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国際的な免疫学者で、脳梗塞で倒れた後には
リハビリ打ち切りへの動きと激烈な戦いを続けてこられた
多田富雄氏が21日に亡くなったとのこと。

昨日の朝日新聞の記事では
国際的な免疫学者としての氏の功績が非常に詳しく述べられて、
新作能の作者であったことにも触れられているのだけれど、
その後のことについては

{{{:
01年に脳梗塞で倒れ、重い右半身まひや言語障害といった後遺症を抱えたが、リハビリを続けて左手でパソコンを打ち、朝日新聞文化欄に能をテーマに寄稿するなど、意欲的な文筆活動を続けていた。
}}}

そのリハビリを、医療費削減のために続けさせてくれない国と
多田氏は「それは死ねということだ」と闘ったはずなのだけれど
そのことには触れられていない。

この記事の書き方への抗議と多田氏への哀悼の意を込めて、
これまで多田氏のことを書かせてもらったエントリーを以下に。

[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/36517682.html 「私のリハビリ闘争」に思うこと](2008/4/14)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/45117290.html 重度のマヒあれば免疫学者も講釈されるステレオタイプ](200810/18)
[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/47573536.html “師長の王国”](2008/12/24)
2010.04.23 / Top↑
90年代に自殺マシーンを作り130人もの自殺を幇助し、
有罪判決を受けて2008年に出獄したDr. DeathことDr. Kevorkianが
患者の苦しみに共感し「死の自己決定権」を求めて闘う姿を描く映画
You Don’t Know Jack(アル・パチーノ主演)が24日に公開とあって、
英語圏のメディアがしきりにこの映画を取り上げていますが、

幹部4人が闇の自殺幇助で逮捕され現在裁判が進行中のFinal Exit Networkが
リリースを出して「みんなでこの映画を見て死の自己決定権を考えよう」と
呼びかけています。

(FENについては文末にリンク。
FEN事件の概要をまとめた「介護保険情報」の記事はこちら

医学の進歩のおかげで、
死病の診断を受けているにもかかわらずターミナルではないとされる患者が
最も辛い目に遭わなければならない状況になっている、

何が何でも患者を生かそうとする医師によって
引き伸ばされているのは命ではなく、むしろ死が引き伸ばされているのだとして、

「無力感と絶え間のない苦痛、社会的孤立と精神的な荒廃という悪夢のうちに
命が永続させられることは、拷問に等しい」と。



ちょうど、昨日、
第4回宗教と生命倫理シンポジウム
「尊厳死法制化の問題点を考える」の報告書を読んで
(3月2日のエントリーで一部について書いています)

日本尊厳死協会理事長の井形昭弘氏の似たような発言に
赤線を引っ張ったところだった。

我が国は世界一の長寿国になりました。……(略)……健康寿命と寿命が一致すればピンピンコロリになりますが、それは非常にまれです。多くの場合健康寿命と本当の寿命の間には数年のギャップがあって、その間に病気になり、苦しみ、絶望し、そして最後に死が待っています。

無力感と絶え間のない苦痛と社会的孤立と精神的荒廃……。
病気になり、苦しみ、絶望し、そして最後に死……。

ピンピンコロリ以外の死に方は、苦しみと絶望ですよ……。

これ、私たちを、脅している……んでは?

それに、ピンピンコロリを持ち出して
その対極に「病気、苦しみ、絶望、死」を置いてみせるということは
やっぱり尊厳死は 「老いは自己責任で予防しろ」というメッセージとセットになっている……。

   ―――――――

日本尊厳死協会って、こんなふうに国民を脅してかかるんだぁ……とショックを受けて、、
ふと思い出したこと。

数ヶ月前にNHKで、膀胱がんを患う立花隆氏が
世界中の癌治療研究の最先端を次々に取材して歩く番組があった。
取材が進むにつれ、治療法が進めば癌の方がさらに進化していく実態と直面し、
結局、科学がいずれ癌に勝利するという希望を発見できずに帰ってきた立花氏が
最後に訪れたのは、鳥取県の「野の花診療所」。
徳永進医師のホスピスだった。

90年代の脳死・臓器移植議論の後で転向して
すっかり科学とテクノの信奉者になっていた立花氏が
自分が癌患者となり、科学はおそらく癌を制圧しきれないという事実を受け入れて
番組の最後に語った言葉がとても印象的だった。

立花氏は「野の花診療所」へ行って分かったのだという。
「人間には、ちゃんと死んでいく力が備わっている」のだということを。




2010.04.22 / Top↑
去年からカナダ議会に提出されていた
自殺幇助法案(Francine Lalonde議員提出)は20日夜、否決されました。

228 対 59 の大差。

投票後、5人の議員が、
「法案を廃案にして終わるのではなく
この問題について対策を考えなければならない」
「ウツ状態で生きる気力を無くしている人に必要なのは
取り返しのつかない簡単解決を勧めることではない」と語り、
今後、緩和ケアや高齢者ケアについて研究する委員会を立ち上げて
党派を超えて参加を呼び掛けていく、と表明。



【追記】
もうちょっと詳しい記事。
Lalonde議員は癌の闘病生活からターミナルな人への自殺幇助を考えたのだとか。



2010.04.22 / Top↑
鼻の粘膜細胞(OEC)を移植することによって、中枢神経系の損傷を修復することができるとして、MS、脊損、ALSが治療可能といわれているが、脳性まひの子どもにも治療の可能性がある、と中国の研究者。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/186039.php

この記事からは分かりにくいのだけど、この問題は実は以下の問題に繋がっているものらしい。

中絶胎児組織の研究利用 ― アメリカでのモラトリアム時代 玉井真理子(2003)
http://square.umin.ac.jp/~mtamai/taizireview.htm

神経再生研究における胎児組織利用に関する見解(2005年4月5日 日本せきずい基金)
http://www.jscf.org/jscf/SIRYOU/igaku-1/saiboisyoku/jscf050405.html

死亡胎児の組織利用を巡る倫理的問題 森芳周 大阪大学大学院文学研究科博士後期課程 臨床哲学
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/eth/OJ2-2/mori.htm

「捨てられるいのち、利用されるいのち ― 胎児組織の研究利用と生命倫理」玉井真理子・平塚志保(2009)
http://www.arsvi.com/b2000/0902tm.htm

どこで見たのだったか、もう思い出せないし、
もしかしたら上記リンク以外でのことだったかもしれないけど、
臨床現場で医師は患者に対して「医の倫理」を持っており、
一方で科学を発展させる「科学者の倫理」との板挟みになる時代だという話と、
その相克の中で胎児組織の利用においては、
医師は「医の倫理」を捨てて「科学者の倫理」をとった
という分析が印象的だった。

         ―――――――

文系頭には、一体どういうものなのか想像もつかないけど、これまでのワクチンと違ってDNAワクチンなるものが開発されつつあって、それがまたビジネス・ポテンシャルの大きな新分野ということらしい。この記事でC型肝炎のDNAワクチンと開発中とされているのは、スウェーデンのカロリンスカ研究所。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/186032.php

Massachusetts州の医療保険改革、5年かけて州民の97%が医療保険に加入。
http://www.nytimes.com/2010/04/21/opinion/21wed1.html?th&emc=th

Kansas Cityの都市部の小学生の7%が白癬菌に感染している。:そういえば、英米で頭に虱がいる子どもが多いという話もずいぶん前に聞いた。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185898.php

日本語のニュースにもなっていたけど、BBCの番組がケンブリッジ大の科学者と11000人のボランティアで検証実験を行ったところ、脳トレ・ゲームそのものは練習によって上達するものの、それが認知機能の向上には影響しないことが判明。Nature誌に論文掲載。:この番組の名前はBang Goes The Theory。通説が一瞬にして覆される感じが良く出ていて面白い。もともと「○○は必ずできる!」とか「○○すれば、こうなる!」と簡単に断言するような人は大した学者ではないし、そういう断言で提示される内容は眉唾だというのが通り相場だろうと思うのだけど、なにしろ、そういうエセ科学は多いので、日本でも検証番組を作ったら面白いのに。ちょうど昨日だったか、朝日新聞に「脳科学はまだ発展途上で応用には十分な注意が必要」とする研究者らの考えと、脳神経科学学会が1月に研究成果を発表する際には科学的根拠を示すようにと声明を出したという記事が載っていた。こういう批判や反省が、もっと専門家の間から出てきてもいいと思う。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2010/apr/20/brain-training-games-iq
2010.04.21 / Top↑
16日の補遺で今度は肺炎ウィルスのワクチンかという話題を拾ったと思ったら、昨日は、そのウィルスRSVが如何に子供の命を奪っているかという研究が報告されている。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185815.php

英国の主要3党はそれぞれマニフェストで精神障害者向けのカウンセリング要員を増員すると公約しているが、一方でNHSの予算が大幅にカットされれば、最終的に精神障害者がカウンセリングを受けられなくなるのは必至、とチャリティから懸念。
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/mental_health/article7101411.ece

英国の高齢者の多くは、社会から尊重されていないと感じている反面、歳をとることそのものは祝福されるべきことだと感じている。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/185862.php

脳卒中の患者のリハビリにロボット:日本でもこの分野の研究は進んでいるはずで。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8626056.stm

今年に入ってロンドンでティーンエジャー同士の衝突で出た死者、すでに8人。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/crime/article7101283.ece

テネシー州の病院で乱射事件。女性1人死亡。ほか2人が重傷。犯人は自殺。
http://www.nytimes.com/2010/04/20/us/20tennessee.html?th&emc=th

イランの挑発行為に米国防省からイランの核施設攻撃について言及。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article7101161.ece

カリフォルニア州最高裁がマリファナの鎮痛剤使用を認めたものの、職場での薬物チェック義務との制度の整合性に問題が指摘されている。
http://www.usatoday.com/money/industries/health/2010-04-20-medical-marijuana-side_N.htm?csp=DailyBriefing

コロラド州では医療用マリファナの患者も店も、この半年で急増。
http://www.usatoday.com/money/industries/health/2010-04-20-medical-marijuana_N.htm?csp=DailyBriefing
2010.04.20 / Top↑