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1987年にNew York市に幼い子どもをつれたホームレスがあふれた時に、
サイモンとガーファンクルのPaul Simonさんが
資金を集めてホームレスの子どもたちに無料で医療を届けられるように
医療設備のついた車を購入し、子どもの健康基金(Children’s Health Fund)を創設した。

その時に一緒に創設に尽力した小児科医のRedlenerさんは
現在Columbia大学Mailman校の公衆衛生学の教授。

そのRedlener教授が
80年代当時の子どもたちの貧困に比べて、
現在全国規模で進行している問題のほうがはるかに大きいと懸念している。

Children’s Health Fundの機動医療ユニットは現在37に増え、
最も必要度の高いところから優先的に廻っては
ホームレスの子どもたちや貧困から医療を受けることができない子どもたちを
診察・治療して回っているが、とても追いついていない。

もともと少なくなかったホームレスが急増しているし、
シェルターで暮らす家族や貧困状態にある子どもの数も急増中。

この先、失業者がまだ増えると予想される中、
どこの州も財政難から社会保障プログラムをカットしている。

Arizona州では児童保護局が虐待とネグレクト調査を削減した。

他にも、
子どもにとっては死活問題に直結する社会福祉施策の縮小を検討している州は多い。

Redlener教授は「悲惨な事態が静かに進行している」と。

Children in Peril
The NY Times, April 20, 2009


大人たちの愚かしい強欲が、子どもたちにこんな形でツケ回されていく。

経済で起こったのと同じことが
実は科学とテクノロジーの世界でも起こっているのでは……?

科学とテクノロジーの簡単解決によって、どこまでも欲望を満たそうと狂騒する大人たちの世界は
子どもたちから、ゆったりと安心して自分自身でいられる居場所を
どんどん奪っているような気がするのだけれど。
2009.04.23 / Top↑
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