http://www.businessinsider.com/jack-kevorkian-auction-paintings-2011-10
オーストラリアで電車にはねられて亡くなった3歳の男の子の両親が臓器提供に同意。「これで息子の命は無駄にならない」と。:こういうのが“まだ”トップ扱いでニュースになっていることに、ちょっとほっとはするものの、それにしても命ってのは、その人が「生きた」ということだけでもって既にして「無駄にはなっていない」と考えるのが正しい……という類のものだと思うのですが――?
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/parents-donate-young-sons-organs/2315166.aspx?src=enews
米ウォール・ストリートのデモ、全米のみならずカナダ、ヨーロッパへ拡大。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/oct/04/wall-street-protest-movement-spreads?CMP=EMCGT_051011&
上記デモで、ガウタマ・シンラン・ソリドゥスさんのブログに、とても象徴的なYouTube動画がある。テラスからシャンパン片手にデモを文字通り「高みの見物」しているウォール街のエリートさんたち。:でも、このエリートさんたちだって、もっと高いところからもっとバカ高いシャンパン片手に見降ろされているんだと思うんだけど。うん。たぶん、クラウド・コンピューティングの上に着々と準備されつつある世界政府コントロール・ルームという”雲”の上から。
http://blogs.yahoo.co.jp/solidussolidarity/35226499.html
そのクラウド関連で、名前を聞くだに心の中が真っ黒な不安で塗りつぶされそうなほど恐ろしいカンファが11月に立ちあげられるみたい。その名も、Pharma Cloud World Europe。立ち上げるのは Health Network Communications。これがどういう団体で、どこに繋がっているのか……。コワくて、すぐには検索してみる勇気がない……。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/235455.php
こっちもなんだかなぁ……あれこれと妄想が広がってしまいそうなカンファ。Appropriate Healthcare For Developing Countries。これも今回が初。立ち上げたのはthe Institution of Mechanical Engineers。欧米社会の諸々を前提に作られた医療機器が途上国に送られているけど、道路もロクに舗装されていない国で救急車や、クリニックに電圧が違う透析機なんかをもっていって何の役に立つのか。もっとカネがかからない、その土地の生活に応じた機器や医療のやり方を工夫しないと、という話らしい。:これはカンファがコワいんじゃなくて、こういう話から透けて見えてくる現状というか実態というか、に、やっぱりワクチンの構図を思わせられるのがコワい。実際に途上国でどのように命が救われているかどうかではなく、大事なのは実は途上国には売れる、途上国支援だと言えばカネが集まり回る、ということなんでは、というような……。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/234034.php
Appleの創設者で元CEOのSteve Jobs死去。56歳。Bill Gatesを筆頭に各界著名人の弔辞コメント。:56歳は若いけど、科学とテクノの億万長者もやっぱり普通に死ぬんだということに、なぜともなく安堵したりして。
http://www.macobserver.com/tmo/article/apple_co-founder_steve_jobs_passes_away_at_56/
http://www.macobserver.com/tmo/article/bill_gates_i_will_miss_steve_immensely/
ジョブス氏死去のニュースで頭に浮かんだのは、遺伝子診断でパーキンソン病になる確率が高かったのを気に病んで、治療法研究に大枚を投じ、予防のために生きると決意していたGoogleの創設者のこと……だったんだけど、こちら、いわゆる「消費者直結型DTC」の遺伝子診断の精神的な悪影響に関する研究。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/235452.php
こんな話も ↓
遺伝子診断、無用のストレスが体に悪いだけ(2008/9/19)
出生前診断をショーバイで語るとこうなる(2008/11/21)
新生児の遺伝子スクリーニングの“コラテラル・ダメージ”、“発症可能性”に振り回される親たち(2010/12/10)
英国のNottinghamshireで自治体がテレケア・サービス提供へ。:テレケア(遠隔介護)とは、要介護者とその周辺環境をセンサーだらけにすること?
http://www.guardian.co.uk/social-care-network/2011/oct/05/nottinghamshire-council-telecare?newsfeed=true
米国のテレケアについては去年、書いたことがある ↓
テクノロジーによる遠隔介護支援システム(米国)「介護保険情報」2010年9月号
その記事は、こちらと合わせ読んでもらったら面白いと思うのだけど ↓
米国で認知され始めた「介護の力」「介護保険情報」2011年2月号
あと、関連かなと思うエントリーは ↓
「サイボーグ患者宣言」(2008/6/19)
「患者の手を握って励ます人造の手ロボット」を考えた(2008/11/4)
「尿吸飲ロボ」から“QALY時代の排泄ケア”を想像してしまった……(2010/2/20)
「洗車機とUFキャッチャーでオムツ交換ロボットできる」と言う工学者の無知(2010/4/5)
クローン技術でヒト万能細胞作製…米チーム(日本語記事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111006-00000120-yom-sci
知的障害、受胎時に父親が年を取っていたというケースが多い?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/235459.php
もとアラスカ州知事、お茶好きな人たちのアイドルPalinさんは大統領選には出馬しないそうです。
http://www.canberratimes.com.au/news/world/world/general/palin-will-not-run-for-president-in-2012/2315188.aspx?src=enews
http://www.guardian.co.uk/world/2011/oct/06/sarah-palin-not-run-president?CMP=EMCGT_061011&
アメリカのナーシング・ホームが入所者をホームで治療するか病院に送るかの判断は、その人がどういう保険に入っているかが左右する。:でもって、その人がホームで治療されるのが幸せか、病院に入院するのが幸せかを左右するのは、たぶんホームのケア体制と姿勢、受け入れ側の病院でその人の治療に当たるスタッフの体制と姿勢では、と。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/235453.php
メディケアの患者が脳卒中や骨折で入院したら、退院後はナーシング・ホーム送りになる確率が高い。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/235445.php
国家戦略会議でTPPを議論 来週にも初会合 藤村長官が表明:昨日のエントリー関連(かも)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111005-00000520-san-pol
私は昨日になって人から教えてもらって、やっと知りました。
死亡した中学生が接種を受けたのはサーバリックス。
7月28日に接種を受けて、30日の朝に心肺停止状態で見つかった、と。
14歳、子宮頸がんワクチン接種後死亡…国内初(YOMIURI ONLINE 2011/9/13)
この記事を読むと、もう何年もずっと漠然と感じてきた疑問が
初めて、はっきりした形をとって意識されてきたので、
もちろん専門知識のないオバサンの疑問に過ぎませんが
その素朴な疑問のままに、書いてみようと思います。
私が上記の記事で気になるのは、2点で、
まず第1には、以下の表現から来る疑問。
ワクチン接種との直接的な因果関係は認められないという。
中学生には突然不整脈を起こす「心室頻拍」の持病があり、
直接の死因は不整脈と推定されている。
この2か所の「直接的な」「直接の」という表現で記事が示唆しているのは
「持病があった人だから死因になったのはその持病による不整脈である」として
「ワクチン接種との因果関係を否定する」立場。
しかし、
「中学生に心室頻拍の持病があった」という事実から導かれるのは
「心室頻拍の持病のある人だからHPVワクチンを接種しなくても
不整脈を起こして死んでいた可能性がある」と、
「心室頻拍の持病のある人だったためにHPVワクチン接種が引き金となって
不整脈を起こして死んでしまった可能性がある」と
両方の可能性のはずで、
前者の可能性は決して自動的に後者を否定するものではないし、
逆に言えば、後者の可能性が完全に否定されない限り
この2つの可能性の中から前者だけを残すことはできないはずだと
私には思えるのだけど、
記事が繰り返している「直接的な因果関係はない、直接の死因ではない」という表現は
表現としては「間接的な死因となった可能性はあるにせよ」を含意しつつ
記事の文脈からは暗に前者の可能性によって後者の可能性を否定し、
前者のみをあげつらって「HPVワクチンは無関係」と
本来なら出せないはずの結論を出しているかのような印象を与える、と私には感じられる。
要するに、私の疑問とは、
ここでの「直接の因果関係はない」「直接の死因ではない」って、
例の「直ちに人体に影響を与えるセシウム・レベルではない」と同じじゃないの? という疑問。
例えば、の話、
Aという持病のある人にBという薬は使ってはいけないという禁忌があるとして、
何らかのアクシデントでAという持病のある人にBが使われて死んでしまったとしたら
その人は、たとえAという持病があったとしても、
Bという薬を使われなかったら死ななかったわけだから、
この人の死を引き起こした「直接の原因」はAではなくBではないかと
私には思えるし、
もしもそうなのだとしたら、この中学生のケースでも、
Aである「心室頻拍」はむしろ「間接的な死因」であり、
Bである可能性のある「ワクチン接種」が「直接的な死因」……
という可能性をこそ、慎重に検討する必要があるのでは?
そもそも
「直接の死因ではない」と言うことや「直接的な因果関係はない」と言うことは、
「心室頻拍のある子どもへのHPVワクチン接種の安全性が確認された」と言うことと
決して同じではないはずなのだから、
これほど広くHPVワクチンが推奨されている日本で
子ども達の安全を本当に真面目に考える態度とは、
心室頻拍のある人には、もしかしたらHPVワクチンが不整脈の引き金となる可能性と
慎重に向かい合うことであり、
さらに、
サ―バリックスに予防効果があるのはHPVの内の2つの系列のウイルスのみであり
必ずしも子宮頸がんを予防する効果が確認されているわけではないこと、
HPV感染のほとんどは自然に消えていくものであること、
HPVワクチンの効果がどれほど続くかはいまだに不透明であること
などなどを考慮すれば、
一定の持病のある子どもにはHPVワクチンが命に関わる可能性から目をそむけてまで
接種を推進しなければならないほどの緊急性がこのワクチンにあるとも思えない。
それならば、そうしたリスクのある持病のある子どもには、とりあえず見合わせるなどの
慎重策がとれないはずはないだろうと思うのだけど?
ちなみに、2009年に日本でサーバリックスが認可される前日に、
実は英国で13歳の中学生が接種した数時間後に死亡したケースが報告されています。
HPVワクチン接種後に13歳女児が死亡(英)(2009/9/29)
上記リンクのエントリーでも追記したように、
その後、この少女には肺がんがあったことが判明して
HPVワクチンは死因ではなかったとNHSが判断しています。
今回、日本の死亡例を機に
その判断について報じた以下の記事を読みなおしてみました。
すると、NHSの発表では以下のように言われています。
The pathologist has confirmed at the opening of the inquest into the death of Natalie Morton that she died from a large malignant tumour of unknown origin in the heart and lungs. There is no indication that the PHV vaccine, which she had received shortly before her death, was a contributing factor to the death, which could have arisen at any point.
ナタリーさんの死因は、心臓と肺にあった原因不明の大きな悪性腫瘍であり、
「死の直前に接種を受けたHPVワクチンが死因であると示すものは何もない。
ナタリーさんの死は、いつ起こっても不思議のないものだった」
私はここにも同じ疑問を感じるのですが、
心臓と肺に、いつ死んでもおかしくないほど大きなガンがあったとはいえ、
そのことに気づかず、HPVワクチン接種の直後まで普通に学校生活を送っていた人が
接種した直後に突然亡くなった、という時に、
一体どういうindicationがあれば
「悪性腫瘍という悪条件のある人にワクチンが死の引き金となった」と言えるのかが
今の段階ではっきりしているのでしょうか?
逆に言えば、
「解剖した際に何がどうであればワクチンが引き金だったと分かる」ということが
今の段階で確立されていないのだとしたら、
「ワクチンが引き金になったことを示すものはない」ということは同時に
「ワクチンが引き金にならなかったことを示すものもない」ということに過ぎず、
それなら
NHSの言う「ワクチンが引き金になったことを示すものはない」とは
「この人はワクチンを打たなくても、いつか死んだ可能性はあるけれど、
その日その時に死んだことにはワクチンが引き金となった」という可能性を
完全に否定できるわけでもないと思うのだけど。
Cervical cancer jab girl Natalie Morton died from large chest tumour
The Times, October 2, 2009
もう1つの疑問は、
日本のケースに関する読売の記事の以下の記述。
サーバリックス接種後の死亡は今回が世界で5例目。
因果関係がはっきりした事例はないという。
インターネットで数年前からあちこちのサイトを見る限り、
サーバリックスに限った数値ではないにせよHPVワクチン接種後の死亡例は
20数件または30数件と言われており、
上記、ナタリーさんの死亡事例の際にも
Guardianが「英国で1例、米国で32例」と書いている。
(英国でその他、重度障害が1例)
また、その際にエントリーにする余裕がなかった以下のサイトによると死亡件数は20件。
サーバリックスに限ったとしても「世界で5例目」ということはないのでは?
……というか、ガーダシルも認可されたのだし、ガーダシルでも死亡例が出ているのだから
どちらも合わせて報告すべきでは?
Reported Side Effects of HPV Vaccine: Parents & Teens Worried
AskDrSears.com, September 24, 2008
さらに、上記サイトで20件の死亡例の内17件の詳細をみると、
心臓の異常とけいれんとが目立っています。
2008年段階に既に心臓の異常がこれほど目立っていたにもかかわらず、
2011年の日本で、心臓に異常のある中学生にPHVワクチンが打たれた。
そして、その中学生が2日後に亡くなった。
それでも「直接的な因果関係は認められない」……?
三井住友フィナンシャルグループの「ワクチン債」の大きなカラー広告が出ていた。
キャッチは 「投資で始める、あなたの支援」。
「ワクチン債とは」に続く説明は
「70カ国以上の発展途上国の子どもたちに」
ワクチン接種の機会を提供するために発行される債券です。」
もっとも、この説明は、ごく小さく書かれていて、それより何よりも広告の中で目立つのは、
くっきり黄色の背景に緑で大きく書かれた「利率 年 6.00%」の部分。
発行体は「予防接種のための国際金融ファシリティ IFFlm」
ワクチン債については
以下のエントリーのコメント欄にまとめたように
当ブログでも何度か話題にし、首をかしげてきた。
やっと出た、ワクチンのため世界中からかき集められる資金に疑問の声(2011/6/16)
ずっと感じている基本的な疑問の第一は、上記の「6.00%」に見られるように、
一体どうして途上国の子どもにワクチンを届けるための人道支援が投資になりうるのか
一体どういうカラクリで、そこに利益が生まれてくるというのか、という点。
でも、この広告を前に、しばし座り込み、
デカデカとした「6.00%」という文字を眺めていたら、
もう1つ、第2の疑問も頭に浮かんできた。
上記6月16日のエントリーとその翌日のこちらのエントリーで書いたように、
6月13日にロンドンで開かれた国際ワクチン会議で、
今後10年間に途上国の子どもたちにワクチンを届けるための資金は調達済みなのです。
だからこそ、13日の会議ではビル・ゲイツが
「これで世界中の子どもたちにワクチンを打てる」と感謝のスピーチをしていたはず。
それなのに、なぜ、まるでまだ資金が足りないかのようなフリして「ワクチン債」?
――で、今度こそ、検索してみた。
まず、ワクチン債を売っている人たちは
だいたい、みんな上記の三井住友フィナンシャルグループと同じことを言っている。
マネックス証券のワクチン債サイトのキャッチは「幼い命を救う投資があります」
説明には
「世界には、貧しさゆえに予防接種を受けられず、
幼く尊い命が失われている現実があります。
私たちが自身にもリターンを得られる投資をしながら、
そうした幼い命を救う『人道的な貢献』を行うことが出来ます。
IFFlm発行のワクチン債投資によって調達された資金は、
世界約70カ国以上の予防接種プログラムに活用されます」
大和証券のワクチン債のキャッチは
「世界の子供たちを救う国際活動 ~ワクチン債が支える予防接種~」。
で、ワクチンのカラクリを詳しく説明してある証券用語辞典のワクチン債とはによると、
ワクチン債とは、開発途上国の子供たちにワクチンを提供することを目的として、2009年6月24日からHSBC証券会社、予防接種のための国際金融ファシリティ(IFFIm)、GAVIアライアンス、世界銀行の4者によって発行される債券。同6月1日から販売の勧誘が開始された。
ワクチン債によって調達された資金は、世界の70カ国以上で子供たちの予防接種や保健サービスのための財源とされる。
販売会社は19社。格付けはS&PでAAA、ムーディーズでAaaなど。40億米ドルを調達して、5億人の子供たちへのワクチン接種を目指す。
なお、IFFImは、欧州と南アフリカ共和国の計7カ国と、2006年から2026年までのワクチン提供費用の寄付金協定を締結しており、寄付金を償還原資とした債券を発行している。
実際には、2009年以前から売られていた事実は上記コメント欄で指摘したし、
その他、検索で出てきた情報でも裏付けられているのだけれど、それよりも何よりも、
ビル・ゲイツや英国首相やボノなんかが世界各国政府や金持ちに向けて
マネックス証券とそっくり同じことを言っては拠出を迫ってきた目標金額が
その「40億米ドル」だったし、
その「40億米ドル」こそが
上記6月13日の会議で「めでたく確保された」金額なんだけど……?
ゲイツ財団の”慈善”が世界各国から吐き出させて既にめでたく確約させた金額と同じだけを、
今なお世界中の証券会社が一般人からワクチン債に吐きださせようとしているわけで、
前者の寄付金が後者の償還原資とされていることを思えば一致しているのも「なるほど」にせよ、
それでは利息分が不足するはずなんだけど……?
それに、その仕組みそのものが、基本的にヘンじゃないです?
日本も13日の会議でGAVIに8億3000万円を約束しているのだけど、
それは「途上国のワクチン支援」の資金として拠出したのであって、
世界中で売られているワクチン債の償還原資として拠出したわけではないはず。
なに、それ――?
まさか、日本政府もその他各国政府も、ぜ~んぶ承知でやっていることだ……とでも?
そこで個人投資家の方々のブログでの考察を覗いてみると、
ワクチン債って…(一流証券マンへの道 2008/2/3)
ワクチン債 vaccine bond は現時点では押し込み型(雄牛と熊と慾豚と 2008/1/30)
(もう1つリンクしたいのだけど、アドレスとブロブ名だけなのに
何故か「登録できない文字列」になってしまって含められず、リンクできませんでした)
指摘されているのは、だいたい以下の2点で、
① 個人にせよ各国政府にせよ、ワクチン債よりもワクチン購入に直接寄付した方が貢献できる。
② 機関投資家向けに売り出そうとして失敗したので小口化して個人投資家をターゲットとし、
人道貢献をウリにすることで条件の悪さを糊塗しているのでは?
非常に分かりやすく面白かったのは
Q:お役にも立てる「ワクチン債」は買いでしょうか?(マネデリカ 2009/5/3)に回答した人の以下の分析で、
一般債券のお金の流れは、「投資家→発行体→投資家」という形で利払い・償還されますが、ワクチン債の場合は「投資家→発行体(IFFIm)→ワクチン購入」までで、利払いや償還の場合は「IFFIm設立各国(イギリスなど)の寄付金→発行体→投資家」という別の流れになります。
この図式では、「IFFIm」は単に「他人のふんどしで相撲を取る」だけです。ただ、もともとワクチン購入は世界各国の寄付金等によってなされているという事実から考えれば、投資家のお金でワクチンを買っても、各国政府の寄付金で投資家にお金を返すのなら、結果的には「各国政府のお金で買った」ことになり、「投資家に利息を払うならその分でワクチンを買えよ」と言われれば「ごもっとも」ということになります。
ひねくれ者の私などは、資金調達と満期償還の間の時間的なズレのなかで、なにか「美味しい儲け話」があるんだろうなあ、と思ってしまいます。
裏の事情はともかく、この債券で確実に言えることは、
① 債券を買った投資家は「社会貢献したような満足感」を得られる。
② 一番得をするのは、販売手数料がもらえる証券会社(D証券)。
(ゴチックはspitzibara)
各国政府の拠出金も
ワクチン債を買った投資家のカネも、
こんな回りくどい仕組みを経ることなくダイレクトにワクチン資金に提供されるのが
途上国の子どもたちにとって一番の利益になることは明明白白だし、
さらに、途上国のワクチン事業に必要な40億ドルは
既に各国政府からGAVIに約束されて集まっているのだから
この上「ワクチン債」を売って集める必要なんか全然ない。
だから、そこは、つまりは、単に、カネが余計なルートを経回って動くことが
誰かの利益を生む経済のカラクリ作りに過ぎないということなのでは?
そして、そのカラクリに関してマネデリカの回答者が言う「美味しい儲け話」とは、
例のグローバルな「ワクチンの10年」祭りやゲイツ財団がビッグファーマの株主であることと
ちゃんと繋がっていたりするんじゃないのだろうか?
それにしても、これらの情報を考え併せると、
上記の用語辞典にあるように、そもそもワクチン債を仕組んだのがGAVIや世界銀行とくるのだから、
GAVIの事実上の親組織であるゲイツ財団や、その親分のビル・ゲイツが
そのカラクリ作りに乗っかっていないわけはないし、
まさか、こうした「ワクチン債」のカラクリを各国政府が知らずに
GAVIに多額の拠出金を出しているとも、ちょっと考えられないこと、ないですか?
それなら世界中の人々が善意を信じて疑わない
「途上国の子どもたちにワクチンを」「貧しい子どもの命を救うために」というキャッチは
いろんなところからカネを出させてカネを回すための、単なるニセ看板に過ぎないのでは?
「ワクチンで子どもたちの命を救おう」には、
やっぱり子ども達の命の問題よりも世界経済の問題の匂い、
グローバル強欲ひとでなし金融・慈善資本主義の匂いがプンプンしている……という気がする。
【ゲイツ財団と「ワクチンの10年」について】
新興国でのワクチン開発・製造に、巨大製薬会社がマーケット・チャンスと乗り出している(2009/11/8)
リスクの“リ”の字もなく“黄金時代”に沸くワクチン開発記事(2009/11/19)
「これからはワクチンが儲かりまっせぇ」の陰には、やっぱりゲイツ財団が……(2009/11/20)
「次世代ワクチン・カンファ」の露骨(2010/5/28)
Guardianのサイトで最も読まれている記事の1つに挙げられている。
記事タイトルは「再生」。
世界中で、事故や脳卒中で永続的植物状態と診断された人たちが
ごく一般的な睡眠薬の成分であるzolpidemを服用することで
俄かに目覚め、2時間ちょっとの間、意識が清明になる……という現象が報告されている。
これまで不可逆的に損傷され「死んだ」とされてきた脳細胞が
実際には機能を眠らせていただけである可能性、回復の可能性を示唆し、
永続的植物状態と診断される人の安楽死議論に大きな疑問を投げかける内容であり、
この記事が今なぜ多くの人に読まれているのかについても
おおいに興味をそそられるところです。
もともとは、南アフリカで
交通事故から植物状態になったLouis Viljoenさん(24)が
時々手で苦しそうにシーツを掴む動きをするのを見た看護師が
不快感があるのではないかと考え、睡眠薬の処方を医師に提案したのが発端。
母親が飲ませたところ、25分後に「ン――」という声を出し始めた、という。
そして母親の方を向き、名前を呼ぶとYesと答えた。
「ハローって言って」と呼びかけると「ハロー、ママ」と。
1994年のことだった。
以来、Louisさんは7年間、毎日zolpidemを飲んでいる。
鎮静効果があることから(ここのところ私にはよく分かりません)
2時間15分程度の効果が切れるたびに飲むわけにはいかないが、
長く眠りこんでいたLouisさんの脳の回路が生き返り、機能は改善し続けている、という。
この記事の著者は実際にLouisさんを訪ねて取材している。
Louisさんがzolpidemを飲む場面では、
薬を飲む前は意識がなく、顔の半分もだらんと弛緩し、片腕がピクついていた。
薬を飲ませた9分後、顔に急激に赤みがさして微笑み、笑い声を上げ、10分後には質問し始めていた。
2分後、腕のピクつきが弱まり、顔のマヒも収まる。
15分後には母親に腕を伸ばしてハグし、冗談を交わす。
記者の質問に、薬を飲む前と後とで自分の意識状態は全く変わっていない、とも答えた。
この偶然の発見をした主治医は GP の Wally Nel 医師。
Louisさんの後、Nel医師は150人にzolpidemを使い、
約60%の患者で改善がみられたという。
そのメカニズムはまだ説明も解明もできないが、
Nel医師と研究をしている放射線医療の専門家、Ralf Clauss医師は
これまでは死んで回復不能と考えられていた脳細胞が
実際は眠っていただけだったのでは、と推測。
また、長期に機能が眠っていたことで
Gabaという物質に反応する脳細胞のレセプターが何らかの変容を起こし
通常とは反対方向に、過敏に反応するようになったのでは、との仮説を立てている。
特に運動機能、視覚、言語と聴覚をつかさどる左脳で
即座の回復が見られる、とのこと。同医師は今後、
スキャンなどを通じて科学的に解明していきたい、と。
2人はNeuroRehabilitation 誌と the New England Journal of Medicineとに
(記事掲載の06年9月より)数ヶ月前に論文を掲載したばかり。
この論文をきっかけに家族が Nel医師にコンタクトを取り、意識を回復したのが
南アフリカ、KimberleyのRiaan Boltonさん(23)。
著者はBoltonさんの予薬の場面も取材している。
Louisさんの時と同じく、顔にさっと赤みがさして
目に輝きが宿り、数分の内に目の焦点が合ってきたという。
依然として脳障害は残っているが、
指示に従うことができ、頭の動きでyes-noを表現し、
ストローで飲み物を飲み、笑い、時にはハローと言う。
薬を飲む前のBoltonさんの意識状態は
グラスゴー・スケールで6だったという。
それが薬を飲んで10分後には9まで改善する。
ReGen Therapeuticsという英国の企業が
南アフリカでの治験に資金を提供しているが、
そのトップ Percy Lomaxは、Nel医師の患者のうち、
特に脳損傷が軽度の患者で回復が目覚ましいと言い、
zolpidemの脳損傷患者への適用には43億ドル規模のマーケットが見込まれることから、
より副作用の少ない有効処方量を掴み、さらに新世代の
よりターゲットを絞った新薬の開発を考えている。
著者は上記の2人以外にも
低酸素脳症による脳障害から重い身体障害を負い
立つこともしゃべることもできなくなっていたMiss Xも取材。
Nel医師が処方した薬で10分後には顔のマヒが改善し、
更に数分後には立ちあがって背を伸ばし、手を組むことが出来た。
文字板を使って著者の質問にも答え、
やがてNel医師の名前を大声で呼ぶと、同医師をハグした。
その他、Wynand Claasenさん(22)や Heidi Grevenさん(21)
Paul Rasさん(69)、Theo van Rensburgさん(43)、
それからスイスで事故に遭ったJanli de Kochさん(22)など。
1969年に神経科医 Oliver Sacksが L-Dopaで原因不明の眠り病から患者をよみがえらせた実話は
1990年に映画化(「レナードの朝」)されたが、
zolpidemはSacksの事例と異なって
元に戻ってしまうことなく効果を持続させられるのでは、と期待されている。
再生は米国でも起こっており、
1998年にテキサスで事故で水に落ちて低酸素脳症となった
George Melendezさん(31)は医師から「医学的には死んでいる」と言われ、
数週間後にさらに脳卒中を起こした時には、「3週間で死ぬだろうし、
2度と意識が戻ることはない」と言われた。
しかし生き延びた息子が通院時のホテルでうめき声を上げ続けるので
母親が睡眠薬を飲ませたところ、目を覚ましてキョロキョロした、という。
名前を呼ぶと、What? と返事をし、
2時間に渡って両親の質問のすべてに答えた。
Reborn
The Guardian, September 12, 2006
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zolpidemのWikipediaはこちら。
最後のResearchの項目に以下のように書かれている。
Zolpidem may provide short-lasting but effective improvement in symptoms of aphasia present in some survivors of stroke. The mechanism for improvement in these cases remains unexplained and is the focus of current research by several groups, to explain how a drug which acts as a hypnotic-sedative in people with normal brain function, can paradoxically increase speech ability in people recovering from severe brain injury. Use of zolpidem for this application remains experimental at this time, and is not officially approved by medical regulatory agencies.
ReGen社のzolpidemプロジェクトに関するサイトはこちら。
このサイトによると、その後Clauss医師は英国に渡り、
ReGenの医師とタグを組むと同時に、Nel医師と共に
Sciencom Ltd. を立ち上げてzalpidemの新たな用法での国際特許を申請。
南アフリカでは承認されたものの、
その他の国ではまだ認められていない。
2007年、2009年と、研究成果を発表。
低量処方で脳卒中の後遺症患者にグローバルなマーケットのポテンシャルがあると説いて
研究のパートナー企業を募っている。
これまで、脳死・植物状態からの回復事例として
当ブログが拾っているニュースを以下に ↓
【米国:リリーさん】
植物状態から回復した女性(2007年の事件)
【米国:ダンラップさん】
脳死判定後に臓器摘出準備段階で意識を回復した米人男性のニュース(再掲)(2009/7/30)
【ベルギー:ホウベン?Houbenさん】
23年間“植物状態”とされた男性が「叫んでいたのに」(ベルギー)(2009/11/24)
「なぜロックトイン症候群が植物状態と誤診されてしまうのか」を語るリハ医(2009/11/25)
【日本:加藤さん】
「植物状態にもなれない」から生還した医師の症例は報告されるか?(2011/1/19)
【米国:ゴッシオウ? Gossiauxさん】
事故で視力を失った聴覚障害者が「指示に反応しない」からリハビリの対象外……というアセスメントの不思議(2011/2/6)
【オーストラリア:Cruzさん】
またも“脳死”からの回復事例(豪)(2011/5/13)
【その他、関連エントリー】
「植物状態」5例に2例は誤診?(2008/9/15)
「脳死」概念は医学的には誤りだとNorman Fost(2009/6/8)
Bill To Make Washington Assisted Suicide Honest
Secondhand Smoke, April 27, 2011
ワシントン州の尊厳死法によって医師による自殺幇助を受けて死んだ人の場合、
現在は医師の報告書の死因の欄には元々の病気が記載されているが、
医師による自殺幇助によって死んだ場合には
死因の欄に尊厳死を目的とした自殺幇助として記録するよう求める法案が提出されている。
法案のサイトはこちら。
このサイトによると、
法案の最初の審議は通常議会で1月に行われている。