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股関節の置き換え手術の後、杖を使用するようになっていたBarry Baker氏は
一人暮らしの59歳。

去年11月29日、心臓発作を起こして日本の119番に当たる999番に電話をした。

救急センターでは電話を受け、
救急車を向かわせるように手配する一方、
Baker氏と電話で話し続けた。

しかし救急車の到着時には氏の意識はすでに途絶えていた。

この時、電話回線は救急センターと繋がったままになっていたのだけれど、
そんなこととは気づかない救急車の隊員2人は
まず部屋に入ると、その乱雑さについて無神経なコメントを交わす。

ついで2人は
Baker氏はわざわざ蘇生するには値しないという意味の発言をし、
到着した時には、もう死んでいたことにしようと
センターへの報告での口裏合わせを相談。

これらの会話を電話越しに漏れ聞いた救命センターの職員は
大きなショックを受けて上司に報告。上司が警察に通報して
35歳と44歳の2人の隊員は12月5日に逮捕された。

South East Coast Ambulance Service では
この事件に関連して隊員2人を捜査終了まで停職処分にした、と。

障害を理由に救急救命士に見殺しにされたBaker氏は
毎週日曜日にはバスに乗ってお気に入りにパブに出かけ、
友人と話したりトランプ遊びに興じるなど、
人気者だったとのこと。



999番通話はすべて録音されるので
2人の会話も実際の発言が確認されているはずなのですが、
この記事では間接的な発言内容しか触れられていません。

どうも、実際の発言は
表ざたにするのもはばかられるような言葉だったらしき気配です。

しかし、この2人の勝手な判断、
たまたま電話が繋がったままになっていたから発覚しましたが、

救急隊員に限らず、また蘇生処置の判断に限らず、
「どうせ障害者だから」という個々人の勝手な偏見で
その人に障害がなかったら当然のこととして行われるはずの医療処置が
手控えられてしまう……ということは案外に行われているのでは――?

英米加で頻発している
重症障害者への栄養と水分の供給停止を含む「無益な治療の停止」の判断とは
「どうせ重症障害者だから生かしておく価値がない」という個人の偏見によって
医師がこの2人と同じ勝手な判断をすることと同じではないのでしょうか?

そのような事例については「無益な治療」の書庫に。
2009.01.01 / Top↑
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