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このところシンクタンクの報告書が相次いでいます。
こちらも議会に向けて報告されたもの。

オレゴン型の尊厳死法によって医師による自殺幇助を合法化した場合、
英国では毎年1000人が死ぬだろうと試算。

ターミナルな病状の人に限るというセーフガードは
拡大解釈で実施する医師が出てくるから用を成さない、

Oregonでは対象者要件を適当に勘案してくれる医師を求めて
ドクター・ショッピングが起こっており、その結果、
ただのうつ状態の人にまで自殺幇助が行われている。

件数も98年の24件から昨年の95件と4倍になっており、
1万人の死亡者あたりでいえば19.3人にあたる。

同様の法律で合法化すれば
イングランドとウェールズで毎年948人、スコットランドで104人、
合計で英国での幇助自殺件数は1052件に上るだろう、と。

久々にFinlay議員の名前を見たと思ったら
この報告書は緩和ケア医である同議員が
Carlile議員など医師や法曹関係者らを募って立ち上げたシンクタンク
Living and Dying Wellによるものだった。

(去年ニュースに頻繁に登場していた際には、Finlay議員は
良い死に方を考える超党派の議員グループを率いていたので、
そこからさらにシンクタンクの立ち上げへと運動を展開したのかもしれません)

Suicide law in UK ‘would lead to 1000 deaths a year’
The Daily Maill, October 25, 2010


【Baroness Finlay(Baroness は女性議員の称号と思われます)関連エントリー】

英国医師会、自殺幇助に関する法改正支持動議を否決(2009/7/2)
BMJの副編が「生きたい障害者が死にたい病人のジャマするな」(2009/9/6)
Campbellさん率いる障害者団体連合が自殺幇助ガイドラインを批判(2009/12/22)
Warnock, Finlay, Purdy他が自殺幇助で円卓討論(2010/1/31)


【米国の尊厳死法のセーフガード関連エントリー】
Oregon尊厳死法による自殺者増加(2008/3/21)
オレゴンの自殺幇助4人に1人はウツ病や不安症の可能性(2008/10/11)
オレゴンの自殺幇助ほぼ全員がホスピス・ケアを受けていた、という怪(2009/3/20)
OR州の「尊厳死」:97%にC&Cが関与、たった20人の医師がせっせと処方(2010/3/11)
OR州の尊厳死法は「陰謀と操作」と医師団体から批判(2010/3/26)
オレゴン州の尊厳死法、セーフガードは機能せず(2010/8/17)

WA州とOR州における尊厳死法の実態(2009/7/6)
WA州とOR州の2009年尊厳死法データ(2010/3/5)
2010.10.26 / Top↑
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