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NYT.「出生時の終末期」と題し、新生児の終末期医療への議論を呼びかける論考。50年まえに未熟児で生まれて「英雄的な」救命治療が行われたにもかかわらず39時間でなくなったケネディ家の赤ちゃん、パトリック君への回想から、終末期医療について率直に議論できるようになってきたのだから、次は新生児への終末期医療についても議論を、と求める新生児医療専門医。真摯なトーンだとは思うけれど、親には「自分がわが子の呼吸器のスイッチを切った」とは言えないのなら医師にやらせればいい、という提案には引っかかる。それを「生きるに値しない生」という表現を疑いなく使える医師が言うことにも。
http://www.nytimes.com/2013/08/05/opinion/end-of-life-at-birth.html

6日の補遺のトップで拾ったYourshawさんの自殺幇助事件で、娘さん擁護から自殺幇助合法化を求める論考。Fatal Marcies というタイトルからも分かるけれど、自殺幇助容認論がいかに慈悲殺容認と隣接しているかを考えさせられる。
http://www.nytimes.com/2013/08/11/opinion/sunday/bruni-fatal-mercies.html?pagewanted=all&_r=1&

9日の使える間に臓器提供したいとMS女性がPASを希望(MI州)の話題に、オーストラリアの安楽死反対運動のリーダーから反論。EPCのSchadenberg経由。ベルギーの安楽死後臓器提供を連想しつつ、「愛他的自殺幇助」の論理とサヴレスキュらの「臓器提供安楽死」提案の論理の共通性を指摘。
http://alexschadenberg.blogspot.jp/2013/08/altruistic-assisted-suicide-surely-you.html

日本。10代少女の心臓、同年代の少年へ 移植手術成功 東大 :こういうニュースはだんだんと扱いが小さくなってゆく。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130810-00000024-asahi-soci

あまりに残虐な児童虐待ケースに厳罰化を求める声が上がっている英国で、オックスフォード大の生命倫理学者Rebecca Roacheが人間の看守のような情がはさまれないロボット看守を提言。さらに同じ年数でも長く苦痛に感じられるよう刑務所の生活をより単調にするだけでなく、囚人の脳をコンピューターと繋いで操作することにより時間経過がゆっくりに感じられるようにしよう、とまで。:こんなの単なるサディズムでは?
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10636#comments

テキサスで、ありふれた交通違反で車を止めさせられた女性ドライバーや同乗者が、道端で手袋をした女性警官に性器に何も隠していないことをチェックされた、と訴え。憲法違反の行為なのにテキサス州の警察にはそうした不文律があり、慣行化しているとか。:かんがえられない。なんという恐ろしい……。テキサス、いろんな意味で怖い。
http://www.nydailynews.com/news/national/troopers-texas-probe-genitals-women-traffic-stops-article-1.1414668

米国野球界のドーピング問題で、THニスチックな生命倫理学者(Ashley療法のパワフルな提唱・推進者でもあります)のNorman Fostが黙っているわけがないと思っていたら、やっぱり「ステロイドの魔女狩りもええかげんにせえよ」とでもいったトーンの発言をしている。
http://www.nydailynews.com/opinion/calm-anti-roid-rage-article-1.1422961

【Norman Fost関連エントリー】
生命倫理カンファレンス(Fost講演 2)(2007/8/25)
Fostのゴーマン全開3日午前のパネル(2007/9/12)
Norman Fostという人物(2007/11/29)
Ashley事件関連リンク集 NO.7 Norman Fost
「炭鉱で働こうと代理母をやろうと自分の体なんだから勝手」とFost(2009/12/8)
「Kevorkianだってすんなり起訴されなかったんだから医師は安全。障害新生児に“無益な治療”はするな」と説くFost(2010/8/5)
Norman Fost 「成長抑制が気に入らなければ虐待だと通報してみろ」と逆ギレ(2010/12/7)
ADHD治療薬の“スマート・ドラッグ”利用を解禁せよ、とNorman Fost(2010/12/28)


THニストと製薬会社は「フローフシ」の夢に向かって人々と炊きつけ続けるけど、大半のアメリカ人は120歳まで生きたいなんて思っちゃいない、という調査結果。2009年に英国人の調査でも、こんなのがあった ⇒ 「やれ何が癌の原因だ、やれ予防にはどうしろ、こうしろって、ウザい」と英国人(2009/5/26)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/264487.php

患者ヘンリエッタ・ラックス自身がまったく知らないうちに培養、細胞株として樹立、売買されてきたヒーラ細胞をめぐり、NIHがヘンリエッタのゲノム情報の子孫への一定の情報公開で合意。ヒーラ細胞について詳細なドキュメンタリーは ⇒ 不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生(レベッカ・スクルート 中里京子訳 講談社 2011)
http://www.nytimes.com/2013/08/08/science/after-decades-of-research-henrietta-lacks-family-is-asked-for-consent.html?nl=todaysheadlines&emc=edit_th_20130808&_r=0
http://www.the-scientist.com/?articles.view/articleNo/36937/title/Q-A--NIH-Brokers-HeLa-Genome-Deal/
http://www.nih.gov/news/health/aug2013/nih-07.htm
http://www.nature.com/news/nih-director-explains-hela-agreement-1.13521
http://www.nbcnews.com/health/nih-finally-makes-good-henrietta-lacks-family-its-about-time-6C10867941

日本。バルサルタン臨床実験不正問題 国は臨床試験の不正の実態を解明できるのか?(「精神科医の犯罪を問う」ブログ 8月10日) 検討会のメンバーにノ社と関係の深い日系BPの関係者が入っている。
http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/54199751.html?vitality

BMJにHPVワクチンで卵巣機能が損なわれた事例が報告されたみたい。
http://www.naturalnews.com/041512_Gardasil_ovary_destruction_HPV_vaccine.html

HPVワクチン論文の利益相反のエントリーで紹介したシンポで、薬害オンブズパーソン会議の隅本邦彦さんの講演でのプレゼンがこれだったと思う。
http://homepage1.nifty.com/hkr/simin/sympo/sympo201307kumamoto.pdf

GSK社の「企業における子宮頸がん対策について」というページを覗いてみて「????」と思ったのだけれど、右手のところに「子宮頸がんの症状」というコラムがあって、そこに「【がんになる前や初期の子宮頸がん】・ほとんどの場合無症状」と書かれている。でも「がんになる前の子宮頸がん」って、それは「子宮頸がんではない」でしょう。そこらへんに、HPV感染でしかないものを子宮頸がんと敢えて混同して売り出しているキャンペーンの馬脚が表れているような。それは、日本の厚労省でも確か「HPVワクチン」と呼ぶことに決めたはずなのに、なぜか今なお「子宮頸がんワクチン」と称されていることの不思議にもつながっている。
http://glaxosmithkline.co.jp/kigyo/cervical/index.html
2013.08.13 / Top↑
米国で93歳の父親 Joseph Yourshawさんに致死量のモルヒネを渡したとして、看護師である娘Barbara Manciniを起訴。訴訟に。それにしても本人も弁護士も何も語っていないのに、C&Cが何のつもりかペラペラ「代弁」している。
http://wnep.com/2013/08/01/woman-headed-to-trial-for-aiding-fathers-suicide/
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2382255/Judges-right-die-guidance-nurse-helps-stroke-victim-end-life-prosecuted.html

カナダ医師会の調査で、終末期の患者に死の幇助をする気があると答えた医師は26%のみだった。
http://www.montrealgazette.com/health/Most+Canadian+doctors+oppose+physician+assisted+suicide/8749691/story.html

Falconer議員から英国議会に提出された自殺幇助合法化法案について、上院議員らが所属する団体Living and Dying Wellから、「安全でない」とする報告書。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10622

長く母乳を続けると頭のいい子どもになる……って、ボストン子ども病院の研究者らが。母乳に含まれる何とか言う成分となんとかいう成分が脳の発達を促すんだとか。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/264080.php

片やフロリダ大の犯罪学の研究者らからは、ティーンが2回喧嘩をすると1年間まるきり学校へ行かなかったのと同じだけIQが「破壊される」との調査結果。女子では1回でそれだけのIQロスになるんだとか。:学校へ行かなかったらIQは下がるというのも、そもそもIQが「壊れる」という発想そのものも、よくわからない。この研究が重大である理由として、研究者らは「IQが下がれば成績が下がるし、仕事のパフォーマンスが落ちるし、問題行動が起こったり、精神障害が起こったり、寿命が短くなるから」。なんだか「知的障害者も精神障害者もみんな頭が悪い人たち」という理解でしかなかったTHニストさんたちを髣髴とさせるような……。けど、犯罪学の研究者がこの程度の認識でいいのか?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/264356.php

日本。異常胎児選んで減胎手術36件…長野の産科医。:新型出生前診断が広く受け入れられていけば、当然の帰結としてこういうことが起こってくるだろうとは思っていたけれど、ああ、そうか、やっぱりこの人から出てくるのか……と。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130804-00000973-yom-sci

日本語。産科医が赤ちゃん人身売買か=「障害ある」と親だますー中国:すごく不快な想像なんだけれど、こういうことを生殖技術を使って産業化することだって技術的には可能……ですよね。そのときには当然ながら遺伝子診断や操作もセットになるのだろうけれど。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130805-00000010-jij-cn

Bill Peaceが「自殺幇助と医療テクノロジー:社会の失敗」というブログ・エントリーで、アシュリー事件に首を突っ込んだのをきっかけに自殺幇助の問題を追いかけるようになって、その後自分がじょくそうの悪化で苦しんだ体験を通じて、医療でも経済でもテクノロジーへの依存度を高める社会で、テクノロジーによる解決に目を奪われて社会的解決が見えなくなっていくという共通の問題があるのだと考察している。アシュリー事件から自殺幇助や安楽死の問題に興味が広がっていったという点も、そういう広がりの中から、アシュリー事件に象徴的に見られる科学とテクノの簡単解決万歳文化とその利権構造が、そのまま実はこの補遺の上の諸々にも通じていく問題の根っこだという認識に至ったのも、当ブログもまったく同じ。
http://badcripple.blogspot.jp/2013/07/assisted-suicide-and-medical-technology.html

日本語。汚染水漏れ口を2年間超放置 福島第一、対策発表の一方で。:このニュース、今日のCNNで大きく報じられていたので、その直後のNHKのニュースでトップに来るのかと思ったら、そうではなかったのにびっくり。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130801-00000013-asahi-soci

英国の労働者の中にゼロ時間契約(待機労働者のことでは?)の人の割合が急増して、社会問題化している。マックの従業員の9割がゼロ時間契約だとか。これも日本にきっと来る。
http://www.theguardian.com/uk-news/2013/aug/05/zero-hours-contracts-cover-1m-uk-workers?CMP=EMCNEWEML6619I2&et_cid=44125&et_rid=1398245&Linkid=http%3A%2F%2Fwww.theguardian.com%2Fuk-news%2F2013%2Faug%2F05%2Fzero-hours-contracts-cover-1m-uk-workers
http://www.theguardian.com/law/work-blog/2013/jul/29/sports-direct-zero-hours-contracts
http://www.theguardian.com/business/2013/aug/05/mcdonalds-workers-zero-hour-contracts?CMP=EMCNEWEML6619I2&et_cid=44274&et_rid=1398245&Linkid=http%3A%2F%2Fwww.theguardian.com%2Fbusiness%2F2013%2Faug%2F05%2Fmcdonalds-workers-zero-hour-contracts

ワシントン・ポスト紙、アマゾンの創始者に売却。:世界中の主要メディアが、いわゆるトップ1%に買われていく。それは、メディアが権力の番犬としての役割を担えなくなっていく、ということ。
http://www.theguardian.com/media/2013/aug/05/washington-post-sold-jeff-bezos-amazon?CMP=EMCNEWEML6619I2&et_cid=44274&et_rid=1398245&Linkid=http%3A%2F%2Fwww.theguardian.com%2Fmedia%2F2013%2Faug%2F05%2Fwashington-post-sold-jeff-bezos-amazon

ミネソタ州選出の民主党下院議員 Keith Ellison氏が「別に米国が破産しているわけではないし、金はたくさんある。ただ、政府がその金を持っていないだけだ。政府には権利があるし、政府と米国民には米国の事業を実施する権利がある。医療、福祉、住宅施策、そういういろんな事業を」。株や債権、ディリバティブの取引に課税しようとの法案をめぐる議論で。
http://www.americanthinker.com/blog/2013/08/rep_ellison_theres_plenty_of_money_its_just_that_the_government_doesnt_have_it.html

清潔な水と石鹸のない地域では子どもの成長が抑制されている、との調査結果。:ワクチンさえあればいいという問題ではない。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/264350.php

シアトルのEcho ParkとSilver Lake地域で開催される「新学期健康フェア」で、無料で散髪、歯科検診、予防接種、糖尿病検査が受けられます。
http://echopark.patch.com/groups/around-town/p/free-haircuts-immunizations-offered-for-echo-park-silver-lake-residents-at-backtoschool-health-fair

日本。<柔軟剤>「高残香」タイプで体調不良を訴える人が増加
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130803-00000035-mai-soci

【関連エントリー】
ナノテク化粧品の安全性に懸念?(2008/11/6)
大統領がんパネルが「化学物質はやっぱりヤバい」(米)(2010/5/10)
化粧品には、安全性が確認されていない化学物質がたくさん使われている(2013/2/7)


日本。経済理由の治療中断、4人に1人の医師経験
https://news.cabrain.net/regist.do;jsessionid=F8B27C8F0C3AE619F3B26856A560307D;jsessionid=F8B27C8F0C3AE619F3B26856A560307D
2013.08.13 / Top↑
必見ビデオ。Mark Diceという、ちょっと癖のあるジャーナリストが街頭に立ち「高齢者には安楽死を義務付ける法律を求める署名活動をしています。高齢者の存在が医療費に大きな負担となっています。義務付けです。署名をお願いします」と呼び掛ける一種のドッキリを仕掛けたところ、けっこうな人が賛同し署名。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/07/petition-for-mandatory-euthanasia-for.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+MedicalFutilityBlog+%28Medical+Futility+Blog%29

Not Dead YetのCEO、Diane Colemanの自殺幇助批判の論考。the real world of families that are not necessarily all loving and supportive……
http://blog.nj.com/njv_guest_blog/2013/07/the_dangerous_help_of_assisted.html

SavulescuがJournal of Medical Ethicsの論説で、合法的な自殺ほう助の一つの方法として palliated starvation 緩和ケアを得ての餓死を提言。:これはFENが事件を起こす前に、HPで認知症や施設入所者らに勧めていた方法でもあり、ずっと推進派の中にはあった声。
http://jme.bmj.com/content/early/2013/07/17/medethics-2013-101379.extract

OR州の調査でホスピスで働く医療職に、自殺ほう助をめぐる葛藤。
http://www.christianconcern.com/our-concerns/hospice-workers-struggle-to-balance-their-core-values-with-assisted-suicide-laws

オーストラリアのDr. DeathことDr. Philip Nitschkeが上院議員選挙に出るんだとか。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10616#comments

カナダ、Victoria州の電話によるアウトリーチ・プログラム。研修を受けたボランティアによるもの。
http://www.fightdementia.org.au/services/telephone-outreach-program.aspx

NYのCuomo知事、収容施設の4000人の精神障害者を支援付き住宅に移す、と。
http://www.nytimes.com/2013/07/25/opinion/justice-for-the-mentally-disabled.html?_r=0

英国議会による障害を理由にした中絶に関する調査の報告書。軽微な障害でも40週まで中絶可能な法律の訂正を提言。
http://www.abortionanddisability.org/resources/Abortion-and-Disability-Report-17-7-13.pdf

世界で初めての試験管ベビーを作ったPatrick Steptoe医師の元患者 Satdra Crashleyさんが自費出版で、本人の同意なしに片方の卵巣ともう一方の半分を摘出されたばかりか、その手技の未熟で健康を害したと告発。SteptoeとEdwardsが採取手続きの倫理面については明らかにしていない『ボランティア』の一人だったのでは、と。避妊ピルの開発研究でも、プエルトリコの貧しい村の女性たちに実験とは断らずに投薬された事実があり、タスキギ実験になぞられられているとのこと。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10613#comments

がんの過剰診断・治療に対する警告が米国医師会誌に。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/experts-warn-of-dangers-of-overdiagnosis-and-treatment-of-cancer/2013/07/29/2659035e-f88d-11e2-b018-5b8251f0c56e_story.html

NYT.乳がんの生存率に、黒人と白人とで3年の格差。
Black-White Divide Persists in Breast Cancer: New research shows that white women with breast cancer live three years longer than black women because of a troubling pattern of inferior care and a delay in treatment for black women.

ProPublicaの高齢者施設Assisted Livingの実態シリーズLife and death in Assisted Living 3/5まで
http://www.propublica.org/article/emeritus-1-the-emerald-city
http://www.propublica.org/article/emeritus-2-theyre-not-treating-mom-well
http://www.propublica.org/article/emeritus-3-a-sinking-ship

上記シリーズからのTV番組。洗濯室に入りこみ洗剤を飲んで死んだ認知症の男性入所者。ナーシング・ホームに比べて人員配置も規制も緩い。
http://abcnews.go.com/Health/assisted-living-facilities-loosely-regulated-understaffed/story?id=19808799

日本語。ニュージーランド移民局、肥満理由に滞在拒否=130キロの南ア男性
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130727-00000064-jij-asia

【関連エントリー】
「ダウン症の息子が社会の重荷」とドイツ人医師に永住権を拒否(2008/11/10)
カナダ政府、「障害のある子どもが社会の負担」と相次いで永住権を拒否(2011/5/3)


HPV感染予防の決め手は男児へのワクチン接種。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263811.php

ナイジェリアの国務大臣兼保健省のMuhammed Pate医師、大臣を辞職してデューク大学のグローバル・ヘルス研究所のポストへ。そして同時に、ワシントンDC拠点のゲイツ財団のシニア・アドバイザーに就任へ。ナイジェリアといえば、この前ポリオ撲滅で成果があった州の知事にビル&メリンダ・ゲイツ賞が贈られていたけど、あの贈呈役だった「保健相」はそれではこの人だったわけですね。ナイジェリアでは同じ日に武装集団が学校を襲撃して42人を殺害していたのが印象的だった。
http://niyitabiti.net/2013/07/nigeria-health-minister-resignsgrabs-bill-gates-offer/

MITの科学者らがマウスの脳への偽の記憶植え付けに成功。
http://www.theguardian.com/science/2013/jul/25/false-memory-implanted-mouse-brain

日本。東大43論文に改ざん・捏造疑い 元教授グループ。分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループ。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130725-00000014-asahi-soci

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『援助じゃアフリカは発展しない』ダンビサ・モヨ著 小浜裕久監訳(東洋経済新聞社 2010):ミニメモ

6月5日の補遺で拾って図書館にリクエストしておいたもの。6月の話題は、この本をビル・ゲイツが批判して、著者が激怒してゲイツに反論した、というもの。

「援助依存モデルの問題点は、アフリカ諸国が永遠に無邪気な子どものような国家として扱われていることにある」(p. 43)という指摘に象徴されるように、読んでいて頭の中で重なっていったのは、障害当事者からの医学や生命倫理の「医学モデル」に対する「社会モデル」からの批判。

アフリカへの先進諸国の援助が、アフリカの国々の生活や文化や社会や価値意識をまるきり無視して先進国が「指導し教育し支援しながら」先進国が自分たちの科学とテクノと経済学の論理で考える「本来国家とはこうあるべき」姿へと目指させるモデルになっている。それがまったく機能していないのは、たとえば援助と称してマラリア予防のための蚊帳を大量に届ければ、地元の蚊帳製造業者は倒産するし、汚職をはびこらせて国家機能をさらに弱体化させていく。

それに対して著者が提言しているのは、小規模な国債発行とかグラミン銀行のマイクロクレジットなど、身の丈に合った方法での「自立」を目指し、それによって国家機能をエンパワーしていくこと。ルワンダのカガメ大統領「われわれ以上に自分の国を知っている者はいないのだし、われわれ以上に何がいいことかを知っている者はいないのだ」(p. 232)。つまり、アフリカの国々を代弁してモヨがこの本で言っていることは Nothing about us without us. なんでは?

この本には「ただ、何をなすべきか、アフリカを後退から防ぐために何が役立つのか、といった点について、アフリカの(選挙で選ばれた)行政担当者や開発問題担当の政策立案者が、意見を述べているのを見ることはほとんどない。多くのアフリカ人が戸惑い、無念に思う中で、この意図や目的についてのもっとも重大な責任は、アフリカの外に住むミュージシャンの手にゆだねられている」(p. 35)と書かれているように、民間ではボノやゲルドフなどミュージシャンの慈善家には何度も言及されているのだけれど、ビル・ゲイツの名前はなぜか一度も出てこない。私が気付いたのは、訳者あとがきに1回登場したのだけ。
2013.08.05 / Top↑
ゲイツ財団の教育改革への資金投入とそれに伴う影響力行使は公教育にとどまらず、大学改革にも。The Chronicle of Higher Educationが"the Gates Effect"と題する長大な調査報告を取りまとめている。
http://www.universityworldnews.com/article.php?story=20130719161311291
http://philanthropy.com/blogs/philanthropytoday/measuring-the-gates-effect-on-u-s-higher-education/71651

上の動きを受けて、「なぜ大学はビル・ゲイツを嫌うのか」という記事。
http://www.smartcompany.com.au/information-technology/056558-best-of-the-web-why-universities-hate-bill-gates.html

こういう話題となると、最近堂々たるゲイツ批判を展開しているWPのValerie Straussの記事がやっぱり歯ごたえがある。15日の記事のタイトルは「高等教育へとビルゲイツが広げる影響力、そしてカネ」。ゲイツ財団から抗議があったらしく、その後、細かい訂正が入っている。
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/07/15/bill-gates-expands-influence-and-money-into-higher-education/
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/07/16/gates-foundation-responds-to-critical-articles/

【関連エントリー】
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
「生徒に生体データ・ブレスレットつけさせ教師の技量を評価」研究に、ゲイツ財団から100万ドル(2012/6/19)
デジタル思考の成果主義に染められていく米国の公教育改革(2013/2/20)
ビル・ゲイツの慈善にも説明責任を突きつける教師ブロガ―(2013/4/24)
ビル・ゲイツの公教育改革に、米国の教師が突きつけ始めた“NO”(2013/6/15)
米国の教師が指摘するビル・ゲイツ教育改革7つの問題点(2013/7/17)


インドの給食への農薬混入のニュースで「もっとも貧しい地域」というので、ビハール州じゃないかと思ったら、やっぱりそうだった。ビハール州はゲイツ財団がインドで最も力と金を注いでいるところ。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/17/school-meals-kill-indian-children


NYT。アフリカで女性器切除が少しずつ減少しているらしい。これは良いニュース。
Report Finds Gradual Fall in Female Genital Cutting in Africa: An assessment by Unicef described the ancient practice as “remarkably tenacious,” but found declines in the procedure in more than half of the countries where it is concentrated.

【関連エントリー】
米小児科学会の女性器切除に関する指針撤回:Diekema医師の大チョンボ(2010/8/4)
Gatesの一声で、男児包皮切除にエビデンスが出てくるわ、小児科学会もCDCも方針を転換するわ(2010/8/16)
包皮切除件数減少を反対運動のせいだと騒ぐDiekemaのポチ踊り(2010/8/23)
包皮切除でのDiekema発言でNPRラジオに抗議殺到(2010/9/14)
2011年5月20日の補遺
2012年12月2日の補遺


英国医師会から介護者向けの支援ガイド。
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2371560/Carers-Manual-released-help-6-million-Britons-nursing-loved-one.html

オーストラリアの調査で、認知症の人の介護者への健康負担。
http://www.sciencewa.net.au/topics/social-science/item/2277-caregivers%E2%80%99-health-burdens-highlighted.html

英国で認知症患者が減少傾向?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263402.php

日本。日本一若い!?訪問看護士の挑戦 4.胃瘻でも口から食べる!を支える看護の底力
http://carepro.co.jp/zaitaku/archive/serial_05_15.html

自衛隊運用、制服組に移管 来年度にも、文官部局は廃止:これ、選挙の前に決まってたみたいなんだけれど、どうしてこういう重大な問題がきちんと報道されないかなぁ。シビリアンコントロールが失われたってことだと思うんだけれど、自民党の天下になっても戦争だけは起こらないと信じられる人の根拠って??
http://www.asahi.com/politics/update/0718/TKY201307171014.html

日本語。強姦被害訴えるノルウェー人女性に有罪判決 ドバイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130722-35034948-cnn-int

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牟田和恵著『部長、その恋愛はセクハラです!』(集英社新書) ミニメモ:

不快な思いをしていてもそれを表現できない弱い側の立場への、強い側の鈍感。鈍感にとどまらず自分の都合のよいように解釈して悦に入る、愚かしいほどの自意識過剰。

これは男と女だけじゃなくて、教師と生徒(学生)、上司と部下、親と子、医師と患者……ありとあらゆる上下関係に通じていく問題だと思いながら読んだ。問題の本質は何をしたとか何を言うかということにあるのではなく、相手をナメているからナメていない相手には言えないことを、つい言ってしまう、ついやってしまう、という点にあるような気がする。

そういう人の中にはもともと自尊感情が安定していない人が多いので、ナメて見下している相手から謝罪を求められたり、人の良さからつい謝罪してしまったりすると、今度はそのことに自尊感情を揺さぶられて、逆に自分の優越性を自分自身に対して証明する必要に駆られ、妙な形で相手に対して報復的に粘着していくんじゃないだろうか。(何度かの直接体験から思うこと。もちろんそういうふうに記憶されている体験は自分が「ナメられた」側だった体験のみ)

だから、たぶん「素直に謝れば事態は小さいうちに収拾できる」という著者の正しいアドバイスは、ナメていない相手には言えないようなことをナメている相手だから言えるような人には、実はチョー難しいことなんではないだろうか、と思ったりする。

とはいえ、かつては生徒(学生)に対する教師という立場で、今も子に対する親という立場で、その他、自分が優位だと感じる相手に対して、自分だって同じことをやっている自覚もないわけではなく。だからこそ、自分が「ナメた」側だった体験は記憶されることはないのだろうし、この本は本当は読者それぞれに、そうした自分への振り返りを促すところに意味があるような気も。
2013.07.28 / Top↑
まずは一昨日、3つもエントリー原稿を書いて一晩寝かせておいたら、
昨日の朝一番のPC崩壊で消えてしまい、書き直す気力がわかないので、
このまま幻のエントリーとなりそうな話題を2題。

(残り1つは向井承子『患者追放―行き場を失う老人たち』の読後メモだったのだけれど、
入れ込んで書いただけにパァになったショックで沈没したまま)

① カナダのTayor訴訟やアイルランドのFleming訴訟にもかかわった「死ぬ権利」擁護派の米ユタ大学の生命倫理学者 Margaret Pabst Battin と四肢まひの夫との穏やかな「最良の時間」。(ビデオがとても良いです)

自転車事故で四肢まひ、人工呼吸器依存となった夫が死にたいという意思表示していたのに、Battinは夫が急変した際には救急部に運び込んで救命した。その後、大学教授の夫は呼吸器をつけたまま講義を再開し、生きていることを喜びながら暮らしている。Battin自身も現在の夫婦の生活は2人で過ごした「最善の時」だと語り、時に夫が痛苦から死にたいと願うことがあるが「彼が本当に本当にそういうところに至ったと私が確信できるまでは」と。

BioEdgeのCookは「愛され十分なケアを受けられる患者は生きたいと強く、揺らぐことなく望むようだ。死んだほうがましだと絶望する瞬間はあるが、実際に死を選ぶ瞬間は決して訪れることはないように思われる」「自律がそれほど明確な原理なら、このケースではどうして機能しないのだろう? もし機能しないなら自律原理には一貫性がない。一貫しないなら捨てるべきでは?」。

NYTのビデオでのBattinの静かな語りがとてもいいんだけれど、ビデオを見ると、夫のRobertさんには24時間体制でプロの介護士が付いていると思われ、「愛され十分なケアを受けられる」以外に「家族に過剰な介護負担がかからないこと」も患者が生きたいと願うことができるための条件なのだろうな、とも。
http://www.nytimes.com/2013/07/21/magazine/a-life-or-death-situation.html?hp&_r=2&pagewanted=all&
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10608#comments

② 米VA州のダウン症の女性(IQ50とのこと)Margaret Jean Hatchさんに、自分が誰とどこで暮らすかを自分で決めることは認められるのか。法定代理人は必要なのか、必要だとしたら誰なのか。

離婚した両親とは折り合いが悪く、両親のいずれも共に暮らすことはできないと言いながら、Margaretさんがグループホームから出て友人夫婦と暮らすことは認めず、自分たちが法定代理人となり娘の交際範囲まで管理しようと提訴。裁判の途中、Margaretさんは裁判官の言葉途中で「私には代理人は要りません」と発言し裁判官に退廷させられた。自立生活のためには支援は不可欠。誰がどのように支援するのがよいのか。:難しい問題。けれど日本ではこんな訴訟など論外なほどに親の代理決定権が当然とされていることも、大いに疑問だと改めて考えさせられる。
http://www.washingtonpost.com/local/virginia-woman-with-down-syndrome-seeks-power-to-live-the-way-she-wants/2013/07/20/76102a82-d789-11e2-a9f2-42ee3912ae0e_story.html

             ――――――
(ここから、通常の補遺です)

米国と英国それぞれで、DNR指定が本人の同意も家族の同意もなしに行われている、との調査結果が発表されている。英国のはケアの質コミッションの報告書だというので、リヴァプール・ケア・パスウェイの機械的適用問題での調査結果だと思うのだけれど、Popeのブログ記事すら、まだ読めていない。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/07/hospital-inspection-reports-show-dnr.html

【LCPの機械的適用問題関連エントリー】
“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
「NHSは終末期パスの機会的適用で高齢患者を殺している」と英国の大物医師(2012/6/24)
英国の終末期パスLCPの機会的適用問題 続報(2012/7/12)
LCPの機械的適用でNHSが調査に(2012/10/28)
英国医師会が「LCPには機械的適用の問題あり」(2013/6/29)


カナダ、バンクーバーの精神科医で元BC州医師会会長のDerryck Smith医師が自殺ほう助ロビー団体に加盟。:精神科医には自殺を敗北とみなす文化があるんだとばかり思っていた……。
http://www.vancouversun.com/news/Vancouver+doctor+joins+board+right+group/8684839/story.html

中国でのグラクソの贈賄スキャンダルで、グラクソ側が幹部による贈賄と性的便宜供与を認めた。GSK has admitted that some of its senior Chinese executives broke the law in a £320m cash and sexual favours bribery scandal.
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/22/glaxosmithkline-admits-bribery-china?CMP=EMCNEWEML6619I2

NYT. 中国でのグラクソ・スキャンダルは違法な販促にとどまらず、研究にも疑義?
Glaxo’s problems in China may not just be about its sales practices. They may also concern its research.

製薬会社に対して治験データの全面公開を求める動きがあることに対抗するため、製薬会社が患者団体を反対ロビーに動員している。
http://www.guardian.co.uk/business/2013/jul/21/big-pharma-secret-drugs-trials?CMP=EMCNEWEML6619I2

【関連エントリー】
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(前)(2013/7/1)
臨床実験データ全公開を求める動き、研究者らから(後)(2013/7/1)


オーストラリアで、本人への最善の利益であれば認められている障害者への不妊手術を禁じるべき、とする報告書。Cookは「多くの親が子どものストレス軽減と性的虐待防止のため不妊手術を最善の方法と考えているので、報告書の勧告は物議を醸す」と。:アシュリー療法の正当化そのもの。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10610#comments

インドの代理母産業での虐待の実態が報告書 “Surrogacy Motherhood: ethical or commercial?”に。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10612#comments

米国外科学会誌に、肝臓を部分移植することによって一人の生体ドナーで2人の命を救うことができる、とする論文。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/263602.php

日本。新出生前検査 陽性の3人中絶
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130717/k10013104551000.html

日本。出生前診断に賛成の声多数…施設拡大を望む声も
http://iryojinzai.net/1616.html

肥満抑制の遺伝子発見=壊すとマウス体重2倍―名古屋大:遺伝子を操作するということは、遺伝子が変異してきた膨大な時間の流れを無視した暴力的な加速だというような意味のことを、福岡伸一さんが言っていたことを思い出した。⇒福岡伸一の“動的平衡”生命観と“科学とテクノで簡単解決文化”批判2(2011/5/6)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130719-00000008-jij-sctch
2013.07.28 / Top↑