9月5日、世界医師会(WMA)と
健康と人権組織国際連盟(?)International Federation of Health and Human Rights Organisationsが
強制不妊は身体的、精神的な健康を甚だしく損ない、
生殖を巡る自己決定権と人権を侵害する暴力であると弾劾。
不妊手術はインフォームド・チョイスが保障される限り、
一定の年齢に達した人には避妊の選択肢の一つとして認められるべきではあるが、
その不可逆的な性格と結果の及ぼす重要性と同時に、
障害者や周辺化された人々に強制的に行われてきた歴史に鑑み、
インフォームド・コンセントを確実に保障する特別な配慮が必要である。
強制不妊は生殖権と人権の明らかな侵害であり、
被害者にはHIV感染者の女性、ルーマニア(?)や先住民の女性、
精神障害・知的障害のある女性、トランスジェンダーの人たち、麻薬中毒の女性や
その他、弱者とされる人々。
こういう人たちに形だけ同意させるために、その弱みにつけこんで
同意しなければ治療してやらないと交換条件にしたり、
カネやモノや心理的・社会的なインセンティブで釣ったり
不妊を受けなければ不利な扱いを受けるように思わせたりしてはならないし、
特に医療職にはこれらの義務を十分に周知・遵守させなければならない。
世界医師会の会長は
IFHHROのトップは
Global Bodies call for end to Forced Sterilisation
WMA, September 5,, 2011
当ブログが詳細に追いかけてきたAshley事件も、また同事件が英国に飛び火したKatie事件も
知的障害児の強制不妊が関わっている事件です。
2つの事件を追いかける過程で出会って詳細を調べた同様のその他事件として以下のものがあります。
【イリノイのK.E.J.事件】
イリノイの上訴裁判所 知的障害助成の不妊術認めず(2008/4/19)
IL不妊手術却下の上訴裁判所意見書(2008/5/1)
ILの裁判からAshley事件を振り返る(2008/5/1)
ILの裁判から後見制度とお金の素朴な疑問(2008/5/1)
IL州、障害者への不妊手術で裁判所の命令を必須に(2009/5/29)
【オーストラリアのAngela事件】
豪で11歳重症児の子宮摘出、裁判所が認める(2010/3/10)
Angela事件(豪):事実関係の整理(2010/3/10)
Angela事件の判決文を読む 1(2010/3/11)
Angela事件の判決文を読む 2(2010/3/11)
重症児の子宮摘出承認でダウン症協会前会長・上院議員が検察に行動を求める(豪)(2010/3/13)
これらリサーチに引っかかってきた医療職サイドの見解などは ↓
知的障害者不妊手術に関するD医師の公式見解
女性の不妊手術に関する意見書(米国産婦人科学会)
不妊手術に関する小児科学会指針
英医師会の後見法ガイダンス
知的障害のある子どもへの不妊手術:06年オーストラリアの議論(資料)(2011/2/16)
また、これら当ブログのテーマの周辺で拾った強制不妊事件に関するエントリーは
去年3月の段階で一度、以下に取りまとめました ↓
知的障害・貧困を理由にした強制的不妊手術は過去の話ではない(2010/3/23)
その後、
ナミビアでHIV感染女性への強制不妊手術に抗議デモ(2010/6/2)
コンドーム生産国日本の家族計画国際協力がペルーの強制不妊に繋がった?(2010/8/17)
英国で知的障害女性に強制不妊手術か、保護裁判所が今日にも判決(2011/2/15)
また米国では、いくつかの州で過去の強制不妊の歴史に謝罪や賠償の動きがあり、
MN州、100年に及ぶ差別的施策を障害者に公式謝罪(2010/6/15)
MN州の公式謝罪から「尊厳は無益な概念」を、また考えてみる(2010/6/17)
NC州で、かつての強制不妊事業の犠牲者への補償に向け知事命令(2011/3/21)
NC州の強制不妊事業の犠牲者への補償調査委員会から中間報告書(2011/8/15)
なお、現在、人口抑制を国際的な課題とするゲイツ財団の気になる動きについては ↓
ゲイツ財団資金で超音波による男性の避妊法を開発、途上国向け?(2010/5/12)
ゲイツ財団がインドのビハール州政府と「革新的な家族保健」の協力覚書(2010/5/17)
2010年5月29日の補遺:G8での途上国の母子保健関連記事。ここでも「家族計画」に言及。
ゲイツ財団が途上国の「家族計画、母子保健、栄養プログラム」に更に150億ドルを約束(2010/6/8)
「途上国の女性に安価な薬で簡単中絶“革命”を」の陰には、やっぱりゲイツ財団(2010/8/3)
健康と人権組織国際連盟(?)International Federation of Health and Human Rights Organisationsが
強制不妊は身体的、精神的な健康を甚だしく損ない、
生殖を巡る自己決定権と人権を侵害する暴力であると弾劾。
不妊手術はインフォームド・チョイスが保障される限り、
一定の年齢に達した人には避妊の選択肢の一つとして認められるべきではあるが、
その不可逆的な性格と結果の及ぼす重要性と同時に、
障害者や周辺化された人々に強制的に行われてきた歴史に鑑み、
インフォームド・コンセントを確実に保障する特別な配慮が必要である。
強制不妊は生殖権と人権の明らかな侵害であり、
被害者にはHIV感染者の女性、ルーマニア(?)や先住民の女性、
精神障害・知的障害のある女性、トランスジェンダーの人たち、麻薬中毒の女性や
その他、弱者とされる人々。
こういう人たちに形だけ同意させるために、その弱みにつけこんで
同意しなければ治療してやらないと交換条件にしたり、
カネやモノや心理的・社会的なインセンティブで釣ったり
不妊を受けなければ不利な扱いを受けるように思わせたりしてはならないし、
特に医療職にはこれらの義務を十分に周知・遵守させなければならない。
世界医師会の会長は
残念なことに世界中で強制不妊のケースは報告が続いています。本人の知らない内に行われていたり、コンセントの機会もなしに行われていたりしています。
これは医療の誤用であり、医療倫理違反、明らかな人権侵害です。我々は全ての医師と医療職とに、自国政府に対して強制不妊を禁じるよう働きかけることを求めます。
IFHHROのトップは
医療職には、いかなる医療行為についても自己決定権とインフォームド・コンセントの権利とを尊重する義務があります。また患者の尊厳、プライバシー、自己決定を尊重する責任があり、そこには家族計画を含めセクシュアリティーとリプロダクティブ・ヘルスに関するすべての事柄について、強要や差別や暴力を受けることなく決定を行う権利も含まれます。子どもを産むかどうか、いつ産むかを自分で決定する権利と、その権利を行使する方法へのアクセス権も含まれます。
Global Bodies call for end to Forced Sterilisation
WMA, September 5,, 2011
当ブログが詳細に追いかけてきたAshley事件も、また同事件が英国に飛び火したKatie事件も
知的障害児の強制不妊が関わっている事件です。
2つの事件を追いかける過程で出会って詳細を調べた同様のその他事件として以下のものがあります。
【イリノイのK.E.J.事件】
イリノイの上訴裁判所 知的障害助成の不妊術認めず(2008/4/19)
IL不妊手術却下の上訴裁判所意見書(2008/5/1)
ILの裁判からAshley事件を振り返る(2008/5/1)
ILの裁判から後見制度とお金の素朴な疑問(2008/5/1)
IL州、障害者への不妊手術で裁判所の命令を必須に(2009/5/29)
【オーストラリアのAngela事件】
豪で11歳重症児の子宮摘出、裁判所が認める(2010/3/10)
Angela事件(豪):事実関係の整理(2010/3/10)
Angela事件の判決文を読む 1(2010/3/11)
Angela事件の判決文を読む 2(2010/3/11)
重症児の子宮摘出承認でダウン症協会前会長・上院議員が検察に行動を求める(豪)(2010/3/13)
これらリサーチに引っかかってきた医療職サイドの見解などは ↓
知的障害者不妊手術に関するD医師の公式見解
女性の不妊手術に関する意見書(米国産婦人科学会)
不妊手術に関する小児科学会指針
英医師会の後見法ガイダンス
知的障害のある子どもへの不妊手術:06年オーストラリアの議論(資料)(2011/2/16)
また、これら当ブログのテーマの周辺で拾った強制不妊事件に関するエントリーは
去年3月の段階で一度、以下に取りまとめました ↓
知的障害・貧困を理由にした強制的不妊手術は過去の話ではない(2010/3/23)
その後、
ナミビアでHIV感染女性への強制不妊手術に抗議デモ(2010/6/2)
コンドーム生産国日本の家族計画国際協力がペルーの強制不妊に繋がった?(2010/8/17)
英国で知的障害女性に強制不妊手術か、保護裁判所が今日にも判決(2011/2/15)
また米国では、いくつかの州で過去の強制不妊の歴史に謝罪や賠償の動きがあり、
MN州、100年に及ぶ差別的施策を障害者に公式謝罪(2010/6/15)
MN州の公式謝罪から「尊厳は無益な概念」を、また考えてみる(2010/6/17)
NC州で、かつての強制不妊事業の犠牲者への補償に向け知事命令(2011/3/21)
NC州の強制不妊事業の犠牲者への補償調査委員会から中間報告書(2011/8/15)
なお、現在、人口抑制を国際的な課題とするゲイツ財団の気になる動きについては ↓
ゲイツ財団資金で超音波による男性の避妊法を開発、途上国向け?(2010/5/12)
ゲイツ財団がインドのビハール州政府と「革新的な家族保健」の協力覚書(2010/5/17)
2010年5月29日の補遺:G8での途上国の母子保健関連記事。ここでも「家族計画」に言及。
ゲイツ財団が途上国の「家族計画、母子保健、栄養プログラム」に更に150億ドルを約束(2010/6/8)
「途上国の女性に安価な薬で簡単中絶“革命”を」の陰には、やっぱりゲイツ財団(2010/8/3)
2011.09.12 / Top↑
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