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オーストラリア&ニュージーランド青少年精神医療カンファレンスにおいて
“革新的な”プログラムが報告されたというニュース。

パイロット・スタディとして臨床試験中のプログラムMobiletype. 
またの名を Mobile Tracking of Young People’s Experiences.
(携帯による若者の体験追跡)

カラクリそのものはSMS (ショート・メッセージ・サービス)を使った単純なもので、
Mobiletypeプログラムを患者が携帯にダウンロードすると
1日に4回、プログラムが自動的に起動して
利用者はその都度、気分や食事、活動、アルコールやドラッグに関する30の質問に答える。
すると、その回答が主治医に送られる。

対象年齢は14歳から25歳。

診察と診察の合間の患者の行動が把握できれば
医師が病状をより正しく診断して、
患者のニーズにもより的確に応えることができる、と。

現在のところ患者・医師双方の満足度は高いと調査結果が出ているとのこと。

Messages for mental health
The Canberra Times, November 9, 2008


満足度については、まぁ、いろいろ解釈もありうるのではないでしょうか。

私自身は1日に4回もこんなことを要求されたら正直うっとうしいし、
それだけで強迫的なものが気持ちの中に生じて
おおらかな生活なんてできなくなりそうな気がする。


多くの人たちが長い時間をかけて「全人的な医療を」と努力してくださったおかげで、
ずいぶん変わってきつつあるとは思うし、

医療職サイドとしては
「治療効果を高めるために」と一生懸命の善意からなのだろうから、
その気持ちと熱意はまことにありがたいのだけれど、

急性期なら、また話は別かもしれないけれど、
慢性病や障害のある患者は病気や障害を治すために生活しているのではなく
より快適に生活するために病気を治したいのだということを
もうちょっと分かってもらえないものだろうか。

こういう医療の独善というか近視眼的な視野の狭さというか、が
テクノロジーと直線的に結びついてしまうと、
かなり怖いことが簡単に起こってしまいそうな時代のような気がするだけに。
2008.11.10 / Top↑
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