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現在、英国の自殺幇助合法化関連の報道がとても多いので、
その他のニュースと分けて、とりあえず目に付いた中から拾っておくことにしました。

【英国の自殺幇助議論関連】


Assisted dying law are ‘great injustice’
BBC Radio 4, January 26, 2010
(労働党のJoffe議員へのインタビュー。愛と思いやりから行う「慈悲殺」と悪意を持って行う「殺人」とが今の法で同じ扱いになっているのはおかしい、と主張)



Assisted suicide – for and against
The BBC, February 1, 2010

York州の枢機卿が、まともな議論もなく、ただ著名人を引っ張り出して煽る自殺幇助合法化キャンペーンを非難。
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/7133126/Assisted-suicide-Archbishop-of-York-attacks-celebrity-campaign-to-change-law.html

ついでに。南アフリカで「自殺幇助」事件。車の運転席に座ったBrett Kebbieさんが頭を後ろから銃で撃たれて死んだ。Glen Agliotti被告は殺人を否定、自殺幇助だと主張している。家族は本人に自殺意思があったことは認めるが、銃で撃たれたかったとは思わない、と。他にも関与した男性が2人いるらしいのだけど、直接引き金を引いていないためか逮捕されていない。
http://www.thestar.co.za/index.php?fArticleId=5335388


【その他のニュース】

男性が胸に乳房のようについた脂肪を摘出する整形手術を受けるケースが英国で急増している。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8487526.stm

Obama政権が、従業員50人以上の企業の被用者医療保険に適用される新ルールで、精神障害の給付範囲を拡大。
http://www.cbsnews.com/stories/2010/01/29/health/main6154995.shtml

統合失調症などの精神障害のリスクが高い人が魚の脂のサプリを3カ月飲み続けたら、発症の確立を4分の1に減らすことができる、という研究結果。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8490937.stm

日本語情報。ハイチの子供たちが臓器目的の人身売買の被害にあっている。:「臓器さえあれば助かる命が、臓器不足のために失われている」というキャンペーンを行う人たちは、この子たちの命については……?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100131-00000504-san-int
2010.02.02 / Top↑
お詫び【2月3日追記】

昨日、アップした以下のエントリーで取り上げたBBCの記事は、
あくまでも風刺として書かれたパロディ記事であることに、今朝気づきました。

発言の人物が特定されていないことに、ちょっと引っかかりは覚えたのですが、
記事のジャンルまでは確かめずに読んでしまったために、現実の記事と混同して書いてしまいました。
お詫びします。

でも、いると思う。起こると思う。
だからこその風刺なんだとも思う。

以下、昨日アップしたままのエントリーを、敢えて未定性のままに。

         -------


祖父はものすごく大きな家を持っています。
大きな家を持っている人は本人が望む時に死んでもいいことにするべきですよ。
自尊心をもってね。それも、とにかく早く、そうしてもらいたいですね。

ターミナルな病気のある金持ちが、尊厳をもって、
その家を私たちにくれることができるようにしてくれないと。

死ぬのを何カ月も延々と引き伸ばされたんではね。
私たちだってチャラにしないといけないクレジットカードの請求書ってものがあるんですから。

反対している人たちだって
金脈の上に座っている親せきが苦しんでいるのに終わりにできないという日が来たら、
それが、どんな気分か分かりますよ。

自分にはどうにもできない腹立たしさって、ないですよ。

自殺幇助を合法化すれば、政府だって相続税という形で、
そういう人たちの財産の分け前をもらえるんだと指摘した人がいたけど、
確かに、そういうことでさ、さっさとやってもらえるといいんだけど。

……てなことをいって(上記は、記事にあった引用の逐語訳です)

年取って病気をしているお金持ちの親族たちから
できれば、今年のクリスマスまでに合法化してほしい、と切望する声が出ているんだそうで。

反対派は
「いったい、どこで線引きするんですか?
おじいちゃんはちょうど風邪をひいてるし、ベントレー持っているから
ちょっとハンマーで頭なぐっちゃおうよ……とでも?」と。




どへぇぇぇぇぇ……。
しばし、言葉を失いました。

ただ、しばしの後に立ち直ってみれば、
ここまで、ひどいことを平然と言える神経には、確かにびっくり仰天するものの、
でも、Gilderdale判決の時にこちらのエントリーでちょっと書いてみたように、
家族って、合法化ロビーや英国メディアがこぞって描きたがっているような
「愛と献身」で麗しいばかりの存在じゃないですよね。実際――。

今まで世界のどこの国も合法化していない近親者による自殺幇助
英国が世界に先駆けて合法化するならば、きっと、こういう殺人や
強要され幇助される自殺が、わんさと起こってくるに違いない。

「でも、どうせ死ぬ人たちだし、世の中の役には立たないんだから、それでも、まぁ、いいじゃん」と
実は考えている人たちが、合法化ロビーの中には一定の割合で交じっているような気がする。
2010.02.02 / Top↑
ベストセラーのSF作家であるPratchette氏は61歳で
アルツハイマー病の患者。

これまでにも自殺幇助は合法化すべきだとの発言をしてきましたが

この度、自殺幇助委員会を作って自殺幇助を望む人の理由やその正当性を判断する仕組みを提言。






2010.02.02 / Top↑
英国では名の知れたテレビのトークショーのホスト
Michael Parkinsonさんが政府の「尊厳大使」に任命されてから1年。

この度、認知症の母親を介護した体験を中心に、
尊厳ある介護の重要性を訴える報告書を刊行した。

英国政府が2月25日を the Dignity Action Day と定め、
尊厳ある介護のための革新的なプロジェクトに対して
5万ポンドの Bright Ideas Grant を出すと発表したことに連動した動き。



尊厳アクション・デイ のサイトはこちら

このサイトから、尊厳アクション・デイの理念を説明してある文章を以下に。
Dignity Action Day gives everyone the opportunity to contribute to upholding people's rights to dignity and provide a truly memorable day for people receiving care. Dignity Action Day aims to ensure people in care are treated as individuals, are given choice, control and a sense of purpose in their daily lives and provide stimulating activities. Dignity Action day asks everybody - members of the public and Health and Social Care staff to give the gift of time. We can all make a difference!

介護を受けている人々が個人として扱われ、
日々の暮らしの中で選択とコントロールと目的意識を与えられることを目的とし……

「いつ、どのように死ぬか」という「選択とコントロール」の話をするのなら、その前に
その人らしく日々の暮らしを最後まで生きるための「選択とコントロール」が
まず保障されるべきだと

Obseverの討論で障害当事者のMorrisさんが言っていたのを思い出した。
2010.02.02 / Top↑
また英国の自殺幇助議論にこの人が出てきた。アルツハイマー病を患う作家のTerry Pratchett氏。
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article7010209.ece?&EMC-Bltn=CFP9L2F

米Wisconsin州の刑務所内でのWaltersによる同房者の自殺幇助事件で、裁判が去年から何度も延期になっている。
http://wcco.com/wireapnewswi/Judge.delays.the.2.1460511.html

ゲイツ財団が今後の10年間で途上国向けのワクチン開発費用として100億ドルを提供する、と発表。:これだけを考えればすばらしいことだとは思うのだけど、その一方に、製薬会社の売れ筋トレンド・ビジネス戦略が精神科薬からワクチンに急転換してきている事実を置いてみると、もうちょっと事態は複雑なのではないか……。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/01/29/AR2010012903953.html

ファッション雑誌で引っ張りだこの皮膚科医が、認可前から先走って“しわとり注射薬”Dysportを宣伝したとして、FDAから警告を受けた。Obama政権になってから、製薬会社の広告のあり方など販促方法についてチェックが厳しくなっている、とのこと。
http://www.nytimes.com/2010/02/01/business/01wrinkle.html?th&emc=th

米国のナーシングホーム5つのうちの1つは、質が悪いとの評価結果。:こういう実態だから「施設は“絶対悪”で、身体改造して人権を侵害してでも家庭介護が“善”」という倒錯した論理になるのか。“Ashley療法”みたいに。その中間の解決策はまったく考慮の外で。人の境遇も事情も様々なのだから、施設で暮らす以外にない人や状況だってある。Ashleyの親だって不死身なわけじゃない。それなら人体改造よりも、施設ケアを改善すること、大型収容型施設から地域での共生型施設の設置を急げ、という声だって出てもいいはずなのに……と3年前からずっと考えている。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/177560.php

これは、とてもいい話。児童虐待で親権をはく奪された親から施設に引き取られて成長する子どもでは、その後、親がどこに行ったか分からなくなって親族はその子どもがいることすら知らないままだったり、大人になっても誰ともつながりのないまま生きていかなければならなくなるケースが多いのだけれど、インターネットを駆使し、警察の聞き込みのような丁寧な調査をすれば、ほとんどの子どもで親せきを見つけてあげることは可能なのだそうだ。実際に、そうした努力を重ねている人たちの追跡記事。米国。:一方、こういう手間と時間と費用のかかる仕事がどんどん許されなくなる時代に向かっている……ということを考える。
http://www.nytimes.com/2010/01/31/us/31adopt.html?th&emc=th

カナダで障害の可能性を知りつつ子どもを産んだ女性が、GPに2度目の診察で、いきなり「もう病院に中絶の予約を取ってあるから行きなさい」と言われたり、他の病院でも、ぎりぎりまで障害の可能性があるなら流産予防はしないと治療拒否された、などの経験と思いをAlberta大学の公開討論で語っている。「障害児は産まないのが当たり前」の医療スタンダード。この討論のタイトルは「生きるに値するのは誰なのか」。
http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2009/01/22/my-doctor-my-child/

オーストラリア首都特別区で裁判をこなしきれない事態が懸念されている。:これ、去年だったか、その前だったかにも、あって、医療の次に破たんしていくのは司法なのか、それは日本でも起こるんだろうか、と考えたことがあった。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/15month-wait-for-trials-to-be-heard/1738076.aspx?src=enews

コンゴの内戦による市民の被害は、ハイチの地震の被害の比ではないのに、地震でも起こらない限り国際社会は興味を持たないのか、とNYTの社説。:すみません。私もニュースタイトルは目にしていたのに、「世界中のいろんなところで無政府状態が出現して、女性と子どもが踏みつけられていっている」という漠然とした懸念以上の興味は持っていませんでした。
http://www.nytimes.com/2010/01/31/opinion/31kristof.html?th&emc=th

オーストラリアのRudd首相が、子どもたちの学力など学校のパフォーマンス情報を公開するサイトを作り、保護者が自分の子どもたちが通う学校の評価をして、そこに反映されるような仕組みを考えている。野党も賛成しているんだとか。:英国でも病院について同じ試みが言及されていたけれど、本当に、医療や教育の分野でそういう方向が正しいんだろうか。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/parents-to-rank-performance/1738708.aspx?src=enews

Obama大統領の一般教書演説で施策の重点が経済対策にシフトしたことを受けて、米国看護協会が、今、医療制度改革を後退させてはならない、と。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/177631.php

Bush前大統領の祖父に当たる人物の会社が企業利益を優先してナチの後押しをしていたという噂がずっとあったらしいのだけど、この度Guardianがそれを裏付ける資料を見つけた、とか。
http://www.guardian.co.uk/world/2004/sep/25/usa.secondworldwar

ハイチの子どもたちを連れだそうとして逮捕された米国の境界団体関係者のニュース。国内に親せきがいる子どもたちで、どこへ連れて行かれようとしているのか本人たちは知らなかった、と。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article7009970.ece?&EMC-Bltn=CFP9L2F

ゴールドマン・サックスの社長に1億ドルのボーナス、との噂。
http://timesonline-emails.co.uk/go.asp?/bTNL001/mCFP9L2F/qLOG9L2F/uM9ZZ6/x19D3L2F
2010.02.01 / Top↑