2ntブログ
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欧米のいくつかの国では、体外受精と遺伝子診断技術を使って
病気の子どものドナーとなる弟や妹を作ることが既に合法化されており、
このように兄や姉のドナーとして作られるデザイナー・ベビーは
英語では savior sibling 「救済者兄弟」と呼ばれています。

当ブログでは2007年の12月に初めて、その存在を知って以来、
折に触れて、この話題を追いかけてきました。

日本でも、生殖補助医療や生命倫理の専門家の間では知られていた事実なのに、
なぜか長いこと、一般に広く知らされることはなく、

去年、救済者兄弟をテーマにした映画「私の中のあなた」が公開された際にも、
肝心の主人公の生い立ちについては、ほとんど言及されませんでした。

その「救済者兄弟」を、今夜、NHKが以下の番組で取り上げるようです。

NHKスペシャル 人体“製造”
2010年3月28日(日)午後9時00分~9時49分

これを機に、
これまでの当ブログの関連エントリーを以下にまとめてみました。


【救済者兄弟 関連エントリー】



【映画関連エントリー】



【この映画を機に考えたこと】

2010.03.28 / Top↑
「グレイズ・アナトミー」のシーズン6、エピソード18に、自殺幇助を求める患者が登場するらしい。私はこの作品は見たことがないので、読んでもイマイチよく分からないけど、タイトルは「自殺は無痛」とのこと。
http://downloadgreysanatomy.sequd.com/greys-anatomy-season-6-episode-18-suicide-is-painless-press-release

救急車のパラメディックによって死亡宣告された男性が、その後、生きていることが分かって別の救急隊によって病院に運ばれた。米。:思い出したのは、去年1月の「障害者だから蘇生に値しない」と勝手な判断した救命死を逮捕(英)という事件。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/03/26/AR2010032605476.html?wpisrc=nl_cuzhead

アイルランドの事件から始まったカトリックの聖職者による児童虐待スキャンダルが米国でも指摘されている件で、ウィスコンシンの聾の子どもたちの学校で Lawrence C. Murphy師の性的虐待を受けた子どもたちは、50年代半ばから手話や手紙、絵などで被害を訴えていたし、96年には現法王も報告を受けていたのに、誰も対処しなかった、と。
http://www.nytimes.com/2010/03/27/us/27wisconsin.html?th&emc=th

米国の医療制度改革で、結婚までセックスはしないようにと指導する性教育プログラムに、今後5年間で2億5千万ドル。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/03/26/AR2010032602457.html?wpisrc=nl_cuzhead
2010.03.27 / Top↑
2007年8月にAudrey Wallisさんの自殺幇助の容疑で
NZ警察は米国North Carilina在住の米国人女性(48)を起訴。

NZでは自殺幇助は英国と同じく、最高、懲役14年の犯罪。

ただし、このケースは米国とNZ間の引き渡し協定に当てはまらないため、
女性がNZに入国した場合にしか逮捕されない。



小さな記事ですが、この事件は非常に重大なものでした。

2年前から以下のエントリーなどで追いかけていますが、
自殺したWallisさんは処方薬の中毒で、マヒがあり、ウツ状態でした。

しかも、この自殺幇助はビジネスとして行われました。

今回起訴された米国人女性とは、
Cassandra Mae またの名を Susan Wilson。

闇の安楽死つかさどる牧師 George Exooの助手だった女性です。

当時、彼女はExoo師から独立してビジネスを始めようとしており、
Guardianのインタビューでも「値段さえ折り合いがつけば誰だって死なせてあげるわ」と
語っています。

Wallisさんの自殺幇助は12000ドルで請け負い、
米国から、そのためにAucklandに飛び、
Wallisさんが自殺した後すぐに帰国したと言われています。

【28日追記】
続報が出て、Wilsonさんは容疑を否認しているとのこと。
12000ドルの報酬の受け取りについても否定。
もらったのは交通費など実費2000ドルと主張しているようです。



2010.03.27 / Top↑
ロンドンのVictoria駅構内で、学校の制服を着た15,6歳の男子生徒たち10から15人の間で怒鳴り合いの諍いがあった。その翌日、15歳の少年が同駅構内で刺され、病院に運ばれたが死亡。この事件で20人が逮捕された。目撃者の証言によると、襲ったのは同じ制服姿の少年たちだったとのこと。警官が止めに入ったが制止できず、応援を呼んでいた、とのこと。:警官がいてもコントロール不能なほど怒り狂った子どもたちの集団。考えただけで、身の毛がよだつ。ロンドンの若者の荒廃が言われて久しい。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/london/8588604.stm

麻薬取締局(DEA)が麻薬の処方について、主治医の処方箋を義務付けている法律遵守を厳しく求めることにした件で、口頭のオーダーで看護師が投薬してきたナーシングホームの慣行が成り立たなくなり、NH入所者が痛み止めを受けることができずに困っているとNH関係者が配慮を求めている。DEA側は、問題は痛み止めではなく、NHでの医療がきちんと規定通りに24時間医師によって監督されていないことである、と。またMNT記事は、実際の問題はNHの入所者に対する抗精神病薬の適用外処方の方だ、とも。こちらの問題は、去年から英でも米でも指摘されている。日本でも三宅貴夫氏が書いている。
http://www.nytimes.com/2010/03/24/health/policy/24pain.html?partner=rss&emc=rss
http://www.medicalnewstoday.com/articles/183482.php

中国の急激なライフスタイルの変化で肥満が蔓延。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8587032.stm

NHSでの患者の個人情報が、医療職以外のスタッフがアクセスできる形で保管されている、と、監視団体が指摘。:この団体の名前が、なかなか印象的で、Big Brother Watch。まさに、今の英国にぴったりな……。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8587898.stm

IMFからの資金とユーロ圏の国との2国間協定によりギリシアへの支援策が決着。
http://www.nytimes.com/2010/03/26/business/global/26drachma.html?th&emc=th

gifted というから能力の高い学生が増えているという話かと思ったら、先生にせっせと贈り物をする学生、生徒が増加しているという話だった。英国。:日本でも、学力をつけることよりもテストで点をとらせるための指導みたいものが求められるようになっている感じは、かなり前からある。
http://www.guardian.co.uk/education/2010/mar/26/teachers-gifts-presents

アイスランドがストリップ・クラブを全面禁止に。首相がレズビアンだからか、それとも世界一女性差別のない国か、というGuardianのリードは、ちょっと……。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2010/mar/25/iceland-most-feminist-country
2010.03.26 / Top↑
去年1年間のOregon州における医師による自殺幇助の統計については
OR州の「尊厳死」:97%にC&Cが関与、たった20人の医師がせっせと処方のエントリーで紹介しましたが、

そうした状況に対して、
自殺幇助に批判的な医師の団体Compassionate Careから
Oregonの現状は陰謀と操作だと批判が出ています。

批判の要点は、

・州の保健局がきちんと調査していない。

・スクリーニングが行われず、ウツ病患者が保護されていない。

・コントロールできない痛みに苦しんでいたのは同法で自殺した人の1割に過ぎない。

・09年に主治医によって致死薬の処方を受けたのは、たった3人。
 処方を受けるまでに担当医だった期間の中間値は9カ月。
これでは、医師が妥当な情報に基づいて判断したとは言い難い。

・97%のケースに関与しているC&Cが、一部の医師と推進する自殺幇助によって
医師と患者の信頼関係が損なわれ、医師の社会的役割を治療から殺人へと変えてしまう。

Compassionate Care doctors upset over suicide summary
The Catholic Sentinel, March 25, 2010


これは、つまり、
州当局も承知の上で……ということなんでしょうか、やっぱり?
2010.03.26 / Top↑