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以下のように
患者にも家族にも知らせない一方的なDNR(蘇生無用)指定が問題になっている英国で、

“終末期”プロトコルの機械的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
肺炎の脳性まひ男性に、家族に知らせずDNR指定(英)(2011/8/3)
高齢者の入院時にカルテに「蘇生無用」ルーティーンで(英)(2011/10/18)
高齢者には食事介助も水分補給もナースコールもなし、カルテには家族も知らない「蘇生無用」……英国の医療(2011/11/14)
ケアホーム入所者に無断でDNR指定、NHSトラストが家族に謝罪(英)(2012/5/8)


12時間ぶっ通しの勤務で疲れ果てた小児科研修医が
別の子どもと勘違いして肺炎のダウン症の男児(6歳)の蘇生を中止させ、
男児が死亡する事件が起きている。

男児はJack Adcockくん。ダウン症候群だった。

肺炎から呼吸困難、高熱を起こし、
2011年2月18日にLeicester Royal Infirmaryに入院。
症状が悪化し、同日の午後7時45分に心停止を起こした。

付き添っていた母親が助けを呼び、
医師らが駆けつけて蘇生に取り掛かったところ、
Bawa-Garba医師が止めた。

Bawa-Garba医師(36)は1年1カ月の産休明けで、
産休の間に「ショック状態の管理と治療のスキルが鈍った」といい、
ジャックがショック状態にあることに気づかず、また
血液検査の異常値にも気付かなかった、と言っている。

さらに12時間ぶっ通しの勤務で疲れていたのだ、とも。

他の医師が「どうしてジャックがDNRなんだ?」と問うて初めて
Bawa-Garba医師は自分の間違いに気付き、ジャックのもとに戻って
その後1時間近く、蘇生に努めるチームととともに働いたという。
しかしジャックの蘇生はかなわなかった。

検死官の調査で蘇生を止める前にジャックの顔を見たのかと問われ
「部屋にはたくさん人がいたから、顔を見たかどうか思い出せない。

でも、私にとって大事だったのは、
蘇生しないことになっている子どもは蘇生しないことだった」。

Down’s syndrome boy, 6, died when doctor exhausted by 12 hour shift mistook him for child who had ‘do not resuscitate’ order
Daily Mail, July 24, 2013


記事を読む限り、この研修医、
罪悪感を引き受けることができずに
いろいろ言い訳するタイプの人のようだけれど、

蘇生しなければならない子どもを蘇生することよりも、
蘇生しないことになっている子どもは蘇生しないことの方が
私にとっては大事だった……ということが
言い訳しているうちに語るに落ちてしまった、ということなんでしょうか。

研修医に「どうせダウン症の子どもだから蘇生は無用」という
意識があったから起こった事件……なんでは?


英国では去年も以下のような事件があった ↓
「ダウン症だから」と本人にも家族に無断でDNR指定(英)(2012/9/13)


今回の報道を受け、
無益な治療ブログのPopeが
POLSTに患者の顔写真を添付せよ、と提言している。

http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/07/match-right-patient-to-dnr-order.html

でも、この事件、
本当にそういう問題なのかなぁ??


POLSTについては、こちら ↓
医師が主導して考えさせ、医師の指示書として書かれる終末期医療の事前指示書POLST(2012/11/26)
一方的な「無益な治療」拒否のアリバイ化するPOLST(2013/6/16)
2013.07.28 / Top↑
中国でのオペレーションにおいて
仲介者と旅行会社を通じて医師らに現金と性的賄賂を贈り違法行為を行ったとして
グラクソ幹部4人が逮捕された、以下の事件について

医師や官僚への贈賄でグラクソ幹部から逮捕者(中国)(2013/7/12)

英国本社のCEO、Andrew Witty氏が24日に
記者会見を予定していることを受け、

Guardianが、同氏が答えるべき8つの疑問を掲載。

① グラクソの社員は実際には何をしたのか?

② グラクソ・チャイナ社の幹部はいつから不正行為を行っていたのか?

③ グラクソの贈賄金額は? それにより患者への薬の価格は上がったのか?

中国当局は収賄額を3200万ポンド、
薬の消費者価格を30%上げた、としている。

④ グラクソがこれらの容疑を知ったのはいつか? Wittyはなぜこれまで対処しなかったのか?

15日の幹部4人の逮捕は
グラクソが4カ月に及ぶ調査の結果、中国オペレーションに不正はないと
発表したわずか1週間後のことだった。

グラクソの中国オペレーションには以前から不正の疑惑が取りざたされており、
同社は去年、ルール違反で中国の社員56人を解雇した。(世界的には312人)

NYTの報道では、
2011年11月に中国の研究開発施設に重大な問題があると
グラクソは警告を受けており、その中には、
既に人での臨床実験が行われている段階で
その薬のマウスでの実験結果を報告していなかった事実も。

⑤ この不正への関与は「フード・チェーン」のどこまで遡るのか?

⑥ Wittyはグラクソの中国オペレーションをどうやって浄化するつもりか?

⑦ グラクソは重大不正局にどういう情報を明かしたのか?

⑧ Wittyは株主に対して、他の国々のスタッフは医師に賄賂を贈っていないと確約できるのか?

グラクソは去年、
米国での不正スキャンダルでの和解金として政府に30億ドルを支払い、

和解後に、Wittyは全社的な立て直しを行い、
2度と同様のスキャンダルを繰り返さないと誓っている。


GSK’s China crisis: questions that need answers
The Guardian, July 24, 2013


ちなみに、メルク社は
リューマチの治療薬の心臓病リスクを隠ぺいしたスキャンダルで株主から訴えられて、
今年2月に6億8800万ドルで和解している ↓

Vytorinスキャンダルで損害被ったと株主に訴えられたメルク、6億8800万ドルで和解(2013/2/17)


最後の疑問の「株主に対して」の個所には
こういう含みがあるのだろうと思いますが、

グラクソといえば、日本でも
導入から定期接種化へのプロセスが驚くほどの超高速で進んだかと思うや、
副作用が大問題となっているHPVワクチン、サーバリックスの販売元。

CEOが「確約」すべき責任がある相手は、
まずは株主じゃないだろう、と思うんですけど、
そこのところ、ガーディアンの記者も「染まって」ない?


去年のグラクソの30億ドルの和解金支払いについては ↓

ビッグ・ファーマのビッグな罰金(2012/7/4)


和解金の対象となったスキャンダルの詳細は ↓

抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)
製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avandiaスキャンダル(2012/11/30)
2013.07.28 / Top↑
ゲイツ財団の教育改革への資金投入とそれに伴う影響力行使は公教育にとどまらず、大学改革にも。The Chronicle of Higher Educationが"the Gates Effect"と題する長大な調査報告を取りまとめている。
http://www.universityworldnews.com/article.php?story=20130719161311291
http://philanthropy.com/blogs/philanthropytoday/measuring-the-gates-effect-on-u-s-higher-education/71651

上の動きを受けて、「なぜ大学はビル・ゲイツを嫌うのか」という記事。
http://www.smartcompany.com.au/information-technology/056558-best-of-the-web-why-universities-hate-bill-gates.html

こういう話題となると、最近堂々たるゲイツ批判を展開しているWPのValerie Straussの記事がやっぱり歯ごたえがある。15日の記事のタイトルは「高等教育へとビルゲイツが広げる影響力、そしてカネ」。ゲイツ財団から抗議があったらしく、その後、細かい訂正が入っている。
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/07/15/bill-gates-expands-influence-and-money-into-higher-education/
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/07/16/gates-foundation-responds-to-critical-articles/

【関連エントリー】
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
「生徒に生体データ・ブレスレットつけさせ教師の技量を評価」研究に、ゲイツ財団から100万ドル(2012/6/19)
デジタル思考の成果主義に染められていく米国の公教育改革(2013/2/20)
ビル・ゲイツの慈善にも説明責任を突きつける教師ブロガ―(2013/4/24)
ビル・ゲイツの公教育改革に、米国の教師が突きつけ始めた“NO”(2013/6/15)
米国の教師が指摘するビル・ゲイツ教育改革7つの問題点(2013/7/17)


インドの給食への農薬混入のニュースで「もっとも貧しい地域」というので、ビハール州じゃないかと思ったら、やっぱりそうだった。ビハール州はゲイツ財団がインドで最も力と金を注いでいるところ。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/17/school-meals-kill-indian-children


NYT。アフリカで女性器切除が少しずつ減少しているらしい。これは良いニュース。
Report Finds Gradual Fall in Female Genital Cutting in Africa: An assessment by Unicef described the ancient practice as “remarkably tenacious,” but found declines in the procedure in more than half of the countries where it is concentrated.

【関連エントリー】
米小児科学会の女性器切除に関する指針撤回:Diekema医師の大チョンボ(2010/8/4)
Gatesの一声で、男児包皮切除にエビデンスが出てくるわ、小児科学会もCDCも方針を転換するわ(2010/8/16)
包皮切除件数減少を反対運動のせいだと騒ぐDiekemaのポチ踊り(2010/8/23)
包皮切除でのDiekema発言でNPRラジオに抗議殺到(2010/9/14)
2011年5月20日の補遺
2012年12月2日の補遺


英国医師会から介護者向けの支援ガイド。
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2371560/Carers-Manual-released-help-6-million-Britons-nursing-loved-one.html

オーストラリアの調査で、認知症の人の介護者への健康負担。
http://www.sciencewa.net.au/topics/social-science/item/2277-caregivers%E2%80%99-health-burdens-highlighted.html

英国で認知症患者が減少傾向?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263402.php

日本。日本一若い!?訪問看護士の挑戦 4.胃瘻でも口から食べる!を支える看護の底力
http://carepro.co.jp/zaitaku/archive/serial_05_15.html

自衛隊運用、制服組に移管 来年度にも、文官部局は廃止:これ、選挙の前に決まってたみたいなんだけれど、どうしてこういう重大な問題がきちんと報道されないかなぁ。シビリアンコントロールが失われたってことだと思うんだけれど、自民党の天下になっても戦争だけは起こらないと信じられる人の根拠って??
http://www.asahi.com/politics/update/0718/TKY201307171014.html

日本語。強姦被害訴えるノルウェー人女性に有罪判決 ドバイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130722-35034948-cnn-int

            -------

牟田和恵著『部長、その恋愛はセクハラです!』(集英社新書) ミニメモ:

不快な思いをしていてもそれを表現できない弱い側の立場への、強い側の鈍感。鈍感にとどまらず自分の都合のよいように解釈して悦に入る、愚かしいほどの自意識過剰。

これは男と女だけじゃなくて、教師と生徒(学生)、上司と部下、親と子、医師と患者……ありとあらゆる上下関係に通じていく問題だと思いながら読んだ。問題の本質は何をしたとか何を言うかということにあるのではなく、相手をナメているからナメていない相手には言えないことを、つい言ってしまう、ついやってしまう、という点にあるような気がする。

そういう人の中にはもともと自尊感情が安定していない人が多いので、ナメて見下している相手から謝罪を求められたり、人の良さからつい謝罪してしまったりすると、今度はそのことに自尊感情を揺さぶられて、逆に自分の優越性を自分自身に対して証明する必要に駆られ、妙な形で相手に対して報復的に粘着していくんじゃないだろうか。(何度かの直接体験から思うこと。もちろんそういうふうに記憶されている体験は自分が「ナメられた」側だった体験のみ)

だから、たぶん「素直に謝れば事態は小さいうちに収拾できる」という著者の正しいアドバイスは、ナメていない相手には言えないようなことをナメている相手だから言えるような人には、実はチョー難しいことなんではないだろうか、と思ったりする。

とはいえ、かつては生徒(学生)に対する教師という立場で、今も子に対する親という立場で、その他、自分が優位だと感じる相手に対して、自分だって同じことをやっている自覚もないわけではなく。だからこそ、自分が「ナメた」側だった体験は記憶されることはないのだろうし、この本は本当は読者それぞれに、そうした自分への振り返りを促すところに意味があるような気も。
2013.07.28 / Top↑
まずは一昨日、3つもエントリー原稿を書いて一晩寝かせておいたら、
昨日の朝一番のPC崩壊で消えてしまい、書き直す気力がわかないので、
このまま幻のエントリーとなりそうな話題を2題。

(残り1つは向井承子『患者追放―行き場を失う老人たち』の読後メモだったのだけれど、
入れ込んで書いただけにパァになったショックで沈没したまま)

① カナダのTayor訴訟やアイルランドのFleming訴訟にもかかわった「死ぬ権利」擁護派の米ユタ大学の生命倫理学者 Margaret Pabst Battin と四肢まひの夫との穏やかな「最良の時間」。(ビデオがとても良いです)

自転車事故で四肢まひ、人工呼吸器依存となった夫が死にたいという意思表示していたのに、Battinは夫が急変した際には救急部に運び込んで救命した。その後、大学教授の夫は呼吸器をつけたまま講義を再開し、生きていることを喜びながら暮らしている。Battin自身も現在の夫婦の生活は2人で過ごした「最善の時」だと語り、時に夫が痛苦から死にたいと願うことがあるが「彼が本当に本当にそういうところに至ったと私が確信できるまでは」と。

BioEdgeのCookは「愛され十分なケアを受けられる患者は生きたいと強く、揺らぐことなく望むようだ。死んだほうがましだと絶望する瞬間はあるが、実際に死を選ぶ瞬間は決して訪れることはないように思われる」「自律がそれほど明確な原理なら、このケースではどうして機能しないのだろう? もし機能しないなら自律原理には一貫性がない。一貫しないなら捨てるべきでは?」。

NYTのビデオでのBattinの静かな語りがとてもいいんだけれど、ビデオを見ると、夫のRobertさんには24時間体制でプロの介護士が付いていると思われ、「愛され十分なケアを受けられる」以外に「家族に過剰な介護負担がかからないこと」も患者が生きたいと願うことができるための条件なのだろうな、とも。
http://www.nytimes.com/2013/07/21/magazine/a-life-or-death-situation.html?hp&_r=2&pagewanted=all&
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10608#comments

② 米VA州のダウン症の女性(IQ50とのこと)Margaret Jean Hatchさんに、自分が誰とどこで暮らすかを自分で決めることは認められるのか。法定代理人は必要なのか、必要だとしたら誰なのか。

離婚した両親とは折り合いが悪く、両親のいずれも共に暮らすことはできないと言いながら、Margaretさんがグループホームから出て友人夫婦と暮らすことは認めず、自分たちが法定代理人となり娘の交際範囲まで管理しようと提訴。裁判の途中、Margaretさんは裁判官の言葉途中で「私には代理人は要りません」と発言し裁判官に退廷させられた。自立生活のためには支援は不可欠。誰がどのように支援するのがよいのか。:難しい問題。けれど日本ではこんな訴訟など論外なほどに親の代理決定権が当然とされていることも、大いに疑問だと改めて考えさせられる。
http://www.washingtonpost.com/local/virginia-woman-with-down-syndrome-seeks-power-to-live-the-way-she-wants/2013/07/20/76102a82-d789-11e2-a9f2-42ee3912ae0e_story.html

             ――――――
(ここから、通常の補遺です)

米国と英国それぞれで、DNR指定が本人の同意も家族の同意もなしに行われている、との調査結果が発表されている。英国のはケアの質コミッションの報告書だというので、リヴァプール・ケア・パスウェイの機械的適用問題での調査結果だと思うのだけれど、Popeのブログ記事すら、まだ読めていない。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/07/hospital-inspection-reports-show-dnr.html

【LCPの機械的適用問題関連エントリー】
“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
「NHSは終末期パスの機会的適用で高齢患者を殺している」と英国の大物医師(2012/6/24)
英国の終末期パスLCPの機会的適用問題 続報(2012/7/12)
LCPの機械的適用でNHSが調査に(2012/10/28)
英国医師会が「LCPには機械的適用の問題あり」(2013/6/29)


カナダ、バンクーバーの精神科医で元BC州医師会会長のDerryck Smith医師が自殺ほう助ロビー団体に加盟。:精神科医には自殺を敗北とみなす文化があるんだとばかり思っていた……。
http://www.vancouversun.com/news/Vancouver+doctor+joins+board+right+group/8684839/story.html

中国でのグラクソの贈賄スキャンダルで、グラクソ側が幹部による贈賄と性的便宜供与を認めた。GSK has admitted that some of its senior Chinese executives broke the law in a £320m cash and sexual favours bribery scandal.
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/22/glaxosmithkline-admits-bribery-china?CMP=EMCNEWEML6619I2

NYT. 中国でのグラクソ・スキャンダルは違法な販促にとどまらず、研究にも疑義?
Glaxo’s problems in China may not just be about its sales practices. They may also concern its research.

製薬会社に対して治験データの全面公開を求める動きがあることに対抗するため、製薬会社が患者団体を反対ロビーに動員している。
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/21/big-pharma-secret-drugs-trials?CMP=EMCNEWEML6619I2

【関連エントリー】
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(前)(2013/7/1)
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(後)(2013/7/1)


オーストラリアで、本人への最善の利益であれば認められている障害者への不妊手術を禁じるべき、とする報告書。Cookは「多くの親が子どものストレス軽減と性的虐待防止のため不妊手術を最善の方法と考えているので、報告書の勧告は物議を醸す」と。:アシュリー療法の正当化そのもの。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10610#comments

インドの代理母産業での虐待の実態が報告書 “Surrogacy Motherhood: ethical or commercial?”に。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10612#comments

米国外科学会誌に、肝臓を部分移植することによって一人の生体ドナーで2人の命を救うことができる、とする論文。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263602.php

日本。新出生前検査 陽性の3人中絶
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130717/k10013104551000.html

日本。出生前診断に賛成の声多数…施設拡大を望む声も
http://iryojinzai.net/1616.html

肥満抑制の遺伝子発見=壊すとマウス体重2倍―名古屋大:遺伝子を操作するということは、遺伝子が変異してきた膨大な時間の流れを無視した暴力的な加速だというような意味のことを、福岡伸一さんが言っていたことを思い出した。⇒福岡伸一の“動的平衡”生命観と“科学とテクノで簡単解決文化”批判2(2011/5/6)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130719-00000008-jij-sctch
2013.07.28 / Top↑
この前、ある方に教えてもらった、この漫画を読んで、
ちょっとすぐには言葉にならないほどの深い衝撃を受けた。

「この世界の片隅に(前篇)」(アクションコミックス)
こうの史代 双葉社 2011


Spitzibara自身の感想は
すぐには言葉にならないのだけれど、

今日の選挙の後、この国はこれまでとはまったく別の国へと
急速に変貌していくのだろうなぁ……と考えると、

これから始まる開票結果の速報を見る前に、
とり急ぎ、エントリーにしておきたい漫画だったので――。


Amazonの前編、後編の内容紹介は、

平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世 界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく。そして、すずも北條家に嫁ぎあくせくしてる間に、ようやく呉の街にも馴染んできた。リンさんとい う友達もできた。夫婦ゲンカもする。しかし戦況は厳しくなり、配給も乏しく日々の生活に陰りが…。

広島市から軍都呉市に嫁いだすずは、不器用ながら北條家に徐々に溶け込み日々を過ごす。やがて戦争の暗雲が周囲を色濃く染めていく。大空襲、原爆投下、終戦。歴史の酷い歯車が一人の女性の小さな世界をゆがませていく。そして…。


アマゾンのレビューで、
私にはまだ言葉にならない読後感を代弁してもらっている気がするのは
「仮面ライター」さんの以下のレビュー。

この本は、「平和に生きる」ということの尊さをしみじみと感じさせます。物語は昭和9年1月の「冬の風景」から始まり、昭和21年1月の「しあはせの手 紙」で終わりますが、前後編一気に読み通してしまいます。絵描きの好きな、少しぼんやり気味の《すず》という女性に仮託した「戦争」の話は、淡々とした戦 時下の生活風景を描写しながらも、その時代を体験した多くの日本人に共通する“悲しみ”が心の底からじんわりと伝わってきます。

 私は、 戦後生まれですが、亡くなった両親から「戦争」と向き合った暮らしぶりを聞いていました。この度の東日本大震災そして福島での原発事故など、日本人にとって《忘れてはならない事》は多々あると思いますが、そうした中にあって、先の「戦争」を振り返り、庶民の《記憶》として長く留めておくべき“悲しみ”が、こうの史代さんのこの作品にそっと込められています。是非とも昭和の「戦争」を知らない方々の目に触れて欲しい冊子です。



去年の衆院選の時には、
以下のようなエントリーを書いて自分の気持ちを鼓舞してみたりしたんだけれど、
今回は、そんな気力すら根こそぎにされそうな気がする……。

選挙の夜に(2012/12/16)
選挙から元気をなくしている人にお薦めの映画『グレート・ディベーター』(2012/12/28)
2013.07.28 / Top↑
来月、以下の本が出ることになりました。

タイトルは
『死の自己決定権のゆくえ: 尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』。

大月書店から8月23日刊行予定。1890円。

ある意味、当ブログの
いくつかの書庫の集大成のような内容になっております。


はじめに

第1章 死の自己決定権をめぐる議論

1 日本の尊厳死議論
  ●良い死に方●尊厳死法案●尊厳死が法制化されることの意味●自由な選択の保障●ガイドライン● 医療費削減のねらい?●終末期の定義●すべり坂●本当の願い●「なぜ日本ではできないのか」

2 安楽死・自殺幇助が合法化された国や地域
  ●PAS=医師による自殺幇助●スイス●オレゴン州、ワシントン州●オランダ●ベルギー●英国● 免罪符となる介護実績●「社会で支える」視点の欠落


第2章 「無益な治療」論と死の決定権

1 医療側の決定権
  ●「無益な治療」とは何か●ゴンザレス事件とテキサスの事前指示法●「無益な治療」論をめぐる議 論●一方的DNR指定●看取りプロトコルの機械的適用問題●医師が慣れれば例外はルーティーンに なる●コスト論と共に拡大する対象者の範囲●「どうせ」の共有を広げていく生命倫理学者らの問い

2 「意識がある」ことの発見
  ●ザック・ダンラップ●〝可逆的脳死報告〟●スティーブン・ソープ●相次ぐ睡眠剤による「覚醒」 事例●オウェンによる植物状態患者の意識の発見●「意識があると証明できない」は「意識がないと 証明された」ではない●「分かっていない人」を「分かっている人」に変えるもの●「窓を閉じて立 ち 去ってしまおう」との提案

3 それは臓器移植へとつながっていく
  ●ナヴァロ事件●ケイリー事件●心臓死後臓器提供(DCD)●デンバー子ども病院の「75秒観察プ ロトコル」論争●小児の脳死判定、14項目すべて満たしたのはたった一人●臓器提供安楽死


第3章 いのちの選別と人間の尊厳

1 科学万能主義とグローバル経済
  ●科学、テクノロジーと結びつく市場経済●〝コントロール幻想〟と差別の再生産

2 医療と障害のある人びと
  ●私たち親子の体験●マークとマーティンの『無関心による死』●米国NDRN『障害者の市民権を 侵す医療』●「暗黙のパーソン論」と無関心●医療と患者のあいだの溝●二者択一の議論が取りこぼ していくもの●認知症の人に関心を向け、理解するアプローチ●こういう約束をしてくれる医療を受 けたい●本当の「自己決定」ができるための英から●弱者の権利を守るための仕組み

3 社会で支えるという視点
  ●介護者支援●「死の自己選択」は通苦の責を患者に負わせ、社会を免責する●「どのような社会であ ろうとするのか」という問題

4 いのちへの畏怖と祈り

5 重症重複障害当事者の親として
  
おわりに
資料 尊厳死法案


大月書店HPの当該サイトはこちら ↓
http://www.otsukishoten.co.jp/book/b120658.html

アマゾンの予約ページはこちら ↓
http://www.amazon.co.jp/%E6%AD%BB%E3%81%AE%E8%87%AA%E5%B7%B1%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E6%A8%A9%E3%81%AE%E3%82%86%E3%81%8F%E3%81%88-%E5%B0%8A%E5%8E%B3%E6%AD%BB%E3%83%BB%E3%80%8C%E7%84%A1%E7%9B%8A%E3%81%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%80%8D%E8%AB%96%E3%83%BB%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D-%E5%85%90%E7%8E%89-%E7%9C%9F%E7%BE%8E/dp/4272360698/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1374144584&sr=1-1


このブログでやってきたことをとりまとめた本書の性格から
『アシュリー事件 メディカル・コントロールと新優生思想の時代』と同じく、
注にはURLが多く並んでおります。

そこで、『アシュリー事件』と同様に、このブログに
「拙著『死の自己決定権のゆくえ』」という書庫を作り、
各章ごとの注をアップして、そこからリンクをたどってもらえるようにする予定です。

また、視覚障害のある方にも読んでいただけるよう、
テキストデータの交換券を付けてもらいました。


どうぞ、よろしくお願いいたします。
2013.07.28 / Top↑
昨日のエントリーで触れたジマーマン事件についての報道をいくつか。

NYT. 無罪判決を受けて、法改正を呼び掛ける社説。
Trayvon Martin’s Legacy: The acquittal of George Zimmerman should be a call to reform laws that make it easier to kill.(July 15, 2013)

NYT. 弁護士が何と言おうと、この事件は人種差別の問題、とする社説。
The Truth About Trayvon: Ignore what the lawyers say. The case was always about race.

全米に広がる抗議で、オバマ政権に連邦政府としてZimmerman起訴への圧力がかかっている。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/15/george-zimmerman-us-federal-charges?CMP=EMCNEWEML6619I2

Huffington Postに、「Trayvon Martinが死ななくても済んだ7つの決断」という記事があり、「ジマーマンがマーテインの後をつけない決断だってできた」「ジマーマンが銃を隠し持っていなかったら後をつけなかったのでは」「ジマーマンにはマーティンを撃ち殺さない決断だってできた」など。
http://www.huffingtonpost.com/2013/07/15/6-decisions-trayvon_n_3600690.html

          -----

4月にスイスのディグニタスで自殺したイタリア人 Pietro D’Amico(62)さん、死後の解剖により、死ぬような病ではなかったことが判明。
http://www.lifesitenews.com/blog/swiss-assisted-suicide-clinic-kills-dying-italian-man-autopsy-discovers-bot

英国のケアホーム経営者の団体トップから、自殺幇助合法化を支持する発言。
http://www.christian.org.uk/news/suicide-clinics-could-come-to-uk-says-care-home-boss/

日本。「医療否定」は患者にとって幸せか(「Dr.Poohの日記」ブログ 2013/4/14)「一連の「尊厳死」「平穏死」「自然死」に関する書籍や記事を読んだり講演を聞いたりして感じてきた違和感」「昨今のブームはむしろそれが目的化してしまっている印象」
http://d.hatena.ne.jp/DrPooh/20130414

ワシントンDCが進める最低賃金に関わる条例改正に、ウォールマートが24時間以内に撤回しなければなら撤退するぞ、と議会に対して脅し。
http://www.washingtonpost.com/local/dc-politics/wal-mart-says-it-will-pull-out-of-dc-plans-should-city-mandate-living-wage/2013/07/09/4fa7e710-e8d0-11e2-a301-ea5a8116d211_story.html

医師によっては無茶苦茶な処方をしているので、処方薬について患者はきちんと関心を持った方がよい、と処方箋データとメディケアのプランDのデータを根拠に警告するProPublicaの記事。ProPublicaは医師らの処方データをネット公開する計画。
http://www.propublica.org/article/why-you-should-care-about-the-drugs-your-doctor-prescribes

日本。「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」について(厚労省):けど、この問題は以下のリンクのように、英語圏では2009年から既に指摘されていたわけで。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000036k0c.html

【関連エントリー】
認知症患者への不適切な抗精神病薬投与、教育・意識改革が必要(2009/4/17)
ナーシングホーム入所者に症状もICもなく精神病薬投与(2009/10/31)
不適切な抗精神病薬の投与、15万人の認知症患者に(英)(2009/11/15)
「認知症高齢者への抗精神病薬を巡る動き」を書きました(2012/11/7)


英国で2度目の全国認知症調査で病院の認知症ケアは未だにお粗末、と。2010年3月から1年間かけて行われた1回目の調査についてはこちらに ⇒ 「病院での認知症ケア実態調査 英国」を書きました(2012/4/4)
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263238.php

日本語。中国臓器移植の深い闇 中国赤十字会が見返り要求「ほしいなら礼金払え」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130715-00000501-fsi-bus_all

日本。虐待疑い3件見送り 子どもの臓器移植提供 朝日新聞調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130714-00000014-asahi-soci

マラリアの遺伝子変異の速度が速いことはワクチン開発の困難の要因だけれど、グローバルな人の移動も手伝って米国でもマラリアが拡がりつつある?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263247.php

おしっこの分析をして健康チェック、データを親の携帯に送ってくれるスマートおむつが登場。日本の児童精神科医にも、オムツは親が替えるよりもロボットが替える方が望ましく、排泄物のデータ分析までできたらさらに理想的、と言われる方がありました ⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/59838849.html
http://www.medicalnewstoday.com/articles/263165.php

デスクワークは健康に悪く命に関わるとして、ウォーカーで歩きながらパソコンで仕事をする人が増えているんだとか。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/desk-jobs-can-be-killers-literally/2013/07/15/ce61f9e8-e59b-11e2-aef3-339619eab080_story.html

日本語。ゲイに続き、パウエルやシンプソンも薬物陽性。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130715-00000167-yom-spo

一つの身体に2つの頭で生きている姉妹が送る大学生活(英)
http://www.youtube.com/watch?v=ZBtYomZWR68

日本。新型出生前診断1500人、研究予定の1.5倍。:「研究」が「調査捕鯨」の「調査」と重なって見える。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130716-00000001-yom-sci

文春8月号「安倍晋三インタビュー」。「あのような大事故を経験したからこそ、日本の原発技術は発達しているのではないかと、世界各国から期待されているのです」。「事故を乗り越えた日本の技術が欲しいという国があります」:「終息」もしていないのに「乗り越えた」ぁぁ??? それでも自民党に入れようと?
https://twitter.com/xxcalmo/status/355273882418163712

2013年度参院選挙を医療・介護の視点から考える 結城康博 シノドス 7月11日
http://synodos.jp/welfare/4874

参院選 憲法と家族<上>生活保護 障害者にとっては命綱 (東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2013071002000160.html

日本語。「アベノミクスが新たなリスク」 IMFが初めて指摘。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130710-00000004-asahi-bus_all

第27回マガ9学校「オッサン政治にもの申す! 全日本おばちゃん党」:胸がすきます。
http://www.youtube.com/watch?v=u7lgj_fPZVs

全日本おばちゃん党の『はっさく』と『腹太の方針』が面白い 
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2013/05/13/6809447

映画「ひまわり ~沖縄は忘れない、あの日の空を~」の宮森事件とは。
http://www.ggvp.net/himawari/miyamori.html
2013.07.28 / Top↑
この記事が冒頭、問題視するのは以下の状況。

The foundation’s ability to spend unprecedented amounts of money on education reform causes has recently made Gates unduly influential in the education world.
The organization supports groups that generally have an anti-union and pro-testing agenda.

前例のない額の資金を教育改革に投じることができるゲイツ財団の能力は
ここ最近、ゲイツによる教育会への度を越した影響力行使を招いてきた。

同財団は反教員組合、共通テスト支持の姿勢を持つ組織を支持している。

その実態とは、以下のエントリーで取りまとめた通り ↓
ビル・ゲイツが自分路線の公教育改革実現に“投資”したグラント一覧(2013/6/15)


そうした事態に対して、
米国の教師が立ちあがり、果敢に反論の声を挙げているのが
以下のエントリーで紹介した、Teachers’ Letters to Bill Gates.

ビル・ゲイツの公教育改革に、米国の教師が突きつけ始めた“NO”(2013/6/15)


そこで、Huffington Post紙が
このサイトに集まってきた教師からの手紙を読みこみ、
先生たちがビル・ゲイツに指摘している7つの論点を取りまとめている。

7.学校が正当に教えるべきことの中には、
 テストで測ることのできないものも含まれている。

6.教育においては、
 すべての子どもに当てはまる唯一の方法論(例えば統一テストのような)というものは存在しない。

5.教師の評価で生徒のテストの点数は重視されるべきではない。

4.教育改革論者の言うことがすべて正しいとは限らない。

3.教育改革議論には、教育の専門家である教師の声を。

2.2001年の落ちこぼれ防止法は間違っていた。

1. Common Core統一テストを導入しても事態は改善されない。


‘Teaches’Letters To Bill Gates’ Website Reveals 7 Major Things Educators Want The Mogul To Know
Huffington Post, July 16, 2013


単に投入できる膨大な資金があるからというだけで
一民間団体や、一組の夫婦がその資金を通じて巨大な影響力を及ぼすことが
あちこちで弊害をもたらしている、というのは
教育の分野だけではないのでは、と思うし、

ここで指摘されているのと基本的に同じことは
その他の分野でも言えるはずだと思うのだけれど、

なぜか科学とテクノロジーや途上国での保健医療の問題では
ゲイツ財団が unduly influential になることを懸念する声はあまり聞こえてこない。

それはゲイツ財団の資金が投入される先が
「科学とテクノで簡単解決バンザイ」文化の利権とがっぷり繋がっている当たりだからでは、
……というのが当ブログの読みであり、また懸念するところ。


当ブログが細々と拾ってきた
科学とテクノ研究に投入されるゲイツ財団の資金と
その資金を通じて行使される不当に大きな影響力への懸念の声は例えば以下に ↓

世界中の研究機関に流れていくゲイツ財団のお金(2008/8/28)
ゲイツ財団の指摘研究機関が途上国への医療支援の財布を管理しようとしている?(2009/6/20)
ビル・ゲイツの音頭で米国の長者たちが各国政府の頭越しに世界人口抑制に取り組もうと合意(2010/6/9)
公衆衛生でマラリア死8割減のエリトリアから「製薬会社株主ビル・ゲイツのワクチン開発」批判(2011/8/2)
ゲイツ財団がインドでもくろんでいるのワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
国家的権威から市場主義的権威による超国家企業の政治制度へ(2012/1/25)
慈善資本主義に新たなネーミング、「人道帝国主義」:インドの“ポリオ撲滅”のウラ側(
2013/6/11)
慈善資本主義の“マッチポンプ”なカラクリ(2013/6/11)
2013.07.28 / Top↑
今年の1月、
3か月前から担当してくれている支援者と映画を見に行った
ダウン症の男性、Robert Ethan Saylorさん(26歳)。

その映画が気に入ったので、もう一度見たいと言っていたが、
映画館を出たところで、機嫌を悪くして毒づいたり店のウインドウを叩いたりしはじめた。

その日はそれ以前にも癇癪を起していたので
困った支援者の女性が母親と他の支援者に電話で対応を相談。
しかし、その間にイーサンは再び映画館の中に戻って座席に座ってしまった。

2度めはチケットを買っていないので
劇場側は支援者の女性に退場させるよう求め、女性は自分が対処すると答えた。

ところが、
そこへ非番のアルバイトで警備員をやっている保安官代理が3人やってきて、
イーサンと口論に。

支援者の女性は、身体に触るとパニックすると警告したが、
強引に連れだそうとした警官らはイーサンに手をかけた。

体重が100キロ以上あるイーサンはパニック。
暴れながら、大声で母親を呼んだ。

保安官代理ら3人がとり押さえて連れだそうともみ合ううちに
イーサンは手錠を3つかけられたが、そこで突然、動かなくなった。

保安官代理らは手錠を外して心肺蘇生を行い、
息は吹き返したが、意識不明のままいびきをかいていた。

バルティモアの検死官局チーフは
イーサンの死因は窒息による殺人と断定。
喉にも原因不明の傷があった。
(これがいつの段階なのか、記事からはちょっと不明)

3月、Frederick郡の陪審員は警官らを不起訴にしただけでなく、
情報の自由法では公開されるべきエビデンスは
先に警察の内部調査が終わるまで無理だと言って家族にも公開されなかった。

その後、家族の代理やアドボケイト団体などが
米国司法省やメリーランド州当局に独立した調査を求め、
このほど98ページに及ぶ報告書がだされ、
事件の詳細が明らかになった。

保安官事務所の弁護士は
内部調査は終了しているとしつつ、
詳細についてはコメントできない、と語り、

「徹底的な調査が行われました。
明らかに悲劇的で不幸な出来事ですが、
しかし保安官代理には何も非はありませんでした」

Aide to man with Down syndrome who died in theater had warned police, report says
The WP, July 16, 2013


相手への配慮も理解も何もなく
問答無用の強権で何でも抑えつけようとする空気の広がり、という点では、
例えば以下のようなことが頭に浮かぶし、

授業中にケンカをすればスクール・ポリスがやってくる。そして逮捕(TX)(2012/1/12)
些細な問題行動でスクール・ポリスに逮捕される黒人生徒、白人生徒の4倍(2013/4/20)


また、
弱い者が不当な暴力にさらされた事件で、
強い側のものが守られる仕組み……という点では、

このところ米国社会を騒然とさせているジマーマン事件が頭に浮かぶ。

ただ道を歩いていただけの丸腰の黒人少年を
勝手に不審者だと決めつけた元自警団のピスパニックの青年ジマーマンが
銃を持って追いかけて、もみ合いになり、少年が射殺されてしまった。
それでもフロリダ州では正当防衛とする州法があるとされて
1カ月間も警察はジマーマンを放置。
世論の非難を浴びて逮捕したものの、
陪審員は無罪判決――。


ジマーマン事件の概要は、例えばこちらに ↓

全米を揺るがせたジマーマン無罪判決の意味(ニュースウィーク日本版 7月16日)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130716-00010000-newsweek-int
2013.07.28 / Top↑
『ふぉん・しいほるとの娘(上)』吉村昭 新潮文庫


其扇(そのおおぎ)は、風呂敷包みを背負って道をたどった。引田屋に使いを走らせて男衆に荷物をはこんでもらうこともできたが、その日は風呂敷包みを背負って歩きたかった。家庭の事情で遊女になったが、遊女は仮の境遇で地道に額に汗して生きることが自分に最もふさわしい道だと思っていた。役人が家に踏み込んできたことは、なにかの事件が起きたことをしめしているし、それによって自分の生活も大きく変化するかも知れない。そうした変化に堪えてゆくためには強靭な神経が必要であり、遊女として不似合かも知れぬが、一個の女として風呂敷包みを背負って歩いてゆきたかった。

しかし、重い物を手にしたことのない彼女には、その荷は重く背負ってゆくことは辛かった。身体が前のめりになり、今にも膝がくずおれそうになる。呼吸が苦しく、胸が締め付けられるように痛かった。其扇は歯を食いしばって歩いていった。
(p.329)
2013.07.28 / Top↑
2006年から2010年の間に
カリフォルニア州の女性刑務所で州の委嘱医らにより、
少なくとも148例の卵管結紮による不妊手術が行われたことが
CIRの調査によって明らかになった。

また1990年代後半にも100例以上が行われた可能性も。

元囚人やアドボケイトによれば、
妊娠中に収監された女性に対して、
医師らが不妊治療に同意するよう執拗に働きかけていた、とのこと。

中には、
分娩のさなかや帝王切開の手術の手術台の上で
朦朧とする意識の中で「それで、卵管結紮をやるんですよね」などと言われて
同意を求められた、という証言も。

データベースによると1997年から2010年までに
卵管結紮に対して州から医師に支払われた金額は147,460ドル。

これは囚人に州の費用によって不妊手術を行うことを禁じた
連邦法にも州法にも違反している。

また1994年からは
不妊手術には個別に医療行政職トップの同意が必要となったにもかかわらず、
卵管結紮の要望が医療委員会に提示されたことはなかった。

医師らの言い分は、何度も帝王切開を経験した妊婦では
妊娠には子宮破裂の危険が伴うため、女性たちの健康上の理由から
不妊手術が必要だと判断したのだというものだが、
女性らはそのリスクについて説明を受けていないし、
卵管結紮に同意させられた女性の中には帝王切開は1度しか体験していない人たちも。

また当時、手術を行った医師らは、
一般女性と同じ選択肢を与えることは
収監されている貧しい女性たちに対するエンパワメントだった、とも。

Valley 州立監獄の産婦人科医だったJames Heinrich医師はCIRのインタビューで、
「(147,460ドルは)10年間で考えるとそれほど大きな額ではない。」
彼女らがさらに多くの子どもを産んで、その望まれぬ子どもたちに支払われたはずの
福祉の費用と比べてみればよい」

2005年には監獄内で医師らから
不可欠な医療でもないものを州の費用で行うことへの疑念の声もがあったというが
その後も、州の費用で賄われる医療の範疇に留め置かれた。

2006年にはUS 地域判事が同州の監獄の医療はあまりも劣悪で
残虐な刑罰を禁じた憲法の規定に違反している、と判断。

2008年にも囚人の権利擁護団体Justice Nowが
2つの監獄での不妊手術の実施について指摘し、
妊娠している囚人の扱いに対して問題提起したが、
2010年に上院議員 Carol Liuが動くまで
事態には変化はなかった。

Liu議員の依頼で調査を行った医療監査委員会のBarnettは
金銭支払いに関するデータから事実を掴み、監獄の幹部と面談し、
囚人への不妊手術を辞めるよう求めたところ、猛烈な反論を浴びたという。

16年も前に禁じられているというのに、
監獄の医療責任者も医師も看護師も委嘱医も法で禁じられていること自体を知らず、
不妊手術には許可が必要だということも知らないまま、
何の不都合もない、理にかなった処置だいう認識で行われていた、という。

CA州にも多くの州と同様に
かつて1909年から1964年の間に2万人の男女に不妊手術が行われた不幸な歴史がある。
2003年に上院議会が事実を認め、当時の知事が公式に謝罪した。

当時、上院の公聴会で証言した専門家は
「これはCA州での優生思想の歴史を理解するに当たって重要な点ですが、
目的の一つは、いかに福祉の費用を削減するか、経費削減にあったのです。
不妊手術はこの問題と深くかかわっているのです」

前述のHeinrich医師は
教唆があったとする本囚人女性らの訴えについて、
「本人たちが望んだことだった。1年化2年経ってから
強制的にやられたと言っているのは、嘘だ。
そういうことを言って、州からカネを恵んでもらおうとしているのだ」

「そんなことをする唯一の理由は、不正なことをされたと思うからではなくて、
ずっと州のカネで養われていたいと考えるからだというのが私の推測だ」

Female inmates sterilized in California prisons without approval
Center for Investigative Reporting, July 7, 2013


この記事に寄せられた、例えば以下のようなコメントが
恐らくはHeinrich医師の本音を代弁しているのかも……?

……how about the right of children not to be born to such destructive life styles. It is ultimately the children born into these deplorable circumstances that suffer.....because the women didn't give a d....m about the child they conceived. They just want to keep scr.....g around, not caring about consequences. Well, no one is denying them the pleasure of their sexual activities....just prevent pregnancy!!!! Is that so hard to understand???

そういうろくでもない生活ぶりの親のところに生まれてくる子どもの権利はどうなる?
結局のところ苦しむのは、そういう嘆かわしい環境に生まれてくる子どもたちなのだぞ。
こういう女性たちは自分が生んだ子どものことなんぞ、どうでもよくて、
ただヤリまくって、後はどうなろうとお構いなしという連中なのだからな。
だれもセックスを楽しむなと言ってはいない。ただ妊娠はさせるな、というのだ。
それだけのことが、なんで分からない?

あるいは、

these parasitic women and their children have absolutely nothing to offer this planet. since they cant keep their legs closed on their own right, this is a more economic alternative. im all for due process and human rights, but....I love the earth more.

こういうパラサイト女性とその子どもたちというのは地球に何一つもたらすことはない。
足を閉じていることができないのが、そいつらの権利なのだというなら、
これこそが、経済的な選択肢ということになるだろうよ。
然るべきプロセスと人権については支持する立場だけど、
それ以上に地球の方が大事だね。


【関連エントリー】
NC州で、かつての強制不妊事業の犠牲者への補償に向け知事命令(2011/3/21)
NC州の強制不妊事業の犠牲者への補償調査委員会から中間報告書(2011/8/15)
NC州知事が約束した強制不妊犠牲者への補償、上院が棚上げ(2012/6/21)

世界医師会が「強制不妊は医療の誤用。医療倫理違反、人権侵害」(2011/9/12)
障害者人権擁護ネットから報告書「“A療法”・強制不妊・生命維持停止は人権侵害」(2012/6/20)
NDRN報告書:カルメンの強制不妊ケース(2012/7/14)
2013.07.28 / Top↑
今日、「私らの子」が、
また一人亡くなった。

それで、
09年3月29日に書いた
以下のエントリーを再掲したくなった。

葬式(2009/3/29)


身近な子どもが、また1人亡くなった。

とても重度ではあるけれど元気な子だったのに……と
知らせを聞いて絶句する。

電話で知らせてくれた人と、
いつもこういう時に繰り返す儀式のように

「○○さんちのAちゃんの時には、こうだったよね」
「そういえば△△さんちのB君の時も、こうだったっけ」

いつのまにか数えることをやめてしまった子どもたちの死を1つずつ振り返る。

ずっと身近で見て、よく知っている子もいたし、
顔を知っている程度という子もあった。

時には子どもですらなくて、いい年のオッサンだったりもした。
中学校まで娘のクラスメートだった男性は、
かつて就学猶予を強制された年齢超過者で私よりも年上だった。

でも、どの子もどの人も、亡くなったという知らせを受けると、
私はいつも「私らの子が、また1人死んだ……」という感じがする。

私らの子が、また1人死んだ――。

そういえば、あの子もこの子も、いなくなった。
いつのまにか、私らの子が、もう、こんなにたくさん死んでしまった――。

養護学校の卒業式の後とんと会わなくなった重症児の親たちが葬式で顔を合わせて、
通園時代や養護学校時代の親の同窓会みたいだ。

焼香で人が動く時に見知った顔を見つけて、同時に、
その人の子どもがずっと前に危篤状態になったことを思い出す。
ウチの娘と同じで、幼児期には健康でいる日など数えるほどしかない子だった。
お母さんも「この子はそう長くは生きないだろうから」とよく口にしたし
「そんなことないよ」と言いながら、周りの人たちだって本当は心の中でそう思っていた。

それでも彼女の娘は数年前に成人式を迎えて、今もちゃんと生きている。

そういえば、あの子も、そして、この子も……と指を折ってみれば
ちゃんと生きている子だって沢山いることに驚かされる。

へんな言い方だけれど、仲間内で子どもたちが初めて死に始めた頃は
誰かの子どもが亡くなると、次はどこの子だろう、
もしかしたらウチの子だろうかと、みんな疑心暗鬼に駆られて
内心で子どもたちを重症度や体の弱さで順に並べてみたりしたものだったけど、

この子たちは決して、障害の重い順、弱い順に死んでいくわけじゃない。

とても重度で虚弱で、長くは生きられないだろうと誰もが思っていた子どもが
ある年齢から急に元気になることもあるし、
弱いまま何度も死にそうになったり、医師や親にいよいよだと覚悟させたりしながら
それでもちゃんと生きている子どもたちもいっぱいいる。

そうかと思うと、
それほど重度なわけでもなく、障害があるなりに元気だった子が
ある日突然に体調を崩し、あっという間に逝ってしまったりする。

あの子が死んで、この子がまだ生きていることの不思議を
説明することなど誰にもできない。

人の生き死には、人智を越えたところにある。

今日、葬式で
いっぱい死んでいった子どもたちや、
まだいっぱい、ちゃんと生きている子どもたちの顔を一つ一つ思い浮かべて、
改めて、そのことを思った。

同じように重い障害を持って生まれてきて、
あの子が死んで、この子がまだ生きていることの理由やその不思議を
いったい誰に説明できるというのだろう。

そんな、人智をはるかに超えたところにある命に、質もへったくれもあるものか。

「生きるに値する命」だとか「命の質」だとか「ロングフル」だとか、
そんなのは、みんな人智の小賢しい理屈に過ぎない。

生まれてきて、そこにある命が
生きて、そこにあることは、それだけが、それだけで、是だよ。

障害があろうとなかろうと、
どんなに重い障害があろうと、
生きてはいけない人なんて、どこにもいない。

重い障害を負った私らの子は
次々に死んでいくように見えるけれども、

本当は障害のあるなしとは無関係に
誰がいつ死ぬかなんて、誰にも分からない。

だから、

あの子もこの子も、生きてこの世にある間は
生きてこの世にある命を、誰はばかることなく、ただ生きて、あれ──

それを、せめて大らかに懐に抱ける人の世であれ──と

亡くなった子の遺影を見上げて、心の底から祈った。
2013.07.28 / Top↑
療育園との連絡ノートより

七夕会は、
前半の由来を聞いたりペープサートを見たりするところは
とっても静か。穏やかに過ごされていました。

後半、
全員の願い事を読みあげてゆくと、
徐々にテンション ↑ UP。

「私のは?」「まだ?」と言わんばかりに
声を出しておられました。

おやつはチョコレートムースでしたが、
ぺろりと、あっという間に食べられましたヨ。
 

昼ごはんが終わり、デイルームにおりたミュウさん。
必死で「オゥオゥッ」と言いながらTVを見つめています。

少しとなりの場所まで進んでいたミュウさんに
「がんばって元に戻って」というと、
手と足で振りをつけ、体を動かします。

「すごーい」とみんなで見ていると
「ア☆ハーン」と自慢げになり、

「TVみたいんよね。スイッチ押してくれる?」と
TVのリモコンをクッションなどで傾け、ミュウさんが押せるようにセッティング。

「オウ オウ」と興奮気味にボタンへ手が伸びてくる。

スタッフも見守り、「すごい、すごい」と言っていると、
少し違うボタンだけど必死で押してくれました。

その後「ここ押して」と赤いボタンへ手がいくように添えると、
満面の笑みを浮かべ、スイッチON!!

「ミュウちゃんが押してTVがついたよ」と言っていると
また自慢げな表情。

今日はみんなのお昼時間のためにミュウちゃんの活躍でTVが見れました。

「ごきげんよう」をこれまた
くいいるように見ているミュウさんでした。


……この単細胞ぶりは

はい。母親譲りです……。
2013.07.28 / Top↑
日本ではドル箱降圧剤、バルサルタンの論文不正を巡って
昨日、京都府立医科大がデータ操作を認める調査報告を出し、
今朝の新聞一面を飾っていましたが、

製薬会社の社員(中には株式を保有している社員も)が
自社の薬の効果や安全性を調べる臨床実験の報告論文の共著者になっているとか、
製薬会社がゴーストライターを雇って論文を書かせ、
有名研究者らの名前だけを並べた論文で認可を受けるとか、
はたまた治験データの隠ぺいや操作など、
英語圏でのビッグ・ファーマのスキャンダルは
なぜか日本ではまともに報道されないだけで、
ここ数年だけでも、わんさと出てきています。

そこで、それらの情報を取りまとめて
エントリーを立てようと考えていたら、

今日のNYTに標題の
いろんな意味でショッキングなニュースが……。


中国政府による外国企業の汚職調査で、
上海を含む3都市でグラクソ・スミス・クライン社の幹部社員らから
汚職容疑で逮捕が出ている。

逮捕された幹部らは
医師、病院、政府官僚などへの贈賄を認めているとのこと。

今年初めに
グラクソの中国でのオペレーションで不正が行われているとの内部告発が
ウォール・ストリート・ジャーナル紙にあり、それを受けて
同社は独自に調査をしたところ不正は行われていなかった、と先週発表したばかりだった。

中国は製薬会社にとっては
最も急速に成長するマーケット。

グラクソの中国での販売実績は12年には12億ドルへと17%も急増。

一方、イーライ・リリーは去年、
ブラジル、中国、ポーランド、ロシアで
官僚と医師らへの違法な金銭支払いに2900万ドルの和解金で合意している。

GSK社の中国での不正は
支出報告を偽造して公務員の医師らに贈り物や現金を送ったというもの。

米国司法省はここ数年、
ビッグ・ファーマによる販促目的での医師や病院への違法な金銭支払いについて
捜査を勧めてきたが、

今回の件では中国政府は電光石火のスピードで
社員を拘束し、事務所に強制捜査を入れ、結果を素早く発表した。

当局者は
中国での「販売チャンネルを切り開き、値段を目的で」
グラクソは同社の販促に協力できそうな人々に広範に賄賂を贈った、と。

驚いたのは記事最後の一文。

GlaxoSmithKline’s problems in China deepened this month when the company fired the head of its research and development center in Shanghai for misrepresenting date in a paper he co-wrote.

グラクソの中国における問題が深刻化したきっかけは、
共著者として執筆した論文でデータの報告に偽りがあったとして
今月、同社が上海のリサーチ開発センターのトップを解雇したことだった。

(ゴチックはspitzibara)

(バルサルタン事件もそうだけど、
「解雇」というのは、ファーマ側にとっては
証拠を出さないための都合のよい方策でもある……とか?)

GlaxoSmithKline Accused of Corruption by China
NYT, July 11, 2013


ちなみに、この記事で言及されている、ここ数年の米国司法省の調査の関連で、
以下のエントリーに見られるように、グラクソは昨年、
史上最大規模の30億ドルの罰金と和解金を支払っています。
(ついでにイーライ・リリーはというと、14億2000万ドル)

ビッグ・ファーマのビッグな罰金(2012/7/4)

グラクソの罪状は
18歳未満には認可されていないにもかかわらず
Paxilを18歳未満のうつ病対象と偽ったことと、
糖尿病治療薬Avandiaの安全性データをFDAに報告しなかったこと。

それぞれ以下のリンクの関連エントリーに詳細がありますが、
どちらも死者が出る悪質さです。

【パキシル関連】
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)

【アバンディア関連】
製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avandiaスキャンダル(2012/11/30)


ところで、グラクソと言えば、
日本では目下もっぱらHPVワクチンで注目されているビッグ・ファーマですが、
そこには、こんな話も ↓

HPVワクチン論文の利益相反(前)(2013/7/9)
HPVワクチン論文の利益相反(後)(2013/7/9)

また、6月には松あきら議員の夫とグラクソの「蜜月」も報じられましたっけね……?


【16日追記】
続報あり、4人の名前を中国政府が公表。
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/16/china-names-gsk-bribery-suspects?CMP=EMCNEWEML6619I2

【23日補遺から続報】

中国でのグラクソの贈賄スキャンダルで、グラクソ側が幹部による贈賄と性的便宜供与を認めた。GSK has admitted that some of its senior Chinese executives broke the law in a £320m cash and sexual favours bribery scandal.
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/22/glaxosmithkline-admits-bribery-china?CMP=EMCNEWEML6619I2

NYT. 中国でのグラクソ・スキャンダルは違法な販促にとどまらず、研究にも疑義?
Glaxo’s problems in China may not just be about its sales practices. They may also concern its research.
2013.07.28 / Top↑
直前エントリーで紹介した記事を読んだ時に、
一緒に目についた5月の記事。


スタンフォード大学とバイオテク企業 Auxogynが
IVFに使用されているヒト胚の細胞周期の最初の3段階にかかる時間のデータに
特許を申請し、米国特許局がこれを認めたことから、
新たな国際的な論争が起きている。

ヒト胚の細胞分裂の最初の3段階にかかる時間を調べて、
そのデータによって子宮に入れる最適な胚を選別すれば、
体外受精の成功率が3倍にも上げられる可能性があることが、
最近の英国の研究で明らかになった。

しかし、米国の特許が認められてしまえば、
この新技術が広く使われにくくなる。

批判の中心人物である世界的胚培養士のJacques Cohen 医師は
Reproductive BioMedicine Onlineで、

「胚で起こる自然のプロセスの一部を所有するのは
すでに高価な医療技術のステップをいちいち過剰に商業化しようとする
許しがたい行いである」と書いている。

Auxogyn社では、
特許の対象は自然のプロセスそれ自体ではなく、
胚の発達を測る方法を対象にしたもの、と主張。

しかしCohenは、

There will be no end to what corporations may claim to own. A few years ago it was the gene sequence, now it is embryonic growth. Next year it may be one’s heartbeat or the synapse.

企業が所有権を主張する対象は際限なく拡がっていくでしょう。
数年前までは遺伝子配列だったが、今では胚の発達に所有権が主張される。
来年あたりは、人の心拍数やシナプスが対象になるかも。

Leading scientists attacks university over ‘outrageous’ IVF treatment patent
The Guardian, May 26, 2013


それにしても、こういう「やったもん勝ち」をやるのって、
やっぱり米国なんですね……。


記事が5月25日のものなので、
乳がん遺伝子変異 BRCA1とBRCA2の特許を巡って
Myriad Genetics社の特許を最高裁が認めるかどうか、
注目されていた訴訟について言及されています。

これについては、その後の6月14日に
ヒト遺伝子の特許は認められないとの判決が出ています。

関連エントリーはこちら ↓
「遺伝子に特許やるな」という米国の訴訟(2010/2/8)
欧州司法裁判所、「ヒト胚を使った研究成果に特許認めず」を堅持(2011/10/25)


で、結局のところ、
やっぱりこういうことなんではないか……と頭はここへ戻る ↓
事業仕分けの科学研究予算問題から考えること(2009/12/12)

で、希望がないなぁ……と、やっぱり考えてしまうのも、
09年12月12日に書いた、これ ↓

今後も長い年月に渡って加速度的に進むはずの
科学とテクノ研究競争に「勝ち続ける」ために必要な予算規模なんて、
きっと誰にも試算できないんじゃないかとも思うし。

私が知りたい「どれほどの資金が必要か」というのは金額ではなく、
今でも、地方の産業は成り立たなくなり、まともに働いても食えない人が沢山出てきて、
医療も福祉も教育も、どんどん崩壊している状況で、
今後、勝ち続けるために必要な予算を確保するとしたら、
日本国民の生活が例えば具体的にどういうものになれば賄えるのか、ということ。

まずは足手まといの障害者と高齢者には死んでもらって、
さらに働いているのに食い詰めてしまう人にも死んでもらって、
それで医療費と社会保障費がいくらかは浮くにしても、それで勝ち続けられるのか、
その程度で高度化する一方の国際研究競争に追いつけるとも思えず、
本当はもっと必要になってくるんじゃないのか、ということ。

仮に国際競争に勝ち伸びて隷属国になることを避け続けることが可能なのだとしても、
いま世界規模でアフリカと一部アジアの国で起こっているようなことの縮図として、
日本国内での都会と地方の格差や、また国民間の財力・能力による格差、さまざまな差別が
もっと酷薄な形をとって現実になっていくのではないのか、ということ。


でもって、それって結局のところ、
「誰も幸福になれない世界」ではないのか、ということ――。
2013.07.11 / Top↑
フィラデルフィア在住の夫妻の元に5月18日に生まれたのは Connor Levy君。

夫妻(妻Marybeth Scheidts, 36歳、夫David Levy,  41歳)は
米国のクリニックの医師らが染色体に異常のない胚を選べるよう、
IVFで作って5日間培養した13個の胚のそれぞれから細胞を数個ずつ取って
英国オックスフォード大学の専門家Dagan Wellsに送り、
遺伝子の異常をチェックしてもらった。

13個のうち、染色体の数に異常がないのは3個だけだった。

米国のクリニックの医師らはそのうちの1個をMarybeth Scheidtsさんの子宮に入れ、
残りの2つを冷蔵保存した。

Connor君の誕生は、
全ゲノムを素早くかつ安価に読解できる次世代シークエンシング(NGS)技術が
IVFクリニックでの肺の選別を様変わりさせることを物語っている。

全ゲノム情報が得られれば、
癌や心臓病、アルツハイマー病などの病気の発症率が分かる。

Array CGHという技術でも染色体異常のスクリーニングはできるが、
NGSならそれよりもコストは約3分の1下がる。

同じ遺伝子スクリーニングを経た2人目は来月誕生する。

Connor君のケースを担当した医師は
「どれほど革命的なことかはどんなにオーバーに言っても足りない。
妊娠率を50%あげるし、流産の可能性も同じくらい減ります。
費用も大変安い。5年後には最先端技術として
IVFをやる人みんなが受けることになるでしょう」

英国では非常に重篤な病気予防以外の目的で胚を選別することは禁じられているが、
遺伝子と病気の因果関係が分かってくるにつれ、
癌その他の病気を予防するために胚を選別しようとする声は高まっている。

髪の色や背の高さなどまで選んだデザイナー・ベビーの懸念もあるが、
Wellsは「IVFは未だ高価な技術で、必ず子どもが生まれる保障もない。
(髪の色や背の高さなどの)瑣末なことを選ぶために、
わざわざ手間をかけてIVFをやろうという人が
沢山いるとは思えない」。

WellsらのチームはNGSで妊娠率がどれだけ上がるか、
またどの年齢層で最も利益が大きいか、大規模な実験を計画中。

Connor君の両親は
今のところ冷凍保存した2つの胚を使う予定はないが、
1年様子を見てから考える、と。

IVF baby born using revolutionary genetic-screening process
The Guardian, July 7, 2013


これもまた、新型出生前診断と同じく、
数年後には日本にも到達する時代の波なのでしょう。
2013.07.11 / Top↑
これまで重症意識障害からの“回復事例”についてはいろいろ拾ってきたし、
その中には“回復”というよりも“誤診”じゃないかと思われるような事例もあり、
また恐ろしいことに臓器提供が決まった後で“回復”したケースまであって
考えさせられてきたのですが、

いよいよ決定的な“誤診”事例が出てきました。

米国NY州、シラキュースのSr. Joseph病院で
2009年に「死んだ」と診断して家族の同意の元に臓器摘出の準備に取り掛かったところ、
手術室に運ばれた患者が目を開けて「死んでいない」ことが判明した事例について
この度、そのケアの不適切に対して罰金6000ドル、

病院が事後にまともに調査しなかったことに対して罰金16000ドル、
合計22000ドルが課せられた、というニュース。

問題となった患者はColleen S. Burnsさん。
41歳(いつの時点での年齢かは不明)。

Xanax、Benadrylその他のオーバードースで救急搬送され、
カルテには「心臓死」と記載されているとのこと。
家族から臓器提供の同意が取り付けられた。

奇妙なのは、臓器摘出予定の前日、
看護師が反射テストをやって、足の裏を指でなぞったところ、
足をギュッと縮めた、という記録があること。

人工呼吸器を装着しつつ、鼻が膨らんで自発呼吸の兆候が見られたり
唇や舌も動いていたというのだけれど、

たいそう不思議なことに、これらの観察が行われた20分後に
看護師はBurnsさんに鎮静剤のアチバンを投与したという記録が残っている。
(が、医師の記録には鎮静剤も症状の改善も出てこない)

しかし、これらの兆候は臓器摘出の準備が進められる間も消失することはなく、
2009年10月20日、手術室に運び込まれたBurnsさんが目を開けたので、
摘出は中止された。

何が起こったのか、
本人にも家族にも説明はなかった。

これほどの事態が起こっていながら
病院側は検証も原因究明も行わなかった。

州保健局は
Post –Standard紙からの質問を受けて、2010年3月に調査を開始。

保健局の抜き打ち監査を受けて、病院はようやく調査に着手したが、
それでも、その調査はおざなりのものでしかなかった、と州の報告書は指摘する。

Burnsさんは心肺停止になってもいなければ不可逆的な脳損傷を負ってもおらず、
生命維持の中止を決定する基準を満たしていなかったにもかかわらず、
病院はBurnsさんの身体から薬の影響が抜けるまで待って十分な検査をすることなく
生命維持の中止を決定した、とも。

こうした事実関係を報告書で読んだ専門家は
患者が生きている兆候を確認していながら、
どうしてナースは鎮静剤を打ったのか、といぶかる。

「それでは患者は沈静によって無反応になってしまう。
鎮静したり鎮痛剤を与えなければならないなら、
その患者は脳死ではなく、臓器を摘出すべきではない」

すごいのはこの記事の最後の1文で、

The hospital also was ordered to hire a consulting neurologist to teach staff how to accurately diagnose brain death.

同病院にはさらに、スタッフに脳死の正しい診断方法を指導するための相談役として脳神経科医を雇うことが命じられた。


ちなみにBurnsさんは無事に退院したが、
その後2011年1月に自殺。

St. Joe’s “dead” patient awoke as docs prepared to remove organs
The Post-Standard, July 7, 2013


思い出すのは、以下の英国のスティーブン・ソープ事件。

英国で、またも“脳死”からの回復事例(2012/4/30)

重鎮静の状態で脳死と判定して家族に生命維持停止と臓器提供への同意が要請された。
家族が拒否し、外部の脳外科医に診断を依頼したところ、
脳死ではないと判断。重鎮静を解いてみたら意識が回復した、という事件。

このエントリーには脳死臓器移植の問題に詳しいMoritaさんから
貴重なコメントも寄せられています。

また、その他この段階までに拾った
“回復事例”エントリーへのリンクも。
2013.07.11 / Top↑
今日のエントリーを書いた際にYahoo!ブログが拾って来てくれた、非産婦人科の医師の方のブログの一連の関連エントリーが非常に興味深かった。6月7日にHPVワクチンについての疑問を整理、その後の厚労省の動きにつれて適宜あれこれと調べれば調べるほど、疑問が深まっていった……みたいなところ。どのエントリーにも大変興味深い指摘がてんこ盛り。個人的には6月23日のエントリーで「(アジュバントが有害というデータが出ていたら)いくらなんでも、即、ワクチン接種中止されるでしょう」の個所に下線が引かれているのが面白かった。今日の拙ブログエントリーにもリンクしたけど、Avandiaスキャンダルなどで表面化しているのは、臨床研究データそのものが製薬会社に操作されている、そうと分かっていて平気でみんなで癒着する、利益至上・生命軽視の「ファーマゲドン」。ファーマゲドンが「原発村」ならぬ「薬・ワクチン村」なのだとしたら、そこでは「いくらなんでも」すらないのかも??
http://blogs.yahoo.co.jp/janeway_tlr2/66180200.html (6月7日)
http://blogs.yahoo.co.jp/janeway_tlr2/66200396.html (6月15日)
http://blogs.yahoo.co.jp/janeway_tlr2/66219737.html (6月23日)
http://blogs.yahoo.co.jp/janeway_tlr2/66238961.html (7月1日)

米国のスーパーマン俳優、クリストファー・リーヴが治療法の発見にのみ希望を求めた姿勢について、96年のリーヴの民主党大会でのスピーチと、障害者運動側からの声いくつか。(ウ―レット関連でのメモ)
http://www.jscf.org/jscf/REEVE/supichi.htm
http://www.ragged-edge-mag.com/archive/p16story.htm
http://www.ragged-edge-mag.com/extra/reevepeace.html
http://www.raggededgemagazine.com/mediacircus/creevedeath.html

英国で、白血病の夫の首を絞めて殺したとして妻を殺人の疑いで逮捕。:まだ読めていないけれど、メディアの論調は「慈悲殺」とか「自殺幇助」に流れるんでは、と予測。……と思ってたら、やっぱり下の方の記事ではタイトルに「”自殺幇助”で事情聴取」と書いてある。最初の記事のタイトルはそういえば「献身的な妻」だもんなぁ。英国ではもう介護実績さえあれば首絞めて殺害しても自殺幇助? 
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2358249/Devoted-wife-Sheila-Sampford-strangled-husband-John-save-painful-death-cancer.html
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2357663/Wife-quizzed-assisted-suicide-terminally-ill-husband-82-strangled-home.html

米国医師会が肥満は今後、病気として扱う、と新方針。バリアトリック医学界と臨床分泌学会はこの決定を歓迎。:これもどこかで科学とテクノで簡単解決バンザイ文化のマッチ・ポンプ構造のような気がしてならないんだけど、ま、素人のオバサンの思うことで何のエビデンスがあるわけではありません。ワクチンが糖尿病、肥満、メタボを引き起こしている、とする調査結果、2012年11月に Current Diabetes Reviewsにという話もあったにはあったけど。あと、ヤセ薬とかバリアトリック手術とか、絶賛急成長中のマーケットではある。そういう薬の例にもれず、ひと通り売れた頃になってリスクが判明してrimonabant は2008年に、最近ではJaDeraとXiyouji Qingzhiとか市場から回収されたりもしているんだけど。でも、日本でも肥満薬の臨床実験での不正が判明したことだし、それって、この動きが日本にやってくる前触れなのかも? 日本人の肥満は程度で見れば米国人の足元にも及ばないにせよ、薬や手術など医療介入の必要なれっきとした病気です……。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10594#comments

英国ウェールズが臓器移植にみなし同意制度を導入。2015年から。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10592#comments

認知症の人の自立生活支援はロボットで
http://www.homecare.co.uk/news/article.cfm/id/1560420/robots-to-be-introduced-into-homes-to-help-older-people-live-independently

バフェット氏、またもゲイツ財団他に26億ドル分の自社株を提供。
http://www.forbes.com/sites/alexmorrell/2013/07/08/buffett-donates-2-6-billion-in-berkshire-hathaway-shares-to-gates-foundation-other-charities/

で、そのバフェット氏、人工透析の会社Davitaの株に1560万ドル。
http://www.democratandchronicle.com/usatoday/article/2497133

国際ライオンズ・クラブとGAVIが麻疹ワクチン推進で提携:この前国際ロータリーがゲイツ財団とポリオ撲滅で提携を新たにしていたっけな。
http://online.wsj.com/article/PR-CO-20130708-906624.html

ナイジェリアのAnabra州知事がポリオ撲滅でのベスト・パフォーマンス・ビル&メリンダ・ゲイツ賞を受賞。保健相から授与。賞金は1億2000万ナイラ。5年間ポリオが1例も出ていないことに対して。:ゲイツ財団って、こんな巨額の賞金つきの賞を設けて途上国のワクチン推進をあおってたのか……あ、途上国だけじゃないか、ビル&メリンダ賞じゃなくて「研究グラント」という名前になってるだけで。
http://sunnewsonline.com/new/trending/obi-bags-best-gov-award-empowers-5000-youths/
http://www.ngrguardiannews.com/index.php?option=com_content&view=article&id=126356:obi-gets-n120m-bill-gates-award-on-polio-eradication-&catid=1:national&Itemid=559

武装集団が学校襲撃、42人殺害…ナイジェリア:上のニュースもこのニュースも同じナイジェリア。こういう国でもゲイツ財団にとって最重要課題はワクチン推進。パキスタンでも、ソマリアでも。いつだったかビル・ゲイツは「ソマリアなんか無政府状態でもワクチン接種率は高いんだぞ」と、まるで模範国のような言いようをしていた。その発言をよくよく考えてみたら、ものすごく怖いことが起こっているじゃないかってと思わせられるんだけれど。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130706-00000858-yom-int

英国の小学校の新カリキュラムで1年生からコンピューター・プログラミングを教えるんだとか。
http://www.guardian.co.uk/politics/2013/jul/08/michael-gove-education-curriculum-fractions

ブログ「本日の『生活保護リアル』」:読みたい本ばかり。
http://pubassistance.blogspot.jp/

生活保護減額で就学援助減少か 対象外の子増える恐れ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130707-00000018-asahi-soci

安藤美姫先週に対する常軌を逸した集団マタニティ・ハラスメントについて 国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長 伊藤和子
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20130707-00026249/

こんな面白い活動をしている人がいるって、教えてもらって知った。枚方バンダムさんの「お話、聞きます」。図書館にあったので早速にリクエスト。
http://iinen.com/prof.html
2013.07.11 / Top↑
前のエントリーの続きです。


④ 今年2013年には既に41論文が出ており、
そのうち17論文がHPVワクチンの効果と安全性を謳うもので、
効果を疑問視しているものは2論文(打出先生がアブストラクトから推測)。

HPVワクチンへの不安は根拠のない作り話(myth)だと結論付けた以下の論文でも、
http://www.unboundmedicine.com/medline/citation/23732252/Beliefs_Behaviors_and_HPV_Vaccine:_Correcting_the_Myths_and_the_Misinformation_

「利益相反」には以下のように書かれており、

Two of the authors (GDZ and NWS) are investigators on investigator-initiated grants funded by Merck and Co. GDZ is a recipient of an unrestricted program development grant from GlaxoSmithKline. WAF has received speaker fees, educational, and unrestricted research grants from Merck Canada. ZR has received a fee for consulting with Merck on behavioural science issues. Author SP has no conflicts of interest to report.

5人の著者のうち、メルクともGSKとも金銭関係がないのは1人。


⑤また、アフリカのサブサハラ地域の若い女性への
HPVワクチンの有効性を結論付けた以下の論文でも
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23242542

金銭的支援と利益相反の可能性についての事情は
上記2007年の事情と同じ。

(というか、資料のそこの部分を読んでみると、
ここにもGSKの社員とGSK社の株を保有している研究者が含まれている他に
英国の途上国支援機関からカネが出ていて、
英国はゲイツ財団の途上国でのワクチン推進では一番のパートナーだということを考えてしまう。
政府資金だからヒモも色もついていないという時代ではないかも??)


⑥ 逆に、HPVワクチンで自己免疫疾患SLEが引き起こされているとする以下の論文では、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23624585

利益相反のディスクロージャーのところに書かれているのは

Disclosure: none.
ディスクロージャー: なし。


⑦ とても興味深いのは
主著者が今野良医師である、2009年のこちらの論文。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20375802

これまで言及した上記論文が全て「HPV ワクチン」と表記しているのに対して
「子宮頸癌ワクチン」と表記していることが際立っているこの論文は、

「子宮頸癌ワクチン」には45年間に渡って
コスト効率よく子宮頸がんの負担を減じる効果が見込まれると結論している。

で、そのディスクロージャーはというと、

This study was supported by a grant from GraxoSmithKline K. K. Japan. R. Konnno received research and travel grants and honoraria for courses and conferences from GlaxoSmithKline Japan, Merck Japan, and Quiagen Japan. He is a member of the Advisory/Expert Board at GraxoSmithKline Biologicals. This study was also supported by GraxoSmithKline Biologicals, where authers Van Kriekinge and Demarteau are currently employed.


今野医師にGSK、メルクその他との濃厚な金銭関係があり、
この研究そのものがGSKによって行われたものと思しいだけでなく、
論文の著者5人のうち、日本人ではない2人はGSKの社員。


ちなみに当ブログが今野良医師の名前に目を止めたのは2009年。
こんな妙な発言があったから ↓

子宮頸がんワクチンでの失神は「ドキドキするから」?(2011/8/5)


製薬会社と研究者の癒着で
医学研究のデータそのものが信頼性を失っている問題については
以下のエントリーなどに(これらに他の関連エントリーへのリンクあります) ↓

製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avandiaスキャンダル(2012/11/30)
ファーマゲドン: オピオイド鎮痛剤問題のさらなる裏側(2013/1/4)
NEJMの前・現編集長による医学研究腐敗の指摘から、日本の「iPS臨床承認」を考えてみた(2013/6/28)


こうした「ファーマゲドン」の実態に、最近では
研究者らの間から全治験データの公開を求める声が上がっています ↓
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(前)(2013/7/1)
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(後)(2013/7/1)

4日にはNYTの社説も「治験データのフル・ディスクロージャーを」と。
http://www.nytimes.com/2013/07/05/opinion/full-disclosure-needed-for-clinical-drug-data.html?nl=todaysheadlines&emc=edit_th_20130705&_r=1&
2013.07.11 / Top↑
週末、こちらのシンポジウムへ行ってきました ↓
http://homepage1.nifty.com/hkr/simin/index.htm

<テーマⅠ 「子宮頸癌ワクチン」導入の裏側>の前半は
金沢大学付属病院講師で産婦人科医の打出喜義先生の講演。

打出先生について書いた当ブログエントリーはこちら。

打出先生の講演は
まさに当ブログで継続的に拾ってきた「医学研究データへの製薬会社の影響力」という
テーマそのものだったので(関連エントリーは文末にリンク)、まずは、その関連の部分を以下に。
(その他の部分については、今後の手元に応じて適宜エントリーに、と考えています。
最近、エントリーにしたいことの半分も書けない状態が続いているのですが……)

「海外の論文等でどのように評価されているのか」をテーマに、
HPVワクチンの効果と安全性の根拠とされる海外論文の詳細を検証するという趣旨で、

PubMedで HPV vaccineをキーワードに検索すると、
論文のヒット数は5844件。

年ごとの論文数でみると、
1996年には44本だったものが、
2005年に181、06年に375 、12年には708と
2006年の接種開始を境に急増している。

次にHPV vaccine safetyをキーワードに検索してみると、
こちらも2007年前後に急増しており、
07年の35論文はほとんどが安全と結論。

しかし、これらの論文の詳細にはたいへん興味深い点がある。

例えば、

①http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19242247

4価ワクチン、ガーダシルの効果を結論付けた
オーストラリアのJenny Mayによる、この論文では、
「利益相反」の個所に以下の記述がある。

Jenny May is a member of CSL Ltd’s GARDASILⓇAdvisory Board.

CSL Ltd とは、
以下のMSDの文書(日本語)によると、
http://www.msd.co.jp/newsroom/pdf/us_release/merck_1202_2.pdf

オーストラリアにおいてGARDASIL®をMerck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.から導入し販売しているCSL Limited……


つまり、この論文を書いたのは
米国のメルク社からガーダシルを「導入し販売」している会社の社員さんで
ガーダシル顧問委員会のメンバーだというわけ。


② 同じく2007年の論文。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17531764

こちらはグラクソ・スミス・クライン(GSK)社のサーバリクスのについて
…generally safe, well tolerated, and highly immunogenic などと書き、
安全性と効果のエビデンスとされる論文。

著者は HPV Vaccine Adolescent Study Investigators Networkと称する総勢11人。
そして、そのうち4人がグラクソの社員。

で、この論文のAcknowledgmentのところで謝意が述べられているのは
ひたすらGSKの関係機関やその関係者。

そこには、以下の記述も含まれている。

This study 580299/012 was funded and coordinated by GlaxoSmithKline Biologicals, Rixensart Belgium.


つまり、研究そのものがGSKの資金とコーディネートによるもの。


③ 同じく2007年にLancetに発表された以下の論文。
 http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2807%2960946-5/fulltext

著者は the HPV PATRICIA study group と称する24人で
子宮頸がん予防効果があり、予防に有効と結論。

利益相反の個所に書いてあることは
フルテキストでないと読めないので6日の打出先生の資料に戻ると、
26行の記述に、なんと17回も GlaxoSumithKline が登場している。

ざっと読んでみたら、けっこうなことが書かれている。

・一人はメルクとGSKの両方からHPVワクチンの臨床実験を行うためのグラントをもらっていて、
さらに両者から顧問料と講演報酬を受け取っている。

・著者のうち5人はGSKの社員で、そのうちの一人は同社の株式を保有している。

・一人はメクルとサノフィパスツールMSD(サノフィのワクチン部門)の推進委員会の委員であり、
かつGSK社の外部顧問で、彼の研究チームはこれら3社が実施しているワクチンの臨床実験に関与している。

・著者の一人でブラジルの研究者は、HPV開発臨床実験に関する「GSKの調査官」。


……と、ここまでで、やっと半分くらいで、

「利益相反ステートメント」はまだまだ続き、
「申告すべき利益相反はない」著者は24人のうち8人のみ。

他は、GSKや、メルクやサノフィなどと
HPVワクチン研究での金銭関係がある、というディスクロージャーが続く。


今年の論文についてなど、次のエントリーに。
2013.07.11 / Top↑
NY州にスペシャル・ニーズの人の保護を担うジャスティス・センターがオープン。これはエントリーにしたい。医療を巡る代理決定の問題があるから、そうそう喜んでばかりいられる話題かどうか、ちゃんと読んでみないと分からないけど。来週の目標の一つ。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/07/new-york-state-justice-center-for.html

英国保健相ジェレミー・ハントが、要介護や虚弱高齢者には病院外でのケアを含めて追跡担当する医師または看護師を一人に一人つける、と。また、Genomics England なる新組織の立ち上げも。読んでないけど、後者は、こういう路線かしら? ⇒ 国民DNAデータベースめぐり論争再燃(2008/2/27)
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2356515/Vulnerable-elderly-patients-single-doctor-nurse-track-NHS-care.html?ito=feeds-newsxml

日本語。特定の体外受精法、知的障害のリスク微増 研究:ここで言われている「特定の体外受精法」とは、ICSI(卵細胞質内精子注入法)で、ICSIに先天異常のリスクがあることは、2009年に既に報じられていた ⇒ 「試験管ベビーは先天異常の時限爆弾か?」とDaily Mail)2009/5/6)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2954059/10999825

高齢者への向精神薬投与(ブログ「精神科医の犯罪を問う」2013/7/4): この問題については私も去年、「介護保険情報」の連載で「認知症高齢者への抗精神病薬を巡る動き」を書いた他、ずいぶんいろいろと書いてきましたので、いくつか以下にリンク。
http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/54124815.html?vitality

【関連エントリー】
佐野洋子「シズコさん」(2008/7/12)
認知症患者への不適切な抗精神病薬投与、教育・意識改革が必要(2009/4/17)
英国のアルツ患者ケアは過剰投与で「まるでビクトリア時代」(2009/6/5)
ナーシング・ホーム入所者に症状もICもなく精神病薬投与(2009/10/31)
不適切な抗精神病薬の投与、15万人の認知症患者に(英)(2009/11/15)
1人でTX州の総量をはるかに越える統合失調治療薬を処方する精神科医が野放し・・・・・・の不思議(2009/11/30)


NYTの社説が「製薬会社には臨床実験のデータの完全なディスクロージャーが必要」と。先月29日にNYTはこういう記事を掲載したばかり ⇒ 臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(前)(2013/7/1)
http://www.nytimes.com/2013/07/05/opinion/full-disclosure-needed-for-clinical-drug-data.html?nl=todaysheadlines&emc=edit_th_20130705&_r=0

NYT. 処方鎮痛剤の中毒は男性の問題と思われてきたけれど、実際は女性で増加中。
Sharp Rise in Women’s Deaths From Overdose of Painkillers: Prescription painkiller addiction, long seen as mainly a man’s problem, is rising at a far faster rate among women, a federal analysis of data found.

【関連エントリー】
“オピオイド鎮痛剤問題”の裏側(米)(2012/10/20)
ファーマゲドン: オピオイド鎮痛剤問題のさらなる裏側(2013/1/4)


日本。大腸がん、血液検査で9割以上判明…三重大など
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130704-00000731-yom-sci

日本。「安藤美姫選手の出産を支持しますか?」アンケートに批判殺到……「週刊文春」が謝罪:なんだこれ? ツイッターで誰かが「メディアによる特定の個人に対する公開リンチ」と書いていたけど、その通り。あと、本人が公開しないと言っているのに、勝手に父親を詮索するメディアも。どんどんゲスな世の中になっていく……。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130705-00000013-rbb-ent

3年育休は女ののぞみか? ちづこのブログNo.51 「子どものいない夫婦だけの時代に夫と培った暮らしの協力体制が、1年間の「専業主婦」生活のなかですっかり役割分担体制に変わってしまうことだ。妻が家にいれば、夫はとめどなく妻の負担の上にあぐらをかく。」
http://wan.or.jp/ueno/?p=3188

3歳女児餓死、中2だった姉を書類送検へ:どうして、こうなるの? どうして? どうして? これ、介護している人に何かあった時には、日本中のヤングケアラーにも同じ保護責任が問われるってことなんだろうか。それから、これが兄だったら、もしかして何かが違っていたりするの、もしかして……?
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130702-OYT1T00226.htm

日本語。中国:親孝行を義務化、定期的な帰省など 「年老いた親と別居して暮らす子どもに定期的な帰省を義務づけるなど親を心身ともにいたわることを求めた改正「高齢者権益保障法」が施行」:まさか憲法改正草案の見直しに、「これ、よいでは」とか言わないでよね。なんだか、「安藤美姫の出産を支持しますか」とか「中2の姉を妹の保護責任問うて書類送検」とかにも、どこか通じていくものを感じるんだけれど。
http://mainichi.jp/select/news/20130704k0000m030046000c.html

ちょっと良いアイディアでもあるようで、ちょっと悲しいような米国の介護者支援策、StayCation。バケーションの季節ですが出かけることができないケアラーに、自宅でできるリゾート気分を工夫して楽しみ、それをビデオにとって応募。抽選でお一人様に50ドルと私のコーチング3回をプレゼント……なんだ、コーチングのプロモだった。ちょっと無理がある話だとは思ったんだ。
http://www.caregiving.com/2013/07/take-caregiving-coms-staycation-challenge/

障害のある子どもを養子にした親のため、レスパイト・ケアラーのボランティア募集。「介護保険情報」の5月号の連載で書いたのは一般の障害児の親のためのレスパイト・ケアラーだったけど、レスパイトもこういう形に向かうのかなぁ。
http://www.isleofman.com/News/details/56362/short-breaks-scheme-needs-foster-carers-to-help-disabled-children

在英エクアドル大使館で盗聴器が見つかる。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/03/ecuador-microphone-bug-london-embassy

ヨーロッパの若者たち、高学歴で資格もあり、失業中。:数日前に外資系の保険屋さんと話したところ、「仕事がないという人は贅沢な選り好みをしているだけ。仕事なら選ばなければアルバイトでも何でもいくらでもある。働かずに生活保護をもらえばいいと思っているから」というのに絶句した。なんで同じ社会にいて、見えているものがこんなに違うんだろう? 
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/01/jobless-europe-young-qualified
2013.07.11 / Top↑
先月、世界の400都市、50カ国で
モンサントへの抗議行動が行われ、
米国シアトルでも2000人が集まった。

それらの人々は
モンサントを支持するゲイツ財団にも批判を向けたことになる。

ゲイツ財団はモンサントの遺伝子組み換え(GM)作物によって
途上国の飢餓問題を解決しようと提唱しているが、

歴史的にも
GM種子は農業の持続性を損ない、
食の安全保障を脅かすことがすでに明らか。

GM種子は
貧困国の農夫に巨額の投資を強いるだけでなく
作物が次々に農薬への耐性を身につけて、
さらに強い種子と農薬を必要とするようになり、

結果的に飢餓を撲滅するどころか、
むしろ食料の不安定を永続化している。

さらに北米の農夫は
モンサントの特許侵害で次々に訴えられているほか、
5月にはオレゴン州で許可されていないGM種子の作物が発見され、
遺伝子汚染がすでに起こっていることも判明した。

オレゴンの農場に「あってはならないはずの遺伝子組み換え小麦」(2013/6/1)

真に貧困国の貧しい小規模農家を助けようとするなら、
作物の多様性を重視した従来型のアグロエコロジーが解決策。

記事の結論部分は以下。

Industrial agriculture continues to fall short of feeding the world but provides tremendous financial gains to Monsanto’s shareholders. It’s a shame the Gates Foundation, which many consider a local leading light, can’t see this. Until Monsanto and the Gates Foundation realize that sustainable agriculture, not GE seeds, is the solution to feed the world, many people around the globe will remain hungry.

工業型農業では世界人口を養うことができていないまま、一方でモンサントの株主には莫大な利益をもたらしている。ゲイツ財団のように地元の多くの人が尊敬するリーダーが、それを理解していないのは残念なことだ。GM種子ではなく持続可能な農業こそが世界人口を養うための解決策だとモンサントとゲイツ財団とが理解するまで、世界中の多くの人が飢え続けることだろう。

Gates Foundation’s support of Monsanto reveals it has put ending hunger on the back burner
Real Change, July 3, 2013


ふむ……。

モンサントは、
GM種子とラウンドアップでは持続可能な農業にならないということを理解できていないから、
それでやり続けていることなのかなぁ。

ゲイツ財団も、それが理解できていないから
モンサントのGM種子で途上国の飢餓救済を、と言っているのかなぁ。

以下のエントリーなどで見るように、モンサントの株主さんなんだけど、
そこのところ、この記事では「モンサントに資金を提供している」ゲイツ財団……て。

まぁ、記事の著者が
Seattle’s Community Alliance for Global Justiceに所属ということだから、
地元では露骨に批判するのがはばかられるのかもしれないけれど。


モンサントのあくどいショーバイで何が起こっているかについても、
以下のエントリーなどに ↓

ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える(2011/10/5)
“大型ハイテクGM強欲ひとでなし農業”を巡る、ゲイツ財団、モンサント、米国政府、AGRAの繋がり(2011/10/27)
TPP進める経済界のトップ、やっぱりぐるっと廻って“ゲイツつながり”(2011/10/27)
2012年9月17日の補遺(the African Green Revolution Forumでアナン、ゲイツ夫妻が基調講演)
2013年2月18日の補遺(ゲイツとスリム、GM種子開発に2500万ドル)


ところで、
アグロエコロジーを検索してみると、
いつもお世話になっているtu_ta9さんが
2年も前にブログに詳細な情報を書いておられました ↓

アグロエコロジーが面白そうだ
ブログ「今日考えたこと」(2010/7/29)

で、tu_ta9さんのエントリーから定義を拝借してくると、

アグロエコロジーについて、「フードシステムの生態学」と定義される新しい学際的な学問領域であり、農場から農村景観、地域コミュニティまで視野に入れ、持続可能な食料生産・流通・消費を目指し、社会学、文化人類学、環境学、倫理学、経済学も含むものであると説明

農場から食卓まで(Farm to Table)農産物が流れていくことによって、里山の生態系も、かかわる人びとの暮らしも豊かになることを目指す学問領域


なお、以下のコメント欄でtu_ta9さんに教えてもらった
6月25日の日本の官邸前での抗議行動の模様はこちら ↓
http://tpp.jimdo.com/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/2013-5-25-march-against-monsanto/
2013.07.11 / Top↑
「スーパーリッチの勃興により新たなグローバル・ルールが必要になるか?」
と題した、富裕層による支配(plutocracy)に関するAtlantic誌の記事。

1月に始まった米国の第113回下院議会では、
535名の議員のうち、48%に当たる257人がミリオネア。

グローバル・エリートの急速な勃興によって、
富と政治的権力との境目が曖昧になってゆく。

1970年代には、
米国の最も富裕なトップ10%が
米国の富の10%を所有していたものだが、

現在では
最も富裕な1%のうちのトップ10%が
米国の富のほぼ8%を所有している。

しかも、こうした現象は、
自分1代で富を築いた、たたき上げの人々(self-made wealth)の増加と重なってきた。

1982年にはForbesの金持ちトップ400人のうち40%だけがself-madeだったのに対して、
2011年までには69%を占めるようになった。

しかし叩き上げだから実力主義だとは言え、
富裕層にのし上がれば、そこに富裕層同士の身内優先資本主義が生まれるのは避けがたく、

その問題点として指摘されているのは、

① アップルなど、成功していて様々な資源も豊富な企業は
税制や懲罰制度を自社に有利なように操作することができるし、

影響力の大きな個人や企業によって政治的影響力を行使して、
特定の問題で自分たちに有利なようにルールを変更することもできる。

例えば、最近ザッカ―バーグらがやろうとしている移民に関する規制緩和のように。

② こうした特定の個人や企業の強い政治的影響力には
社会におけるスーパーリッチの正当な役割は何かという認識を
ゆがめてしまうリスクもある。

例えば、大統領選でリック・サントラムの応援演説をした企業家は
インタビューで以下のように語っている。

スティーブ・ジョブズが我々のためにしてくれたこと、ビル・ゲイツが社会のためにしてくれたことを考えると、政府は彼らに謝礼を支払うべきだ。どちらが世の中をより良い場所にするために貢献しているかといえば、それは恐らく99%ではなくトップ1%だろう。私は貧しい人がビル・ゲイツのような仕事をなしたところを見たことがない。貧しい人々が多くの人を雇うのも見たことがない。だから私は最も富裕な1%に感謝し称賛すべきだと思う。価値を生み出してきたのは彼らなのだから。

また、別のある金持ちは以下のような発言をしている。

他の人よりも高い給料をもらいたいというけれど、
人より10倍多い給料をもらいたいなら人の10倍の価値をもたらさなければならない。

厳しい言い方になるが、
中流階級の人々にはむしろ給与引き下げを飲むかどうか、という話ではないか。

(そういえば、これって、日本でも Y とか W とかの
ブラック企業のトップが似たようなことを言っていますね)

③ 極端な富の偏在は次世代の格差につながる。

教育資金の格差を通じて次世代の格差に通じるだけでなく、
貧困国の安い労働力を企業が利用することによって
米国内での雇用が失われ、次世代の格差を広げる。

その一方で、雇用が創出される、その貧困国の方では
生活水準が上がる可能性がある。
(そうかなぁ。むしろ、その他の形で弱みにつけ込む形の
搾取が広がっていると思うから私はそう単純ではないと思うけれど)

だからといって、
すぐに世界に平等主義的なものの考え方を広げていける方策もないように見える……

という、タイトルの割になんとも尻すぼみの論考。

でも、そこに問題がある、ということは間違いのない真実だというのこそ、
このブログでもずっと書いてきたこと。

ただ、新たなグローバル・ルールが必要だとしても、
それ以前に、もはや国家がまともに機能できない Plutocracy そのものが
まさに、その新たなグローバル・ルールとなり果てているんじゃないか……という気がしてならない。

Does the Rise of the Super-Wealthy Require New Global Rules?
Emma Green,
The Atlantic, June 28, 2013
2013.07.11 / Top↑
認知症介護の質のスタンダードを発表

英国では、2012年3月に制定された医療・社会ケア法(2012年)により、国立医療技術評価機構NICEに社会ケアが達成すべき質のスタンダード(クオリティ・スタンダードQS)を示す責任が新たに課せられた。NICEは今年4月から各種QSを発表していく予定としていたが、その第一弾として4月3日に発表されたのは「QS30:認知症の人々の良い暮らしを支える質のスタンダード」だった。

既に2010年6月に医療と社会ケアの専門職に向けて出された「QS1:認知症」やその標準化のために作られたNICEの「認知症パスウェイ」と併せ、ケアの質を担保する説明責任を各地方の医療委員会に求めると同時に、現場のケア提供者に達成すべき水準を明確に示すもの。中心的なメッセージは、以下の10のステートメントで表わされている。

1. 自分や知っている人が認知症なのではと不安を感じている人々が、その不安について、また認知 症と確定診断されたらどういうことが起こるのかについて、専門的な知識と経験のある人と話し合うこ とができる。

2. 認知症の人々が、自分が受けるケアと支援についての選択と意思決定に加えられる。

3. 認知症の人々の環境が変わる際には、自分のニーズと選好についての検討に本人が参加する。

4. 認知症の人々が日中、自分の興味に合った余暇活動に参加することを選択できる。

5. 認知症の人々が友人や家族と会い続けることができると同時に、新たな人間関係を作ることがで きる。

6. 認知症の人々が心身の健康チェックを定期的に受けることができ、気にかかることがある時には医療専門職の診察を受けることができる。

7. 認知症の人々が自立生活を維持しやすく改造された家に住む。

8. 認知症の人々が自分の受けるサービスのデザイン、プラン、評価と実施に参加する機会を与えられ、それらの決定に関わる。

9. 認知症の人々が、自分たちの立場を代理する独立したアドボカシー(権利擁護・代弁)サービスの支援を受けることができる。

10. 認知症の人々が自分の住む地域に関わり、貢献し続けることができる。

NICE公式サイトの当該ページには、その他のガイダンスと併せて医療・社会ケアが2013―14年に達成すべきアウトカムの枠組みの例が挙げられている。目を通してみると、介護者への言及が非常に多いことが印象的だ。

例えば、成人社会ケアの領域では、「サービス利用者が各自のニーズに応じてどんなサービスをどのようにいつ利用するかを自分で決められる」ことが目標の1つとして挙げられているが、それを測る指標として「サービス利用者が日々の生活を自分でコントロールできる割合」、具体的には「介護者が自分の介護役割と自分が希望する生活の質とのバランスを取ることができる」。また「介護者の報告による生活の質」という指標は、具体的には「希望すれば仕事を見つけることができ、家族生活と社会生活を維持しつつ地域生活を継続することができて、孤独や孤立を避けることができる」こと。さらに「介護者がケアのプロセスを通じて対等なパートナーとして尊重されていると感じる」という目標設定もある。その指標としては「自分が介護している人についての議論に含められ、相談を受けたと報告する介護者の割合」、「支援に関する情報が簡単に見つかったと報告するサービス利用者と介護者の割合」など。

この辺り、さすがに介護者支援の先端を行く英国だと感じ入るのだけれど、一方、各種報道によると、連立政権は思い切った社会保障の削減策に踏み切っており、各地方自治体は介護者支援サービスを縮小し始めている。こうした目標設定と予算削減の板挟みになって結局は現場が疲弊するばかり……という顛末にならなければよいのだが。

医療と介護の消費者団体Healthwatchが誕生

英国では去年10月に、医療と社会ケアに関する消費者の権利擁護団体としてHealthwatchという全国組織が誕生している。全国152のHealthwatchネットワークを統括するのは、長年Which?で消費者運動に携わってきたAnna Bradley氏。Which?といえば、11年に役者を雇って高齢者施設に送りこみ、劣悪ケアの実態を暴いた、あっぱれな潜入消費者調査が記憶に新しい(11年6月号で紹介)。NICEのSQもHealthwatchを「消費者チャンピオン」として支持するという。今後の活躍が楽しみだ。

連載「世界の介護と医療の情報を読む」
『介護保険情報』2013年6月号
2013.07.11 / Top↑
フランスのオランド大統領が、1日、
今年中に議会に自発的安楽死合法化法案を提出する、と明言。

もともとオランド氏は
自殺幇助合法化を大統領選でも公約にしていた。

(これまでの経緯について関連エントリーは文末に)

2005年にできた現行法では
終末期の患者が求めた場合には
通常を超える治療を停止することを医師に認めつつ、
緩和ケアを推奨しているが、

世論調査の結果は終末期には安楽死合法化への支持が高く、
それを反映して患者の死に手を貸した病院職員への判決では
近年、執行猶予がつくようになってきている。

一方、フランスでは
国の(? National)倫理委員会から
弱者に対して、まだ生きられるのに死ななければならないような
圧力がかかるとの懸念から、合法化は「社会にとって危険」との報告書が出されている。

報告書は
ベルギー、ルクセンブルク、オランダの記録からも
安楽死や自殺幇助の監督は十分に行われていると思えず、

「これらの国々は自己決定の能力がある終末期の患者の安楽死を合法化したが、
実際には対象者はどんどん拡がって、社会の弱い立場にある人々へと広がってきた」とも。

しかし倫理委の17人のメンバーのうち、
合法化に反対が9人で、合法化すべきだとするメンバーが8人と、拮抗している。

Francois Hollande Pledges To Legalize Voluntary Euthanasia In France
Huff Post, July 1, 2013


オランド大統領が選挙公約で言っていたのは
"medical assistance to end one's life in dignity"の合法化。

今年中に議会に提出するというのが、
自殺幇助の合法化法案なのか、安楽死の合法化法案なのかが
記事を読んだだけでは今イチはっきりしない。


【関連エントリー】
フランス上院、25日に自殺幇助合法化を審議(2011/1/13)
フランスの安楽死法案、上院の委員会を通過(2011/1/19)
フランス上院が自殺幇助合法化法案を否決(2011/1/27)
フランスの大統領候補が「当選したら積極的安楽死を合法に」(2012/2/6) ⇒で、この候補が当選して現在のオランド大統領。
カナダとフランスで医師らに安楽死と自殺幇助を巡る意識調査(2013/2/18)
2013.07.11 / Top↑
【3日追記】
昨日このエントリーを書いた時には
「涙活」を使ったプロモが、私が行った映画館単体の作戦だったのか、
それとも全国規模の作戦なのかということが判断できず、
以下のような書き方をしましたが、

その後のツイッターでのコメントなどからすると、
どうやら全国的に「涙活」とつなげたプロモが行われているように思われます。

      ----------


この映画については、何も言うまいと心に決めていたのだけれど、
今日やっとこういう声が出てきてくれたと知ると、

(声)映画「くちづけ」強い違和感 (朝日新聞Dignital, 2013年6月30日)
http://www.asahi.com/opinion/articles/OSK201306290018.html

心の歯止めが効かなくなってしまった……ので。


ひと月ほど前、
映画館のトイレに入ったら、
個室ドアの裏側、ちょうど便器に座った目の高さに、

映画「くちづけ」の
その映画館が独自に作成したと思しきチラシが貼られていた。

そこに書いてあったのは、

女性の皆さま 必見!!

「涙活」をご存知ですか?
涙を流すとストレス解消になるんです。

泣きたくても泣けない
あなたにおススメの映画はこちら。


「くちづけ」については
この時に予告編を見ただけなのだけれど、

公式サイトはこちら ↓
http://www.kuchizuke-movie.com/sp/

これ、癌になった父親が
知的障害のある娘を残してはゆけないと思い詰めた挙句に、
自分の手で殺す、という話ですよね。

障害のある人が親の手で殺されることが、お手軽に「泣ける」娯楽ですか?
人がひとり殺されることが、「可哀そう」と泣いてすっきりするための消費材ですか?

人が人を殺す話を
実話だからこそ切なくて泣けますなどと言って、

「泣きたくても泣けない」人はいらっしゃい、
「ストレス解消」や「涙活」にもってこいですよ、
だから「必見」「おススメ」ですよ、と売り込むことには、

なにか根本的なところに、とてもおかしいものがありはしませんか?


私は障害のある子どもを持つ親として、ずっと、
「障害や介護の問題を語る時に、そこに美意識を持ちこまないで」と訴え続けてきました。

なぜなら、その無責任な美意識は親や介護者から助けを求める声を奪い、
自分と子ども(介護される人)だけの狭く閉塞した「自己責任」の世界へと
親や介護者を追い詰めていくからです。

そして、例えば以下のエントリーで書いたように、

「美意識とは所詮、
相手の苦悩とは無関係な場所にたたずむ傍観者の贅沢に過ぎない」からです。

介護を巡るダブルスタンダード・美意識(2008/10/27)

そうして、さらに、
例えば「くちづけ」の公式サイトのどこかに、
ほんの“付け足し”のように書かれている
「ひたすらにマコを愛し、彼女の幸せを望んだいっぽんが、
なぜ、こんな選択をしなくてはならなかったのか?」という
本当は問われるべき問いが、涙と共に簡単に流し去られて、

「こういうことが起こらないために、社会はどうあるべきか」という問題としては
誰も考えなくなるからです。

子どもに障害があろうとなかろうと、
我が子を我が手で殺したいと望む親などいません。

それなのに
他にどうしようもないと思いこむほどのところに追い詰められた親が
その挙句に子どもを殺すという愚かな決断をしてしまった時に、
世間からそれを賛美され、涙ながらに称賛の手を叩かれてしまうなら、

親は、いったい、どうすればいいのでしょう?


【その他、できたら読んでもらいたいエントリー】
「総体として人間を信頼できるか」という問い(2008/8/29)
「どうぞ安心して先に行ってください」(2009/3/17)
「Gilderdale事件はダブル・スタンダードの1例」とME患者(2010/1/29)
ケアラー連盟設立1周年記念フォーラムに参加しました(2011/7/1)


               ――――――

もう一つ、
以下の公式サイトの内容紹介のページを見て、愕然としたこと。
http://www.kuchizuke-movie.com/sp/about/introduction.html

そこには以下のような、古色蒼然としたステレオタイプな記述が並んでおり、
これは、アシュリー事件の擁護論の世界そのものだ……と。

「カラダは大人、精神は子供のままの人たち」

「30歳のカラダに7歳の心をもった、天使のように無垢な娘マコ」

「そこの住人たちもマコも、天使のように無邪気で陽気」

「そんな彼女の命が、なぜ、この世から消えなくてはならなかったのか?」
そこには、父娘の悲しい愛情の物語がありました」


アシュリーは生後3カ月の赤ちゃんと同じだから。
アシュリーは6歳の身体に赤ちゃんの精神。

そんなアシュリーが、なぜ子宮と乳房を摘出され、
ホルモン大量療法で身長の伸びを抑制されなくてはならなかったのか?

そこには父と母の深い愛情とデジタル思考の物語がありました。

だって、ほら、
このまま成熟した女性の身体に赤ちゃんの精神が宿ったのではグロテスクで、
アシュリーが周りの人たちから愛してもらえなくなるから――。

中身が赤ちゃんのアシュリーには
小さな体の方が似つかわしいから――。

アシュリーは、寝たきりの
無垢な心の「枕の天使」なんだもの――。
2013.07.11 / Top↑
BioEdgeにベルギーの安楽死関連が3タイトルあって、うち2つは安楽死が例外的なことではなくなり社会に定着していくと起こる問題だと思うのだけど、安楽死を引き受ける少数の医師に負担が集中する問題と、それらの医師が十分な報酬を得られていないと不満に感じ始めている問題。もう一つは、共に終末期ではない夫婦が揃って安楽死、とのニュース。いずれまとめてエントリーに、と思いつつ、果たせるかどうか。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10576#comments

日本。肥満薬の治験でデータ改ざんか 身長偽り肥満度上げる:このニュースでびっくりしたのは、「治験施設支援機関」なるものが日本でもすでに出現していること。Avandiaスキャンダルに関連してWPの記事では「治験を請け負う民間企業まで登場しており、大学や研究機関から、こうした営利企業へと治験が流れているという。既に製薬会社の治験資金はすでに半分以上がこうした企業に流れており、そうした仕組みの中では研究者は製薬会社に使われる手足と化してしまう」と書いている。
http://www.asahi.com/national/update/0630/OSK201306290129.html

【関連エントリー】
NHS新たにヤセ薬を解禁(2008/7/9)
6月解禁のヤセ薬、精神障害起こすと早くも販売中止(英)(2008/10/25)
EUがヤセ薬を解禁、「誰の最善の利益?」(2009/1/31)


日本。脳死肺、患者移植前に体外で機能回復…装置導入。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130630-00000919-yom-sci

日本語。日本大使館も「標的」に=米当局が盗聴・傍受―スノーデン容疑者、文書暴露・英紙。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130701-00000010-jij-n_ame

米最高裁の黒人投票権保障法の違憲判決に、最高裁は人種差別は終わったと思っているが、終わってなどいない、とGuardianのコメント欄。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2013/jun/30/us-supreme-court-thinks-racism-dead

米最高裁が同性婚を認めたけれど、インドと米国政府は同性婚を進めて、それによって代理母産業の振興に期待?? という読みをBioEdgeは2012年にしていたらしい。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10135

CNNで途上国の妊婦を保護する施設の活動を紹介するCMが流れて、その中で途上国の女性に携帯を持たせ、それらを通じて母子保健に必要な啓発や情報提供を、という流れになっていたので、あれ……なんだこのEvery Woman Every Childって……と検索してみたら、やっぱり国連事務総長、ゲイツ夫人、英国キャメロン首相、クリントン前国務長官。それからビッグ・ファーマ、J&JのCEO。WHOの長官、と。なんだか、なぁ……。
http://www.everywomaneverychild.org/about/world-leaders-speak-out

【関連しているかもしれない、していないかもしれないエントリー】
米・英政府とゲイツ財団とUNFPAにより優生施策、7月には国際会議も(2012/6/7)
「衛生マッピングとGPSで、途上国の子ども一人漏らさずワクチンを」とビル・ゲイツ(2013/4/26)


日本語。反大統領デモ、100万人規模に=全土で退陣要求―衝突で死傷者・エジプト。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130701-00000012-jij-m_est

日本語。ギリシャで授業中、気失う子続々…緊縮財政で「飢え」深刻。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130630-00000353-yom-int

日本<生活保護>集団提訴へ…1000人規模「減額不当」。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130701-00000007-mai-soci

日本。「どうしてワタミを候補者にするんだ?」過労死した社員の両親、自民党に抗議。
http://tanakaryusaku.jp/2013/06/0007454

日本。自民・平沢議員「公認やめさせたい」 ワタミ渡邊氏の参院選出馬に大逆風。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130630-00000003-jct-soci

シルク・ド・ソレイユのパフォーマーがショーの途中で転落死。:シルクの財政難がだいぶ前に報道されていたことがあったけど、それ以前から、こんなに世界中からパフォーマ―希望者が憧れて集まってきて「入れてもらえるだけで名誉」な狭き門になれば、労働条件などはいくらでも劣悪にできるんじゃないかって、思ったことがあった。それとも一流のパフォーマーとして、それなりの処遇なんだろうか。
http://www.guardian.co.uk/stage/2013/jul/01/cirque-soleil-performer-dies-fall
2013.07.01 / Top↑
(前のエントリーからの続きです)

Dr. Jeffersonは問題のカイザー研究に関わった研究者の追跡を試みるが、
もともと当初の実験データは見ておらずロッシュの分析に基づいた研究だったとか、
研究ファイルをなくしたという話しか出てこなかった。

JeffersonとDoshiは、
医学研究は信頼に基づいて行われている、その信頼はヒエラルキーになっており、
自分で検証するすべを持たない患者は監視してくれる機関があるものだと信じているが、
林医師の指摘は、その信頼を揺らがせ、監視してくれる機関がないことを明らかにした、と。

そこでロッシュ社に直接、データを求めたJeffersonは
同社から守秘の同意文書に署名を求められた。
署名しない限り、協力はできない、と。

2009年12月にチームは
タミフルの合併症・入院予防効果は確認できないとBritish Medical Journalに発表。

その際、BMJも独自の調査結果を発表し、
ロッシュ社がタミフルに関する論文でゴースト・ライターを使っていたこと、
そのライター達が効果を強調するようプレッシャーを受けたと証言していることを
暴いた。

ロッシュ社はロッシュ社で2010年にハーバードの研究者らに
臨床実験データの再検証を依頼し、その検証からは
カイザー研究の結果を追認する結果が出されているのだけれど、

BMJの動きを受け、
ロッシュ社はデータの一部として、3000ページを超える資料を提供。

2011年にはEuropean Medicines Agencyも19の臨床実験報告、
22000ページ以上のコピーをチームに提供した。

BMJは昨年秋、
今後は製薬会社と研究者らが求めに応じてデータを提供することに合意した場合にのみ
臨床実験の結果報告を掲載する、との方針を発表。

ロッシュ社は今年2月に、
コントは求めに応じて外部研究者らにも治験データを公開する、と発表。

今年4月には
同社がスポンサーとなったタミフルの治験の全レポートを
コクラン・チームに公開すると約束。

Yale大の心臓科医 Krumholz医師は
「こんなに年数が経って、それでもまだタミフルが効くかどうかわかっていない。
何10億も売れているという薬の効果と安全性について
分かっていることを全部公開したくないというのは、理解に苦しむ」と。

こうした動きの中、
グラクソ・スミス・クライン(GSK)はロッシュ社に先駆けて、
今後、2007年以降のグローバルな臨床実験の詳細データをすべて公開する、
その後は2000年にまでさかのぼって公開する、と約束した。

背景には、同社が去年、
糖尿病薬Avandiaの治験で心臓病リスクがあるとのデータを隠ぺいした件と、
抗うつ薬パキシルの自殺企図の副作用データの隠ぺいの件とで
合衆国法務法に訴追されて、有罪を認め、
同種の罰金としては史上最大の罰金30億ドルの支払いで合意したばかりで、

イメージ回復の必要という事情もある。

Avandiaスキャンダルについては ↓
製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avandiaスキャンダル(2012/11/30)

Paxilスキャンダルについては ↓
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)

その他の製薬会社のスキャンダルと罰金額の一覧は ↓
ビッグ・ファーマのビッグな罰金(2012/7/4)


the European Medicine Agencyは先週月曜日に
薬の認可の際に治験データの公開を義務付ける来年からの新方針の草案を発表。

ロッシュとGSKはこれを支持しているものの、その他の製薬会社も
The Pharmaceutical Reseach and Manufactures of America も
そんなことをさせられたら競争相手に手の内を明かすようなもの、
それならヨーロッパ市場から引き上げざるを得ない、と反発。

米国FDAも
ヨーロッパの動きを注視しつつも、
個人情報や企業の機密情報との関連で連邦法は
公開すべき情報を制限している、と。

Dr. Doshiらは、製薬会社が公開しないなら、自分たちで、と。


なお、タミフルとコクラン・グループに関しては
日本でも薬害オンブズパーソン会議が追いかけてくださっていました ↓

タミフルのインフルエンザ合併症予防効果は証明されていない - コクランレビューとその背景
(薬害オンブズパーソン会議 2009/12/16)
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=272

コクラングループはあくまでタミフルに関する全臨床試験データの公表を求める -ロシュの「諮問委員会」設置の申し入れを拒否 
(薬害オンブズパーソン会議 2013/4/2)
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=376


【いわゆる“Biedermanスキャンダル”関連エントリー】
著名小児精神科医にスキャンダル(2008/6/8)
著名精神科医ら製薬会社からのコンサル料を過少報告(2008/10/6)
Biederman医師にさらなる製薬会社との癒着スキャンダル(2008/11/25)
Biederman医師、製薬業界資金の研究から身を引くことに(2009/1/1)

【その他、08年のGrassley議員の調査関連】
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)
今度はラジオの人気ドクターにスキャンダル(2008/11/23)

【その他、09年の製薬会社のマーケティングやスキャンダル関連エントリー】
FDAの科学者ら「認可審査あまりにも杜撰」と内部告発(2009/1/15)
ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)
インターネットの医薬品情報、その陰にいるのは?(2009/2/14)
FDAと製薬会社の訴訟つぶしに待った(2009/3/5)
ICなしの外傷患者臨床実験、死亡者増で中止に(2009/3/30)
FDA委員会を前に精神障害当事者らから声明(2009/6/9)
製薬会社がゴーストライターに書かせた論文でエビデンス作り(2009/8/8)
巨大ファーマがかつてのゼネコンなのだとしたら・・・・・・(2009/9/29)
英米の医療スタッフから豚インフル・ワクチン接種に抵抗が出ている(2009/10/13)

最近のものでは例えば、↓
「製薬会社に踊らされて子どもの問題行動に薬飲ませ過ぎ」と英国の教育心理学者(2011/1/18)
ジェネリックを売らせないビッグ・ファーマの「あの手この手」が医療費に上乗せられていく(2011/11/15)
“オピオイド鎮痛剤問題”の裏側(米)(2012/10/20)
ファーマゲドン: オピオイド鎮痛剤問題のさらなる裏側(2013/1/4)

この問題を一貫して調査し報道しているProPublicaのシリーズの一つがこちら。↓
ProPublicaが暴く「ビッグ・ファーマのプロモ医師軍団の実態」(2010/11/2)

こんな話も ↓
Vytorinスキャンダルで被害被ったと株主に訴えられたメルク、6億8800万ドルで和解(2013/2/17)
2013.07.01 / Top↑
一番最近では6月28日の
NEJMの前・現編集長による医学研究腐敗の指摘から、日本の「iPS臨床承認」を考えてみたなど、
製薬会社の資金と影響力によって医療のエビデンスがゆがめられている問題については、
いくつもエントリーにしてきましたが、

29日のNYTに
標題のような内容の大変興味深い記事がありました。

薬の治験データは
都合のよいものだけが発表されるなど製薬会社に操作されているというのは
1990年代から2000年代にかけて、指摘されてきた、
薬の効果と安全性のエビデンスそのものを揺るがす大きな問題で、

当ブログでも、以下のエントリーなどで
この問題についての指摘や警告の話題を拾ってきました ↓
「製薬会社は倫理観をもって」と英当局(2008/3/31)
製薬会社の舞台裏についてArt Caplan(2008/4/18)

その後の数々のデータ隠ぺいや改ざんのスキャンダルについても、
あれこれと拾ってきていますが(次のエントリーの文末にリンク)、

09年にはハーバードの医学生たちが
講義で薬について云々する教授陣に対して
製薬会社との金銭関係のディスクロージャーを求めている、というニュースも ↓
Harvardの医学生が医療倫理改革を起こそうとしている(2009/3/4)


今回は
ジョンズ・ホプキンスのポス・ドクの Dr. Peter Doshiなど、研究者らの中から、
製薬会社に対して治験の全データの公開を求める運動が始まっている、というニュース。

Dr. Doshiがこうした運動に加わることになった、
インフルエンザ治療薬タミフルの効果と安全性検証を巡る経緯が大変興味深い。

なにしろタミフルと言えば、
私たち一般人でも「インフルエンザだったら48時間以内にタミフル」くらいは
普通に頭に入っていたりするほど有名な薬だし、

突発的な行動のリスクが一時ずいぶん騒がれたものの、
どうやら「しっかり観察しましょう」で収まったみたいだから
それなりに効果も安全性も確認されているのだとばかり……。

まさか、実はまだ十分に検証されていないなんて……。

そのタミフルの効果と安全性の検証をめぐるDr. Doshiたちの物語が始まるのは、
豚インフルエンザの大流行に世界が震撼した2009年の夏。

ローマ在住の英国人内分泌医、Dr. Tom Jeffersonは英・豪両政府から
Roche社のタミフルについて文献の検証を依頼され、
コクラン共同計画と協働でその作業を行った。
そこにDoshiも求められて参加した。

しかし、「そもそもタミフルは効くのか?」の検証は考えた以上に困難で、
4年後の現在も、NYTには「まだ決定的な答えは出ていない」と書かれているのだけれど、

2009年には世界中の企業や政府がタミフルを備蓄し、
それだけで2009年の売り上げ30億ドルのうちの約6割を占めたのだから、
タミフルの効果は保健問題としてのみならず経済問題としても重要な問題だった。

チームが検証を始めて間もなく、
コクランのウェブ・サイトに衝撃的な投稿がある。

日本の小児科医、林敬次氏がコメントで、
合併症予防効果を肯定した「カイザー研究」では行われた10の臨床実験のうち、
2つの実験データしか公表されていないことを指摘し、
8実験でのデータが公表されていないのに、どうして効果があると結論できるのか、と
疑問を投げかけ、残りのデータの公表を求めたのだった。

原文はこちら ↓
http://www.bmj.com/highwire/filestream/440784/field_highwire_adjunct_files/1

(次のエントリーに続きます)
2013.07.01 / Top↑
南アの元大統領マンデラ氏の終末期医療を巡って、家族は差し控えを望まないことを強調。どうも「無益な治療」論がちらついている気配。このニュース、拾ったのもThaddeue Popeだし。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/06/mandela-v-mediclinic-heart-hospital.html

米NIHが実験に使われてきたチンパンジーを引退させる、と表明。:記事に2頭のチンパンジーが歩いている写真が使われているのだけど、ぱっと見、下半身がつながった双頭の動物に見えて、一瞬「実験で、こんないきものをわざわざ作ったのか」と愕然とした。ただ一頭の下半身がもう一頭の陰に隠れているだけなんだけど。でも、本当はもっと惨いことが行われてきたんだとも思う。そういえばこういうのもあった ⇒ 人間の欲望のオモチャにされたチンパンジーの物語・映画「プロジェクト・ニム」(2011/7/11)
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/nih-to-retire-most-research-chimpanzees/2013/06/26/a878a4ae-de78-11e2-b197-f248b21f94c4_story.html

英国政府、遺伝的には3人の親を持つ子どもが生まれることになるIVF技術を認可。: 去年、パブコメやってた あれですね。 ⇒ 「3人の親を持つ子ども」IVF技術で遺伝病回避……パブコメ(英)(2012/9/18)
http://www.guardian.co.uk/science/2013/jun/28/uk-government-ivf-dna-three-people

米国USPSTFから、ブーマーズ全員にC型肝炎のスクリーニングを、との提言。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/262411.php

母乳育児は子どもの認知発達を促し、成長した暁に社会的階層の階段を上っていく確率を上げる。:この頃、研究デザイン以前に、前提となる仮説の立て方そのものに首をかしげる科学研究が多くなった気がするんだけど。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/262483.php

ワクチンでギランー・バレ―症候群が増加することはありませんって。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/262410.php

1型糖尿病のワクチン、治験で有望。:この前、ワクチンのせいで糖尿病が増えているという調査結果もあったけれど。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/262559.php

米国教育改革にビル・ゲイツがカネの力で不当な介入をしていると批判を続けているWPのValerie Strauss記者、「今月ゲイツ財団からカネが渡ったところ」情報を財団HPから拾ってきている。毎月出すのかしら。だとしたら、いい企画だと思う。こういうのをワクチン関連でもやってくれるジャーナリストがいたら面白いのに。あと途上国への「家族計画」とGM農業支援関連でも。
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/06/28/who-bill-gates-is-giving-money-to-now-in-education/

そのゲイツ氏主導の教育改革で、生徒の成績に応じて学校がAからFの段階評価をされることについて、VA州の教育長らから「貧しい子どもたちが沢山通っている学校が低い評価を受けることにしかならないのでは」との懸念。
http://www.washingtonpost.com/local/education/va-superintendents-worry-new-grading-scale-will-measures-poverty-not-instruction/2013/06/26/d7ad7566-de68-11e2-948c-d644453cf169_story.html

ゲイツ財団、アフリカのジャーナリズムを支援するため、80万ドルのグラントを創設。:これは、とても、とても恐ろしいことでは? 今でも、現地からゲイツ財団のワクチン支援に疑問を呈する声を細々と拾っているのは、フリーのジャーナリストだったりするのに、これからは現地のメジャーなメディアで一斉にワクチン礼讃、GM農業礼讃、家族計画や貧しい女性の不妊手術礼讃が始まる……。
http://www.ippmedia.com/frontend/index.php?l=56404

【関連エントリー】
ゲイツ財団のメディア・コントロール(2010/10/21)
やっと出た、ワクチンのため世界中からかき集められる資金に疑問の声(2011/6/16)
ゲイツ財団肝いり“HIV感染予防ゼリー”は「新たなタスキギ実験」?(2011/6/24)
「ゲイツ財団(の連携機関)が途上国の子どもに銃を突きつけワクチン接種」(2011/7/29)
公衆衛生でマラリア死8割減のエリトリアから「製薬会社株主ビル・ゲイツのワクチン開発」批判(2011/8/2)


国際ロータリーとゲイツ財団がポリオ撲滅で提携。: もともとポリオ撲滅はロータリークラブが力を入れてきた活動だったのだから、今まで手を組まなかったこと自体が不思議なくらい。ただ、ロータリーは30年前からワクチンでのポリオ撲滅に力を入れてきて、なし得ていないんだけど。方法論についての反省というのは、ないのかな。
http://articles.timesofindia.indiatimes.com/2013-06-27/mumbai/40232292_1_gpei-global-polio-eradication-initiative-chairman-rotary

EU、病気研究でゲイツ財団と提携。:これなんかも、昨日のエントリーで描いてみた「大きな絵」の一部として起こっていること、と思うんだけれど。
http://brussels.cta.int/index.php?option=com_k2&id=7780:eu-and-gates-foundation-commit-to-disease-research-&view=item&Itemid=54

英国の介護施設で夜勤のときに入所者のアラームを止めてまでして寝たスタッフが、ネグレクトを問われた裁判で無罪に。:この前オーストラリアで自閉症の子どもの事故で責任を問われていた介護職もそうだけど、この頃こういう話が出てくると介護職が移民であることが多い。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2350397/Carer-accused-sleeping-duty-responsible-19-vulnerable-patients-cleared-neglecting-them.html

ProPublicaの米国の人材派遣・奴隷労働の闇シリーズ。米国で、大企業の工場のラインなどの人員を人材派遣会社の下請けとして、手配し・集め・選別し・送迎し・チェックを(送迎費用を天引きした上で)配布するraitero (「車に乗せてくれる人」という意味のスペイン語)たち。送迎費用やチェックの換金手数料を払わされて結局は最低賃金以下なのに、それでもモンクを言えばraiteroに嫌われて仕事がもらえない、その多くが不法移民である貧困層の実態をProPublicaがシリーズで。ミニバンに10人以上詰め込んで、送迎費用1日8ドルを天引き。座った人の膝の上に乗れ、と。
http://www.propublica.org/article/taken-for-a-ride-temp-agencies-and-raiteros-in-immigrant-chicago
http://www.propublica.org/article/the-expendables-how-the-temps-who-power-corporate-giants-are-getting-crushe

米最高裁がDefense of Marriage Act を違憲とし、同性愛者の結婚に道が開かれた。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/26/supreme-court-doma-prop-8-rulings

ほとんど読んでいないし、背景知識がないので良く分からないのでもあるけど、米国の大学のアファーマティブ・アクションに、どうやら逆行の気配ただよう判決が最高裁から出たらしい。テキサス?
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/06/26/a-setback-for-racial-justice/

オーストラリアでギラードを失脚させて前首相のラッド氏が労働党党首に返り咲き。:全然状況は分からないけど、ちらっとCNNで聞いたのでは、ギラードへのネガティブ・キャンペーンがあまりにも酷い女性蔑視であることに唖然とし、腹が煮えた。一国の首相が、どうしてラジオ番組のキャスターから「あなたの夫はゲイではないのか」という質問を投げかけられなければならない? 胸や太もものサイズが首相としての資質や能力にどう関係するというんだ??
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-23061391#%22

日本。「二重検定おかしい」都立高校教師ら反発 実教出版日本史
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062802000112.html

日本。ソーシャルメディアの投稿監視サービス、ガイアックスが自民党に納入。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130619/486303/

日本。「混合診療」の拡大方針、ってどういうこと?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130627-00010002-wordleaf-soci
2013.07.01 / Top↑