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アントシアニンといえば最近その効能をよく耳にしますが、
大腸がん細胞の増殖速度を落としたり
心臓血管疾患や老化に関連した病気を予防する効果があるとされるほか、
抗炎症作用があるとか、眼にも良いとか、肥満も糖尿病も予防するとか
いろいろ良いことだらけの抗酸化物質。

このたび、そのアントシアニンを豊富に含んだ
むらさき色のトマトを遺伝子操作によって作ることに成功した科学者がいて、
そのトマトを食べたマウスは食べなかったマウスよりも長生きだったとのこと。

で、このトマトを作った英国Norwichのthe John Innes Centreチームは
トマトの他にも身近な果物や野菜の中でも身体にいい成分の含有量を上げて
より身体に良い食べ物を作ることを目指しているのだとか。

同センターのCathie Martin教授は
食を通じて健康を増進するための遺伝子組み換え技術の応用は
消費者に確実にメリットがあると言い、

「一日に果物と野菜を5皿も食べる人はあまりいませんが
ごく普通の果物や野菜に含まれるバイオアクティブな物質含有量を上げることができれば、
そういう人にもメリットがあることになります」と。

もっとも、こういう話がたいていそうであるように
例によって、あくまでも癌予防の効果がある「かもしれない」という話で、

癌研究の専門家は
マウスで癌予防効果が実証されたとしても、
それがそのまま人間にも当てはまるとは限らないし、

癌や心臓病をやっつける「魔法の銃弾」なんて存在しない、
基本は赤身の肉や加工肉を避け、繊維と果物、野菜たっぷりの
バランスのいい食生活、だと。



なぁ~んか、なぁ……

子どもがミルクを飲まなくなったし、外で遊ばなくなったから
ビタミンDのサプリを飲ませましょう、とか

肥満は万病と医療費高騰の元だから
精神障害と自殺のリスクはあるけど、とりあえずヤセ薬を飲んでもらいましょう、


そして今度は、みんなどうせ野菜も果物も食べないから
ちょっとだけ食べれば癌予防の効果が上がるようなマジック野菜を作りましょう……って、

科学者の方々、このごろ考えることの方向が本末転倒してません?
2008.10.28 / Top↑
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