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オーストラリアの首都特別地区で起きている事態。

先月、Tuggeranongで学齢期の少女が3人の年上の少年たちにレイプされたとされる事件で、
被害者である女児への嫌がらせがエスカレートし、

「おたくのアバズレと話がしたい」という電話が自宅にかかったり
「法廷に出かけて嫌がさらせをしてやる」と脅す内容のメールが女児に届いたり、

また、女児のボーイフレンドが殴られたり、
彼の車のタイヤが切り裂かれ、また、その翌日には車にガソリンをかけて燃やされた。

インターネット上でのさらなる嫌がらせ予告も2人に届いている。

レイプ犯とされる3人の少年は今のところ
こうした嫌がらせ行為との繋がりを否定しているが、

レイプ被害を訴え出た被害者が集団暴力に晒される事態に、警察署長が法廷で、

被害者の女児に対して子どもたちがこれほどのハラスメントをするなど、
あきれ果てて、ものも言えない。司法制度をナメるにもほどがある。
関わっている人間が判明し次第、そいつらには延々と豚箱に入ってもらう。

「Canberraの首都特別区の若者たちがこういう行動をとるというのでは
この町の将来が思いやられる」と。

Bullies target alleged rape victim
The Canberra Times, August 21, 2009


これに近いことが日本の大学生の集団レイプ事件でも起こったのは記憶に新しいところ。


この事件では、大学側の人権感覚まで希薄であることが露呈しました。


            ―――――――

Ashleyの父親やDiekema医師らは、子どもたちを含む世界中の人々の前で
「どうせ何も分からない重症児の体に尊厳など考える必要はない」と言い放ったのだし、

先の日本の脳死・臓器移植法改正議論では、多くの人が
「脳死の子どもたちは死んでいるわけではないかもしれないけど、どうせ死ぬんだから
もっとQOLの高い生を生きることのできる子どもに臓器をあげるために
親さえ承知すれば、早めに死んだことになってもらえばいい」と
日本中の子どもや若者の前で言い放った。

どうせ脳死……どうせ障害者……どうせ貧乏人……どうせ無能……どうせ女・子ども……

表向きだけはきれいな屁理屈で飾られていたとしても、
力の強い者が、力の弱い者を、その弱さに付け込んで力任せに踏みつけ、
利用し、食い物にし、切り捨てる社会を
大人たちがせっせと作ろうとしているのだとしたら、

その屁理屈の行間にある「どうせ」から滲み出る匂いが
腐臭のように世の中の空気の中にじわりじわりと漂い出て、
若者たちの心を侵していったとしても、ちっとも不思議ではないと思う。
2009.08.24 / Top↑
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