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これは、あくまでも証明不能な仮説ですが、
Norman Fostという人物が実はマスターマインドとして
Ashley事件の筋書きをウラで書いているのではないか、と
私はこの事件を追いかけながら、ある段階から考えるようになりました。

その理由は複雑で、簡単に説明することはほぼ不可能だし、
事件の事実関係を最初から細かく追いかけている人でなければ
ただの荒唐無稽な仮説にしか思えないのは承知なのですが、

Fost医師がついにDiekema医師と共著でこの件で論文を書いたとなると、
いよいよ、この事件は、私が懸念していた通りに展開している……と、危機感でジリジリする。

そのジリジリに炙られて、一応書いてみたい誘惑に抗えなくなったので。



1.紹介・口利きした人物がいたはずだと思うこと。

お金と権力がある人が物事を実現させていくやり方は、我々一般人とは違うということは、ある程度の年齢まで人間社会を見てきた人なら知っている。彼らは有力な人脈を豊富に持っている。その人脈の誰かに「話を通してもらう」ことによって物事を実現させていく。Ashleyの父親がそういう人物であったとしたら、ブログに書いているように正面からいきなりGunther医師を訪ねたとは思えない。むしろ、シアトル子ども病院にウラから自分の意を通じてくれそうな人物を自分の人脈の中から探し、まず、その人物に相談したのではないか。

2.価値観がAshley父と通じる。

Ashley事件に何らかの形で絡んだ人たちの中で、Ashley父のあの合理一辺倒の論理と知的障害者を「どうせ」と見下す差別意識に、留保なしに心底から共鳴できる価値観の持ち主がいるとしたら、それはNorman Fost だと思う。トランスヒューマニストらも共鳴はするだろうけど、一定の留保を置く人もいる。またFostはTHニストと違って、実際に米国の小児科医療界で権力を持ち、共鳴すれば父親に協力することができる。

3.ホルモンに関しては米国一詳しい

Fostは1980年代からスポーツにおけるステロイドの使用を認めろと主張してきた、米国では有名な「ステロイドの専門家」。その作用・副作用については誰よりも詳しく、知り尽くしている。ステロイドの使用を正当化するために背の低い男児への成長ホルモン療法を持ち出してもくるし、その一方で、ステロイドには“成長抑制”効果があるので、成長期の子どもに使ってはならないとも。「医療技術は治療としてだけでなく強化にも使うべき」との持論の持ち主でもある。このホルモンの“副作用”を、“どうせ成長することのメリットのない障害児”に、介護負担を軽減する目的で逆利用するというAshley療法の論理は、Norman Fost のこれまでの言説からこそ、導き出されて違和感のないものだと私には思える。詳細はこちらのエントリーを参照

4.接点

Fostが米国の医療倫理の世界で大きな存在であること、特にenhancementについて医師の中でも突出してトランスヒューマニスティックなスタンスの持ち主であることを考えると、政府レベルで行われている、例えばNBICプロジェクトなどに何らかの形で関与している可能性は高いと思う。NBICのIが情報テクノロジーである以上、マイクロソフトがどこかで関与していないはずはない。Ashleyの父親がマイクロソフトの幹部であるとしたら、2人の行動範囲や人脈がどこかで重なっている可能性は低くないと思う。他にも、ゲイツ財団が進めている世界中の医療・科学研究や保健医療施策の見直しの取り組みはシアトルを拠点とし、その中核をワシントン大学とシアトル子ども病院が担っていることを思えば、シアトル子ども病院に深く入り込んでいるFostとマイクロソフトの幹部との接点は、ごく一般的なハイソの社交の場も含めて、いくらでもありそうな気がする。

5.Fostの発言

2007年7月の生命倫理カンファは、時期的にも誰もが“Ashley療法”論争を強く意識している中で行われたし、その司会が当初からDiekemaとあって、ちょっとした緊張感が漂っていた。開会挨拶をしたWilfondは司会進行のDiekemaを紹介する時に間接的に「このところ、すっかり皆さんにお馴染みの」と軽く触れたが、Diekemaは一切Ashley事件には触れなかった。あえて触れないことが、こういう際の賢明な判断だろうと思うけれど、そんな中で、ただ一人Fostだけが、登場した冒頭、わざわざAshley事件を持ち出して、この症例を公開した病院の姿勢を高く評価して見せた。もちろん、解釈はいかようにも可能だけれど、個人的には、意識の上に非常に強く引っかかっているからこそ触れないでいられない心理というものがある、と感じる。特にFostのようにプライドも高く、権力のある人がこういう事件に陰で大きく関与しているとしたら、しかもそれがバレることはないと確信できれば、こういう場面でちょっと触れないでいられない誘惑というのは大きいのだろうな、と感じた。

6.Diekema医師の倫理学者としての出世ぶり

Ashley事件以降、Diekema医師の米国小児科倫理の世界での出世振りは華々しい。Ashley事件に限らず、メディアにも頻繁にコメントを求められているし、権威ある医学雑誌に登場するなど、一躍、小児科倫理の顔のようになった観すらある。Ashleyケースで名前が売れたというだけで、こういうことになるとも思えず、むしろ、もともと米国小児科倫理の世界でボス的な存在であるFostの“引き”によるものなのではないか、という気がする。つまりAshley事件で表に出て活躍したことが裏で糸を引いたFostに認められ、引き立てられたからでは? (お医者さんの世界はもちろん、その他の学問の世界の出世というのは概ね、そういうもんじゃ、ないです? もちろん、全てがそうだとはいわないけど。)
2009.06.13 / Top↑
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