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Terry Schiavoさんが脳に損傷を受けて15年間寝たきりとなり、
両親の抵抗にも関わらず「本人はこんな状態で生きることを望まないはず」との夫の申し立てを裁判所が認め
栄養と水分の供給を停止されて2005年3月31日に亡くなったシャイボ事件。

(テリーさんが植物状態だったと書いている資料も多いのですが、
写真や映像を見る限り、彼女の目には表情があります。
私にはどうしても植物状態だったとは思えません)

米国での生命倫理をめぐる重大事件のひとつですが、

テリーさんの死後、シャイボ財団を作って
重症障害者に対する「無益な治療」論に抵抗する運動を続けてきた
父親の Robert Schindlerさんが29日、死去。

Father of Terri Schiavo – Robert Schindler Sr. passes
Evangelical Examiner, August 30, 2009


このニュースで改めて気づき、ちょっと衝撃を受けたのは、

そういえばAshleyへの手術(2004年7月)は
Schiavo事件の真っ只中で行われていたんだなぁ……ということ。

Schiavoさんが裁判所の決定によって餓死させられてから
まだ5年と経っていないんだなぁ……ということ。

5年前には、「重症障害者から栄養と水分を引き上げる」ということに
大きな衝撃を受け、大論争を巻き起こした米国民が
もはやその考えに大した抵抗を感じない。

「重症障害者への栄養と水分は無益な治療」という慣行が
Schiavo事件後の、たったの5年間で
いかに米国の医療に浸透したことか──。

“Ashley療法”が論争になってからだって、まだ3年と経っていないのに
重症児の身体に医療上の必要以外の理由で手を加えることに対して
3年前には、あれほどの衝撃を受けた英語圏の人たちが
成長抑制の一般化の議論には、もはや興味すら持たない。

重症児の身体を医療でデザインすることどころか、
どうせ重症児だからと臓器目的で死なせることにも大した抵抗を感じない。

たったの5年や3年やそこらで──。


2009.08.31 / Top↑
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