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以前、以下のエントリー


で、遺伝子治療の治験で死者が出たケースを取り上げましたが、

NIH(国立衛生研究所)の調査報告が来週12月3日に出るのに先駆けて、
FDAがこの研究の再開を許可したとのニュースが。

Gene Therapy Study Is Allowed to Resume
the Washington Post (11月26日)

被験者の死因が
遺伝子を運ぶために使われたウイルスによるものではないため再開だというのですが、

被験者の夫にはこの決定は知らされていませんでした。
その他にも不可思議だと思うのは、

Targeted Genetics社が
「今後は熱がある被験者に注射は行わない」
との改善点を挙げている他には、
被験者の死が報じられた際に指摘された
研究の手続き上の問題点について、
なにも説明されていないこと。

8月に指摘された問題点とは、例えば

・もともと連邦遺伝子組み換え諮問委員会に諮られた際に、
インフォームドコンセント用資料における説明の不十分をはじめ、
いくつもの疑問が指摘されていた点。

・患者の関節炎の治療を担当している主治医が実験への参加を促した点。
(参加者を募ることで利益を得る医師が自分の担当患者を誘っては、利害が衝突する。)

・インフォームドコンセント用の説明資料を手渡したその場で
同意書にサインさせている点。

・実験のデザインを審査する審査委員会が
Targeted Genetics社に雇われた民間企業であった点。


-----------

Targeted Genetics社のHPにも11月26日付でその後の経過報告がアップされているので、
それを覗いてみると、

同社のCEOは死亡した被験者と家族に対して遺憾の意を表明した後で、

死因は実験で使われたウイルスによるものではないとしながら、
同社は今後もFDAと独立したデータ安全監査委員会と協力して
なるべく早く深刻な反作用の原因究明に努める、
と述べています。

ということは、
実験の反作用で死んだことは認めているということではないでしょうか?

それなのに、どうして実験が再開されるのか????

また、同じ文章の後半は、
この実験については既にあちこちの学会で中間報告が行われ、
治療の可能性が評価されているといった内容になっています。

まるで、被験者が1人死んだことなど、
取るに足らない些細な出来事ででもあるかのように。
2007.11.26 / Top↑
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