2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
Nan Maitlandさん(84)は元作業療法士で
英国でthe Society for Old Age Rational Suicide (SOARS)という
(ターミナルであるかどうかに限らず)高齢者の自殺幇助合法化活動団体の創設者。

3月1日にスイスのDignitasで自殺。

長年、関節炎に苦しんではいたが、特に重病があるわけではなかった。
去年10月にはオーストラリアで開かれた「死ぬ権利」の国際会議に出席した。

友人に宛てた手紙には
「多くの人が死ぬ前に不運にも経験する、
時に“長期に渡る衰弱期”とも呼ばれる長い下降期間」を避けたいための決断だ、と説明。

また、
「もう何年か、私の人生には喜びよりも苦痛の方が多く、
これからは月ごとに苦しみが増え喜びが減っていくでしょう。
先にどんな恐ろしいことが待っているか怯えながら
一日一日を暮らさなくてもよくなると思うと、大きな安堵を感じます」

「素晴らしい人生でした。
自分で選んだ時に死ねて幸運です」とも。

スイスでの自殺前夜には5つ星ホテルのレストランで
友人たちと3時間のディナーを楽しみ、最後の日の朝には
運転手つきリムジンで医師の診察を受けに行った。

死に臨んでも冷静で、致死薬を飲む15分前に
ツメがささくれているからといって、
やすりをかけてもらったという。

英国の合法化反対ロビーCare Not Killingは
「現行法を改正すると、家族や介護者や国家のお荷物にならないように自殺しろと
弱者に対してプレッシャーがかかる」。

また反対運動を続けている緩和ケア医のFinlay上院議員は
「これは拡大解釈です。(こんなに拡大していけば)一体どこで止めるんですか?
自殺するのではなく、生き続けたいとか介護してほしいと望む人が
利己的な人だということになってしまう危うさがある」と。

Woman kills herself to avoid old age
The Australian, April 3, 2011

British woman kills herself at Swiss suicide clinic to avoid ‘prolonged dwindling’ of old age
The Daily Mail, April 3, 2011



【英国人のDignitasでの自殺事件エントリー】
スイスDignitasで幇助自殺とげた英国人100人に(2008/10/3)
息子をDignitasで自殺させた両親、不問に(英)(2008/12/10)
「病気の夫と一緒に死にたい」健康な妻の自殺をDignitasが検討中(2009/4/2)
Dignitasに登録の英国人800人(2009/6/1)
これまでにDignitasで自殺した英国人114人の病名リスト(2009/6/22)
英国の著名指揮者夫妻がDignitasで揃って自殺(2009/7/14)
またしても著名英国人音楽家がDignitasで自殺(2009/9/20)
Dignitasの内部をGuardianが独占取材(2009/11/19)
国別・Dignitasの幇助自殺者、登録会員数一覧(2010/3/1)
また英国の著名人がDignitasで自殺:Purdyさんと同じ多発性硬化症(2010/4/1)
リッチな英女性のDignitas死に財産がらみの不審か、警察が捜査に(2010/4/14)


【Finlay議員関連エントリー】
英国医師会、自殺幇助に関する法改正支持動議を否決(2009/7/2)
BMJの副編が「生きたい障害者が死にたい病人のジャマするな」(2009/9/6)
Campbellさん率いる障害者団体連合が自殺幇助ガイドラインを批判(2009/12/22)
Warnock, Finlay, Purdy他が自殺幇助で円卓討論(2010/1/31)
「PAS合法化なら年1000人が死ぬことに」と、英シンクタンクが報告書(2010/10/26)
英国上院に自殺幇助に関する検討委員会(2010/11/30)
2011.04.03 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://spitzibara.blog.2nt.com/tb.php/2385-9225e7ee