的パートナーシップを可能にする新型モデルによる新薬開発を」。:これを我々の日常言語に翻訳すると、「アジア諸国はまだ欧米のような“科学とテクノの簡単解決バンザイ文化”に毒されておらず、マーケット形成の余地が十分すぎるほどにあり、特に米国のような、絞り尽くされて儲け代がなくなったマーケットに難儀している国の製薬会社の格好の餌食となりうる。アジアの製薬会社の薬にマーケットを広く提供してやる見返りに、彼らの国々に新薬をどんどん作って持ちこみ売らせてもらって、相互にオイシイ商売が可能。」その他、引用には気になる内容が多々あるので、余力があればエントリーにしたい。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219049.php
ハリウッド映画“Limitless”、スマート・ドラッグを飲んで4日で一冊の本を書きあげ、数時間でどこかの国の言葉をマスターして、弁護士やら犯罪者やら投資アドバイザー巻き込んだ組織の親玉と化す、情報時代のスーパーマンを描いたものらしい。映画の出来があまりにお粗末だという記事。:トランスヒューマニストが書いていることにも感じることだけれど、「頭がよい=万能」というのも、ぜんぜん科学的な発想ではないよね。http://www.reuters.com/article/2011/03/16/us-film-limitless-idUSTRE72F1LJ20110316
米国で認知症の人の介護をしている人1500万人。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219193.php
ダウン症の人が35歳を超えると25%がアルツハイマー型認知症の症状を呈することが多くなり、60歳以上では半数以上が認知機能の低下を示すとして、カリフォルニア大学サン・ディエゴ校医学部のダウン症研究治療センター(DSCRT)が、早期治療に結び付けるため、ダウン症候群とアルツハイマー病との関連について調査研究を始めた。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219103.php
特定の病気に関する遺伝子リスクの検査には未だ質のばらつきがみられるとして、the Genetic Risk Prediction Studies(GRIPS)なる研究報告のチェックリストとガイドラインが出された。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/218947.php
骨形成不全症の6歳男児、革新的な手術で自力歩行が可能に。米。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219113.php
子どもの時のがん治療で不妊になった男性の3分の2には、手術によって回復の可能性?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/219110.php
南アフリカの赤ちゃんポスト「希望の扉」。しかし、あまりにも寒々しい……。
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-12600166
NHS改革でGPの収入は倍増。しかしGPが会計士みたいになっていいのか? という論議。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/mar/15/nhs-reforms-gps-double-income?CMP=EMCGT_160311&
WikiLeaksのジュリアン・アサンジ氏が、インターネットは言論の自由に資するよりも国家の監視ツールになっている、と。
http://www.guardian.co.uk/media/2011/mar/15/web-spying-machine-julian-assange?CMP=EMCGT_160311&
http://notdeadyetnewscommentary.blogspot.com/2011/03/organ-donation-by-death-row-inmates-get.html
東北東海での巨大地震で引き起こされた津波は環太平洋全域に及んだ模様。オーストラリアを襲った津波でも数千人規模の死者が予測されているし、ハワイでも被害。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/hundreds-of-australians-missing/2103052.aspx?src=enews
http://abcnews.go.com/US/tsunami-slams-hawaii-tidal-wave-crosses-pacific/story?id=13112901
日本の原発事故が先進諸国では原発の安全性論議を巻き起こしている一方、インドや中国など新興国では、にも拘らず原発開発にまい進する、と。
http://www.nytimes.com/2011/03/15/business/energy-environment/15power.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha25
きちんと読みこんだわけでもない記事で無用な不安を煽るようなことはしたくないので内容は控えますが、安定ヨウ素の放射能汚染予防効果に関するProPublicaの記事。
http://www.propublica.org/blog/item/iodine-pills-distributed-in-japan-offer-limited-protection-from-effects-of-
http://www.reuters.com/article/2011/03/14/japan-quake-iodine-idUSLDE72D1XF20110314
Potential drug targets という表現を最近よく目にするようになってきた。「新薬開発のターゲットとなりそうな領域」というほどの意味だと思う。例えば、DNAワクチンなんかがそうなんだろうと私は勝手に考えているのだけど、以下の記事では、人間の神経細胞を新たな角度からとらえ分析してみることで、そこから新たな新薬開発への道が開けるのではないか、という話みたい。:なにしろ新薬、新ワクチンが次世代ショーバイのトレンドなんでしょうね。だから、誰もが次の狙い目を鵜の目鷹の目で探している。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/218938.php
Washington大学のゲイツ財団の私設医療経済学研究機関IHMEのグローバル・ヘルスに関するデータを米国 CDC(疾病管理予防センター)のリプロダクティブ・ヘルス部門が採用。:IHMEのデータのとり方には偏りがあると、確か前に専門家の指摘が出ていたと思うのだけど。まぁ、もともとゲイツ財団ともろもろの国際機関のパートナーシップを思えば、米国CDCが特に財団が力を入れている母子保健での途上国援助を考えるためのデータをIHMEに求めるというのは、ある意味、筋の通った話ではある。
http://www.biocompare.com/News/NewsStory/367553/NewsStory.html
米国の経費節減目的の教育制度改革で、教員のリストラを勤続年数の少ない順に行うという方針が提案されているのに対して、Bill Gates夫妻は能力の低い順に首切りを、と。:いかにも、経験や関係性によって人は変わるということをカウントしない個体要因決定論者らしい理屈だと思う。以下の2つのエントリーでとりあげてきた“英語圏イデオロギー”そのもの。
http://www.contactmusic.com/news.nsf/story/melinda-gates-suggests-how-to-lay-off-teachers_1207204
英語圏イデオロギーの専横は生命倫理学だけじゃなかった(2009/9/4)
朝日新聞の“損得勘定”からアメリカの医療改革議論、“英語圏イデオロギー”を考える(2009/9/11)
いったん栄養の管を外された米国の移民女性に裁判所が再開を命じたニュースに続き、
医療の専門職に続いて司法の専門家の手によって切り捨てられ、
すでに失われているのでは……と案じていた弱く小さな命が
命の切り捨てに抗う人たちの努力が起こした思いがけない新展開によって
今なお、繋がれていると知り、
人がひとり、死なされずに生きているということが
多くの人の命が自然の猛威によって
あんなにもあっけなく奪われていった直後だからこそ、よけいに
しみじみと心にしみて嬉しい、Joseph Maraachli君の続報を――。
これまで以下のエントリーと補遺で追いかけてきた
カナダのMaraachli君(1歳1カ月)の事件とは、
1歳児の「無益な治療」で両親が敗訴(カナダ)(2011/2/24)
2011年3月1日の補遺(2011/3/1)
2011年3月5日の補遺(2011/3/5)
入院先の病院LHSCのドクターらが
Joseph君が回復不能の植物状態にあるとして
人工呼吸器を外したいと両親に申し入れを重ねたが
家に連れ帰って死なせてやりたいと気管切開を望む両親との間で合意が得られず、
裁判となり、両親の上訴を経て、2月21日月曜日の午前10時を期限に
呼吸器の取り外しが命じられたもの。
その後、世界中のメディア注視の中で取り外しを躊躇する病院と
米国への転院や上訴の決断の間で揺れる両親の間で
事態は二転三転していましたが、
3月13日日曜日の夜、
Joseph君は米国Missouri州セントルイスのCardianl Glennon 子ども病院に向け
飛行機で飛び立ったとのこと。
LHSCは、
「我々は可能な限り本人にとって最善で最も適切な医療を行うべく
あらゆる法的手段を講じてきたが、
両親は法的決定権を行使し退院させた。
転院受け入れの申し出を受ける両親の決断は
カナダ、米国、ヨーロッパの医療の専門家からの強いアドバイスに反して行われたもの」と。
空港まではLHSCがJoseph君と父親を搬送。
その段階では輸送費と医療費を誰が支払うかは明らかではなかったものの
米国のプロ・ライフの活動団体 Priests for Lifeなどが出す模様。
医療機器を積んだ特別仕様の飛行機に医療チームを添乗させ、
1時間あたり何千ドルもの膨大な費用。
病院での小児ICU入院費用は15万ドルにも。
Baby Joseph flown to U.S. hospital
The Toronto Sun, March 14, 2011
今さら膨大な費用のことをあげつらうならば、
最初からLHSCが一方的な呼吸器外しを主張するのではなく、
両親と柔軟な姿勢で時間をかけた話し合いをし、
気管切開の望みも含めた合意の道を探り解決策を探す方法をとることが
最も費用がかからない方法だったに相違なく、
命をつなぐ費用を惜しんで、わざわざ裁判を起こし判決の後には警備員まで増員し、
そもそも病院は、患者のいのちを切り捨てるためにかける費用はいとわなかったのではないのか。
Joseph君の命は、いつのまにか、
大人たちのプロパガンダの象徴としての役割を担い、
そのために膨大な費用が調達されていくのだろうということに
暗澹とした気持にならないわけでもない。
それは、幼い子どものいのちを大人たちが
ある意味で利用し食い物にしているということにもなるのかもしれないし、
また、たまたま、そうした象徴になりそこなった子どもの命は
誰も注意もお金も払わないまま、両親の小さな抵抗もかなわずに、
失われていくのだろう、既に失われてもいるのだろう、と思いもするのだけれども、
ただ、今は、ともかくも、
医療による「生きるに値する命」と「値しない命」の選別、後者のあからさまな切り捨てとに、
ここまでしてでも抗う人たちがあるという事実を素直に受け止め、
その努力の尊さに頭を垂れたいと思う。
命とはこんなにも簡単にあっけなく奪われていくものなのかと、
そのあり様を前に、人の力の無力さを痛感させられている時だけに、
人の手によって人を死なせることのむごさまでを
そこに重ねることはするまいよ……と、祈るような思いになるから。
http://dpiwomen.blogspot.com/
日本の原発問題が米国の原発の安全性議論を引き起こしている。:昨夜、テレ朝が原発の放射能漏れで非難した人たちの避難所を取材している映像を見て気付いたのだけど、NHKって、地震と津波の被災者・避難者の映像ばかり流して、原発での放射能漏れによる避難指示で非難所に集められた人たちの姿は一切出さない。
http://www.nytimes.com/2011/03/14/science/earth/14politics.html?nl=todaysheadlines&emc=tha2
Idaho州上院議会で医師による自殺幇助を大罪(felony)とする法案が通過。幇助した医師からは医師免許はく奪とするもの。
http://www.lifenews.com/2011/03/13/idaho-senate-approves-bill-making-assisted-suicide-a-felony/
10日に出たWA州尊厳死法の2010年報告書には、本人同意に関するものをはじめ多くの情報が抜けている、もともと尊厳死法には本人の意思によらずに行われていたとしても分からない不備がある、との指摘。説得力がある。
http://www.lifenews.com/2011/03/12/washington-state-assisted-suicide-report-lacks-consent-info/
シェアします。……とおっしゃる方から、某MLに流された情報が
私にもたいそう大切な内容だと思えるので。
私自身、金曜日の第一報の映像で一気に不安状態に陥ってしまったような気がします。
ショックと恐怖と悲しみと罪悪感で金縛りにされたままで過ごしていたけど、
そうだ、このへんで抜け出して、シャキッとしなければ……と気づかせてもらいました。
【災害時のメンタルケア】
◆1.今こそ自分自身のメンタルケアを。
今はまだ地震直後であり、だれでもアドレナリンが噴出している時です。
こういう時は何かをしたくてたまらなくなりますが、
まずはその自分自身の感覚に意識を向けてみましょう。
細々意識してみることをトラッキングといいます。
自分自身に対するサポートを最初にしてください。
私たちが落ち着いているか、不安エネルギーをまき散らしているかによって、
様々なことが違ってきます。
◆2. テレビの視聴には気をつけてください。
*特にお子様、感受性の強い老若男女の方々。
身体がだるくなったり、ボーッとしたり、涙が出てきたり、
妙な罪悪感が湧いてきたり、不安状態にある自分に気づいたら、
即刻テレビを消すか、必要なニュース速報のみが流れてくる全く違う番組にしてください。
テレビで繰り返し繰り返し流される悲惨な映像は、
非常に強い吸引力を持ちます(とかく最近のメディアは人々の不安をあおるのが特徴です)。
人によっては催眠にかけられたようにテレビの前から動けなくなる人もいるでしょう。
こうした映像に何度も何度も自分をさらすことは、何の役にも立ちません。
***私たちが生きていく為に必要な情報が得られれば、それだけでいいのです!***
トラウマの渦の引っ張り込む力はとてもとても強力です。
サンフランシスコ大地震の時は、繰り返されるメディア報道が
人々にもたらすネガティブなインパクトは甚大だったといいます。
◆3. 今一番に必要なのは、身の安全を確保することです。
避難場所、食べ物、人々が安全かどうかをチェックすることが優先です。
◆4. そして非常時に最も大切なのは、人とのコミュニケーションです。
人を求めるのは、とてもとても自然なことです。
その時の自分の思いを言葉にして、所属するコミュニティでシェアしたり、
身近な人に伝えてみてください。もちろん、手段はメールでも構いません。
「メールに書きながら落ち着いてきました。大丈夫です」とおっしゃる方、多いです。
東北地方太平洋沖地震で被害に会われた方々、ご遺族の方々に、
心よりお見舞い、お悔やみを申し上げます。
―――――――
3月6日に以下のエントリーで
合法移民の女性が「回復の見込みのない植物状態だから」と
反対する家族から代理決定権をはく奪して病院推薦の法定代理人が決まり、
栄養と水分の停止が強行された事件を紹介しました。
延命停止に不同意の家族からは決定権はく奪、病院推薦の代理人が同意(2011/3/6)
6日の段階で、停止から2週間で女性はまだ生きているとのことでしたが、
05年のShiavo事件の情報などから脱水死はだいたい2週間で死に至るとのことなので
あのまま亡くなってしまったのだろうかと案じていました。
すごい生命力です。
3週間を経て、まだ生きておられたようです。
さらに、この事件に新展開があり、
上記NYTの記事を読んだキリスト教系の法律家の組織
The Alliance Defense Fundが息子たちに代わって周回裁判所に申し立てを行って、
法的判断が下されるまでの間、栄養と水分の再開が命じられたとのこと。
Virginia: Judge Orders Nutrition for Immigrant in Nursing Home
NYT, March 11, 2011
未曾有の地震と津波の、
想像を絶する破壊をまざまざと見せつけられて
余りにもあっけなく失われていく命や
ほんの数分のうちに無に帰してしまう町や建物に
言葉を失ってしまっているだけに、
既に行われてしまった1つの命の切り捨てに
それでもこうして抗がおうとする法律家の努力のニュースに
慰められるものを感じたので。
若い女性たちとご飯を食べながら、
恋愛相談に乗っている場面に居合わせた。
ひとしきり、どんな相手がいいかとか
子どもは何人ほしいかなどと聞いた後で、
「あんたたちね、世間にはいろんなことを言う人がいるから
騙されちゃいけないよ。女の敵は女なんだからね」
うん、うん。そういう面もあるかも……と思いながら聞いていたら、
「エクスタシーがどうのこうの言う女っていっぱいいるけど、
乗せられて、そういうものがあるって信じちゃ、ダメだよ。
エクスタシーなんて、ありもしない夢物語なんだから」
――え?
「若い女性にそういうの吹き込んで結婚に幻想を持たせる女って、
ほんと、女の一番の敵だとつくづく思うわ。
昔から、よく言われてるのよ。セックスの最中に地震が来ても
男は必死だから気づかないけど、女はみんな気づくってね。
女ってそういうもの、現実はそういうものなの」
げぇぇぇ――!!!
私は内心、椅子から飛び上がって天井を突き抜けていきそうな勢いで仰天した。
だって、
エクスタシーというものが現に存在するかどうかなんて、
私が小学生の頃に母親が貸し本屋で借りてくる「主婦の友」なんかの
袋とじのページで、こっそり生真面目に議論されてたことじゃないか。
(私が知っているのはもちろん、母親のいないところで指で隙間を作って覗き読んだため)
そんな話が、あれから軽く40年は経った今の時代に
自分と同い年の女友達の口から出てくるなんて……。
私は衝撃に翻弄されつつ、
つかのま、頭の中で忙しく葛藤した。
たぶん“現役”をすでに引退しているか
いずれにせよ引退に近づいているであろう同い年の友人に向かって、
あんたの性生活は恐ろしく不運だったのだと指差し、暴いてしまって、いいのか?
そんなの、あまりに残酷ではないか……。
しかし、今から恋愛し結婚しようという若い女性たちが
こんな話を聞かされるのを黙って見過ごすのも……。
後でじっくりと振り返って考えれば、
彼女たちにしたって、まさか処女という年齢でもなく、
立場上、素直に聞いているフリをしていただけかも知れず、
私だって、自ら加担さえしなければ自分の良心に恥じることはないのだから、
知らん顔で笑っていることが、あの場合は正解だったように思えてくるのだけれど、
気がついたら、つい口からこぼれ出ていました。
「そんなこと、ないよ。エクスタシーは、あるよ」
感情を交えずに事実として口にしたつもりだけど、
その後の会話はやはり俄かに上滑りに沸き立ってバブリーな感じのものになりました。
口にしてしまった以上、
どんなバブリーな質問にも正直に淡々と応じることを意識・努力したつもりですが、
具体的な内容は、適当にご想像ください。
友人はもちろん私がいろんな意味で例外的な女なのだと考えたいみたいだったし、
でも、それだけで終われるほど鈍い人では決してないから、
私は無思慮にも彼女を深く傷つけたのだと思う。
なんで、あそこで、黙っておけなかったんだろう……と
その後、ずっと後味の悪さを引きずっているのだけれど、
忙しく頭の中で葛藤した、あの瞬間、
やっぱり私は憤り、許せなかったんだと思う。
もちろん彼女の言葉が。
そこに聞こえる、女を抑圧してきた世間サマの声が。
あの「主婦の友」の袋とじから40年以上も経って、
まだ、あの袋とじの中にとどまっている女がこの日本に残されているという発見が。
それは、いまだに男たちが妻を自分と同じ1人の人格として認めていないことの、
とても分かりやすい現われなのだということが。
それに気づかないまま若い女性に見当違いな訓をたれ、
抑圧に加担していることに無自覚な友人の鈍感さが――。
あの時、私はたぶん本当は言いたかったんだと思う。
そう言っているあんたこそが女の一番の敵なんだ、って。
でも、別の言い方でそれを口にした私は、
たぶん一番の被害者を傷つけてしまっただけなんだ……ということを、
あの日から、ずっと考えている。
もしかしたら、一番の敵になりやすいのは一番の被害者――。
そんな構図が潜んでいるのかもしれない。
女にとってのセックスだけじゃなくて、
他のいろんな弱者をめぐる問題や、その周辺でも――。
――――――――
以下のエントリーで、英国の女性ジャーナリストの
「なぜ自殺幇助合法化の闘士たちには女性が多いのだろう?」
また、なぜ彼女たちのパートナーはそういう話に
ニコニコしているのだろう?」という疑問と、
川口有美子氏の「逝かない身体」で読んだ
「世話をする人」としての役割を果たせなくなったことに負い目を感じて
人工呼吸器装着の選択ができない女性ALS患者さんについて書いた。
Cameron党首、自殺幇助合法化に反対を表明(2010/4/9)
その後、この問題については以下のエントリーでも書いてきた ↓
シンガポールで末期がん女性が自殺幇助を希望(2010/5/12)
元クリケット選手「ALSの妻が一人で自殺したのは未整備の法のせい」(英)(2010/9/24)
それから、まだ書いていないけれど、
取材で、若年性認知症患者の支援者の方から耳にした話として、
ずっと胸の奥に重い固まりを作って忘れられないのが、
妻が若年性認知症となり夫の方に介護能力がないために虐待が起こりそうだったので、
支援者が介入してグループホームへの入所を検討するよう話を切り出したところ、
「女房を施設に入れるだと? じゃぁ、オレの性的欲求はどうしてくれるんだ?」と。
次に友人に会ったら、、
あの日言いそびれてしまったことを言いたいと思っている。
もしまだ”現役”だったら、
いや、もう”引退”していたとしてもちょっと引き返して、
長年連れ添ってきた夫に向かって正面から言ってやんなよ。
「死ぬまでに、私だって地震が来ても気づかないほど我を忘れてみたい。
今まで何十年と、あなたは自分の満足しか考えてこなかったのだから、
一度くらい、私の満足を考えてちょうだい」って。
それが、私たちの次に続く世代の女に対して、
あなたにしてあげられる最大の親切かもしれないし、
あなた自身が、これから
どちらに何が起こっても不思議ではない老後に向かって夫婦で生きていくためにも、
それは、何よりも夫に求めておくべき重大な意識転換のはずだと思うから。
エクスタシーなんて夢物語だ、セックスは妻としての退屈で苦痛なだけの義務だと
信じ込まされている女が1人もいなくなるまでは、
どうか、お願いだから、
「家族に(夫に)介護負担をかけたくないから」死にたいという望みに
「分かったよ。じゃぁ君の望みのままに」と思いやり深く応じて妻を死なせる夫を
免罪するような社会を作らないでください。
2010年に尊厳死法で処方を受けた人は87人で、09年の65人から22人増。
処方箋を書いたのは68人の医師。
87人のうち72人の死亡がこの段階で確認されており、
PASの致死薬で死んだのは51人で、
15人は飲まずに別の原因で死亡。
残り6人については飲んだかどうか不明。
51人以外の15人の生死は不明。
72人の尊厳死法「参加者」の年齢は52から99歳で、
94%がどちらかというと富裕な総が住むCascades山脈の西側に住み、
78%が癌患者で、
10%がALS患者。
致死薬を飲んだ時点で90%が在宅者で
84%がホスピス・プログラムを受けていた。
致死薬を飲んだことにおける合併症の報告話。
88%に何らかの医療保険があった。
95%が白人、非ヒスパニック。
62%に大学教育あり。
終末期の懸念として挙げられていたのは
90%が自律能力(autonomy)の喪失、
64%が尊厳の喪失、
87%が人生を楽しめる活動への参加ができなくなったこと
サマリーでは特記されていませんが、
私が目を引かれたこととしては、
精神科/心理学相談報告の提出は3件。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1364638/Man-helped-wife-life-spared-court-thanks-new-rules-assisted-suicide.html
日本でも、ついに、というか、やっぱり、というか……「幼児に向精神薬処方」が3割 発達障害で専門医。:アメリカで向精神薬を巡って起こったことが、日本でも起ころうとしているのでは、という懸念は私にもずっとあるし、向精神薬で起こったことが、次はワクチンで起ころうとしているのでは、という懸念もある。「ワクチン産業ビジョン」推進委員会の方々にとって、例えば相次いでいる接種後の死亡例は一体どういうふうに受け止められているのだろう……?
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030901000990.html
日本関連。子宮頸がんワクチンが不足しているんだそうな。:ちょっと、豚インフル騒ぎのことを思い出した。「不足している、受けられなくなるかもしれない」と騒がれれば、人間の心理として「じゃ、打てるものは打てるうちに打っておかねば」という方向に踏み出すものだよね。たしか豚インフルのワクチンも、そんなふうに各国の需給不足不安をあおって在庫をしこたま抱えさせたのは、製薬会社とつるんだWHOの陰謀だとしきりに言われたんだった……。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110307-00000588-san-soci
ビル・ゲイツがNimbusというバイオテクノロジーのベンチャーに1千万ドルを出資するんだそうな。コロンビア大の化学の教授Richard Friesnerと一緒に。後者は同社の創設者のひとり。もう一人の創設者はglobal chemical-stimulation software provider である Schrodinger という人物で、チェアマンはBruce Booth。他にもいるみたいだけど、ハリーポッターの箒の名前のこの会社は何をする会社かというと、computational chemistry and drug design for the biopharmaceutical industry。私の素人の想像では、たぶんコンピューターで化学分析を行って新薬の開発を、という会社ではないか、と。この記事にはもう1つ面白い情報があって、ゲイツ氏はワシントン州を拠点とするED薬を開発した企業の出資者&役員でもあるんだと。現在は買収されてEli Lillyの子会社。:ほらね、ここにもBill Gatesとビッグ・ファーマの繋がり。
http://www.xconomy.com/boston/2011/03/10/bill-gates-backs-nimbus-betting-on-computer-based-drug-discovery/[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57115039.html
ビル・ゲイツはForbesの世界一の金持ちの座から滑り落ちたのではない、金を慈善に注ぎ込んでいなかったら一位だったのだ、と専門家。:そっかなぁ???? だって、その慈善がマーケットを拡大して、そこから彼のポートフォリオにちゃんとペイバックしてくるじゃないかと私は思うけど? これについては、昨日のエントリーで書いたばかり。
http://www.reuters.com/article/2011/03/08/us-wealth-gates-philanthropy-idUSTRE72668V20110308
脚の潰瘍には薬よりも腹から笑うことの方がよく効く、という実験結果。:日本には2005年から「笑い療法士」認定制度がある。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/218611.php
英国医師会がNHSを民間企業と同じ論理で運営するな、と。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/218667.php
米国女性の間で、妊娠ホルモンhCGを毎日注射して食事を500カロリーに抑えるダイエットが流行しているそうな。hCGは不妊治療を目的に認可されており、医師らが適用外処方で出している格好。FDAは、ダイエット効果を謳って打つのは詐欺だし違法だ、と。しかしネットでも手軽に買える状態で、大流行中。
http://www.nytimes.com/2011/03/08/nyregion/08hcg.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha2
ゲイツ財団とビル・ゲイツの年次報告書や今後の方針が相次いで発表され、
同時に財団やゲイツ氏のポートフォリオが公開されて
あちこちで話題になっていた。
私は経済に全く疎いので、
読んでもさっぱり分からないことの方が多いのだけれど、
そうした記事の中に、いくつか興味を引かれた個所があった。
まず、以下の記事で書かれていることとして、
「Bill Gatesといえば、マイクロソフト創設で富を得て資産を増やしてきた人というイメージだが、
実際には彼はCascadeという投資会社をもつ投資家であり、その投資を通じて資産を増やしてきたのだ」
A peek inside billionaire portfolios
The Globe and Mail, March 3, 2011
実はその数日前の夕食時に、以下の記事から、
私はこんなことを話題にしていた。
「ねー、ゲイツ財団が去年コカコーラとマクドナルドの株をごっそり買ったんだってさぁ。
なんで今さらコークとマックなんだろうね。コークなんか飲んでいる人、今そんなにいる?」
もちろん夫婦のいずれも経済オンチなので、話はそれだけで終わった。
Bill & Melinda Gates Foundation Buys FMS, KO, ECL, FDX, MCD, WM, XOM, WMT, TV; Sells GS, DVN, COG, RRC
Gurufocus.com, February 15, 2011
そうしたら、不思議なもので、
たまたま今ちょっとずつ読んでいる本の中から、
全くの偶然に、その疑問の答えが飛び出してきた。
生きていると、時々こんなふうに、
誰かが空の上で見ているのかしらん……と思いたくなるような、
「あたかも仕組まれたかのような偶然、まるで必然のような偶然」が
どこからか降って落ちてくるから不思議――。
で、その本とは、これ ↓
The Body Hunters: Testing New Drugs on the World’s Poorest Patients
Sonia Shah
The New Press, 2006
ごく大雑把な内容は、
欧米先進国で製薬会社に対する不信が高まり、
募っても治験に参加してくれる人がいなくなった。
それでも新薬への期待もマーケットも大きい。
そこでビッグ・ファーマがこぞって貧しい途上国に治験の場を移し、
医療アクセスの不備と貧困とで治療を受けられない病人の弱みに付け込んで、
世界で最も貧しい人たちをモルモット代わりに使っている。
先進国でならあり得ないような非人道的なやり方で。
そのための各種規制緩和がどのように行われたか、
推進サイドと批判サイドから、それぞれどのような声が出ているか、
ここ数年の医学論文のデータや議論を丁寧に引きながら、
その実態を克明に描いている。
いちいち驚愕の内容だけど、私はまだ最初の方しか読んでいない。
もちろんゲイツ財団やゲイツ氏について書かれたものではないし、今のところ言及すらもない。
そんな本の中で、
たまたま上記のようなポートフォリオ情報に触れた直後だった私を
いきなり金縛りにあわせた個所とは、以下のくだり。
Just as health care systems are being dismantled, multinational tobacco, soft drink, and fast-food companies have rushed into the emerging markets of the developing world, eased by international trade agreements forged throughout the 1990s……(略)………Coca-Cola aimed to become the number one beverage on the planet, buying up water licenses in poor countries where they could sell their nutritionally valueless drink for less than the price of a glass of clean water. McDonald’s spread its inexpensive, fatty, high-calorie foods across the globe, with four of its five new restaurants opened daily outside the United States.
(p.13)
先進国のビッグ・ファーマが治験の舞台を途上国に求めたことは
現地の医療制度を崩壊させているのだけれど、その一方で起こっていることは
1990年代に相次いだ規制緩和の国際貿易合意によって
新興マーケットと目されることになった途上国への
タバコ、ソフトドリンク、ファスト・フード多国籍企業の急速な進出。
コカコーラは貧困国の水の権利を買い占め、
コークを水よりも安く売ることで世界一の飲料に仕立てようと目論んでいる。
マクドナルドも世界中に店舗を日々続々と新規オープンしては
高脂肪・高カロリー食品を世界中にばらまいている。
今や日々オープンする新規店舗の5件に4件は米国外だという。
まさに「これぞグローバル強欲ひとでなし金融資本主義の真実!」というような話なんだけれども、
それだからこそ、
去年、コカコーラとマクドナルドに投資しようと考えた人が、
こうした企業のこうした戦略を知らないわけはない。
その戦略を知り「これは間違いなく儲かる」と踏むことから
その人の投資行動は生まれているはずだ。
先進国では子どもの肥満が社会問題となり、
その対策がしきりに取られている。
いかに肥満が各種病気を引き起こしているか、
研究データは毎日のように繰り出されてくる。
その反肥満キャンペーンの過激さは、
子どもの肥満に問題意識がない親が親権をはく奪される事件が起こるほどだ。
「科学とテクノで簡単解決文化」の背後の利権は、ここでもすばしこく、
ヤセ薬も次々に解禁されていく。
それほどの“不健康の代名詞”であるはずの肥満を途上国にばらまき、
貧しい人たちの健康をさらに害して利益を上げることに血道を上げる多国籍企業に、
その儲けを当て込んで投資する同じ人が、
一方では、
途上国の医療と栄養の不足という問題への対処を表看板に高く掲げて
貧しい人たちを救うために世界中の金持ちにゼニを出せ、とキャンペーンを張っている――。
彼はまた、自分がワクチンで救おうと呼びかけている途上国の人たちに
非人道的な新薬実験を行っているビッグ・ファーマの株主であったりもするらしい。
(HPVワクチンのメルク社の株主だという話をどこかで読みましたが、
この情報は、私自身はまだ直接に確認できてはいません)
――そんなふうに、ぐるりと金が回って繋がるカラクリのことを「慈善資本主義」と呼ぶ。
が、多くの場合、人はこのカラクリにまでは目が届かず、
そのため「資本主義」の部分が抜け、「慈善」だけで彼をたたえ、ほめそやす――。
そして、
そんなふうに高く見上げて手を叩いているうちに、
いつのまにか、ぐるぐる回って増えた彼のゼニは
世界中の研究機関に、メディアに、外交ルートに回り
人体を巡る血液のように世界の隅々にくまなく浸透していって
国家や国際機関に匹敵もしくはそれすら凌ぐほどの発言権、影響力を
一人の個人にもたらす結果を生み出している――。
それって、とても危険なことではないのでしょうか?
「愛と善意の人」という不動のイメージの陰に
一緒に潜んでいる人たちがいないわけもないと思うのだけれど。
カナダ「オタワ健康調査研究所」の
「高齢患者の長期経管栄養の意思決定支援ガイドライン」を探してみました。
Making Choices: Long Term Feeding Tube Placement in Elderly Patients
Division of Geriatric Medicine
Clinical Epidemiology Program
Ottawa Hospital – Civic Campus
Ottawa Health Research Institute
以下、今朝の新聞から、ざざざっと頭に浮かんだ雑駁な感想に過ぎませんが、
ざっと目を通してみて、
確かに丁寧に作られたもののようには思えるし、
聖路加看護大学助教の野田有美子氏は、これをもとに
日本の実情に合わせた改良版を作っているとのことなので、
カナダのものをそのまま持ってくるというわけでもないのだけど、
このブログを通じて、
カナダという国の医療が「無益な治療」論では最先端にあり、
医療文化そのものが「QOLの低い生は生きるに値しない」という価値意識を
たいへん濃厚にしていると思われる国だけに、
(詳細は「無益な治療」書庫に)
ここでもまた「先進国のモデルにならって」という
情報の使われ方がされることに、ちょっと抵抗がある。
そもそも日本の医療では、
ICの理念すら今だに徹底しておらず形式優先で
実はまだまだパターナリズム……という傾向が根強いと私は感じていて、
「家族の代理決定」を云々するよりはるか手前のところで、その土台となるべき
治療の実施や選択についての「自己決定」すらが確立されていないのに、
なぜか死ぬ話や治療停止や臓器提供の話でだけ
家族の代理決定のガイドラインが持ち出されてくるというのは、
ものすごく倒錯しているような印象を受ける。
すごく素朴に疑問に思うのは、
例えば、
癌治療の選択肢を前にした患者さんの意思決定支援ガイドラインとか、
脳卒中後にリハビリを打ち切られた患者さんの
非常に限られているかもしれないけど選択肢を巡る意思決定支援ガイドラインとか、
脳性マヒと診断されたばかりの子どもを持つ親への
療育や支援サービス利用選択肢を巡る意思決定支援ガイドラインとか、
ALSで在宅生活を希望している人への
その実現に向けた医療や介護の選択肢を巡る意思決定支援ガイドラインとか、
なにしろ「医療を受ける」「医療を選択する」ための
意思決定支援ガイドラインの整備の方が先のはずでは……?
でも、私が知らないだけかもしれないけど、
「受ける」「選ぶ」ための「自己決定」や「代理決定」の支援ガイドラインは
あんまり目につかなくて、
せっせと作られて出てくるのは、
医療を「やめる」「死ぬ」「死なせる」ための、
または、その方向の議論が主流となった医療に関する、
自己決定や代理決定の支援ガイドラインばっかり……。
それって、やっぱり倒錯してません?
日本の厚生労働省医薬品局は平成19年3月から
「ワクチン産業ビジョン推進委員会」なるものを開催しており、
第6回の委員会は明後日10日に開催される。
これ知って、最初に頭に浮かんだ疑問は
なんで“ワクチン・ビジョン”じゃなくて“ワクチン産業ビジョン”なんだろう?
諸々の資料は第1回目に配られていて、こちらから読める。
で、その中から「ワクチン産業ビジョンの要点」という文書を読んでみると、
「3. 感染症対策を支え、社会的期待に応える産業としていくうえでの課題」の中に
3つの課題が挙げられていて、あとの2つに目が引かれた。
(2)現在のワクチン市場は小さくても、ワクチン市場の将来性を見通しつつ、
戦略的に新開発に投資できる体力のある産業への構造転換を図ること。
(3)国民の理解を得て、ワクチン市場を安定した成長の見込めるものとしていくことを通じた
国内製造体制の確保。
官僚語で書かれているので、
それを我々の日常の日本語に翻訳してみると、
(2)現在の日本ではワクチンを打つ人はそれほど多くないが、
これからは「ワクチンの10年」と言われ
国際的にワクチン市場はオイシイことになっているので
日本も乗り遅れないよう、早くからちゃんと新開発に投資して
長期に渡って利益を上げ続けられるワクチン産業を創出しないと。
(3)そのためには、ワクチンが大切、ワクチンで病気予防をしなければならないと
徹底的なキャンペーンを行って国民をその気にさせ、接種する人をどんどん増やし
日本国内でのワクチン市場を継続的に拡大していく必要がある。
だってマーケットが広がってこその、製造体制確保だし、
打ってくれる人あっての産業創出なんだから。
さらに「7.ワクチンの普及啓発」のところには、
次のように書かれている。
ワクチンの意義や重要性についての正確で分かりやすい情報が、
国民に広く提供されるなどの普及啓発活動に加え、
有用性を総合的に評価する医療経済学的な調査分析を推進し、
国民がワクチンの意義を理解する上で活用できるよう関係者が協力。
わわわっと、頭に疑問が浮かぶのだけど、
・「ワクチンの意義や重要性」というのは、
あくまでも個々のワクチンについてのみ云々できるものでは?
・ワクチンの「有用性」を「医療経済学的な調査分析」って、
これもまた大事なのは、個々のワクチンの「有用性」についての「医学的調査分析」では?
・個別ではなくワクチン一般の「有用性」を「総合的に評価」って、
その「総合的に」というのは、いったいどういう意味?
その「総合」の中には、例えば具体的に何が入るの?
・こういうものを読むと、
ああ、あのHPVワクチンを巡るすさまじいほどのキャンペーンは、
なるほど、こういうところと直結して繰り出されていたのかぁ……と得心もするけれど、
その一方、この前コメントで教えてもらった感染症の専門家のブログ記事で
こんなことが指摘されていたのを思い出した ↓
接種記録をどうするか、前後の疫学データ収集をどうするか、という
各国が念入りに準備をして導入にそなえたことは、
考えついていないか無視の状況。
このワクチンの効果評価は長期においかけるコホートデータになるので、
接種前からの登録・長期間のフォローアップが必要なんですが。
Registration Programがないですよ!
接種した人達が誰か、分母がわからないと、そもそも効果評価できないですよ!
つまり、これ、
HPVワクチンを一人でも多くの子どもに打たせることには極めて熱心だけど、
その一方で、HPVワクチンの「有用性」について「医学的に」調査分析するつもりは
まるっきり、ないってことでは……?
個々のワクチンの「有用性」を「医学的に」調査分析するつもりはないんだけど、
ワクチンというもの一般の「有用性」を「総合的に評価」するための
「医療経済学的な」調査分析を「推進して」、その結果を「活用」して
「国民にワクチンの意義を理解」させようって、
ものすごく、ヘンな話じゃないです、それ――?
結局、やっぱり、こういう話なんじゃないのかなぁ…… ↓
「健康ギャップ」なくても「ワクチン・ギャップ」埋めないと「世界に恥じ」る……と説くワクチン論文(2010/3/5)
つい数日前に、この論文の著者で、医療経済学者の川添孝一氏が
フジテレビの朝の番組に出て、規制仕分けについて解説しておられたような……。
(最後だけ見たので名前は確認していません。顔から「おや?」と思っただけ)
管総理の肝いり「医療産業創出」の話も出ており、
そこには医療ツーリズムだけじゃなくて
もちろんワクチン産業も含まれているのだろうなぁ……と
私は思ったものでしたが。
先月「現代思想」で“バイオ化”について読んでから漠然と頭の中をぐるぐるしていたことが、
その後のmghさんとのやりとりを経て、だんだんと形を成してきて、
さらに、その直後のmyuさんとのやり取りで、やっと言葉になったので、
その辺りのことを抜粋・整理・補足して、以下に。
ここ数十年の世界経済や金融での大きく急速な構造変化が起きていること、それが、
製薬業界・医療機器業界を中心にした科学とテクノロジーの分野の諸々を
否応なく経済と金融の領域の問題にしてしまっていることなどが、
ずっと医療の中にいて、すべてを医療の中の問題、医療の専決事項として眺め考えてきた
現場の医師の多くには、捉えきれていない……という面があるんじゃないんでしょうか。
そこに、myuさんが言われる「感情的なもの」が影響して、
外部から指摘されても反発が先立つために、
個々の事実を冷静に確認する必要に目が向きにくい、
ということもあるだろうし。
そこに政治的な動きがある気配は察しても、
もはや「薬屋さんとのお付き合いは昔から難しい」といった
個々の医師のモラルの次元をはるかに超えた事態が出来している、
その事態の深刻さまで見えている人が、案外に少ないんじゃないのかな。
その政治的な動きの背景には製薬会社だけでなく、その株主、
グローバル金融資本主義でどんどん強欲になっていく
スーパーリッチたちの思惑までが繋がっているのだと考えれば、
すでに医師に提供されるエビデンスそのものに関わる問題に
なっている可能性だって、ないとも言いきれない。
ビーダーマン・スキャンダルが警告しているのも、
結局はそういう医療のエビデンスまで金融資本主義に巻き込まれてしまっている
構造的な問題なのではないかと私は考えるので、
臨床のエビデンスが揺らぐとなれば
本当は臨床現場のお医者さんたちが一番怒ってもいいはずなのに……と、
いつも思うんですよね。
その点で、 臨床現場のお医者さんたちの性善説というか、楽天性というか、
そこのところにmyuさんの言われる「感情的に心地よいゾーン」が
働いているような気がしたり。
【関連エントリー】
リスクの“リ”の字もなく“黄金時代”に沸くワクチン開発記事(2009/11/19)
「これからはワクチンが儲かりまっせぇ」の陰には、やっぱりゲイツ財団が……(2009/11/20)
「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」を書きました(2010/7/5)
5日に同じくNTYに掲載されています。
補遺で簡単に拾っておこうかと思ったら、
著者が、なんと Lainie Friedman Ross ――。
あのNorman Fostと並んでシアトルこども病院生命倫理カンファの常連、
Ashley事件でもメディアで早々に擁護発言をかました、病院のオトモダチの一人なのです。
Rossは、救済者兄弟や兄弟間の臓器提供について
「家族全体の幸せが子どもの幸せなので、家族のために
子どもの健康に最小限の不利益を及ぼす(minimally compromise)ことは可」とする
「親密なつながり原則」を謳っている人物。
そのRossの、「若い人優先」分配方式への批判の論点は、
そんなことをすれば生体からの提供腎臓が逆に若い人に回らなくなり、
移植を待ちながら死んでいく高齢者が増えるだけで、
臓器不足という本質的な問題解決にはならない、というもの。
じゃぁ、どうすればいいのか、Rossが提言しているのは、
まずネットワークがマッチングしている現在の調整地域を広げて、
広域でマッチングが行われるようにする。
次に、本人同意があれば家族の反対には応じない現在のルールは
ネットワークとして引き続き守らなければならないが、
臓器不足解消のためには、国民への教育が大切。
腎臓提供はほとんどの場合安全であることの周知を図ると同時に、
交通費や提供にかかる医療費など提供を阻む要因を見極め、対処すること。
生体ドナーの提供後の健康の長期に渡る追跡調査も
ネットワークはもっと熱心にやるべき。
さらに「腎臓ペア交換」など革新的なプログラムを推進すること。
How Not to Assign Kidneys
The NYT, March 5, 2011
「解決すべき本質的な問題は臓器不足そのもの」と本気で言っておられるらしいことには、
そりゃ、臓器のために誰かを殺すしかないんでは……? と強く反発を感じるけれども、
今の英語圏の「“臓器さま”が人間より大切」と言わんばかりで“臓器の亡者”じみた
“臓器不足”解消努力の流れを思うと、全体として、たいそう穏当な提言ではあります。
ただ、ドナーの長期追跡調査という個所が私には何より大事なことのような気がして
今の段階で十分な追跡調査が行われていないわけだから、それなら、
「ほとんどの場合安全」と国民に向かって“教育”するエビデンスは
一体どこにあるのか……? と疑問が沸いてくる。
それに最後に出てくる「腎臓ペア交換」システムは
以下のエントリーで紹介したように、既に動いているものですが、
「腎臓がほしければ、他人にあげられる腎臓と物々交換で」時代が始まろうとしている?(2010/6/30)
私は、このシステムは家族、特に女性家族に不当な提供圧力がかかり、
自発提供ルールを侵していると思う。
あ……、考えてみれば、ここでもまた
「名ばかり“自己決定”」が推し進められているだけなのかもしれませんが。
最近、「名ばかり“自己決定”」に「自己申告“自殺幇助”」に「植物状態もどき」……。
なにやら「似て非なるもの」が「そのもの」として処理されていくパターンが
増えつつありますね。
まるで、似て非なるものであることは本当は分かっているんだけど、
そんなことは、もう誰も構っちゃいないんだ……と言わんばかりに――。