去年Julian Savulescuと一緒に「臓器提供安楽死」を提唱する論文を書き、↓
「生きた状態で臓器摘出する安楽死を」とSavulescuがBioethics誌で(2010/5/8)
Savulescuの「臓器提供安楽死」を読んでみた(2010/7/5)
「腎臓ペア交換」と「臓器提供安楽死」について書きました(2010/10/19)
臓器提供は安楽死の次には”無益な治療”論と繋がる……?(2010/5/9)
今年の2月にも、やはりSavulescuと共著で
ICUでの一方的な治療停止を正当化したかと思うと、↓
Savulescuらが、今度はICUにおける一方的な「無益な治療」停止の正当化(2011/2/9)
同じく2月に単著論文でも
障害のある新生児はQOLを問わず臓器摘出のために死なせてもよいと説いていた人物。↓
「“生きるに値する命”でも“与えるに値する命”なら死なせてもOK」と、Savulescuの相方が(2011/3/2)
私は、ここ最近になって注目するようになった人物なのですが、
昨日、別の件で必要な情報を求めてブログの中をあちこちしていたら
なんと、このブログを始めてまだ間もない2007年11月に、
当ブログは既にWilkinsonの発言を拾っていました。
その時のエントリーはこちら ↓
「サルよりも人間のクローンを」とTH二スト(2007/11/18)
ちょうどサルのクローン胚からES細胞が出来たというニュースがあった頃で、
そのニュースを受けて、Wilkinsonがトランスヒューマニストたちのブログに書いた
「サルのクローン胚ではなく、ヒトのクローン胚を作れ」という文章。
その論拠が「いかにも」で、
ベースにあるのはPeter Singerと同じく種差別(speciesism)批判。
① サルにはインフォームドコンセントを与えることができないが
人間の女性は与えることができ、自己決定により卵子ドナーとなる。
② 人間のクローンから作ったES細胞の研究の成果からの恩恵を人間は受けることができるが、
サルのクローン胚から作ったES細胞の研究の成果からサルが恩恵を受けることはない。
私は2007年当時、“Ashley療法”論争で擁護に出てくる人たちの中に
トランスヒューマ二スト何人かが混じっていることに気づいて
あれこれ調べていたので、その過程で目についたものでしょう。
もうすっかり忘れていたのですが、
いま振り返って、たいそう興味深いのは
この時Wilkinsonが書いていたTH二ストのブログでは
Savulescuも執筆者の中に顔を並べていること。
2007年当時はSavulescuもWilkinsonも、
まだ仲間内のブログで地味に書いていたわけですね……。
私がトランスヒューマ二ズムと生命倫理学の距離というものを
なんとなく、ずっと知りたいと思っているのは、こういうことなのかもしれない。
つまり、いつのまにかトランスヒューマ二ストが生命倫理学者に化けていく不思議……。
悩ましい事態が報道されている。
男性は元オーストラリア空軍勤務のThomas Barry Mooreさん。
去年の12月31日に脳卒中の発作を起こし、
その後118日間、中国の病院で意識不明のままだ。
キャンベラ在住の娘のTracy Woolleyさんは
週770ドルを治療費として病院に送金しているが、
来月以降は払い続けることができないという。
父親が植物状態から回復する見込みがないことが明らかになった段階で
生命維持装置を止めてくれと医師らに頼んだが、
倫理問題があるので出来ないと断られた。
Woolleyさんは1月4日にオーストラリア外務省に
中国に行く費用も父親を自国に連れ帰る16万ドルも出せないと
助けを求めた。
3月4日にもらった返事には
Facebookでカンパを募ってはどうかというアドバイスが書かれていた。
外務省によると、病気を理由にした国外退去への費用補助は
非常に限られた特殊な状況のもとでのみ認められるもので、
先方の医療機関が十分な治療に適さないものであるとか、
病状が重く一刻を争うような場合など。
DFAT advice to daughter of dying man: use Facebook
The Canberra Times, April 28, 2011
記事に寄せられたコメントによると、
Moore氏は脳卒中を起こす前に1年以上中国に住んでいたにもかかわらず
現地の医療保険を持っていなかった模様で、
氏の自己責任を問い、
そんな人の医療費をオーストラリアの納税者がかぶるいわれはない、
外務省のいう通りだ、という論調が主流。
ただ、Woolleyさんへの非難の中には誤解もあって、
延命中止の決断をしないのがいけない、決断しなさい、と求めている人たちがいる。
そこでは
「あんたのお父さんは、助かったとしてもどうせQOLは低いよ」とか
「ここで考えるべきはQOLだな」などと
QOLを問題にしていることが気になる。
ここにはいくつもの問題が錯綜しているので
私自身もこの事態が提起する問題をどう整理して
どのように考えたらいいのか、ちょっと戸惑ってしまうのだけれど、
まずは絡まり合ったいくつもの問題を解きほぐしてから
一つずつ整理した上で考えるべきことだと思うのに、
「どうせQOLが低すぎて生きるに値しない人だから」という一事を
持ち込んだだけで、すべての絡まりが絡まりのままで一刀両断されて終わるような
危ういものが、そこにはあるようにも思えて、
それがまた、
「どうせ重症児だから」という一事が実は唯一の正当化の根拠だった
“Ashley療法”論争の危うさに、ふと頭の中で重なった。
Bill To Make Washington Assisted Suicide Honest
Secondhand Smoke, April 27, 2011
ワシントン州の尊厳死法によって医師による自殺幇助を受けて死んだ人の場合、
現在は医師の報告書の死因の欄には元々の病気が記載されているが、
医師による自殺幇助によって死んだ場合には
死因の欄に尊厳死を目的とした自殺幇助として記録するよう求める法案が提出されている。
法案のサイトはこちら。
このサイトによると、
法案の最初の審議は通常議会で1月に行われている。
http://blogs.yahoo.co.jp/sougiyaoyaji/44986511.html
アイオワ、フロリダ、ミネソタの3州に、工業農業の農場での覆面捜査を違法な犯罪とする法案が提出されている。特に映像には厳しいらしい。しかも「農業」の定義がものすごく広いんだとか。そんな法案の目的は、州民が動物の権利や食肉、卵、ミルクなどの製造過程について考え始めることを阻止すること以外に何があるのだ? とNYTの社説。
http://www.nytimes.com/2011/04/27/opinion/27wed3.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha211
米国小児科学会が、米国の現在の化学物質規制では子どもも妊婦も守られていない、と。:これについては去年、大統領がんパネルの報告書も同じ指摘をしていた。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223303.php
同性愛は死刑に処すとの法案が国際世論の非難の的となっているウガンダで、法案を主導した議員が委員会がそう言うなら死刑は外してもいい、と。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/apr/26/uganda-anti-gay-bill-death-penalty?CMP=EMCGT_270411&
SSRIは抗炎症剤と併用すると効果が薄れる。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223319.php
バクテリアの中には抗生剤から身を守るために自分をシャットダウンする技をもつものも。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223281.php
詳細なファイリングの導入によって学習障害を克服したケースがある。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223363.php
国の財政が破たんしたギリシャとポルトガルの借金は、当初の予定よりも大きかった、とのこと。:日本経済がギリシアのようになるんじゃないかという読みがどこかに出ていたのは、東日本大震災前じゃなかったか……?
http://www.guardian.co.uk/business/2011/apr/26/greece-portugal-debt-worse-than-thought?CMP=EMCGT_270411&
成長抑制ワーキング・グループの論文については
以下のエントリー他、いくつも書いていますが、
成長抑制WGの論文を読む 1(2011/1/27)
その論文の内容について
同レポートの3月―4月号に掲載された編集者への書簡で、
シアトルこども病院の弁護士が一か所訂正をしていることが
ずっと気になっていました。
最近、手に入れてくださる方があり、読むことが出来ました。
Kudos, and a Correction
Jeffrey M. Sconyers, Seattle Children’s Hospital and Regional Medical Center,
Letters, the Hastings Center Report, 2011 March-April
Sconyers弁護士の書簡はタイトルが「賞賛と訂正」とあるごとく、冒頭で
成長抑制WGの論文著者が「謙虚でオープンなことは
この論争の(私は議論と呼ぶつもりさえない)多くを特徴づけていた
ドグマに満ちた悪意とは、際立って対照的だ」と
当ブログの検証を踏まえて読めば
あざといことこの上ない称賛を贈った上で、
論文の事実関係を一つだけ訂正したい、と。
シアトルこども病院がWPASとの間で
「将来、障害のある子どもの成長抑制を行う前には
裁判所の命令をとる」と合意したと論文が書いていることは事実ではなく、
「裁判所からの有効な命令を受け取った後でなければ」
やらないと合意したのである、とは、つまりは
裁判所から命令をとる責任者は病院ではなく親だということを
Sconyers弁護士は明確にしたいわけです。
なぜなら、彼が言うには
病院は成長抑制療法が承認されることによって利益を得るわけだから
病院が裁判所の命令を得ようとする行為には利益の相反が生じることとなり、
それは病院がやるべきことではないと2004年に判断したのだ、と。
したがって病院として合意しているのは、
成長抑制療法を求められた際にちゃんと裁判所の命令があるかどうか、
それが最終的なものであり、有効なものであり、また法的拘束力のあるものであることを
確認することだけだ、と。
しかし、2008年にこちらのエントリーで指摘したように、
米国小児科学会指針においても、2004年当時のワシントン大のICマニュアルにおいても
「裁判所の命令による許可を得なければならない」などと書かれており、
命令をとることの責任が医師には全くないとは言えないはず。
また2007年の子ども病院生命倫理カンファでのプレゼンで
親と医師の間で意見の相違があった場合について、Diekema医師も
問題は「医師がある医療介入を子どもの最善の利益だと考えるかどうか」ではなく、
むしろ「その介入はどの程度正当化できるのか」。
つまり、「その医師は裁判所の命令をとってでも介入しなければならないとまで
考えているか」という点である。
と語っており、
「裁判所の命令をとる」の主体者を医師との前提でものを言っているし、
実際、米国の医師は親がイヤだと拒否した治療をやりたければ、
裁判所に訴え出て命令を出してもらっていますよ。
Diekema医師がこのプレゼンの中で言及している以下の事件は
いずれも親や本人が拒否した治療をやりたい医師らが裁判所に命令を求めた事件です。
子どもを守る行政の義務・介入権 1 (Cherrix事件)(2007/7/20)
親と医師の意見の対立(Mueller事件)(2007/12/29)
親と医師の意見の対立(Riley Rogers事件)(2007/12/31)
13歳の息子の抗がん剤治療を拒否し母親が息子を連れて逃亡(2009/5/2)
したがって、当該治療をすることで利益が生じる病院サイドが
裁判所に命令を求める行為には利益の相反がある、というSconyers弁護士の言い分は
米国の医療現場で一般に受け入れられている論理とはとうてい思えません。
気になることとして、最後に、Sconyers弁護士は
自分の知る限り、裁判所にこうした命令を求めた親はいないが、
仮に出てきた場合に、裁判所がどういう判断をするかは分からないぞ、と書いています。
これが私にはものすごく不気味に感じられます。
なにしろAngela事件がありましたから。
Angelaの生理が始まった時と
彼女に全身麻酔で埋め込み型避妊薬が入れられた時との時間経過を分かりにくくするために、
判事が西暦とAngelaの年齢とを使い分けてみせるという、
世にも不思議な判決文を書き、
とっくの昔におさまっている大量出血と貧血を理由に
子宮摘出を認めてしまったのです。
Angela事件があったオーストラリアのクイーンズランドといえば、
シアトルとはゲイツ財団繋がりのあるところ……。
まさかSconyers弁護士の最後の
「裁判所だって、どういう判断をするかは誰にもわからんぞ」とは
シアトルこども病院の背景にある政治的影響力を意識しての発言だ……なんてことは?
なお、この書簡について、おなじみBill Peaceさんが以下のエントリーでとりあげ、
読み方によっては、まるでWPASに対して「ちゃんと合意を守らせてよね」と念押しするかのような
文章を書いています。
彼もまた、WPASと病院との合意が来年5月で切れることを意識しているのでしょうか。
Growth Attenuation and the law
BAD CRIPPLE、April 21, 2011
Kathleen(Kay)Carterさん(89)については、以下のエントリーで紹介していますが、
Dignitasで自殺した15人目のカナダ人は「脊柱管狭窄症でターミナル」の怪(2010/2/9)
Kayさんの娘の Lee Carterさん夫婦と、医師の William Shoichetと共に、
The B. C. Civil Liberties Association が自殺幇助を禁じている法律の改正を求めて
訴訟を起こした、とのこと。
B.C. Civil Liberties Association files right to die lawsuit
The Toronto Sun, April 26, 2011
カナダ議会は去年、自殺幇助合法化法案を否決していますが、
(詳細は文末にリンク)
特にケベック州を中心に
合法化を目指したロビー活動は盛んになる一方の様子です。
その他、この件に関して出ている報道は ↓
http://www.theprovince.com/health/Family+Fort+Langley+woman+euthanized+Switzerland+part+legalize+assisted/4678800/story.html
http://www.google.com/hostednews/canadianpress/article/ALeqM5hFNXafCaWD-1_SThB6vLGW8x5NOg?docId=6671848
http://www.google.com/hostednews/canadianpress/article/ALeqM5hFNXafCaWD-1_SThB6vLGW8x5NOg?docId=6671848
http://www.ctvbc.ctv.ca/servlet/an/local/CTVNews/20110426/bc_assisted_suicide_bccla_lawsuit_110426/20110426?hub=BritishColumbiaHome
http://www.vancouversun.com/news/Assisted+suicide+challenged/4680676/story.html
【関連エントリー】
カナダの議会でも自殺幇助合法化法案、9月に審議(2009/7/10)
カナダ・ケベック州医師会が自殺幇助合法化を提言(2009/7/17)
図書館がDr. Death ワークショップへの場所提供を拒否(カナダ)(2009/9/24)
カナダの議会で自殺幇助合法化法案が審議入り(2009/10/2)
自殺幇助合法化法案が出ているカナダで「終末期の意思決定」検討する専門家委員会(2009/11/7)
カナダ議会、自殺幇助合法化法案を否決(2010/4/22)
カナダの法学者「自殺幇助合法化は緩和ケアが平等に保障されてから」(2011/2/5)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223244.php
インド、5価ワクチン Pentavalentを導入。:先頃のゲイツ夫妻の訪印は、これが主要な目的だったわけだから。エイズ撲滅運動から資金を引き揚げたのは、こっちに回すためだったのか?
http://timesofindia.indiatimes.com/india/Five-in-one-vaccine-to-be-introduced-soon/articleshow/8085931.cms
Bill Gates、カナダ国立鉄道の筆頭株主なんだそうな。保有率は約1割。Buffettとブリッジでもやってる時にアドヴァイスされたんじゃない?って誰かが。
http://www.theglobeandmail.com/report-on-business/bill-gates-largest-shareholder-in-canadian-national/article1997052/
4月17日の補遺で拾ったBBCの自殺幇助ドキュメンタリー番組に関する続報。Pratchettがプレゼンターを務めるシリーズではALS患者のDignitas氏を放送することになっているが、それに続くシリーズでは84歳のガン患者がケントのホスピスで死ぬ場面を流すらしい。
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/8472195/BBC-to-show-mans-death-on-television.html
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1380555/Is-just-ratings-Now-BBC-moment-cancer-victim-dies.html?ito=feeds-newsxml
ななせたろうさんのブログ。東日本大震災の被災地で、倫理指針に違反したメンタル・ヘルスの聞き取り調査などが行われているらしい。日本精神神経学会から緊急声明文が出ている。
http://blogs.yahoo.co.jp/taronanase/60450271.html
生徒とFacebookしてはいけませんよ、と英国の先生たちに警告。
http://www.guardian.co.uk/education/2011/apr/24/pupils-facebook-friends-net-privacy-teachers?CMP=EMCGT_250411&
スマートフォンはWiFiを使うため、ID盗難のリスクが大きいらしい。
http://www.guardian.co.uk/technology/2011/apr/25/wifi-security-flaw-smartphones-risk?CMP=EMCGT_260411&
安楽死合法化ではセーフガードもコントロールも効いていない、と
指摘する論文が掲載されています。
全文が以下から読めます。
Legalizing euthanasia or assisted suicide: the illusion of safeguards and controls
J. Pereira MBChB MSc,
Current Oncology, Volume 18, Number 2
アブストラクトは
Euthanasia or assisted suicide―and sometimes both―have been legalized in a small number of countries and states. In all jurisdictions, laws and safeguards were put in place to prevent abuse and misuse of these practices. Prevention measures have included, among others, explicit consent by the person requesting euthanasia, mandatory reporting of all cases, administration only by physicians (with the exception of Switzerland), and consultation by a second physician.
The present paper provides evidence that these laws and safeguards are regularly ignored and transgressed in all the jurisdictions and that transgressions are not prosecuted. For example, about 900 people annually are administered lethal substances without having given explicit consent, and in one jurisdiction, almost 50% of cases of euthanasia are not reported. Increased tolerance of transgressions in societies with such laws represents a social “slippery slope,” as do changes to the laws and criteria that followed legalization.
Although the initial intent was to limit euthanasia and assisted suicide to a last resort option for a very small number of terminally ill people, some jurisdictions now extend the practice to newborns, children, and people with dementia. A terminal illness is no longer a prerequisite. In the Netherlands, euthanasia for anyone over the age of 70 who is “tired of living” is now being considered.
Legalizing euthanasia and assisted suicide therefore places many people at risk, affects the values of society over time, and does not provide controls and safeguards.
現在ごくわずかな国や州で合法化されている安楽死または自殺幇助(時としてその両方)には、
法的規制がかけられており、特に本人の明示的な意思表示や、全件報告、
スイス以外は実行者を医師に限定、2人目の医師への相談など、
濫用の防止策が設けられている。
この論文では、その、いずれの国や州においても、
それらの法律やセーフガードへの違反が起きていること、
また、それらの違反が罰せられていないことのエビデンスを提示する。
例えば明示的な意思表示なしに致死薬を処方されている人が年間900人もいるし、
ある地域では、安楽死の半数は報告されないままになっている。
こうした法律のある国や州において、違反がこのように容認されていくことは
合法化によって法律や規制が変わるだけでなく、社会的な「すべり坂」が起こっている証である。
当初は、ターミナルな患者というごく一部の人を対象にした
最後の手段に限定されていたはずなのに、中には
新生児や小児、認知症患者へと対象を拡大しているところもある。
ターミナルな病気はもはや要件ではなくなり、オランダでは
70歳以上で生きるのが嫌になった人の安楽死まで検討されている。
したがって安楽死や自殺幇助の合法化は多くの人を危険にさらし、
長期的には社会の価値意識に影響する。また、合法化によって
コントロールやセーフガードが提供されることはない。
この中のオランダに関する話題については当ブログもこちらで拾っています。↓
オランダで「70以上の高齢者には自殺幇助を」と学者・政治家ら(2010/2/10)
その他、オランダでセーフガードが機能していないことについては、↓
オランダで安楽死が増加し保健相が調査。緩和ケアの崩壊も(2010/6/21)
幇助自殺者が毎年1割ずつ増えるオランダで「安楽死クリニック」求める声(2010/8/12)
ベルギーに関しては ↓
ベルギーでは2002年の合法化以来2700人が幇助自殺(2009/4/4)
幇助自殺が急増し全死者数の2%にも(ベルギー)(2009/9/11)
23年間“植物状態”とされた男性が「叫んでいたのに」(2009/11/24)
ベルギーにおける安楽死、自殺幇助の実態調査(2010/5/19)
英国の医療教育機関が自殺幇助合法化反対を確認(2010/7/7):ベルギーの実態調査情報あり
米国OR州については ↓
OR州の「尊厳死」:97%にC&Cが関与、たった20人の医師がせっせと処方(2010/3/11)
オレゴン州の尊厳死法、セーフガードは機能せず(2010/8/17)
米国WA州については ↓
WA州の尊厳死法、殺人の可能性あっても「問わず語らず」で(2010/9/16)
WA州尊厳死法の「すべり坂」、エビデンスがまた1つ(2010/11/2)
総じて、この州の話題は去年相次いで出てきたので、こちらに全体をまとめました ↓
2010年のまとめ:安楽死・自殺幇助関連のデータ・資料(2010/12/27)
http://news.livedoor.com/article/detail/5511263/
5月に封切りになる映画「アウェイク」も、臓器移植関連。米国で2007年に公開された映画。
http://awake-movie.jp/
http://www.cinematoday.jp/page/N0031439
FEN事件関連。2007年のJana Van Voorhisさんの自殺幇助事件でのEgbert医師の無罪判決は、陪審員の全員一致が得られなかったため、らしい。評決が割れたことを受けて、C&Cが「ほら見ろ、終末期の選択肢について公の方針が必要だという証拠だ」と。:しかし、Janaさんはターミナルでも何でもなく、うつ病だったのだから、この事件を「終末期の選択肢」の問題に繋げていくC&Cの論理はおかしい。MNTの記事がC&C寄りで書かれていると思ったら、情報源がC&Cだった。でも、これMNTの編集長のお薦め記事。MNTはだいたいC&C寄りという印象はある。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223190.php
「人工呼吸器等を利用する障害者にとって『電気供給を受ける権利』は人権であることの確証の法制化を」。e99*jpさんのブログ・エントリー。
http://blogs.yahoo.co.jp/e999jp/61755971.html
ゲイツ財団がインドでGM農業改革を目論んでいるというニュースから、目についた2008年のAmartya SenのNYT, Op-Ed記事。”The Rich Get Hunngrier” 「金持ちがどん欲になっていく」なんだけど、本文で書かれているのは、貧困層が飢えていく世界の実態。08年は世界の食糧不足が問題になった年。天災など一時的な不足は解消できるが、グローバル経済による世界的規模の格差拡大、特に新興国で進んでいる需要の拡大と、その一方で起きている貧困層の飢えの問題は深刻化するだろう、との予想。センはここで食糧と農業の問題について語っているけど、それは医療でも全く同じことが起きているんだろうと思いながら読んだ。富裕層が求める医療は高度化する一方で、貧困層からは医療アクセスが奪われていく。
http://www.nytimes.com/2008/05/28/opinion/28sen.html
NYT。Lancetにガセ論文を書いて自閉症ワクチン犯人説を流したとして、今なおバッシングが続くWakfield氏、まだワクチン犯人説を信じている、と。
The Crash and Burn of an Autism Guru: Condemned by the medical establishment, Andrew Wakefield still believe in a link between autism and vaccines.
ニューヨーク市立大学のGraduate Center主催のクィア関連のセミナーで
NY大学の博士号候補者 Lezlie Fryeさんが
Ashley事件についてプレゼンを行うとのこと。
QUNY, The LGBTQ Student Organization of the CUNY Graduate Center Presents
Session 3 of its Queer Embodiments Seminar Series of 2010-2011:
Queerness, Disability, Performance, and Critical Resistance
"Ashley Xed: Private Matters, Public Life"
Lezlie Frye
Doctoral Candidate, American Studies, NYU
Wednesday, April 27, 2011
6:30p-8:30p
Room 6304.01
CUNY Graduate Center, 365 5th Avenue btw 34th & 35th
ASL interpretation provided
In July of 2004, a six-year old physically and cognitively dis/abled girl known publicly only as “Ashley X” underwent combined surgery for a hysterectomy, an appendectomy and “breast bud removal” as well as being administered vast doses of estrogen over an extended period. Seattle Children’s hospital oversaw these alterations of Ashley’s body―functionally miniaturizing and de-sexing her―after a forty-person ethics committee granted what was subsequently revealed to be illegal permission. Coined “The Ashley Treatment,” this course of action was designed as an international precedent, aimed explicitly at extending the capacity of able-bodied parents to maintain care in the privatized space of their home. In "Ashley Xed: Private Matters, Public Life,” Frye examines the case of this white dis/abled child icon and the neoliberal arrangements of power that led to her medicalized maiming. In contrast to representations of Ashley’s case that consolidate the white, heterosexual, able-bodied and middle-class nuclear family home as the proper site for privatized care of dis/ability, she troubles the emergence of the caregiver subject, historiographies of (de)institutionalization, and the uneven distribution of human rights. Frye argues that Ashley X’s body―and the broader circulation of her case―marks out the flexible borders between states of social death and life, categories of human and sub-human existence, legitimate and illegitimate citizenship, and the overlapping ontologies of sexuality, race, and capacity.
まず事実誤認を3点指摘しておくと、
① 「40人のメンバーからなる倫理委員会が承認した」。
② Ashley Xのケースでの目的を在宅ケアの維持、と。
③ Ashleyの親をミドル・クラス、と。
しかし、これまでの批判言説からすると非常に新鮮な点がいくつもあって、
① Ashley事件を「国際的な前例として意図された」としている点。
ただし、その根拠はここからは不明。
② 「アシュリーXする」と、事件名を動詞化していること。
③ Ashley事件について
「ネオリベ型の力の行使による医療的不具化」が行われたケースと表現。
(the neoliberal arrangements of power that led to her medicalized maiming)
④ 「白人、異性愛、健常者でミドル・クラスの核家族家庭を、障害者の個人的な介護に適切な場所と思わせた事件」と表現している。
(the white, heterosexual, able-bodied and middle-class nuclear family home as the proper site for privatized care of dis/ability)
⑤ 上記の③や④に見られるように、A事件を
セクシュアリティ、人種、人権、能力などの観点から捉え返そうとしている点。
私はこの人のような背景知識を欠いているので
問題意識ははるかに浅かったと思うけれど、
Ashleyが白人・中流家庭の、しかも美しい少女であるという
3つの条件が揃っていなかったら、
これほど世論の支持を集めただろうか、と
2007年に考えてみたことがあった ↓
Ashleyが美しいということ(2007/9/13)
Misson Hospitalの駐車場で4月9日午前2:30に
銃で撃たれて血を流している状態で見つかった。
傍にはハンド・ガンがあったという。
すぐにERに運ばれ、その場で死亡が確認された。
病院に対して臓器を摘出するよう求める遺書が残されていたが、
病院は臓器を摘出することが出来なかった。理由は不明。
南カリフォルニアを対象とする臓器提供NPOによると、
死亡する人の内、臓器ドナーになれる人は0.5%だという。
理由は主として、心臓が止まると臓器が痛むこと。
それから提供が認められる手続きは厳格に定められており、
州に登録するか、署名入りのドナーカードを持っているか、事前指示書があるか、
18歳以下の場合には家族が決めた場合のみで、
今回の事件が臓器提供に至るというのは考えられない、と。
Suicide note asks hospital to harvest organs
MSNBC, April 10, 2011
日本語のニュースはこちら ↓
病院が意で48歳男性自殺 「臓器提供したい」と遺書(2011.4.21)
LALALA Times. com
http://www.foxnews.com/us/2011/04/21/ariz-jury-acquits-doctor-assisted-suicide-case/
BMJ誌上で、自殺幇助合法化が障害者に影響するかどうかを巡って論争。:BMJ自体が、最初から合法化支持だったと思ったけど。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223107.php
NYTで、クルーグマン先生が政治家が医療を一般の商取引と同じように、「まるで車を買うのと同じことのように」語ることについて「患者は消費者ではない」というタイトルのOp-Ed を書いている。:そういえばビッグ・ファーマの研究者との癒着や情報操作に、「スニーカーを売るのとはわけが違うんだぞ」と怒った議員さんもいたっけな。
Patients Are Not Consumers: Politicians talk about the act of receiving health care as if it were no different from a commercial transaction, like buying a car.
ミトコンドリア病の遺伝を子どもに引き継ぐことを避けるために、遺伝子操作によって遺伝上の親が3人いる子どもを作る研究が行われている。いまだ安全性が確認されていないので、臨床応用するにはさらなる研究が必要と報告されたことを受けて、医療チャリティが英国政府に規制を求めている。:この話題、前にも拾った記憶があるので、ブログ内検索をかけてみたのだけど見つからなかった。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223121.php
自閉症とてんかんの間に遺伝子繋がり?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223084.php
子供の頃に虐待を経験すると青年期にうつ病になりやすい。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223062.php
不適切な向精神薬の処方は、低所得の高齢者に多い。確認し忘れたけど、たぶん米国。:そういえば昨日、近所の薬局で「最近メンタル・クリニックが増えている。まぁ流行ですから」と薬剤師のおにいさんが言っていた。「流行」ですからって。今からはワクチンも「流行」するんだろうという予感がする。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223027.php
「レポ・メン」というタイトルに、「おや?」と目を引かれたのは、
1985年ごろに米国で同じタイトルの映画を見たことがあったから。
たしか、車のローンを払えなくなった人から、その車をとりかえしに行く
あれこれとヤバそうな仕事を請け負っているのが reposition men 通称 repo men。
その一人の車のダッシュボードにプラスチックのキリスト像があったこと以外
何も覚えていないのだけど(なにせ字幕がないから、あまり分からなかった)
準新作の棚にタイトルを見た時にリメイクされたのかと思って、つい手に取ってみたら、
なんと臓器移植がらみの話だった。
ちょうど、週刊文春の記事について知った直後でもあって、
今これを見るのは気が重いなぁ……という思いと、
この偶然もまた何か必然みたいだなぁ……という思いとの間で
8秒間ほど葛藤した後、借りて帰った。
正式な日本語タイトルは「レポゼッション・メン」。
私は全然知らなかったけど、去年の作品。
主役のジュード・ロウのインタビューがこちらに。
このインタビューに関する記事から物語の概要を抜き出すと、
本作の舞台は20年後という近い未来。政府の財政は破綻し世は荒廃。
科学の発達により、人工臓器が普及し、人々は長寿を享受する一方で、
それを手に入れる ために高額ローンを組んでいる。
返済が不可能になった時点で
“レポゼッション・メン”と呼ばれる者たちが彼らの元を訪れ、
強制的に臓器を“回収”するのだが、
ジュードはそんな回収屋、レポゼッション・メンの中でも腕利きのひとり。
だが、ある事件で自らも人工臓器を埋め込まれることになって以降、仕事ぶり異変が…。
やがて彼も自らの臓器の負債が払えなくなり、仲間たちから追われる立場に…。
まあ、80年代に車だった「回収人」の対象物が、近未来では人工臓器に変わっただけで、
やっぱりこれは「リメイク」と言えるのかもしれない。
あ、もしも見てみようという方がおられましたら、
ちょっとスプラッター調なので、体調を勘案の上、食事時は避けられますよう。
【関連エントリー】
関節も血管も心臓もくたびれたら取り替えてアクティブに100歳まで(2009/10/21)
まず、記事は、今回の移植ネットの対応が最初から異例だったことを指摘する。
12日、最初の会見でドナー遺族のコメントが読み上げられた。
「息子は、将来は世の中の役に立つ大きな仕事をしたいと周囲に言っていましたが、
脳は回復せず、願いはかなえられませんでした。
臓器提供があれば命をつなぐことができる人たちのために
彼の身体を役に立てることができれば今、
彼の願いに沿うことだと考えました」
翌13日から始まった移植の成功を受け15日にも移植ネットは
「すべての移植手術が成功してうれしい」との遺族のコメントを発表。
(これは記事にはありませんが、提供臓器が運ばれたクーラーボックスに
家族から成功を祈る言葉と共に折りヅルが添えられていたことは、
何度も映像と共にニュースで報じられていました)
また、虐待のチェックについても、12日の会見で移植ネットが
非常に無責任な発言をしていたことを記事は指摘している。
この点について、このニュースを12日の補遺に拾った際、
私は以下のように書いた。
「各提供病院が(虐待の有無を調べるなど15歳未満からの臓器提供のための)体制を
整える必要があるが、すぐにできることではない」とは、
「だから、整わなくても見切り発進してよい」という意味?
その「よい」とは「倫理的に問題がない」という意味?
「すぐにできることではない」というのは
「やらないでもよい」とすることの正当化になりうるのか?
自殺では? との疑惑は「ある移植関係者」の証言によるもの。
少年は「新潟県内に住む男子中学生。
この中学生は六日午後五時ごろ、居住する町でJRのホームから列車に飛び込んだ、という」
昨日の補遺で2チャンネルから拾って来た三條新聞の記事が報じているのが
この事件である可能性が非常に高いのではないかと思われます。
救急搬送されたのが6日。
「搬送先は臓器提供の経験を持つ病院」で
6日の時点で両親には問診票により提供意思を確認。
回復は難しいと両親が告げられたのは2日後の8日。
その日の内に移植コーディネーターが来て説明した。
9日にも移植ネットのスタッフがきて、2度に渡って説明。
両親が決めたのは11日。
事故から、わずか5日後のことだ。
自殺だった可能性を暴露した移植関係者は
「新潟県警は、中学生が自殺だったのでは、と疑いながら
遺体を詳しく調べることができなかったようです。
教育委員会に至っては、自殺がいじめによるものかどうかの調査にすら及び腰で、
記者の取材にも“ドナーが特定されてしまうから、学校名も言えない”と、
腫れ物に触るような扱いだったそうです」
「今回の強引な運びには、なかなか小児移植が進まないことへの焦りが感じられます。
しかし、自殺の疑いが濃厚なケースにもかかわらず、移植ありきで突き進んでしまったことは
これからの小児移植に大きな禍根を残すのではないでしょうか」
なお、厚労省の研究班が作った脳死判定マニュアルでは
「死因に不審な点が見つかれば、提供病院側は学校や警察のみならず
児童相談所や保健所などと連携して調査にあたる。
虐待の痕跡などがあれば、ただちに脳死判定を中止し、
臓器摘出はしないと定めている」とのこと。
なお、臓器移植法を問いなおす市民ネットワークは4月20日付で
「15歳未満の法的脳死判定・臓器移植」に関する声明を出し、以下のように求めている。
「交通外傷」と呼ばれる事故から家族が提供を決断するまでの経緯と行われた救命医療の内容について、提供病院は記者会見を行って詳しい経過を発表するべきです。
さらにこの度の臓器提供では、本人の拒否の意思の確認や虐待を受けていなかったことの確認の手続きや方法が明らかにされなければなりません。
提供者とその家族のプライバシーを守るという理由で、最低限公表するべき情報も一切開示しないなら、「移植医療の透明性」は到底確保されません。
まず、「ある移植関係者」の勇気に敬意を表したいと思う。
まだ事実が確認されたわけではないのだから、
このケースがそうだというつもりは毛頭なく、
あくまでも一般論だけれど、
我が子の自殺という、辛く受け入れがたい事実に直面した親が、
まず最初に、その事実を否認したい心理に陥るだろうことは十分に想像できる。
親による虐待があったケースでは、臓器提供への同意を求めることが、そのまま
虐待が我が子を自殺に追いやった事実の隠ぺい手段を親に提供することになってしまう可能性もある。
学校が時にイジメの事実を隠ぺいしようとすることも
既にいくつもの事件で感じられてきたことだ。
私たちの社会には、多くの子どもたちが虐待や、
一見すると虐待に見えない隠微なコントロールの犠牲になっている痛ましい現実がある。
そういう子どもたちが、周りの大人たちから救いの手を差し伸べられることがないままに、
ついに追い詰められて自殺を図り、脳死状態に陥った時にまで、
早く1例でも多くの移植をやりたいとか、
家庭内や学校内の事情を詮索されることを避けたいなどの、大人たちの利害によって、
その子の苦しみが、まるでなかったことにされてしまうばかりか、
美談にまで仕立て上げられてしまうとしたら、それは、あまりにもむごい。
そんなことは、あってはならない、と思う。
もしも、このケースで、臓器移植が優先されたことによって、
一人の少年の死に自殺の疑いがあっても、その確認もされず、
仮に自殺だった場合の原因が探られる必要にも目がつぶられてしまったのだとしたら、
そして万が一にも、敢えてその事実を隠ぺいしようとの自覚的な意図によって
「電車への飛び込み」が「交通事故」に化けた……などということがあったのだとすれば、
この第一例は、小児脳死臓器移植における「和田心臓移植」とされるべきなのでは?
【関連エントリー】
米国小児科学会が「子どもの突然の死にも親が臓器提供を忘れぬよう働きかけを」(2010/3/31)
http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/
2チャンネルなんで、本当は出したくなかったけど、他にないので、6日の飛び込み事故について三條新聞記事。ついでに2チャンネルの発言で「自殺者がドナーになれるなら年間3万人の尊い臓器で困っている人が救われる」。「自殺者がドナーになれるなら安楽死施設もありだろ」:英語圏では安楽死施設も安楽死後臓器提供も臓器提供安楽死も、れっきとした生命倫理学者が提案していたりします。
http://logsoku.com/thread/toki.2ch.net/mental/1297126835/194
ゲイツ財団が力を入れている途上国でのマラリア撲滅運動で、2009年から2011年にかけてアフリカを中心にした11カ国でマラリア・ワクチンが盗難に遭い、どこかに消え去ったことが判明。消えたのは、250万ドル相当の大量のワクチン。:世界中のカネもちからカネを集めて、そのカネでワクチンを大量に買うことができれば、そのワクチンを作っている会社の株主さんはそこまででも全然OKなのかもしれない。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/apr/20/malaria-drugs-stolen-africa
09年2月のFEN事件公判中。弁護側の抵抗がまずは一つ挫折した模様。
http://www.therepublic.com/view/story/838ff67d671b406c985753629376fc93/GA--Georgia-Assisted-Suicide/
米国で高齢者施設斡旋業が結構あくどい繁盛をしているらしい。WA州が取り締まりに着手。
http://seattletimes.nwsource.com/html/localnews/2014830317_seniors21m.html
英国では高齢者施設の虐待に等しいケアの実態が報告書に。英国すごいなといつも思うのだけど、高齢者施設にメディアが職員になりすましたスタッフを潜入させたり、今回の報告書も調査員を潜り込ませている。高齢者ケアのミシュラン版。でも実際、行政の監査って、何も見ていないに等しいのだから、本当に弱者の人権を守ろうと思ったら、こういうやり方も必要なのかもしれない。本人も家族も、当時者は声を上げられないことって多いし。
http://topnews.us/content/238774-independent-report-reveals-dark-side-nursing-care-system
写真で見る、アフリカの若年介護の暮らし。Guardian。
http://www.guardian.co.uk/global-development/gallery/2011/apr/20/in-pictures
肥満の人に対する胃のバンディング手術の後で、その患者が減量状態を維持できるかの能力に遺伝子が関わっていて、手術後のアウトカムが良くない症例があるのはそのため、との研究結果。遺伝子によって高価な手術への適応が予測できる、という方向の結論? ここにもバンディング手術が「患者のQOLを向上させる」との文言がある。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/223001.php
リビアで英米の高名なジャーナリストが2人死亡。
http://www.guardian.co.uk/global-development/gallery/2011/apr/20/in-pictures
大きな県立の複合施設(ここではセンター)の一組織という位置づけ。
その療育園で、もう10年ほども前になるだろうか、私は
「師長&園長のタグ・チーム 」vs「保護者一人」というバトルを闘ったことがある。
もうほとんど思い出すこともなくなった、遠い昔のことだ。
昨日、古くからの友人(ここではAさん)と何年振りかで会ってランチをした際に、
当時のことについて、思いがけないエピソードを聞かせてもらった。
Aさんの御夫君は、当時センターの医療に外部から関わりのあった医師。
その関わりの関係で、センター所長と会った時のことだそうだ。
「いま療育園で、とても頑張っている保護者がいる」と所長が言ったのだという。
「ワシはこの人の言っていることは正しいと思う。だから、
ワシはその保護者の味方になろうと考えているんだ」と。
え? ……所長が、そんなことを……?
胸を突かれ、ジンと目に涙がにじんだ。
確かに、10年前のバトルの時、
あの大きな県立施設全体の長であった所長が、私の最強の理解者だった――。
さんざん療育園内部ですったもんだした末に、所長が会いたいと言っていると聞いた時、
私は「ついに所長が出てきたか。厄介な親を丸めこみにかかるつもりだな」と思った。
その日、私の予想の通りに、所長は妙にソフトな低姿勢でやってきた。
でも、社会的バカである私は、どんな時でも「まっすぐ」しか知らない。
その日も、やっぱり、ひたすら「まっすぐ」にしゃべった。
すると途中で、それまでテキトーに聞き流していた所長の顔が少しずつ変わり、やがて黙り込んだ。
押し黙ったまま、最後まで話を聞くと、「あんたの言うとることは、
ただのモンクじゃないのぉ。もっと本質的な問題じゃ……」と唸った。
「ワシは今日あんたをなんとか丸めこもうと思うてきたんじゃが、わかりました。
センターとして対処します。ただ、その方法を考えなければならない。時間をください」
職員への事情聴取が始まった。私も事務局長に呼ばれ、育成課長とも総看護師長とも会って話をした。
まもなく所長から電話があり、「書きものにされると、ワシは立場上さらに事情聴取をせねばならない。
これから先は、手紙やファックスは止めてくれんか。
あんたが会いたいと言えば、ワシはあんたとはいくらでも会う」
情報が操作された現場では、看護課職員からミュウへの報復もあった。
「ミュウちゃんは我々育成課が絶対に守ります」と育成課長が約束してくれた。
ミュウを連れて園に帰ったら、看護職員が誰ひとり出て来てくれない日があった。
その日、ミュウの主治医は、我々親子がいつも帰園する時間に療育園の入り口で、
他に用がありげに装っていることがミエミエの不器用さで、待っていてくれた。
私たちは、先生のその姿によって、その日を耐える力を与えられた。
別の施設に異動になっていた昔馴染みの看護師さんが、
突然、家まで訪ねて来てくれた週末もあった。
「噂でいろいろ聞いて、お母さんが心配でたまらなかったから」といって。
本当にたくさんの、いろんなことがあった。
ミュウの主治医と育成課長に支えてもらいながら、総看護師長と情報交換をし、
事務局長とも会い時に激しく渡り合いもしたけれど、私から所長に連絡はとらなかった。
そんなある日、渡り廊下の外の喫煙所でタバコを吸っていたら偶然に所長が通りかかった。
ついぞ見たこともないような柔和な笑顔を振り向けると
「そこは寒かろうが。……ワシの部屋にも灰皿はあるぞ」。
それから、また、さらに沢山の、いろんなことがあり、
誰にとっても長かった時間の終わりに、私は所長から呼ばれた。
あの日以来、所長室で向かい合うと、この間の経緯を本当に率直に、
私がこの先、絶対に人に言えないようなことも含めて、所長はありのままに語ってくれた。
当時ヘビースモーカーだった私は、私の倍くらいヘビーだった所長と2人で、
大きな灰皿に吸い殻を盛り上げ、広い所長室の空気を灰色にした。
「今後に向けた具体的な改善策を、これとこれと考えている」と提示して、
「他に何か、あんたから提案したいことがあるか」と聞いてくれた。
年に一度の個別カンファに親を含めてほしいという点を含めて
たしか3つほど提案させてもらったように記憶している。
2つはすぐに了解してもらい「カンファだけは考える時間をくれ」と言われた。
翌週、電話がかかってきて、「今はまだ職員の意識がそこまでいっていない。
将来的な実現を念頭に努力はするが、今の段階では無理だと判断した。
その代わり、カンファの前に必ず保護者の意見を聞いて会議に反映させるよう
現場を指導した。現段階では、それで了解してほしい」
次の春、園では師長が変わった。
新体制スタート直前に、私は事務局長から呼ばれ、思いがけない依頼を受けた。
新年度の職員研修の一環として、親としての思いを
直接自分の言葉で語りかけてほしい、と機会を与えられたのだった。
「所長も承知しています。内容については、何を言ってもらっても、一切構いません」
(この時、話した内容を含め、このバトルの時のことはこちらに書いています。
宣伝めいて恐縮ですが、読んでいただけると嬉しいです)
――もう何年も何年も前の出来事だ。
所長も、事務局長も、総看護師長も、育成課長も、その後一人ずついなくなった。
ミュウの主治医は別施設の園長になっていった。
療育園の園長も副センター長になり現場を去った。
園長が替わる時に会えなかったので、挨拶のメールを入れたら、
「あの時には地獄の苦しみを味わったけれど、
あの時に自分は一人の小児科医から園長になれたと思う。
だから、あなたのことは恩人だと思っている」と、返事をもらった――。
昨日、10年の年月の向こうから、ふいに聞こえてきた所長の言葉に、
そんな遠い記憶が一つずつ掘り起こされ、昨日から蘇り続けている。
園長が地獄の苦しみだったと言ったように、私の中にも大きなトラウマが残っている。
そのせいもあって、なるべく思い出さないようにしてきた辛い記憶のはずなのに、
こうして記憶をたどりなおしてみると、私はなんと稀有な体験に恵まれたことだろう。
なんと大きな人たちに巡り合えていたことだろう。
私はなんと幸福な人だったことだろう。
昨日話を聞かせてもらった時にもジンと涙ぐんでしまったけれども、
懐かしい人たちの記憶が一つよみがえるたびに今日は何度も涙をボロボロこぼしている。
所長に、もう何度、心の中で頭を下げたかわからない。
あの稀有な体験ができた幸福に、もう何度、感謝したかわからない。
そんな稀有な体験をもたらしてくれた人たちを一人一人思い出しながら
もう何度、心で語り掛けたかわからない。
あの時、一人の保護者の思いを受け止めてくれた懐の大きなセンターは、
もうなくなってしまいました。所長のような人は、もう、どこにもいません。
でも、人がいないというだけでは、たぶん、ないのだと思います。
ああいう懐の深さを許さない、厳しい時代になってしまったのだろうと思います。
あの時、私は最後には「辛かったけど、あれだけ頑張って訴えたら
受け止めてくれる人、分かってくれる人が出てきてくれた」と思わせてもらいました。
その一部始終を見ていたミュウの父親は、懲りない妻を案じて、
「お母さんは、あれだけ頑張らなければ分かってもらえなかった、というふうには捉えないよね。
少し、そういう方向にも考えた方がいいと思うけど」と言います。
でも、私はやっぱりどこかで
心から訴え続ければ分かってくれる人が出てきてくれると思っているみたいなのです。そして
理不尽なことは何一つ言っていないのに、また「厄介なモンスター」にされそうなのです。
信頼していない人はゼッタイに言わない。信頼しているから言えるのだと思うのに、
言った瞬間に信頼していないことにされてしまう。それが、とても悲しい。
でも、また一生懸命に訴えたら、やっと、少しだけ分かってもらうことが出来ました。
だから、私はたぶん、もう少し分かってもらおうと「まっすぐ」をするのだろうと思います。
でも、言われのない敵意や憎しみのターゲットにされることは、本当は、私にも、とても恐ろしい。
所長、私はいつまで、分かってくれる人に出会い続けることができるんでしょう?
この時代の空気を、所長も感じてくれていますか?
心ある人が、頑張ろうとしても頑張ることを封じられてしまうような。
心ある人が、頑張ることの虚しさに耐えきれずに、燃え尽きていくしかないような。
心あったはずの人が、いつのまにか口を閉じ、目をそむけ、
うつむいて、子どもたちを見ず、「業務」をこなしていくしかなくなるような。
心あったはずの人が、いつのまにか「できません」しか言えなくなり、言わなくなるような。
そんな自分を振り返る余裕すら奪われていくような――。
所長、保護者と対峙するのではなく横に並んで共に考えてください、という訴えを
受け止めてくれる人と、私はいつまで出会うことができるのでしょうか。
これから私たち親子が生きていく世界でも、
そんな人に出会うことができるでしょうか。
これから重い障害のある子どもたちが生きていかなければならない時代は、
そんな人を少しは残していてくれるでしょうか。
「厄介な保護者」のための灰皿が、まだその世界には残されているでしょうか。
私はもう何年も前にタバコと縁を切ってしまいましたが、
あの時の所長室は、今はどこに行けばありますか、所長?
http://www.guardian.co.uk/world/richard-adams-blog/2011/apr/18/pulitzer-prize-winners-propublica?CMP=EMCGT_190411&
NY、タイムズ・スクウェアのCBS Outdoorの広告版に、反ワクチン組織からの15秒メッセージ(「ワクチン。リスクを知りましょう」など)が毎時ごとに流され、米国小児科学会が抗議。削除を求めた。チラっとしか読んでいないけど、これ、あの反ワクチン闘士 MaCarthyさんの運動体が仕掛けたものみたい。:彼女はワクチン推進派にとっては天敵でしょうから。
http://www.guardian.co.uk/science/blog/2011/apr/18/anti-vaccine-advertisement-times-square?CMP=EMCGT_190411&
癌など、よくある病気に我が子がかかる可能性を調べるため、消費者直結タイプ(例えばネットを通じて)の遺伝子診断の利益はリスクを上回っていると考えている親が多いことが小児科学会の調査で判明。消費者直結の遺伝子診断では正確性や情報提供のあり方に専門家から問題が指摘されている。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/222707.php
週末、米国を襲った竜巻でVA州の原発2基が停止。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/apr/18/us-tornadoes-shutdown-nuclear-reactors?CMP=EMCGT_190411&
米NIHとアルツハイマー病協会が共同で、27年ぶりにアルツハイマー病の診断ガイドラインを更新。目玉は早期診断。
http://www.washingtonpost.com/national/guidelines_call_for_diagnosing_early_alzheimers/2011/04/18/AFdtxN2D_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
Ottawaの高齢者が夫婦で同じ施設に入所したい場合には、これまで部屋の拡張改装費など追加料金をとられていたが、このほど保健大臣の判断で制度改正により追徴金廃止に。
http://www.ottawacitizen.com/health/Couples+have+extra+stay+together+care+facilities/4639260/story.html
米国で、急性骨髄白血病の治療薬が不足。:死刑に使われてきたチオペンタールの不足に続いて……いったい何が起きているんだ??
http://www.washingtonpost.com/national/health/when_the_drug_you_need_to_cure_a_cancer_is_nowhere_to_be_found/2011/04/11/AFH802zD_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
「子供の臓器移植 提供しなかった親の胸中は…」産経新聞。:このご夫婦に罪悪感を感じさせることなど一切ない取材であったことを祈りたい思いになった。臓器が命の“贈り物”なのなら、「提供しません」と言える自由が常に完全に(社会やメディアの操作から無言の圧力を受けないことも含めて)保障されていることが必要と思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110418-00000083-san-soci
米国Oregon州での衝撃的な事件。小さなお店のオープンマイク(飛び入り歓迎)ナイトで、ステージに上がった19歳の青年Kipp Rusty Walkerが数曲歌った後で、ナイフを取り出して自分の胸をめった刺しに。観客も最初はパフォーマンスだと思って拍手し囃していたという。Walkerは病院に運ばれるも間もなく死亡。以前にもどこか公共の場で自殺したいと漏らして、精神科で入院治療を受けたことがあったという。:オレゴン州というのは偶然か? 記事中の「公衆の面前でこんなことをする権利は彼にはない」というコメントに対して、記事に寄せられたNYの人のコメントが「権利がないって、どういう意味? 無益な存在(a futile existence)にはルールなんかない」と。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1377847/Kipp-Rusty-Walker-stabs-death-stage-open-mic-event.html
女優のキャサリン・ゼタ・ジョーンズが双極性障害を告白している。夫のマイケル・ダグラスの癌の闘病生活のストレスで状態が悪化したため、治療を決断、1日770ポンド(英紙報道なので)の精神科クリニックに5日間入院したとか。
http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-1377895/Days-checking-mental-health-clinic-Zeta-tries-retail-therapy--little-girls-help.html
NHSの予算削減で、緊急度の低い(elective)手術が価値の低いものと評価されて、受けられない患者が出ていることに、外科学会から批判。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/apr/18/nhs-cost-cutting-surgeon-warning?CMP=EMCGT_180411&
http://blogs.yahoo.co.jp/tonko_hard/51593789.html
ビル・ゲイツ、今度はアブ・ダビの皇太子と一緒に、アフガニスタンとパキスタンの子どもたちのワクチンに100万ドル。
http://biomedme.com/biomed-business-middle-east/sheikh-al-nahyan-gates-donate-100m-for-child-vaccines.shtml
BBCの記事で、「スター・トレック」のパトリック・スチュアートが自殺幇助合法化アドボケイトのパトロンとなることを決めた、と。
http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-13108471
BBCが作家PratchetteをプレゼンターにALS患者のDignitas死のドキュメンタリーを作ったことに対する批判記事がGuardianに。タイトルは「どの命が生きるに値するかを誰が決めるのか?」。副題が「健全な身体の者が病者や弱者の運命を決めることは絶対にあってはならない」。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2011/apr/17/barbara-ellen-assisted-death
物議を醸している、そのBBCのドキュメンタリーについて、Wesley Smithが「WHOの自殺防止メディア向けガイドラインに違反している」と指摘。それに対して、2つばかり「言論の自由」の線から反論が入っている。
http://www.firstthings.com/blogs/secondhandsmoke/2011/04/15/cheerleading-bbc-pushes-suicide-by-violating-who-prevention-reporting-guidelines/
州民皆保険のパイオニア、MS州が、包括支払いと、コスト削減と予防医療の成果主義の導入の方針を打ち出した。
http://www.washingtonpost.com/national/massachusetts-pioneer-of-universal-health-care-now-may-try-new-approach-to-costs/2011/04/07/AFDrunkD_story.html
米国初のES細胞治療実験の被験者は交通事故で半身まひになった21歳の青年。とても信仰心の篤い人のようだ。被験者第1号になったことは「神のご意思」と。
http://www.washingtonpost.com/national/stem_cells_were_gods_will_says_first_recipient_of_treatment/2011/04/14/AFxgKIjD_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
ローマ法王ベネディクト16世は枢機卿時代から臓器移植では積極的賛成派なんだそうな。知らなかった。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/gaishin/499360/
米国のスーパーマーケットに並んでいる肉類の半分がブドウ球菌に汚染されていて、その4分の1は耐性菌。:米国の食肉って、成長ホルモンやら抗生剤やら、しこたま使われているんだったよね。
http://www.washingtonpost.com/national/study-half-of-meat-poultry-tainted-by-bacteria-1-in-4-samples-have-drug-resistant-germs/2011/04/15/AFDEYpjD_story.html
オーストラリアの化粧品にはヨーロッパ、日本、スウェーデン、サウジアラビアでは禁じられている成分が含まれていて、リスクがある、との指摘。:そういえば、ずいぶん前にナノテク化粧品のリスクがどうこうという記事を見たような……。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/fears-on-beauty-industry-chemicals/2136143.aspx?src=enews
UKのほぼ全学校に向けた映像教材を提供している。
ここが20分ものの哲学の授業用ビデオを作製した。
既に英国の14歳から18歳の生徒たちに見せられている。
そのビデオの中に、
あのオーストラリアのDr. Death ことDr. Nitschkeが登場しているという。
しかも、自分が考案した自殺装置を披露している場面なのだとか。
また患者の自殺を幇助して医師免許をはく奪されたMichael Irwinも登場し
「少なくとも9人がDignitasで死ぬのを手伝えたことを、とても喜んでいる」と語っている。
(Dr. Irwinについては文末にリンク)
制作したプロデューサーThomasina Gibsonは
「ティーンエジャーをヤング・アダルトとして扱うなら
議論のすべての立場を提示して自分たちに議論させ、
自分の考えを決めさせるべきです。
生徒からも教師からも非常に高い評価が届いていますよ」
批判的な立場からはCare Not Killingからの映像と
Baroness Campbellが淡々と訴える映像が含まれている。
しかし、批判の立場からはもちろん、
自殺幇助合法化に賛成の立場からもDr. Nitschkeの部分については
「我々は医師による自殺幇助の合法化は目指しているが、
自殺の方法そのものを広めるような人のアドボケイトをしているわけではない」と
批判も出ている。
Dr. Death suicide film being shown in schools: Euthanasia fanatic gives workshop on how to kill yourself in educational video for 14-year-olds
Daily Mail, April 16, 2011/04/16
たしか2008年ごろじゃなかったかな。
ロンドンの若者たちに自殺が相次いで社会問題になっていたのは。
たしか背景として指摘されていた中には
家庭の崩壊、親の育児力・教育力の低下、向精神薬の副作用、
雇用の不安定化、貧富の格差の固定化、などなど。
(もちろん最も重要視されて対応が言われていたのは親の教育力の低下だった)
それでなくても14歳から18歳というのは
自殺リスクが高い年齢じゃないかと思うのだけど、
そういう年齢層の子どもたちに、
学校で平然とこういう映像を見せる教師の神経が分からない。
社会のお荷物になるよりは死ぬ方がいいという価値観を植え付け、
それが多感な子どもたちを自殺に追いやったらどうするのか、との
懸念が出ているのも当然では?
それにビデオで取り上げられている2人は、いずれも
現在の自殺幇助合法化議論の中でも極論を説いている人たち。
自分がお荷物になると感じない子どもたちにも
高齢者や障害者は社会のお荷物になるよりは死ぬべきだという価値観を植え付けかねない。
……というか、そういうことを狙っている人たちが世の中には現にいるから
こういうビデオが作られてしまうんだろうな……というのが本当のところなんだろうと私は思うし、
一番コワいのはそっちなんだろうな、とも思う。
しかし、自殺幇助は英国でも今なお違法行為です。
【Dr. Irwinについてのエントリー】
スイスで自殺幇助に付き添ったパートナー逮捕(英)(2009/7/19)
英国で患者の自殺を幇助した医師が「証拠出すから逮捕に来い」と(2009/7/28)
英国で、自殺幇助容疑で元GP逮捕へ(2009/9/28)
自殺幇助ガイドライン後、初の起訴か(英)(2010/4/25)
自殺幇助の元GPに英国公訴局長「証拠はそろっているけど、公益にならないから不起訴」(2010/6/26)
英国のDr. Death「元気な高齢者にも医師による自殺幇助を」(2010/8/16)
生活書院の雑誌「支援」が、大震災があったにもかかわらず予定通りに創刊された。
さっそく手に入れて読み始めたら、
これまで味わったことのない感じを受けた。
なんというか、軽く頭ごと、ひっ捕まえられて揺さぶられる感じ。
でも不快な感じではなくて、ゆさぶられて、ほぐされる感じ。
脳みそにゆらっ、とか、くらっ、と刺激がきて、ゆるっとほぐされて、
そこから自分が何をどう考えようとするのかは、まだ捉えようもないのだけど、
とりあえず、ゆるっという感触は面白いし、
おっ、いいんとちがう、これは……?
なんか開けていく感じ……? みたいな。
ちょっと夢中になり、2日かけて書評から編集後記まで読んだ。
やっぱり一番面白かったのは「『個別ニーズ』を超えて」という特集で、
その中でも、やっぱり目玉の、三井さよ氏の「かかわりのなかにある支援」(p.6-43)
(恥ずかしながら私は三井さよさんについて今まで何も知らなかった)
多摩地域の知的障害者への支援活動との関わりを通じて、
個別ニーズに応えることを前提とする「個別ニーズ視点」を批判的に捉えかえして
「知的障害は当時者に属するのではなく、関係の中に存在する」と考え
個別ニーズの判断よりも先にかかわりを置く「かかわりの視点」を考えてみるもの。
個別ニーズ視点が、当時者を「ニーズのある人」と規定することから始まり、
それによって支援の必要を障害のある人の側にのみ帰することによって、
「その人を自らのかかわる他者として捉えていないのではないか」
また、そのニーズに適切な対応ができる人以外のかかわりを排除する姿勢にも
繋がっていくのではないか、と問題提起し、
「当時者のふるまいや思いを、自らの関与や多様な人たちとのかかわりのなかから探り、
そのつどいま何が起きているのか、誰が何をどのように必要としているのかを
問いなおそうとする支援のあり方」を「かかわりの視点」として提言する。
これ、“Ashley療法”論争の核心にズバリと迫っていく問題だと思う。
「知的障害は当時者に属するのではなく、
関係の中に存在する」というのは著者によると
その人は伝えているにもかかわらず、こちらが理解できていない。その人がわからないだけでなく、こちらが説明できていない。知的障害というのは、そうした現象なのではないだろうか。
本当は問題の質が違うのかもしれないのだけれど、
私がここで頭に浮かべたことを率直に書いてみると、
それは自分が英語の教師として、毎年、最初の授業で
英語でのコミュニケーションについて学生さんたちに語ってきたことだった。
私たちの多くは「英語をしゃべれるようになりたい」と思う時に、
自分が英語でしゃべる相手としてネイティブ・スピーカーを想定していて、
自分さえ「正しい英語」をしゃべれば相手に通じる、だから努力して
「正しい英語」をしゃべれるようになろう……と考えるのだけど、
現実には、このグローバル化した世界で、
私たちと同じように外国語として英語を身につけた人と会話をすることも多い。
表現する力と理解する力ともに「そこそこ」の人間同士の会話では
そこで「どの程度コミュニケーションが成り立つか」というのは
どちらか一方だけの英語力のレベルの問題や責任ではなくて
双方が不十分なところをいかに補い合えるかという共同作業の問題になる。
そういう場での「コミュニケーション能力」とは
「どれだけ正しい英語をしゃべるか」でも「どれだけ正しく聞き取れるか」でもなく
いかにその時、その場で、という一回性の中で
その人とのコミュニケーションという共同作業を担うか。
それは実はもう言語能力の問題ではなくなっていたりする。
本当は英米加豪だけが英語ネイティブじゃないし、
もともと英米加豪のネイティブが相手だとしても、
「伝わる・伝わらない」の責任はノン・ネイティブの側にだけあるわけじゃない。
だって、誰かが手持ちの英語で必死に話しかけているのに
「あんたの言ってること、さっぱり分からんわ」とネイティブに
ハエでも払うような手つきで追い払われてしまったら、
そこでコミュニケーションが成立しなかった責任は
話しかけた方の英語力にあるわけじゃないよね。
私たちは、知的障害のある人とのコミュニケーションにおいて、
または言葉という表現手段を持たない人とのコミュニケーションにおいて、
そんなネイティブと同じこと、近いことをやっているんじゃないか……と
三井氏は問うているような気がした。
そういうことを無自覚的にやりながら
コミュニケーションが成立しないことの責を、その人の障害だけに負わせて、
その責を負わせられた個人のニーズにエラソーに「支援」を入れようとしているけど、
その前に、
その場で誰かに話しかけられてしまった者として
私たちもその時その場でのコミュニケーションの共同責任者であることを
自覚しないといけないこと、ない?
そうでなければ、本当の意味でその人を支援することなんかできないこと、ない? と。
問題は、関係のなかにある障害そのものではなく、そこから生じる弊害や痛みを、当時者に一方的に押し付けることにある。修正されなくてはならないのは、関係の存する障壁そのものでは必ずしもなく、そこから生じる不利益を当時者だけに集中させる社会構造の方である。
私はAshley事件と重ねて共感するところが多かったので
ここではコミュニケーションに焦点を当てましたが、
三井氏の論文はもっと広くて深いです。
次に面白かったのは「資格は必要か? ケア・介護・介助と専門性」という座談会。
土屋葉(司会)×山下幸子×星加良司×井口高志。
この座談会で私が一番面白かったのは、
自立生活モデルだけでは知的障害者の支援には限界があるということを巡っての
あれこれだったのだけど、そこのところは、自分の言いたいことを
まだうまく説明する自信がないので、またの機会に。
ただ、私自身、娘を通じて出会ったいわゆる「専門家」には
いろんなことを感じ、考えさせられてきたので、
そういうことを諸々、頭に思い返しながら座談会を読んでいて、
ふいに焦点を結んだ考えがあった。
「専門性」は「問題解決能力」とイクオールみたいに通常はなんとなく想定されているけど、
現実には両者はイクオールだとは限らない……という考え。
というか、
「専門性」を「問題解決」のために有効に生かせる専門家よりも
むしろ「専門性」を「問題解決」の足を引っ張る方向に働かせてしまう専門家の方が
多いように思えてしまうのは、いったい何故だろう……という問い。
これは、この座談会のおかげで発見させてもらった私にとっては貴重な問いなので、
この後ていねいに大切に考えてみたいと思っている。
それから、Ashley事件にも、DALYや無益な治療論にも直結していくので
のめり込むように読んで赤だらけにしてしまった記事として、
田島明子氏の「リハビリテーションとQOL - 主観・客観の裂け目から見える地平」。
全体として、
障害学にも障害者運動にも疎い私がこういうことを言っては失礼かもしれないけど、
障害学とか障害者運動というものが持っているように(無知だからか私には)感じられる
ある種の「かたくなさ」みたいなものが
ここでは解きほぐされようとしているんじゃないか、
解きほぐしてみようとしている人たちが
ここに集まっているんじゃないか……。
そんな手触りの創刊号だった。
耳が突き出ていることがイジメの原因になることを心配して
母親が外耳の形を整える手術をさせたという。
ABCのGood Morning Americaに母親が出て、
イジメの予防手段として手術をした、と語った。
「だって子どもは意地悪ですよ。
子どもってそういうものなんだから」
執刀医もABCに対して
「術後の耳はきれいですよ!」
Bullying Pushes 7-year Old To Opt For Plastic Surgery On Her Ears
MNT, April 16, 2011
こちらの記事にABCニュースの映像がありました ↓
Mom approves 7-year-old for plastic surgery to pi back ears to avoid schoolyard bullying
Daily News, April 14, 2011
この映像によると、たしかにSamanthaの耳は左右の形が多少違っているのだけど、
いわゆる「ダンボ耳」の有名人ならいくらでもいる、とここに出てくる
オバマ大統領やウィル・スミスなに比べれば、ごく小さい。
なによりも、これが重大なところなんだけれど、
Samanthaがこれまで実際にイジメにあったという事実はないのです。
それを記者から指摘されて母親が言うには、まだ小さい時にSamanthaの前で
「あらまぁ、あの子の耳はどうしたのかしら。みっともないわね」と言った人がいたから
今後、この子をイジメる子どもが必ず出てくる、と。
なるほど、そういう文脈での「子どもは意地悪なものだから」なんですね。
子どもの身体について他人が無責任に口にすることを
いちいち親がそういうふうに受け止めて騒いで、いったいどーするんだ?
このビデオの中で、私がおぞましいと感じるのは、
(聞き取り能力は低いし一度見ただけなので、細部は違っているかもしれませんが)
① Samanthaの耳について
「こういう障害を持っている子どもは一定の割合いる」と
「障害」という言葉が使われていること。
じゃぁ、
団子っ鼻も、脚が短いのも、目が小さいのも、そばかすも、赤毛も、
みんな、み~んな「障害」なんですか?
② それから、執刀したニューヨークの整形外科医が
それでイジメが避けられるなら手術をすればいいと平然と語っていること。
③ さらに、この話題の最後に
取材した女性記者が否定的なトーンで語っているのを受けて
男性キャスターが「でも一番大切なのは、Samantha自身が喜んでいることですね。
ハッピーな笑顔ですからね。良かったですね」と締めくくっていること。
あんたらね、この母親も、医師も、キャスターも、みんな、おかしいよっ。
そもそも、仮に「耳がヘンだ」と言っていじめる子どもがいるとしたら
そういう子は、耳が変じゃなければ別のことを理由にするだけなんだから、
こんなの、全然、イジメの予防にも何にもならない。
それに、誰よりもSamanthaの耳を「変だ」と思っていたのは
この場合、あなたですよね、おかあさん?
母親であるあなた自身が、娘の耳にコンプレックスを持っていただけじゃないんですか?
母親の中にあるコンプレックスは当然、娘にコンプレックスを植え付けるでしょうよ。
だから娘は手術を望んでいるフリをしたり、整形した後の耳を喜んだりしたでしょうよ。
こういう親は、娘が成長して、そろそろ親から自立していこうとする頃に、
またぞろ何か娘がコンプレックスを感じるように仕向けていくんじゃないかな。
そうして、また「娘を守るために」親の愛という名の支配によって
娘の身体に向けてコントロールの手段を行使しようとするんじゃないのかな。
これ、ある意味、“Ashley療法”の別ヴァージョン、
それも、より深く病んだヴァージョンかもしれない。
米国社会は病んでいる、と思う。
しかも、どんどん重症になっていく――。
「慈善ってな、いろんな衣をまとってやってくるんだよ」というタイトルのチョー面白い記事がある。
07年のAshley事件からゲイツ財団の動きを追いかけてきて(詳細は「ゲイツ財団とWA・IHME」の書庫に)
私は、ここに書かれていることは真実だと思う。
Philanthropy can come in various garbs
By K.P. Prabhakaran Nair
Express, April 10, 2011
この記事を読むに当たっては、ちょっとばかり予備知識が必要になるかもしれないので、
当ブログが拾って来たところから以下に簡単にまとめてみる。
まず、ゲイツ夫妻は去年5月にインドを訪問した。そして
ビハール州政府と「革新的な家族保健」の協力覚書を交わしたり
なんとBiharでも特に貧しい村を“養子”にした。
そして今年も、ゲイツ夫妻は先月インドを訪問。
それについては3月23日の補遺、
25日の補遺、28日の補遺、29日の補遺で
あれこれの話題を拾っているけど、今回も重点訪問地はBihar州だった模様。
ゲイツ氏が行ったからには出てくるのは、もちろんワクチン推進の話で、
23日にBiharなど5州にPentvalent5価ワクチン導入に1億1000万ドルを約束。
もちろんPentvalentの製造販売元はゲイツ氏が株主であるMerk社。
で、上記リンクの記事によると、ワクチンのほかにも
Bihar州でゲイツ氏がブチ上げた大きな新企画がもう一つあったらしい。
それは the Borlaug Institute for South Asia なる組織の立ち上げ。
Borlangとは、1940年代から60年代にかけて行われた
農作物の品種改良運動(グリーン・レボリューション)を主導した農学者で
ノーベル平和賞を受賞したNorman Borlangのこと。
グリーン・レボリューションについては
こちらの日本語の解説が非常に的を突いていて、
Borlang博士は品種改良で貧困国の農業を改良しようとしたのだろうけれど、
そこに多国籍企業がわらわらと寄ってたかって暴利をむさぼったものだから、
結局は途上国の土壌を荒廃させ、貧富の格差を招いて失敗した。
グリーン・レボリューションによる化学物質の多用は
現地で癌患者の多発を招いたそうな。植物の多様性も失われたそうな。
上記記事の著者Nair氏によると(Wikipediaによっても)
メキシコで品種改良が成功した後それをフィリピンに持っていったのは
ロックフェラー財団だったそうな。
ロックフェラーが50年前にやったことを
今度はゲイツ財団がインドでやろうとしている、とNair氏は言う。
もちろん50年間に科学とテクノは進歩したのだから、
今度の品種改良は遺伝子組み換え技術(GM)で作ったタネを使う。
どうやらゲイツ財団は既にアフリカでGM農業改革をやってきているらしい。
アフリカのグリーン・レボリューション同盟(AGRA)に2億6400万ドルを出しているし、
ゲイツ財団がケニアに提供している資金の8割はバイオテク研究に使われており、
08年にはその中の2~3割がGMタネの推進と開発に注ぎ込まれている。
だから、それを今度はアジアに広げていこうという腹積もりなのだろう。
なるほど、もう推進体制はガッチリ固められているのだな、と思われることに
米国の国際開発支援を担当するUSAID(US Aid for International Development)のトップは
インド生まれのアメリカ人で、なんと、元ゲイツ財団の職員だそうな。
08年にインドの首相が渡米して友好協定に調印した際には
農業改革キャンペーン”Knowledge Initiative in Agriculture”が関与しており、
そのトップは、前大統領のBushジュニア。
またインドの農業研究カウンシルの前のトップが
今やフィリピンのマニラで国際コメ研究所の所長に雇われている。
そこの方針や予算は米国主導の国際農業研究顧問グループ(CGIAR)が握っている。
つまり、
ゲイツ財団と米政府とでアジアの農業を好きなようにできる
政治的な環境整備がちゃ~んと出来ちゃっている、ということですね。
もちろん両者とも、ただの善意のわけないでしょー。
Nair氏の記事は後半では
ワクチン問題を中心にゲイツ財団とWHOの関係についても
当ブログが書いてきたことにぴったりと重なる鋭い指摘をしている。
ゲイツ財団がカネを通じて
国際機関や医療系の研究所に影響力を行使していることによって、
科学者から多様な意見が出なくなり、国際機関の方針決定のプロセスにも影響して
意思決定プロセスが閉鎖的なものとなって透明性を失っている、と。
今年1月、
平等な医療を訴える草の根団体 the People’s Health MomentがWHOに提出した要望書で、
イノベーションや知的財産権、国連のミレニアム・ゴールと同時に、
WHOの、ゲイツ財団を中心とした私的な財源への依存体質が問題視されているそうだ。
そうした依存がひいてはWHOの
薬物、診断技術その他のテクノロジーによる簡単解決への傾斜を招き、
健康に対する社会要因への対応資金は大きく削られることとなった
そして、ワクチン推進への巨大な勢力とも結びついていると、Hair氏は指摘する。
(これは、WHOだけに限ったことではないですね。
世界中をものすごい勢いで席巻していく「科学とテクノで簡単解決文化」そのもの。
同財団のゼニは世界中の科学研究機関にまるで体内を巡る血液のように浸透しているのだから。
社会的要因の軽視は Ashley事件にも、IHME の推進する DALY にも如実に表れています)
なにしろ、100億ドルを出して
「ワクチンの10年」を仕掛けているのはゲイツ財団。
しかし、ここでもゲイツ財団とビッグ・ファーマには妙な動きがあって、
ゲイツ財団が作らせ支援しているthe Advance Market Commitment(AMC)なる組織が
買い上げ、慈善と称して様々な国に届けているワクチンは
グラクソとかファイザーなどビッグ・ファーマの製品で、しかも
欧米市場で売れまくって既にコストが回収できたワクチンなのだという。
慈善の名目で、インドなどの政府は自己負担分を体よく吐きださせられているだけだ、と。
本当にインドのために慈善でやるのなら、
どうしてインド国内でワクチンが製造できるようにさせないのか、と。
(この点は、ゲイツ氏もこの前の訪印で開発や研究者を支援するとは言っていたけど、
仮にインドで開発されようと、ゲイツ財団のひも付きであることには変わらないし、
インドで研究者が育ったら、息のかかった先進国の研究機関に引き抜いていくんだろうし。
それに「ワクチンの10年」て、次々にテンポよく新手を繰り出していくことにウマミがあるわけだから、
新興国の開発技術が先進国のビッグ・ファーマに及ぶわけもないのは分かり切っているし、
むしろ開発技術よりも、その途上の実験場と、開発後のマーケットがほしいのがホンネ。
だからNair氏がいうようにインド国内で製造させたとしても、
問題の本質はもっと根深いところにある、と私は思うな)
ほらね――。
だから、やっぱ、私が睨んだ通り ↓
巨大ファーマがかつてのゼネコンなのだとしたら・・・・・・(2009/9/29)
リスクの“リ”の字もなく“黄金時代”に沸くワクチン開発記事(2009/11/19)
「これからはワクチンが儲かりまっせぇ」の陰には、やっぱりゲイツ財団が……(2009/11/20)
「次世代ワクチン・カンファ」の露骨(2010/5/28)
「必要を作り出すプロセスがショーバイのキモ」時代と「次世代ワクチン・カンファ」(2010/5/29)
「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」を書きました(2010/7/5)
ゲイツ財団のメディア・コントロール(2010/10/21)
シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の密接な関係:グローバルな功利主義・優生主義医療の動き(2011/2/9)
ゲイツ財団がコークとマックに投資することの怪、そこから見えてくるもの(2011/3/9)
ゲイツ財団はやっぱりビッグ・ファーマの株主さん(2011/3/28)
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2011-04-17&ch=31&eid=31992
【「わたしを離さないで」関連エントリー】
カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」メモ(2011/1/13)
映画「わたしを離さないで」論評2本(カナダ・オーストラリア)(2011/4/8)
Harris「臓器不足排除が最優先」の売買容認論は「わたしを離さないで」にあと一歩(2011/4/8)
「わたしを離さないで」の世界は移植医療に代わる技術開発で回避できるか……という問いを考えてみた(2011/4/11)
09年にいくつかのエントリーで追いかけたカナダのKaylee事件を当時報道していた日本語ニュースを見つけた。「ケイリーちゃん、奇跡の生存」「ケイリーちゃんは奇跡的に自己呼吸を続けたため、移植は中止となった」とさ。:奇跡じゃねぇよ。医師らが障害児への偏見から判断を誤っていただけだよ。
http://www.bitslounge.com/a08_news/canada/c_090417_08.html
【Kaylee事件関連エントリー】
心臓病の子の父に「うちの子の心臓を上げる」と約束してヒーローになった重症児の父、呼吸器はずしても生きるわが子に困惑
Kaylee事件について障害者人権アドボケイトからプレスリリース
What Sorts ブログのKaylee事件エントリー
Kaylee事件から日本の「心臓が足りないぞ」分数を考えた(2009/4/15)
What SortsブログのKaylee事件エントリー(2009/4/15)
「Kaylee事件」と「当事者性」それから「Peter Singer」(2010/11/3)
新生児へのワクチン開発も新たなトレンドらしい。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/222390.php
米国から死刑に使用する薬3種の注文が来ているのだけど、英国政府は輸出を禁止。:この話題、ずっと気になって補遺で追いかけている。これ、一体どういう話なんだろう???
http://www.guardian.co.uk/business/2011/apr/14/britain-bans-export-us-execution-drugs?CMP=EMCGT_150411&
糖尿病の人の血糖値を測るパッチ状の人工すい臓が小規模な研究で有望で、自宅療養での応用も?
http://www.guardian.co.uk/society/2011/apr/14/diabetics-artificial-pancreas-home-trial?CMP=EMCGT_150411&
トゥレット症候群のチック症状に薬物療法でなくても認知行動療法が有効だという調査結果。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/222402.php
世界最長寿の男性114歳で死亡。長寿の秘訣は1日2食だったとか。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/apr/15/world-oldest-man-dies-at-114?CMP=EMCGT_150411&
オーストラリア首都圏で淋病が急増。:ゴキブリが退治できないほど繁殖したレストランの話もあったけど、それはさすがに関係ないか。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/gonorrhea-outbreak-hits-act/2135055.aspx?src=enews
英国のパブでゲイのカップルがキスしていたところ、いかがわしい行為だとして追い出された。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/apr/14/gay-claim-ejected-pub-kissing?CMP=EMCGT_150411&
7年前にGoogleがGmailを始めた時、Bill Gatesはそのカラクリがさっぱり飲みこめなかったとか。:それが一体どうだというのか私にはよく分からないけど、やたらあちこちで話題になっている。
http://techland.time.com/2011/04/14/utterly-clueless-bill-gates-didnt-get-gmail/
このブログでも取り上げてきたDignitas とExitの他にも
自殺幇助組織が3つあり、その5つでもって
年間350人が自殺幇助を受けているとのこと。
外国人を受け入れているDignitasと違い
Exitはスイスに居住している希望者の幇助を
主としてそれぞれの自宅で行っているが
時には高齢者施設に出向いて幇助している。
そのExit、09年にVaud地区で
ナーシング・ホームでの自殺幇助について世論調査を行った。
そして今回、そのVaud地区の自治体から、
住民投票を行ってナーシング・ホームでの自殺幇助を立法化しようとの動きが出ている。
法案の要件は
重症かつ不治の病にかかっていて
一定期間に何度か死にたいとの望みを表明していて、
自分の状態を現実的に判断できる知的能力があり、
それまでに提案された総合的な(holistic)治療を受けてきたこと.
Vaudの社会-医療機関協会は、この法案について
行き過ぎである、施設側にも発言件があるべきだ、と反発。
とはいえ、施設側が拒否するなら入居前にそれを通知するとか、
希望が出た時に拒否するホームは他の施設を探すとかの条件を付けることは可能で
それが住民投票の論点の一つに。
あるホームのトップは
「こんなことを住民投票で決めるなんて“恥知らず”
高齢者を取り巻いているもっと大きな問題があるというのに。
これでは若い人たちに対して、歳をとったら自殺してもいいんだという
メッセージを送るようなもの」
数年前に、そのホームで自殺幇助を受けた人がいたが
毎日接していたスタッフにも入居者にもトラウマになるほど影響が大きかった、と。
Assisted suicide set to be legalised in Swiss old peoples’ homes
Mail, April 14, 2011
Terry Pratchettをプレゼンターに起用した自殺幇助のドキュメンタリー番組が
この夏にBBCで放送される。
71歳の英国人ALS患者がDignitasで
毒物を混ぜた液体を自分で飲み、死ぬ様子を撮影したもの。
多方面から、
BBCは「自殺幇助合法化のチアリーダーだ」などの批判が続出している。
BBC accused of being ‘cheerleader for assisted suicide’ after filming man killing himself in Terry Pratchett documentary
Mail, April 15, 2011
つまりBBCは日本のNHKとかACと同じってこと……?
【これまでのPratchette氏の発言に関するエントリー】
作家 Terry Partchett “自殺幇助法案”を支持(2009/7/1)
自殺幇助ガイドラインに、MSの科学者とアルツハイマーの作家それぞれの反応(2009/9/23)
作家 Pratchette氏「自殺幇助を個別に検討・承認する委員会を」(2010/2/2)
Pratchett氏の「自殺幇助委員会」提言にアルツハイマー病協会からコメント(2010/2/3)
【BBCへの疑惑エントリー】
BBC「世論は慈悲殺を支持」の怪 (2010/2/1)
「BBCは公金を使って安楽死を推進している」と議員らが批判(2010/2/5)
自殺幇助に関する偏向報道で、BBCチェアマンに大物議員が会談申し入れ(2010/2/23)
幇助合法化を訴えて自殺した健康な夫婦の続報を新たな事件のように書くBBCの怪(2010/4/1)
http://blogs.yahoo.co.jp/shienfukushima2011green
法改正後、初の小児からの脳死・臓器移植が話題になっているけど、実は前後の処置・手続きから「事後的みなし脳死」や「私的脳死判断」によると思われる小児からの臓器摘出は1960年代から約200例も行われていた、とのこと。「脳死」・臓器移植に反対する関西市民の会の守田憲二氏のHPに。
http://www6.plala.or.jp/brainx/pediatric_harvest.htm
インディアナ州がワクチンで予防可能な病気の一部ワクチンを学校での集団接種で義務付け。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/222189.php
英国とEUで売られる燃料にバイオ燃料が混ぜられていることについて、人体への影響と環境破壊の観点から非倫理的である、と中立の調査機関が。
http://www.guardian.co.uk/environment/2011/apr/13/biofuels-targets-unethical?CMP=EMCGT_130411&
親が公害物質に晒されることが子どもの問題行動に影響している。:これはありそうな気がする。こういう要因を無視して子どもの問題行動を遺伝や脳科学だけで説明し、薬物療法につなげるという傾向には問題があるのでは?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/222229.php
反政府デモが激化するシリアで、民衆に発砲することを拒否した兵士たちがセキュリティ・サービスに銃殺されたとのこと。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/apr/12/syrian-soldiers-shot-protest?CMP=EMCGT_130411&
Obama大統領4兆ドルの支出削減を提案。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/apr/13/obama-4tn-spending-cuts-deficit?CMP=EMCGT_140411&
北朝鮮が国内のジャーナリストで米国籍を持つ人物を反政府活動で逮捕。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/apr/14/north-korea-detains-us-citizen?CMP=EMCGT_140411&
英Cameron首相が「移民は英語くらい身につけろ」と。
http://www.guardian.co.uk/politics/2011/apr/14/david-cameron-immigrants-learn-english?CMP=EMCGT_140411&
米国の死刑に使用されてきたチオペンタール・ナトリウムの不足問題の続報。NYTなので、タイトルとリードのみ。
Seeking Execution Drug, States Cut Legal Corners:States seeking sodium thiopental have resorted to measures that might run afoul of federal drug law.
イスラエル国籍 を持つ12歳の少女に移植された。
その移植がドイツで「ジェニンの心」というドキュメンタリー映 画になって
反響を呼んでいるとのこと。
某MLで教えてもらって、検索してみた。
映画については ↓
<シリーズ 受賞作品>ジェニンの心
Amebaブログ「TVから世界へ!きりまる」
「ジェニンの心」千葉上映会
FC2ブログ「マルハバ! パレスチナ」
国連難民映画祭「ジェニンの心」
Yahooブログ「世界の笑顔に出会いたい」
この映画で紹介されているエピソードについて鎌田實医師が美談に仕立てて広めているらしい ↓
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=30443
それについて疑問を呈する声として、
当ブログにもよく寄ってくださるtuta_9さんのブログ記事 ↓
http://tu-ta.at.webry.info/201102/article_1.html
それから森岡正博氏の「生命学」サイトへの投稿 ↓
http://322.teacup.com/lifestudies/bbs/1544
HIV感染そのものが原因で起こる場合もあれば治療薬が起因となる場合もある。
元々の健康状態が良くないとか、HIVで移植した臓器も痛む、
免疫抑制剤がHIVウィルスをさらに強力にする、などの理由で
以前はHIV感染者への臓器移植は認められていなかったが、
最近、感染者にも臓器移植が認められるようになった。
2000年には9人だったが、
去年は179人のHIV感染者が腎臓または肝臓の移植を受けた。
しかし相変わらずウエイティング・リストは長い。
そこで、こうした患者向けに、
1988年に禁じられたHIV感染者からの臓器移植を
解禁するべきだという声が出ている。
1988年当時はエイズと言えば死病だったが、
現在ではエイズは治療可能な病気になっているのだし、
最近の調査によれば解禁した場合には年間500から600の
HIV感染肝臓と腎臓が移植に使えることになる。
それらを一つ移植するごとに健康な臓器は別の人に回されて
リストはそれだけ短くできる、というのが理由。
さらに、腎不全や肝不全を起こすよりも
既に治療可能になったのだからHIVに感染する方がマシだという考え方もあるとして
HIV陰性の患者にも移植してもよいし、むしろ、医学的に考えて
そうすることが妥当だというケースもあると思う、と言うのは
UNOS(the United Network for Organ Sharing)の長であるCharlie Alexander氏。
こうした要請を受け、CDC他が近く新たなガイドラインを出して
陽性者から陽性者への臓器移植についての研究を奨励するとのこと。
DCDの血液、臓器、人体組織安全部局の長である
Dr. Matthew Kuehnertは、
「わざわざHIVを感染させるなんて、おぞましい、という声が聞こえる気がするが、
そういう人には分からないのだ。今の時代に移植のことが分かる人なら
それだけのニーズがあるということくらい分かっている」
稀ではあるが、誤って感染臓器が移植されたケースはある。
2007年、シカゴで
一人の死亡ドナーから移植を受けた4人の患者がHIVに感染。
ドナーへの検査は行われていたのだが、
感染してから検査までの期間が短かったために
検査では陰性と出ていたのだという。
これまでのところHIV陽性のドナーから同じく陽性のレシピエントへの移植は
南アフリカで2008年にDr. Elmi Mullerによって
「これらの腎臓を文字通りゴミ箱に捨てて無駄にするよりは」と行われた4例のみ。
直後にそんなことをしていいのかと疑問が呈され、
倫理委員会が検討。最終的に認められた。
Muller医師はこれまで10例を手掛け、
拒絶反応が起きたのは1例のみとのこと。
もっとも米国ではC型肝炎の患者がC型肝炎の患者の臓器を
移植して生きているというケースは多いとも。
今回の解禁論について
米国のHIV感染者の間では反応は分かれており、
ドナーが自分よりも強いウイルスに感染していたら、と懸念する人もいれば
健康な臓器をもらうまでに長い時間を待つよりも
それだけ早く移植を受けられるのなら、そちらをとりたいと考える人も。
また
スティグマによって
HIV感染者に移植するのは臓器の「無駄遣い」だと言われることもあるのだから
感染者同士で互いに助け合うという考え方でいい、
自分たちは生きるためにとにかく腎臓が必要なんだから、と言う人も。
A New Push to Let H.I.V. Patients Accept Organs That Are Infected
The NYT, April 11, 2011
【追記1】
これをアップした際に見つけた、ひと様のブログ記事。↓
万波医師、感染症患者から腎移植
骨髄バンク 2007年2月17日
【追記2】
上記、「最近の調査によると解禁した場合には」とある個所の元論文はこちら ↓
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1600-6143.2011.03506.x/abstract;jsessionid=8D3772C393DFAA2026C6FD18038D104C.d03t01
http://mainichi.jp/select/science/news/20110412k0000e040014000c.html
http://mainichi.jp/select/science/news/20110412k0000e040100000c.html
http://mainichi.jp/select/science/news/20110412k0000e040069000c.html
英国政府、妊娠前遺伝子診断を全国的に推奨。:エントリーにしたいと思い「時間があれば」と言いながら補遺でお茶を濁してしまう記事が多くなってきた。これも本当はエントリーにしたい記事。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/apr/06/pre-pregnancy-genetic-screening-government
英国で知的障害のある女性が我が子を育てる能力がないと判断され、自分で育てる権利を主張して勝ち取った、というニュース。:でも、私がこれを拾ったWhat SortsブログのWilson氏は「こういう話の取り上げ方は多いけど、そういう問題か」と疑問視していた。
http://www.mirror.co.uk/life-style/real-life/2011/04/03/they-told-me-i-was-too-dumb-to-be-a-mum-but-i-proved-them-wrong-115875-23035451/#ixzz1It5O27Rg
NYTの記事で、天然ガスにも問題はある、これまで思われてきたよりも天然ガスから漏れるメタンは量が多い、との調査結果。:でも、原発反対の機運が盛り上がっている現状を思えば、そういう時だからこそ、こういう情報を敢えて流したい人たちが存在するわけで……ということを、まず考えてしまう。
Studies Say Natural Gas Has Its Own Environmental Problems: Researchers have found that methane from natural gas is leaking in higher quantities than previously thought.
同じくNYTの社説で、ブルカ禁止はフランスでの不寛容と反移民の右傾化の証、と。
Government-Enforced Bigotry in France: The ban on the full-face veil in France is intolerant and demonstrates an increasingly ant-immigrant right wing.
75歳以下の女性では、ビタミンDの摂取量が多ければそれだけ老化に伴う筋肉の現象を防げる。:うぉう。これは、例のサルコペニアの話だよ。そこへビタミンDが繋がるかぁ。なるほどぉ。「みんなでビタミンDサプリを飲もうぜい!」キャンペーンはまだ続いているらしい。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/222007.php
毎日買い物に出かける高齢者は長生きする。:これは、なんとなく分かるような気がする。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/221975.php
ニューヨークの若い女性の3分の2が恋人から支配的な扱いを受けている。それがいずれ性的虐待や暴行に繋がる可能性も。:これもまた、John Harrisのような物言いが許容され、弱いものを切り捨てることに無反省になった世の中をある意味、象徴しているのでは。逆に言えば、男性の多くがそれほど脅かされているということでもあるのだろう。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/221979.php
オーストラリアで、ゴキブリが増えてどうにも退治しきれず営業不能になったと、レストランが閉店している。:なにごとかの予兆のようなニュース……?
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/cockroaches-force-eatery-to-close/2130869.aspx?src=enews
東日本大震災の避難所で睡眠導入剤の処方が続出している、というニュース。:薬を飲んででも寝た方がいい、という状況はあると思う。避難所もそうだろう。眠りにくい環境で、眠れない精神状態だからこそ、無理やりにでも寝て身体を休めた方がいいだろうと思う。だけど、誰がその状況に置かれても眠れないだろうと思われる状態を捕まえて「睡眠障害」と称したり、「病気」と呼ばわっていいとは思わない。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110404dde003040002000c.html