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なんでメディアはいつも、こんなふうにミスリーディングなタイトルを打つのか
私は腹立たしくてならないのですが、

記事タイトルは「世論調査『慈悲殺を支持』」。

でも、ですね。ちゃんと読んでみると、
BBCのドキュメンタリー番組でGilderdale事件を特集し、
その中で約1000人に調査を行ったところ、
ターミナルな状態の人の自殺幇助が友人・親族には認められるべきだと
いう意見の人が73%だったのだけれども、

Gilderdaleさんの娘Lynnさんのように
ターミナルではない病気の人への自殺幇助についても
友人・親族に認められるべきだと答えた人は48%。



もちろん48%はショッキングな高率です。
しかし、48%で、どうして「世論は支持」とタイトルを打てるのか。

また、調査では自殺幇助について聞いておいて、
どうして「慈悲殺を支持」とタイトルを打てるのか。

それに、いちいち確認するエネルギーも時間もないけど、
こういう「調査」で実際の質問を調べてみたら、
ものすごく大雑把で誘導的なものが多いのも事実。

ちなみにPAは、同じBBCの調査を取り上げた記事に
「自殺幇助に世論二分」と正確なタイトルを打っています。


【2月1日追記】
Daily Telegraph紙も世論調査を行っていて、こちらは
「5人に4人が近親者の自殺幇助は訴追するな、と」だそうです。


               ----

英国での報道を追いかけていると、
メディアが合法化に向けて世論誘導を行っているとしか思えなくて、
本当にハラハラ、イライラしてしまうのですが、

これと同じことは去年の脳死・臓器移植法改正議論の際に
日本でも行われていました。

今回の小沢氏の問題でも、妙な情報操作がやたらと目につきます。
(なんで小沢氏の後援会だけが「資金管理団体」なのか私はずっとわからなくて……)

だいたい、
「科学とテクノ」や「弱者切り捨て医療推進」にとって都合が悪い海外ニュースが
日本ではとんと報道されないこと自体、てんで、おかしい。

Ashley事件に見られるように、英米のニュース・メディアはもはや
権力の番犬として機能することができないで、しっぽを丸め、口を閉ざしている。
地方行政や障害者の人権擁護団体までが、本来の機能を放棄して
権力の側に取り込まれ、平然と「パートナー」をやっている。

第2のシリコンバレーと言われる米国Washington州シアトルで起こっていることは
世界中で起こっていることに当然つながっているのだから、
日本でも同じような事態が進行していないわけがない。
ただ、日本では私たちに見えにくくされているだけで。

メディア・リテラシーという言葉をどこかで見ましたが、
ニュースの行間や背景をちゃんと読み説くための読解力というものが
必要になってきている時代のような気がします。

そして、「ないニュース」は
「そのニュースがないこと」そのものが見えにくくなるのだからこそ、
「なぜ、そのニュースはないのか」ということの意味を
日本にいる我々は、もっと考えなければならないのでは……? と思う。




2010.02.01 / Top↑
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