以下のエントリーで紹介した訴訟の続報があり、
組織的な自殺幇助団体Final Exit Network側が勝訴とのこと。
FENが「GA州法の自殺幇助関連規定は言論の自由を侵す」と訴訟(2010/12/11)
ジョージア州の最高裁判所は全員一致の判決として、
公然と自殺幇助を宣伝することを禁じた1994年の州法は言論の自由を侵すものであり、
したがって憲法違反であると認定。
問題となった個所は以下の文言。
(訳文はたいして吟味したものではないのでご了解ください)
(犯罪行為を問われるのは)直接関与する行為(コミッション)によって意図的かつ積極的に他者の自殺を幇助する、または自殺幇助の目的が明白な何らかの行動をとる用意があるとして、公然と宣伝したり名乗り出ること。
この法文だと、自殺幇助そのものが禁じられているわけではなく、
やりますと謳って幇助した者は犯罪者になるが、
黙って幇助した者は罪に問われないではないか、
というのがFEN側の主張。
判決もその主張に沿って、
「言論の自由を制限することなく全ての自殺幇助を禁じることも
自殺を幇助しますという意思表示を全面的に禁じることもできたはずなのに
州はそのいずれもしないことを選択した」
ということは自殺幇助そのものを明確に禁じているわけではないにもかかわらず、
「宣伝さえしなければ合法である行いを公然と宣伝したり申し出ることが、
なぜ言論の自由の侵害を正当化するほど重大な問題行為であるか、
州は説明することもエビデンスを提示することもできなかった」。
検察側は、もともと州法ができた時には
Jack Kevorkianの自殺幇助ケースを防ぐことを目的に考えられたものだ、と。
当時は、社会全体に、自殺幇助そのものに
否定的な意識が共有されているという前提があった、ということなのでしょうか。
この判決が今後、
米国に広がる自殺幇助合法化の動きにどのように影響していくのか、
非常に気になるところです。
メディアの報道の仕方を見ても、
この判決はGA州では自殺幇助は合法との確認である、と書く記事もあり、
「死の自己決定権」サイドの勝利を謳う記事もあり。
Ga. court overturns assisted suicide restrictions
Fox News, February 6, 2012
その他の記事の一部 ↓
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5iMsFcAABrZ_7DUGOvIn5MvZs8bAA?docId=4b22f9cef7bb479f8dc6c17e9e92f44b
http://www.ajc.com/news/atlanta/court-strikes-down-georgias-1334712.html
私には、
1994年に、将来の社会の変化を見通せないまま
不用意な文言で法律を作ってしまった議会のうかつさの問題、という気がするのですが、
そのうかつな文言が修正されるよりも、
一気に自殺幇助そのものの実質的な合法化解釈へとなだれ込んでいくのでしょうか。
【FEN自殺幇助事件関連エントリー】
尊厳死アドボケイト団体の幹部4人を逮捕、他8週も自殺幇助容疑で家宅捜査(米)
精神障害者への自殺幇助でもthe Final Exit に家宅捜査
Final Exit 自殺幇助事件続報:130人の自殺に関与か?
Final Exit Networkの公式サイトを読んでみた
CA州の自殺幇助事件続報
自殺幇助合法化議論、対象者がズレていることの怪
Final Exit自殺幇助事件、週末の続報
「ホスピスだって時間をかけた自殺幇助」にホスピス関係者が激怒
FEN創設者GoodwinのAP通信インタビュー
FENの自殺幇助ガイド養成マニュアル
精神障害者の自殺幇助で新たにFEN関係者4人を逮捕
FENが自殺幇助合法化プロモビデオをYouTubeにアップ
OhioでもFENによる自殺幇助事件か(2009/6/18)
久々に Final Exit Network自殺幇助事件の続報(2009/10/16)
FEN事件で精神障害者の自殺を幇助したボランティア、有罪を認める(2010/1/13)
闇の自殺幇助機関FEN事件の4人を起訴(米)(2010/3/10)
FENが「Kevorkian医師の半生記映画見て“死ぬ権利”考えよう」(2010/4/22)
その後もいくつか続報はあり、補遺で拾っています。
たしか、いくつかの訴訟では無罪判決が出ていたような……。未確認でスミマセン。
組織的な自殺幇助団体Final Exit Network側が勝訴とのこと。
FENが「GA州法の自殺幇助関連規定は言論の自由を侵す」と訴訟(2010/12/11)
ジョージア州の最高裁判所は全員一致の判決として、
公然と自殺幇助を宣伝することを禁じた1994年の州法は言論の自由を侵すものであり、
したがって憲法違反であると認定。
問題となった個所は以下の文言。
(訳文はたいして吟味したものではないのでご了解ください)
(犯罪行為を問われるのは)直接関与する行為(コミッション)によって意図的かつ積極的に他者の自殺を幇助する、または自殺幇助の目的が明白な何らかの行動をとる用意があるとして、公然と宣伝したり名乗り出ること。
この法文だと、自殺幇助そのものが禁じられているわけではなく、
やりますと謳って幇助した者は犯罪者になるが、
黙って幇助した者は罪に問われないではないか、
というのがFEN側の主張。
判決もその主張に沿って、
「言論の自由を制限することなく全ての自殺幇助を禁じることも
自殺を幇助しますという意思表示を全面的に禁じることもできたはずなのに
州はそのいずれもしないことを選択した」
ということは自殺幇助そのものを明確に禁じているわけではないにもかかわらず、
「宣伝さえしなければ合法である行いを公然と宣伝したり申し出ることが、
なぜ言論の自由の侵害を正当化するほど重大な問題行為であるか、
州は説明することもエビデンスを提示することもできなかった」。
検察側は、もともと州法ができた時には
Jack Kevorkianの自殺幇助ケースを防ぐことを目的に考えられたものだ、と。
当時は、社会全体に、自殺幇助そのものに
否定的な意識が共有されているという前提があった、ということなのでしょうか。
この判決が今後、
米国に広がる自殺幇助合法化の動きにどのように影響していくのか、
非常に気になるところです。
メディアの報道の仕方を見ても、
この判決はGA州では自殺幇助は合法との確認である、と書く記事もあり、
「死の自己決定権」サイドの勝利を謳う記事もあり。
Ga. court overturns assisted suicide restrictions
Fox News, February 6, 2012
その他の記事の一部 ↓
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5iMsFcAABrZ_7DUGOvIn5MvZs8bAA?docId=4b22f9cef7bb479f8dc6c17e9e92f44b
http://www.ajc.com/news/atlanta/court-strikes-down-georgias-1334712.html
私には、
1994年に、将来の社会の変化を見通せないまま
不用意な文言で法律を作ってしまった議会のうかつさの問題、という気がするのですが、
そのうかつな文言が修正されるよりも、
一気に自殺幇助そのものの実質的な合法化解釈へとなだれ込んでいくのでしょうか。
【FEN自殺幇助事件関連エントリー】
尊厳死アドボケイト団体の幹部4人を逮捕、他8週も自殺幇助容疑で家宅捜査(米)
精神障害者への自殺幇助でもthe Final Exit に家宅捜査
Final Exit 自殺幇助事件続報:130人の自殺に関与か?
Final Exit Networkの公式サイトを読んでみた
CA州の自殺幇助事件続報
自殺幇助合法化議論、対象者がズレていることの怪
Final Exit自殺幇助事件、週末の続報
「ホスピスだって時間をかけた自殺幇助」にホスピス関係者が激怒
FEN創設者GoodwinのAP通信インタビュー
FENの自殺幇助ガイド養成マニュアル
精神障害者の自殺幇助で新たにFEN関係者4人を逮捕
FENが自殺幇助合法化プロモビデオをYouTubeにアップ
OhioでもFENによる自殺幇助事件か(2009/6/18)
久々に Final Exit Network自殺幇助事件の続報(2009/10/16)
FEN事件で精神障害者の自殺を幇助したボランティア、有罪を認める(2010/1/13)
闇の自殺幇助機関FEN事件の4人を起訴(米)(2010/3/10)
FENが「Kevorkian医師の半生記映画見て“死ぬ権利”考えよう」(2010/4/22)
その後もいくつか続報はあり、補遺で拾っています。
たしか、いくつかの訴訟では無罪判決が出ていたような……。未確認でスミマセン。
2012.02.07 / Top↑
| Home |