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ゲイツ財団、UNICEF、WHO、世界銀行などが作っている
Global Alliance for Vaccines and Immunization(GAVI)がベトナムでフォーラムを開催。

400もの個人、団体、国が参加した。

GAVIが途上国のワクチン開発・製造に競争原理のビジネスモデルを持ち込んだおかげで
途上国でワクチン接種を受ける子どもが増えるにつれて
製造する企業が増え、ワクチンの価格が低下している、

それもこれも、GAVIの活動が実を結んでいる証拠だ、これまでに前例のない進歩だと、
その成果を自画自賛発表。

GAVIのCEO、Julian Lob-Levyt氏は
「もっと早く価格が下がると思っていたし、もっと下げなければならないが、
しかし、我々のマーケット形成の努力が身を結んでいることは明らかである」と。

GAVIの資金で作られるワクチンはその大半がUNICEFによって買い上げられている。
価格が下がれば、それだけ多くの途上国の子どもたちにワクチンを接種することができる。

特にGAVIが力を入れているのは
5価ワクチン(インフルエンザB、ジフテリア、百日咳、破傷風、B型肝炎)のpentavalentで、
2015年まで、GAVIの最大の出費対象となる。



なるほど、our market-shaping efforts……ね。


なんとなく、臭うなぁ……とは、思っていました。
私、A事件を調べているうちに、ゲイツ財団の気配を嗅ぎ取る嗅覚が身についたのかしら……。

それにしても、やっぱり恐るべし。ゲイツ財団──。

マーケットを形成してワクチンの価格を下げよう……と、かの財団が望むとなれば、
その望みにくっついている財団のゼニの匂いを敏感に嗅ぎ取って、
かの財団の望み通りの動きが、さささぁぁぁっと漣のように世界中に広がっていく……。

この、たぶん日本では誰も読まないような地味なニュース、
私には、ものすごく怖い未来の予言のように聞こえる。

なぜなら、ゲイツ財団がワクチンによって徹底した病気予防をやろうというのは、
それが一番コスト効率の良い医療費削減手段の1つとの
ゲイツ氏らしい慈善グローバリズム医療ネオリベの分析・判断があるから。

もちろん、この人自身は全くの善意なのだけれど、
非常に偏った価値観を持った誰かの単純素朴な善意というヤツは
もしも、その人が猪突猛進できる立場・状況にいる場合には、
その人が単純で素朴で善意に満ちていればいるほど、傍迷惑な暴走を起こすもの。

そんな子どもみたいな善意にあふれたゲイツ氏が
どうしてもやらなければならんと考えている最終目標は、
コスト効率・市場原理のビジネス・モデルによるグローバル・ヘルスの効率化。

すなわち、彼の私設WHOであるIHMEを通じて、DALYで
世界中の保健医療施策を組み替えていくこと。

障害を負って生きている状態は、障害のない状態の8掛け……とか、計算して、ね。
(詳細は「ゲイツ財団とUW・IHME」の書庫に)


               ――――――

ちなみに、GAVIについては以下のエントリーで取り上げた記事に
非常に興味深い言及がありますが、


Gates氏を世界の王と讃える元マイクロソフト社員のジャーナリストですら
GAVIのことを慈善資本主義の発達で生まれた弊害というべき、超金持ち団体の1に数える。

どこが弊害なのかというと、
一応、理事に名前を連ねているUNICEFやWHOといえども投票権はなく
資金をいただくために頭を下げる立場として、

GAVIの資金パイの分配を巡って
支援対象の途上国と相争わなければならない。

つまり、仕切り役はもはや国連機関ではなく、
1組の夫婦の発言力で動く1民間財団となってしまっているのですね。

私はこの夫婦のことを善意のヴォルデモートさんと密かに呼んでいるのだけど……。


ゲイツ財団が「科学とテクノでイケイケ」の現在の世界でいかなる存在なのかを考える時に、
このジャーナリスト Michael Fortner氏の書くものは大層おもしろいので、もう1つあげておくと、

2009.11.20 / Top↑
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