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2004年にアフガニスタンで自殺した米兵がいます。
彼には婚約者がいて、ハネムーンを計画している最中でした。
数週間後には帰国することにもなっていました。
そんな時に自殺するのはおかしいと思った家族が調査をしたところ、
どうやら抗マラリア薬 mefloquine (商品名Lariam)の副作用だったらしい、と。

Lariam には
不安、幻覚その他、神経、身体に深刻な副作用があることが
これまでにも問題になっており、
ペンタゴンも2004年に調査を行っているし
FDAのウェブサイトにも警告が出されていて、
「Larinmを服用している患者の中には自殺を考える人もいます。
 まれですが実際に自殺した報告もあります。
 これらの自殺がLariamを原因とするものかどうかは分かりません」

匿名で語った従軍医師の一人は
ほとんど全ての兵士がLariamの服用を中止した方が良いほどの副作用を訴えている、と。

また、
もともと精神的な問題のある人にLariamを処方すると副作用が起こりやすいのがわかっているのに
兵士らに抗ウツ剤が同時に処方されていることを指摘する人も。

軍の関係者は
Lariamに副作用があることは承知しているが、
兵士がアフガニスタンのような地域でマラリアにかかるリスクと比較すると
その副作用は冒す価値のあるリスクだと判断した、と。

Family Blames Soldier's Suicide on Anti-Malaria Drug
Lariam Known to Have Side Effects
The Washington Post, October 12, 2008


Lariam そのものは米軍の兵士だけではなく、
一定地域への旅行者に広く使われている薬のようです。

記事の中で触れられていたLariamへの反対運動をしている団体
Lariam Action USAのサイトを覗いてみたら、
仕事の出張時に飲んだLariamによって激しい神経障害が続いて、
その後の検査で脳幹の障害が明らかになったというケースまでありました。


Lariamの副作用が一時的なものに留まっていないのに、
「冒す価値のあるリスク」だと判断したからといって
慎重なモニターも副作用を防ぐ配慮も行われていないとしたら
やはり兵士はいくらでも補充可能な使い捨て資源でしかないのでしょうか。

NBICレポートなど、
トランスヒューマニスティックな研究の中にチラチラする
「何日も寝ずに精力的に戦い続けられる兵士を作る」といった話を思い出します。
こういう研究を本気で発注する機関や研究を行っている科学者にとって
兵士の人権というのはアリがほざくタワゴトみたいなものなのかな?

            ――――――

「マラリア撲滅」という大義名分には
考えなければならない他の様々な問題を瑣末な事柄として脇に押しやってしまうほど
大きな政治的力動のようなものがヒモ付きのお金の動きと共に働いている……

──なんてことは?


2008.10.14 / Top↑
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