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英国 Shrewbury在住の Sara Thomasさん(17)が
ロンドンオリンピックの聖火リレー・ランナーの一人に決まった。

Saraさんは両親の介護をしている。
特にMSの母親の介護が中心。

12歳の時にYouTubeに動画を投稿してヤング・ケアラーの問題を訴えて以来
そうした発言を続けてきており、

首相とヤング・ケアラーの面談にも招かれ、施策提言を行ったことがある。

Saraさんが走るのは5月24日。

Olympic torch to be carried by Shrewbury carer
BBC, December 8, 2011


英国内17万5000人とも言われる(70万人というデータも)ヤング・ケアラーですが
昨今の社会保障費削減のあおりで彼らへの支援もカットされつつあります。

この話題を機に、問題意識が高まりますように。


なお、Saraさんがキャメロン首相と面談したのは
去年11月にBBCが行った若年介護者キャンペーンの一環。

それについては、以下の連載で簡単にまとめました。Saraさんにも言及あり ↓

英国BBCが若年介護者特集
「介護保険情報」2011年1月号 連載「世界の介護と医療の情報を読む」

この時に読んだ記事によると、
Saraさんは7歳の時からMSの母親の介護と家事をになっており、
4年前からは関節炎の父親にも介護が必要となったとのこと。

「私のような子どもはどうしたら大学に進学できるのですか」と
キャメロン首相に率直な質問をぶつけています。

この記事の最後に、私は以下のように書きました。

 

連立政権が社会保障全体の予算削減方針を打ち出している中、こうした介護者支援施策が今後どのように展開されていくのか気になるところだ。医療や福祉が 患者や高齢者や障害者のところで切り捨てられていけば、必然的に、その周辺にいる子どもたちに負担がのしかかっていくだろう。
 それを思う時、同じような経済苦境下の日本で若年・子ども介護者の存在が今なお可視化されていないことが案じられる。



なお、話がさかのぼりますが
spitzibaraが07年に初めて若年介護者について知って書いた連載記事はこちら ↓

英国介護者週間
「介護保険情報」2007年8月号 連載「世界の介護と医療の情報を読む」

この記事の最後に私は以下のように書きました。

若年介護者については、近年の英国の動きを受けて米国でも米国介護連合NACが 2003年に初の若年介護者全国調査を実施。05年にまとめられた詳細な報告によると、米国でも8歳から18歳の若年介護者が130万人程度おり、未支援 のまま重い介護負担に苦しんでいると見られる。NACの報告書は、英・豪・NZなど若年介護者支援先進国の施策に学び、早急に支援を整備すべきだと締めく くっている。

日本で「若年介護者」という言葉すら聞かないのは、わが国には介護者役割を担う子どもが存在しないからなのだろうか……?



07年に書いた最後の2行、
今もう一度ここで声を大に繰り返したいので、ゴチックにしてみました。


また、その他、これまでに同誌の連載で介護者支援関連で書いたものは
去年、介護者支援シリーズにとりまとめました ↓
英国の介護者支援
英国のNHS検証草案と新・全国介護者戦略
米国 家族介護者月間
障害のある子どもを殺す母たち
NHSの介護者支援サイト Carers Direct

【その他、最近の関連エントリー】
「障害児とその親」支援と「障害者と介護者」支援がシームレスでない、という指摘(英)(2011/9/9)
英国のチャリティが介護者実態調査、「往診で介護者の健康チェック、介護ノウハウ研究と支援用具、それからレスパイトを(2011/9/16)
2011.12.11 / Top↑
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