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2006年8月にヘロインの過量摂取の後遺症から重症障害を負った女性
Lauren Richardson(24) の栄養と水分の供給を巡って、
その停止を裁判所に申し立てている法定後見人(legal guardian)である母親と
それに反対する父親が激しく対立しているケース。
(2人は既に離婚)

Lawmakers ‘verdict: ‘Don’t starve woman’
‘It is against the public policy of this state for nutrition to be involuntarily removed’
World Net Daily, July 3, 2008

Father: ‘System’ killing my disabled daughter
‘If they had treated a dog this way, they would be doing jail time’
World Net Daily, July 19, 2008


父親は
娘には自分の意思で身体を起こそうとしたり
言葉を話そうとする様子もあり、意思疎通が出来る、
メディケアで多額の費用を使ってナーシングホームに入れなくても
自宅で自分が面倒を見ればお金もかからない、と主張、

(米国の介護給付は現在ナーシングホームでの入所介護しか対象になっていないため、
 現在、障害者団体では在宅介護サービスでも使えるように法改正を求めています。)

「娘は制度によって殺されようとしている。
囚人だってこれほど酷い扱いは受けない。
 犬に同じことをしたら犯罪になるはずだ」と。

Delaware州の上院議会はこのケースを機に
「自分で意思決定することが困難な、ターミナルでない患者から
栄養と水分の供給を本人の意思によらずに引き上げて死に至らしめることは
この州のpublic policyに反する」と決議。

栄養と水分の供給を差し控える条件として
1)法的意思決定の能力がある患者から明白な書面での意思表示がある。
2)現在意思決定能力を失っている患者が予めの事前意思によって
このような状況下での差し控えを認めている、または
代理者(? agent authority)に決定する権限を与えている。

議会が根拠としているのは
世界人権宣言と米国障害者法。

また、
重い脳損傷のある人は
医学がこれまで考えてきた以上に認知機能を有する場合が多いことが
だんだん明らかになってきた

最近の科学が植物状態とする状態は
以前に言われてきたよりも不確かで、以前より広い範囲を含み
反応のある人まで誤診されていたり、意識があることが確認されるケースも含まれている」とも。

重要な指摘だと思います。

19日の記事では、Laurenさんが植物状態であるかどうかについて
裁判所が医師の判断を求めるのではないかとされていますが、

2本の記事にあるビデオでは、私には
Schiavoさんがそうだったように、ただ重症の障害があるだけだとしか思えません。

一体いつから重度障害は植物状態に摩り替わってしまったのか……。

しかも、それを理由に裁判所が
こういう人は餓死させていいと決めていくのだとしたら
それはLaurenさんの父親が言っているように社会制度による殺人ではないのか?

2008.07.21 / Top↑
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