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自宅から歩いて3分のコンビニに行った時のこと。

駐車場に足を踏み入れようとした瞬間、
車道からマイクロバスが入ってきて目の前に止まった。
中には明らかにアジア系の外国人男性が10数人。

駐車場のどこかから寄ってきた男性が1人、開いたドアから早速に乗り込んでいく。
と、また1人、どこかから現われてドアに手をかける。

そういえば車で5分くらいのところに菓子メーカーの工場がある。
マイクロバスがラインで働くパート女性を拾っていくのを見たことが何度かあるので、
瞬間的に「ああ、○○食品のバスだ」と思ったのだけれど、

バスのお尻を回りこむ格好で駐車場を横切りながら見たら、
バスの横っ腹にあるはずの○○食品のロゴがない。
それどころか何も書いてない無印のバス。
よく見るとオンボロで、なんとも薄汚い──。

そういえば○○食品のバスが拾っているのはパート女性だった。
それに時間も朝だった。今は夕方の6時半──。

若いのばかり、アジア系の外国人男性を詰め込んで
バスはさっさと出て行った。

どこへ──?
何の仕事に──?

たまたま、「反貧困 ──「すべり台社会」からの脱出」という本で
10時間休憩なしという深夜の弁当工場の過酷な労働実態を
読んだばかりだったからかもしれないけど、

あのバスが向かっている場所には
無印の薄汚いバスでしか迎えにこれないような
もしかしたら私の想像の範囲を超えた“仕事”が
彼らを待っているのかもしれない……という気がして、

文化も言葉も異なった国にはるばるとやってきて、
夕方から無印のバスで拾われて仕事に出かけていく人たちの生活が
こんな田舎町の片隅の、自分の日常に隣り合って存在するということに
ちょっと足元をすくわれたような気分になった。
2008.06.04 / Top↑
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