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オランダと言えば1994年に世界で初めて自殺幇助を合法化した国。
さすがは“尊厳死先進国”と言うべきか――。

オランダの学者・政治家らのグループから
「不治の病で耐え難い苦痛がある人が十分な説明を受けた上での自己決定で」という
現行法の要件を緩和し、

「生きるのが嫌になったから死にたい」と自己決定することなら
70歳以上の高齢者にも自殺幇助を権利として認めよう、と主張する声が上がっている。

4万人以上の賛同署名を集めて議会での議論を求めようと活動を開始したとのこと。

「自殺幇助は専門の研修を受けた医療の専門家が慎重なプロセスを経て行うのだから
それが高齢者虐待につながることはない」

「今の法律を作る際にも濫用が起きると言われたが、
実際には起きていないじゃないか」と。



グループの中にフェミニストの方が含まれていて
自己決定権の重要さを説いていることに、個人的には目を引かれました。

ものすごく広い意味では自分もフェミニストの一人だと考えているので、
本来あってしかるべき権利を与えられていないという不当な状況に抗い、
自己決定権をもぎ取るために壮絶な戦いを強いられてきたフェミニストにとって
自己決定権に他の立場からは想像できないほどの重みがあることは理解できるのですが、

女性に未だ十分に認められていない権利は自己決定権以外にも沢山あって、
医療や介護において男性と同等のサービスを受けることができていないという
調査結果もある。

男性を「ケアされる者」とし女性を「ケアする者」と無意識に位置付ける
社会の姿勢だって、別に日本だけの話じゃない。

そういうことをそのままにしておいて「死の自己決定権」だけを求めるのでは、
逆にすべての不十分や不平等が是認されてしまうことになるのではないのか、と思う。



【15日追記】
この人たち、議会に審議を求めるため必要な4万人以上の署名を集めたとのことです。


【3月9日追記】
なんと、人口1600万人の国で、現在112500人が署名とのこと。
ただ、医師でない人に研修をさせて幇助させようという提案で、
医師の関与がなくなることから医師会は反対。

2010.02.10 / Top↑
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