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昨日のエントリーOregon州にDignitasの米国版かで紹介した
Dignity Houseについての続報です。


オレゴン医療委員会は8対0の全会一致で
Weisberg医師(37)の医師免許を差し止めました。

以下の記事によると、同医師は中毒患者の治療を専門に行ってきた精神科医で、
2006年には7人の患者に向精神薬を不適切に処方したことに対して5年間の処分を受け、
臨床メンター(つまり見張り役ですね)をつけられており、

その間にも、医療マリファナの使用を認めるカードを中毒者に発行したり、
不適切な薬の処方があった、とのこと。

Kevorkian医師に鼓舞されたと本人は言っている。

Weisberg医師が立ち上げたDignity Houseの公式サイトがこちら。

Oregon Medical Board suspends doctor who wants to open a Portland facility where the terminally ill can die under the assisted-suicide law
The Oregonian, June 24, 2010


ところで、この公式サイト、
すごいのは料金一覧のページがあって、

まぁ、その、いちいち詳細なこと。また、いちいちセコイこと。

以下、オプションを中心に、その大まかな内訳です。

受診料(メディケアの人は上限あります)と、
カメラ撮影、ハウスの滞在費(光熱費はハウス持ち。コインランドリーあります)が必須。

(支払い方も詳細に指定)

その他はオプションで、

セキュリティ要員をつけたければ
チェックイン日は午後2時から6時、
チェックアウト日は午前9時から午後1時の8時間で400ドル。

お食事は朝昼夕で400ドル。
朝昼25ドル、夕食50ドルで追加も可能です。
朝食は8時、昼食11時半、夕食は5時半にご提供。

最後の看護は、終末期医療専門看護師4時間か、
専門訓練を受けていない看護師の8時間のいずれかを選択できます。
料金はどちらを選んでも、同じく400ドル。

報道向けに広報担当者が必要なら、美容師資格のある担当者を8時間おつけします。
400ドル。

音楽をご希望なら21時間のご滞在の間に200分間プロによるピアノ演奏を2回。
400ドル。ただし、シンフォニーのみでリクエストはできませんが、
素晴らしい演奏を保障します。

お花とシーツ類をご希望なら、
我が家の庭で私の妻が育てたお花を届けます。なにしろ我が妻ヘザーの保証付きですよ。
レンタルのシーツの上で死にたい人はいませんよね。
両方込みで、400ドルです。

私は通常、尊厳死法での自殺幇助にそういうことをしませんが、
最後の瞬間に付き添ってほしければ、私と私の愛犬が
3時間、付き添って差し上げます。1200ドル追加ね。
時間帯も午前7時から10時か、午後6時から9時か、選択可能。

しかも、上記サービスを全部ご利用いただいた場合には破格の値引きで、
なんと、私とワンコの付き添いは半額の600ドルに!



これには、さしものDignitasのMinelliもびっくりかも――。

アタマも人間性も相当に悪い医師が、

(だって、この人、自分の愛する妻とペットは
世の中のすべての人に愛されるはずだと信じて疑っていないんですよ。
なんです? その、自己中心性というか幼児性というか、は?)

ただただゼニを儲けたいだけに、己の欲に目がくらんだ壮大なカン違いで
計算機をパシャパシャやりながら、

類が呼んだ友の、それぞれのオプション担当者(名前がちゃんと挙げられている)と
取り分割合を交渉しつつ、作ったんでしょうね。

たぶん葬儀屋のオプションだらけの料金一覧を念頭にね――。


【追記】
アップした直後に頭に浮かんだのですが、
医療委員会がこの医師の免許を差し止めたのは、倫理判断であって、

Weisberg医師のj自動販売機的自殺幇助クリニックのアイディアも
このセコい、オプションのサービス提供システムだって、
尊厳死法に照らして違法行為だという訳ではないのでは……?

だとすると、そこのところには、
しっかり、じっくり考えなければならない問題がある、と思う。
2010.06.25 / Top↑
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