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前のエントリーで触れた「魔法のパジャマ」について、
サイトの内容をよくよく読んでみたところ、

「どうすれば背が伸びるのか?」という箇所に書かれているのは

・このテーマに長年取り組んできた会社が韓国の大学の医学研究所と3年かけて開発したパジャマである。
・成長ホルモンの分泌を促すには熟睡することが重要である。
・今の子どもたちは睡眠不足だから快適な睡眠環境を求めている方に、このパジャマがお勧め。

そのほかの箇所を読んでも、
このパジャマに成長ホルモンの分泌を促す効果があるとは一言も書いてない。

3年もかけて開発したという「特殊バイオ繊維」については
「14種類のハーブ入り」であり
「遠赤外線放射機能」「優れた吸水・発散性→殺菌効果」「着用感のよさ」が
快適な睡眠をもたらすと書かれているのみで
その組成や特殊性についての科学的な説明は一切ない。

だから、つまりは
そこら辺のスーパーで安眠効果を謳って数千円程度で売っているパジャマと
(デザインがやたらとダサい以外に)何が違うのか、まったく分からないのですが、

でも、はじめから科学とテクノロジーの力を過信している人がうかつに読むと
「パジャマから成長ホルモンが出る」とか
「パジャマを着ることで成長ホルモンの分泌が促される」と
読者の方で勝手に思い込んでしまいかねない。

――そういう微妙な書き方なのですね。

で、この「魔法のパジャマ」のお値段、27000円なり。

このべらぼうなお値段がまた、
読者の側の勝手な思い込みを強化するのでしょう。

このエントリーを書いたことでYahoo!ブログが拾ってきたブログ記事によると
着て寝ることで倍くらいの成長ホルモンが出ると信じて実際にこのパジャマを買った人は
それほどのパジャマなら開発費がさぞかかって、このお値段になるのだろうと納得している。

ある日突然、本当に成長ホルモンが倍も分泌されるようになったら
子どもの体にどんな異変が起こるか……なんて不安はないのだろうか……。


でもね、Ashley事件におけるDiekema医師の詭弁のマヤカシだって

・この医療処置はシアトル子ども病院の倫理委員会で検討し、承認したものである。
・重症児は親にずっと赤ん坊のように面倒を見てもらうのが幸福である。
・社会の支援サービスは不十分なのだから、重症児のQOL維持のためにはお勧め。

という程度のものでしかなく、
この「魔法のパジャマ」のマヤカシとそれほど違ったものとも思えないのに

それでも世界中のいわゆる「知識人」までが
みんなして、たぶらかされてしまったのだとしたら

この「魔法のパジャマ」に騙される人を笑う資格があるのか……?
2009.02.14 / Top↑
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