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これから公開されるハリウッド映画2本について
それぞれ、非常に気がかりな内容なので。

Al Pacino演じるKevorkian医師の半生記:“You Don’t Know Jack”

このたび予告ビデオが2本、公開されました。
以下のサイトから見られます。



これら予告ビデオからは、
「耐え難い苦痛に苦しむ患者の死ぬ権利のために闘ったヒーロー」として
Kevorkian医師が描かれているように思えます。

同時に発表された、この映画の梗概にも、
an epic legal battles defending a patient’s right to die という記述があります。

また、サランドンが演じるのは
Compassion&Choiceの前身であるHemlock Societyの関係者。

問題提起のために自殺幇助のビデオをテレビ番組に送り世間から指弾されるK医師を
理解し、支え続けた女性が描かれることによって、

現在、米国中で合法化に向けてうごめき、
既に合法の州では自殺幇助件数を上げるために暗躍しているとすら思われるC&Cまで、
一緒に美化されてしまうのではないか、という懸念も覚えます。




Terry Shiavoさんを笑い物にするFoxのアニメ:The Family Guy

The Family Guyのサイトはこちら

サイトの情報には出てきていませんし、
予告ビデオも日本では見ることができないようですが、

以下のWesley Smithのブログ記事によると、
とんでもない場面があるらしいのです。

重度障害者のTerry Shiavoさん(彼女の映像から私には意識があったとしか思えません)は
既に他の女性と暮らしていた夫の「こんなになったら死にたいと本人は望んでいた」との主張により、
水分と栄養を断たれて餓死させられました。

2005年のこの事件は米国の生命倫理の歴史の中で非常に大きな出来事ですが、
そのShiavoさんが酷いヘイトスピーチのターゲットになっている。

Smithによれば、その場面はミュージカル仕立てになっており、

身体中が管だらけになったShiavoさんが描かれ、
そこに“夫”が出てきて She's a vegetable (彼女は野菜だ)というと、
それにコーラスが We hate vegetables! (みんな野菜は大嫌い!)と応じて
みんながどっと笑う、というシーン。

Shiavoさんの「マッシュポテト脳」がボウルに入れられて、
「the most expensive plant you’ll ever see とんでもなく高価な野菜」だと言われるシーンも。

Smithは、まず、Shiavoさんは自力呼吸ができ、管は栄養と水分の供給分のみだったので
いわゆるスパゲティ状態として描くこと自体が事実ではない、と指摘したうえで、

このヘイトスピーチはShiavoさん一人をコケにし冒涜するにとどまらず、
認知障害のある多くの人たちを貶め、彼らから人間性をはく奪し、排除する目的をもち、
それによって、抑圧と搾取と殺害へのドアを開こうとしている、と指摘している。

決して陰謀説を説くわけではないが、現在進行している医療制度改革議論と、
このような重症障害者への蔑視・非人格化の動きが無関係だとは考えない方が良い、とも。




これまで、当ブログが問題にしたハリウッド映画。


【7つの贈り物(臓器提供)】
ウィル・スミス「7つの贈り物」を見てしまった(2009/2/25)

2010.03.25 / Top↑
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