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2013.08.30 / Top↑
2006年から2010年の間に
カリフォルニア州の女性刑務所で州の委嘱医らにより、
少なくとも148例の卵管結紮による不妊手術が行われたことが
CIRの調査によって明らかになった。

また1990年代後半にも100例以上が行われた可能性も。

元囚人やアドボケイトによれば、
妊娠中に収監された女性に対して、
医師らが不妊治療に同意するよう執拗に働きかけていた、とのこと。

中には、
分娩のさなかや帝王切開の手術の手術台の上で
朦朧とする意識の中で「それで、卵管結紮をやるんですよね」などと言われて
同意を求められた、という証言も。

データベースによると1997年から2010年までに
卵管結紮に対して州から医師に支払われた金額は147,460ドル。

これは囚人に州の費用によって不妊手術を行うことを禁じた
連邦法にも州法にも違反している。

また1994年からは
不妊手術には個別に医療行政職トップの同意が必要となったにもかかわらず、
卵管結紮の要望が医療委員会に提示されたことはなかった。

医師らの言い分は、何度も帝王切開を経験した妊婦では
妊娠には子宮破裂の危険が伴うため、女性たちの健康上の理由から
不妊手術が必要だと判断したのだというものだが、
女性らはそのリスクについて説明を受けていないし、
卵管結紮に同意させられた女性の中には帝王切開は1度しか体験していない人たちも。

また当時、手術を行った医師らは、
一般女性と同じ選択肢を与えることは
収監されている貧しい女性たちに対するエンパワメントだった、とも。

Valley 州立監獄の産婦人科医だったJames Heinrich医師はCIRのインタビューで、
「(147,460ドルは)10年間で考えるとそれほど大きな額ではない。」
彼女らがさらに多くの子どもを産んで、その望まれぬ子どもたちに支払われたはずの
福祉の費用と比べてみればよい」

2005年には監獄内で医師らから
不可欠な医療でもないものを州の費用で行うことへの疑念の声もがあったというが
その後も、州の費用で賄われる医療の範疇に留め置かれた。

2006年にはUS 地域判事が同州の監獄の医療はあまりも劣悪で
残虐な刑罰を禁じた憲法の規定に違反している、と判断。

2008年にも囚人の権利擁護団体Justice Nowが
2つの監獄での不妊手術の実施について指摘し、
妊娠している囚人の扱いに対して問題提起したが、
2010年に上院議員 Carol Liuが動くまで
事態には変化はなかった。

Liu議員の依頼で調査を行った医療監査委員会のBarnettは
金銭支払いに関するデータから事実を掴み、監獄の幹部と面談し、
囚人への不妊手術を辞めるよう求めたところ、猛烈な反論を浴びたという。

16年も前に禁じられているというのに、
監獄の医療責任者も医師も看護師も委嘱医も法で禁じられていること自体を知らず、
不妊手術には許可が必要だということも知らないまま、
何の不都合もない、理にかなった処置だいう認識で行われていた、という。

CA州にも多くの州と同様に
かつて1909年から1964年の間に2万人の男女に不妊手術が行われた不幸な歴史がある。
2003年に上院議会が事実を認め、当時の知事が公式に謝罪した。

当時、上院の公聴会で証言した専門家は
「これはCA州での優生思想の歴史を理解するに当たって重要な点ですが、
目的の一つは、いかに福祉の費用を削減するか、経費削減にあったのです。
不妊手術はこの問題と深くかかわっているのです」

前述のHeinrich医師は
教唆があったとする本囚人女性らの訴えについて、
「本人たちが望んだことだった。1年化2年経ってから
強制的にやられたと言っているのは、嘘だ。
そういうことを言って、州からカネを恵んでもらおうとしているのだ」

「そんなことをする唯一の理由は、不正なことをされたと思うからではなくて、
ずっと州のカネで養われていたいと考えるからだというのが私の推測だ」

Female inmates sterilized in California prisons without approval
Center for Investigative Reporting, July 7, 2013


この記事に寄せられた、例えば以下のようなコメントが
恐らくはHeinrich医師の本音を代弁しているのかも……?

……how about the right of children not to be born to such destructive life styles. It is ultimately the children born into these deplorable circumstances that suffer.....because the women didn't give a d....m about the child they conceived. They just want to keep scr.....g around, not caring about consequences. Well, no one is denying them the pleasure of their sexual activities....just prevent pregnancy!!!! Is that so hard to understand???

そういうろくでもない生活ぶりの親のところに生まれてくる子どもの権利はどうなる?
結局のところ苦しむのは、そういう嘆かわしい環境に生まれてくる子どもたちなのだぞ。
こういう女性たちは自分が生んだ子どものことなんぞ、どうでもよくて、
ただヤリまくって、後はどうなろうとお構いなしという連中なのだからな。
だれもセックスを楽しむなと言ってはいない。ただ妊娠はさせるな、というのだ。
それだけのことが、なんで分からない?

あるいは、

these parasitic women and their children have absolutely nothing to offer this planet. since they cant keep their legs closed on their own right, this is a more economic alternative. im all for due process and human rights, but....I love the earth more.

こういうパラサイト女性とその子どもたちというのは地球に何一つもたらすことはない。
足を閉じていることができないのが、そいつらの権利なのだというなら、
これこそが、経済的な選択肢ということになるだろうよ。
然るべきプロセスと人権については支持する立場だけど、
それ以上に地球の方が大事だね。


【関連エントリー】
NC州で、かつての強制不妊事業の犠牲者への補償に向け知事命令(2011/3/21)
NC州の強制不妊事業の犠牲者への補償調査委員会から中間報告書(2011/8/15)
NC州知事が約束した強制不妊犠牲者への補償、上院が棚上げ(2012/6/21)

世界医師会が「強制不妊は医療の誤用。医療倫理違反、人権侵害」(2011/9/12)
障害者人権擁護ネットから報告書「“A療法”・強制不妊・生命維持停止は人権侵害」(2012/6/20)
NDRN報告書:カルメンの強制不妊ケース(2012/7/14)
2013.07.28 / Top↑
フィラデルフィア在住の夫妻の元に5月18日に生まれたのは Connor Levy君。

夫妻(妻Marybeth Scheidts, 36歳、夫David Levy,  41歳)は
米国のクリニックの医師らが染色体に異常のない胚を選べるよう、
IVFで作って5日間培養した13個の胚のそれぞれから細胞を数個ずつ取って
英国オックスフォード大学の専門家Dagan Wellsに送り、
遺伝子の異常をチェックしてもらった。

13個のうち、染色体の数に異常がないのは3個だけだった。

米国のクリニックの医師らはそのうちの1個をMarybeth Scheidtsさんの子宮に入れ、
残りの2つを冷蔵保存した。

Connor君の誕生は、
全ゲノムを素早くかつ安価に読解できる次世代シークエンシング(NGS)技術が
IVFクリニックでの肺の選別を様変わりさせることを物語っている。

全ゲノム情報が得られれば、
癌や心臓病、アルツハイマー病などの病気の発症率が分かる。

Array CGHという技術でも染色体異常のスクリーニングはできるが、
NGSならそれよりもコストは約3分の1下がる。

同じ遺伝子スクリーニングを経た2人目は来月誕生する。

Connor君のケースを担当した医師は
「どれほど革命的なことかはどんなにオーバーに言っても足りない。
妊娠率を50%あげるし、流産の可能性も同じくらい減ります。
費用も大変安い。5年後には最先端技術として
IVFをやる人みんなが受けることになるでしょう」

英国では非常に重篤な病気予防以外の目的で胚を選別することは禁じられているが、
遺伝子と病気の因果関係が分かってくるにつれ、
癌その他の病気を予防するために胚を選別しようとする声は高まっている。

髪の色や背の高さなどまで選んだデザイナー・ベビーの懸念もあるが、
Wellsは「IVFは未だ高価な技術で、必ず子どもが生まれる保障もない。
(髪の色や背の高さなどの)瑣末なことを選ぶために、
わざわざ手間をかけてIVFをやろうという人が
沢山いるとは思えない」。

WellsらのチームはNGSで妊娠率がどれだけ上がるか、
またどの年齢層で最も利益が大きいか、大規模な実験を計画中。

Connor君の両親は
今のところ冷凍保存した2つの胚を使う予定はないが、
1年様子を見てから考える、と。

IVF baby born using revolutionary genetic-screening process
The Guardian, July 7, 2013


これもまた、新型出生前診断と同じく、
数年後には日本にも到達する時代の波なのでしょう。
2013.07.11 / Top↑
米国小児科学会(AAP)と米国臨床遺伝学会(ACMG)から
子どもの遺伝子検査・スクリーニングに関する新たなガイドラインが出ている。

フル・テキストはこちらから読めます(私は読んでいません) ↓
Ethical and Policy Issues in Genetic Testing and Screening of Children
Pediatrics, Published online February 21, 2013

ここでは、AAPのサイトのリリース全文を以下に。

Genetic testing and screening of minors is widespread, and testing is done routinely on virtually all newborns. In the American Academy of Pediatrics (AAP) policy statement, “Ethical and Policy Issues in GeneticTesting and Screening of Children,” in the March 2013 issue of Pediatrics (published online Thursday, Feb. 21), the AAP and the American College of Medical Genetics (ACMG) issue recommendations on updated technologies and new uses of genetic testing and screening. Both the AAP and ACMG agree that the best interest of the child should be the principle factor on whether to offer testing and screening. Both the AAP and ACMG support mandatory genetic screening for all newborns. Parents or guardians should have the right to refuse newborn screening after being informed about the significant benefits and improbable risks. Most genetic testing beyond the newborn period is done on children with intellectual disabilities, autism spectrum disorders or multiple anomalies for diagnostic purposes. Genetic testing of older children may increase as data and knowledge expand. The recommendations on predictive testing are now divided into conditions that occur in childhood and those that occur in adulthood. For children at risk of childhood-onset conditions, testing is permitted with parental consent, and when feasible, the child’s assent. Testing for adult-onset conditions is discouraged, but exceptions can be made with appropriate counseling and the consent of the parent and child. Given the rapid advances in genetics and genomics, pediatricians and other health care providers need to stay informed and updated on best practices.

未成年の遺伝子検査とスクリーニングは広く行われており、検査は事実上すべての新生児にルーティーンで行われているに等しい。

Pediatrics誌2013年3月号のAAPのステートメント「小児の遺伝子検査とスクリーニングにおける倫理と施策の問題点」において、AAPとACMGは遺伝子検査とスクリーニングの最新テクノロジーと新たな利用方法について提言を出した。

両学会は、検査とスクリーニングを提示するかどうかを決める原則となるファクターは子どもの最善の利益である、との点で一致。両学会とも、すべての新生児に遺伝子スクリーニングの義務付けを支持。親または法的後見人は、利益が大きくリスクはまずないことの説明を受けた後で、拒否する権利を認められるべきである。

新生児期の後の遺伝子検査はそのほとんどが、知的障害、自閉症スペクトラム、または重複した異常のある子どもたちに診断目的で行われる。データと知見が増えるにつれて、年齢層の高い子どもへの遺伝子検査も増える可能性がある。

予測的な検査に関する提言は、現在のところ子どもの間に発症するものと成人してから発症するものとで異なっている。子どものうちに発症する病気や障害のリスクがある子どもでは、親の同意と、可能であれば子どもの同意によって検査は認められる。成人して発症する病気や障害の検査は認められないが、適切なカウンセリングと親と子の同意があれば例外はあり得る。

遺伝学とゲノム研究は急速に発達しており、小児科医をはじめとする医療提供者は常に最新の知見を身につけて、最新最善の臨床を心がける必要がある。

(余り考えず、ざっとやった仮訳です。ご了承ください)

AAP Issues New Guidance on Genetic Testing of Children
AAP Release, February 21, 2013


【関連エントリー】
遺伝子診断で嚢胞性線維症が半減(2008/4/1)
新生児スクリーニング制度化(加・米)(2008/4/21)
子ども病院倫理カンファ(遺伝子診断)に関する記事(2008/8/1)
新生児スクリーニング、去年から24の病気に(WA州)(2009/12/9)
「知的障害の遺伝子を特定、さぁ予防や治療の戦略を」と研究者(2009/12/18)
英国で190の遺伝子疾患スクリーニング、一般カップル向けに(2010/2/8)
「お子サマに最適なスポーツと差異的な訓練方法を」と“DNA霊感商法”(2011/5/20)

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そういえば、上記リンクの2008/8/1のエントリーで取り上げているのだけれど、
遺伝子診断をテーマに行われた08年のシアトルこども病院生命倫理カンファで
だいたい以下のような話があったと、SP-iに書かれていました ↓

子どもの遺伝子診断技術は進んできており、
6年前にはほんの一握りの病気で行われていたスクリーニングが
現在ほとんどの州で29の病気まで拡大されており、
ワシントン州ではフェニルケトン尿症と嚢胞性線維症を含む24だが
8月の終わりに1つ追加される予定。

これらは多くの州で義務付けられているが、
親が宗教上の理由でオプト・アウトすることはできる。
2013.03.07 / Top↑