日本でもクローン牛が食卓に上るという話を今朝のテレビで聞いたので、
ほぼ1年前に米国でFDAが認可した際のニュースについて書いた
2007年12月28日の「クローン肉ほんとうに食べるって?」エントリーを以下に再掲。
(書いていたら熱くなって、再掲がずっと下になってしまった。ごめんなさい)
ほぼ1年前に米国でFDAが認可した際のニュースについて書いた
2007年12月28日の「クローン肉ほんとうに食べるって?」エントリーを以下に再掲。
(書いていたら熱くなって、再掲がずっと下になってしまった。ごめんなさい)
この時と同じ疑問を今朝のニュースを聞いても持ったのですが、
「安全性が確認された」と科学的に説明できるためには
「人間が長期的に食べても安全だと確認された」ということの説得力のあるエビデンスが
明確に示されなければならないはずですが、
「人間が長期的に食べても安全だと確認された」ということの説得力のあるエビデンスが
明確に示されなければならないはずですが、
「安全性が確認された」と内閣府が言う「確認」の内容とは
「今の科学技術で見分けられる範囲ではクローン牛は普通の牛と差異はない」という話に過ぎない。
「今の科学技術で見分けられる範囲ではクローン牛は普通の牛と差異はない」という話に過ぎない。
クローン動物には、早産や死産が多い、障害のある確率が高く早死にするという
いまだ原因が解明されていない”異常”が起こっている。
いまだ原因が解明されていない”異常”が起こっている。
たとえ6ヶ月を超えて生き延びた場合には正常発達するとしても
原因の解明されていない明らかな”異常”が起きている事実は消えない。
原因の解明されていない明らかな”異常”が起きている事実は消えない。
その事実を無視して「普通の牛と違わない」という結論が出せるとは
それはいったい、どういう”科学的な姿勢”なんだろう。
それはいったい、どういう”科学的な姿勢”なんだろう。
さらに通常の動物と「まったく変わらない」クローン動物が仮に作られたとしても、
それは必ずしも人間が長期的に食べても安全であると確認されることと同じではないはず。
それは必ずしも人間が長期的に食べても安全であると確認されることと同じではないはず。
それでも「安全が確認された」から国民にクローン牛を食べろというのなら、
いいよ。それじゃぁ、
私たち科学技術への偏見に満ちた文明未開の民草は
そんな豪儀なものは、とりあえず遠慮しておくよ。
そんな豪儀なものは、とりあえず遠慮しておくよ。
そして
クローン牛を国民に食べさせることにするためのプロセスに関ってきた人たちとご家族とに
貴重なご研究とご尽力の成果を祝しつつ、まず、せっせと食べてもらおう。
クローン牛を国民に食べさせることにするためのプロセスに関ってきた人たちとご家族とに
貴重なご研究とご尽力の成果を祝しつつ、まず、せっせと食べてもらおう。
そして、今後その人たちが3世代、できれば5世代くらいクローン肉を食され続けて後、
本当に長期的に人間が食べても安全だと確認されたなら、
それからで、いいよ。私たちは。
本当に長期的に人間が食べても安全だと確認されたなら、
それからで、いいよ。私たちは。
ちゃんと追跡調査もしてほしいですね。
それだけの責任が国にはあるのでは?
クローン研究をしている科学者だって、知りたくないのかな。
それだけの責任が国にはあるのでは?
クローン研究をしている科学者だって、知りたくないのかな。
まぁ、「食べろ」といわれることそのものが
壮大な人体実験に参加しろといわれているような気分だから
自分はコントロール群でいいよ、と考えるわけですが、
壮大な人体実験に参加しろといわれているような気分だから
自分はコントロール群でいいよ、と考えるわけですが、
とはいえ、怖いのは、
以下の記事で指摘されているように、
クローン動物だとわかるのは第一世代の個体までで、
その第一世代が通常の生殖で産んだ第二世代の個体からは区別できなくなること。
以下の記事で指摘されているように、
クローン動物だとわかるのは第一世代の個体までで、
その第一世代が通常の生殖で産んだ第二世代の個体からは区別できなくなること。
表示について、どういう規制になるのか分かりませんが、
表示そのものが信憑性が低くなってしまったし、ベジタリアンが増えるかも――?
表示そのものが信憑性が低くなってしまったし、ベジタリアンが増えるかも――?
米国FDAは今年中にクローン肉とクローン牛乳の販売を認める方針だとのこと。
Producers Favor Tracking Cloned Animals
Washington post (AP), December 20,2007
クローン動物は科学的には自然に生まれた動物となんら変わらないから大丈夫、
とFDAは言っているのですが、
消費者の方はまだクローン動物の食品化には不安を感じているとの
様々な調査結果が出ていることから、
クローン食品が出回ると消費が冷え込むのでは、と恐れる生産者は
自発的に規制してまだ売らないと慎重な姿勢だとか。
もちろん消費者団体や政治家からも
普通に市場に出すのは時期尚早という批判も出ているらしいですが、
むしろクローニング会社(既にメジャーな会社が2つも)からは
現在作られているのはブリーダー向けの受賞牝牛やロデオ牛のコピーで、
クローニングにはお金がかかるので、
実際にはあまり食用には回らないんじゃないかという見方も出ている。
でも、結局、ブリーディングには既に使われているわけですね。
「わ、こわい」と思うのは、
いったんクローニングで動物を作ると、
その動物から生まれた次世代以降の動物はクローン動物ではなくなるので、
自然に生まれた動物との見分けがクローニング会社にもつかないのだという話。
もう1つ、FDAが表示を義務付けているのは原材料と添加物なので、
クローン食品は表示が義務付けられていない、という話。
売るなら生産者の方で自発的に表示するだろうという話もありますが。
ポストヒューマンの世界ではクローン技術で食肉を無限に供給できると
Kurtzweilが書いているのを読んだ時に、
つい笑いながら「そんなもの食べたかねーよ」と毒づいたのは、
なんと荒唐無稽な……と呆れたつもりだったのですが、
まさか、既に現実の話になりつつあるとは……。
Producers Favor Tracking Cloned Animals
Washington post (AP), December 20,2007
クローン動物は科学的には自然に生まれた動物となんら変わらないから大丈夫、
とFDAは言っているのですが、
消費者の方はまだクローン動物の食品化には不安を感じているとの
様々な調査結果が出ていることから、
クローン食品が出回ると消費が冷え込むのでは、と恐れる生産者は
自発的に規制してまだ売らないと慎重な姿勢だとか。
もちろん消費者団体や政治家からも
普通に市場に出すのは時期尚早という批判も出ているらしいですが、
むしろクローニング会社(既にメジャーな会社が2つも)からは
現在作られているのはブリーダー向けの受賞牝牛やロデオ牛のコピーで、
クローニングにはお金がかかるので、
実際にはあまり食用には回らないんじゃないかという見方も出ている。
でも、結局、ブリーディングには既に使われているわけですね。
「わ、こわい」と思うのは、
いったんクローニングで動物を作ると、
その動物から生まれた次世代以降の動物はクローン動物ではなくなるので、
自然に生まれた動物との見分けがクローニング会社にもつかないのだという話。
もう1つ、FDAが表示を義務付けているのは原材料と添加物なので、
クローン食品は表示が義務付けられていない、という話。
売るなら生産者の方で自発的に表示するだろうという話もありますが。
ポストヒューマンの世界ではクローン技術で食肉を無限に供給できると
Kurtzweilが書いているのを読んだ時に、
つい笑いながら「そんなもの食べたかねーよ」と毒づいたのは、
なんと荒唐無稽な……と呆れたつもりだったのですが、
まさか、既に現実の話になりつつあるとは……。
でも、本当に説明して欲しいと思うのは
そもそも、なんで、わざわざクローン肉を食べなければならないのかという話。
そもそも、なんで、わざわざクローン肉を食べなければならないのかという話。
その必然性というのか、ワケを説明して欲しいよね。
トランスヒューマニストは
超人類が死なずに長生きし始めると人口が増えるから
それだけの口を養うためにクローン肉を食べればいいといっていたけど、
超人類が死なずに長生きし始めると人口が増えるから
それだけの口を養うためにクローン肉を食べればいいといっていたけど、
日本では少子化で悩んでいるというのに?
2009.01.06 / Top↑
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