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Margo McDonald議員提出の自殺幇助合法化法案 End of Life Assistance Billを巡って
議会がヒアリングを実施中のスコットランドで、
元GPから非常に印象的な証言が出ている。

(同法案についての詳細はこちらのエントリーの末尾にリンク一覧)

証言したのは、
現在は死の権利協会世界連盟(World Federation of Right to Die Societies)で働く
元GPのDr. Rob Jonquiere。

「私は現役の頃は一般臨床医でした。安楽死を行ったことがあります。

安楽死させてほしいという要望が医師にとって最も困難なものだということは
元の同僚たちからも聞いています。

『生きているより死んだ方がいいんです。お願い』と患者から言われると、医師は怯えます。
 そんなことはしたくないから」

「みんな怖がっている。一人の人の命を終わらせるなんて、医師だって怖いんです。
その人が明日にも回復する可能性だってあるかもしれないのだから」

Right to die ‘is hard for doctors to face’
Scotsman.com, September 8, 2010


なお、カナダ、ケベック州でも各地を回っての意見聴取が行われており、
だいたい、これまでどこかで聞いたような賛否の議論が展開されているようですが、

反対意見の医師の一人が、
「実際に殺す人の罪悪感をどうしてくれるのか」という趣旨の発言をしており、
上記スコットランドの医師の発言と重なって印象的です。

Quebec euthanasia inquiry hears quelling tales of suicide
The Globe and Mail, September 7, 2010


合法化されるということは、
こういう感情や意識を、医師も社会全体もかなぐり捨てようと申し合わせることであり、

「一人の人の命を奪う」という行為の重大性に対して
感覚を麻痺させていくということであり、

それを、社会全体として、よしとすることでもある。

そのことの意味は、
もうちょっと慎重に考えられるべきではないのか、と思う。


          ――――――

すべり坂の懸念に対して
「既に法制化した国ではそんな問題は起きていないじゃないか」というのは
英国のDebbie Purdyさんをはじめ、多くの合法化アドボケイトからの反論の定番で、
スコットランドでも、そういう声が出ているようですが、

最近、明らかになってきた、”先行”国の実態を以下に。
いずれにおいても、セーフガードは機能していない模様です。


【ベルギー】
ベルギーでは2002年の合法化以来2700人が幇助自殺(2009/4/4)
幇助自殺が急増し全死者数の2%にも(2009/9/11)
ベルギーにおける安楽死、自殺幇助の実態調査(2010/5/19)

【オランダ】
去年の安楽死・幇助自殺2300人のオランダで自殺幇助アドボケイトに10カ月の禁固刑(2009/5/3)
オランダで「70以上の高齢者には自殺幇助を」と学者・政治家ら(2010/2/10)
オランダで安楽死が急増し保健省が調査。緩和ケアの崩壊も(2010/6/21)
幇助自殺者が毎年1割ずつ増えるオランダで「安楽死クリニック」求める声(2010/8/12)

【米国】
Oregon尊厳死法による自殺者増加(2008/3/21)
オレゴンの自殺幇助4人に1人はウツ病や不安症の可能性(2008/10/11)
オレゴンの自殺幇助ほぼ全員がホスピス・ケアを受けていた、という怪(2009/3/20)
OR州の「尊厳死」:97%にC&Cが関与、たった20人の医師がせっせと処方(2010/3/11)
OR州の尊厳死法は「陰謀と操作」と医師団体から批判(2010/3/26)
オレゴン州の尊厳死法、セーフガードは機能せず(2010/8/17)

WA州とOR州における尊厳死法の実態(2009/7/6)
WA州とOR州の2009年尊厳死法データ(2010/3/5)
2010.09.08 / Top↑
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