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【追記】
こちらの訳文はその後12月12日に大幅に改定しています。
また「介護保険情報」12月号に掲載し、
コピーライトが発生していると思いますので、
こちらのエントリーの章典に引用・転載・リンクをお考えくださる方は
12月の改訂版をお使いくいただきますようお願いいたします。


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お年寄りや病気の家族や障害のある子どものケアをしている人に読んでもらえたら
きっと勇気になるんじゃないかと思うので。

そして支援をする側の人たちにも、
大きな示唆を含んでいるのではないかと思うので。


介護者の権利章典

私には次の権利があります。

・自分を大切にすること。これは決して自分本位な行いではありません。
 そうするほうが、家族に良いケアができるのだから。

・周囲から反対されたとしても他の人に助けを求めること。
 自分の忍耐と力r限界は自分で分かっていますから。

・介護とはまた別の自分自身の生活、その人が健康であったら送っていたはずの私自身の生活を守ること。
 私はこの人のために無理のない範囲で自分にできることは全てやります。
 同時に私自身のために何かをする権利も私にはあります。

・時に怒りを感じたり、落ち込んだり、他にも様々なやっかいな感情を口にすること。

・罪悪感を感じさせたり気持ちを落ち込ませたりして(時にはその両方を通じて)
 身内の人間が私を操作しようとする(意識的であれ無意識であれ)のを拒むこと。

・ 私が思いやりと愛情と許しと受容を差し出している限り、
 愛する人に私が私がしてあげていることに対して、
 私もまた思いやりと愛情と許しと受容を与えられること。
  
・自分が成し遂げていることに誇りを持つこと。そして家族のニーズに応えるために
 時として奮い起こしている勇気に自ら拍手を送ること。

・一人の人間としての自分を守り、自分自身のための人生を作っていく権利を守ること。
 それをして初めて、家族が私のフルタイムの介護を必要としなくなった時にも
 私は私のままでいられるのだから。

・この国の身体的・精神的に傷を受けた人たちを助けるため資源の開発が新たに歩みを進めていくように、
 介護者を助け支えるための歩みもまた進められていくよう望み、求めること。


英語の原文はこちら

出典には諸説あるようですが、
巻末にこの介護者の権利章典を掲げている
CARE-GIVING :Helping An Aging Loved One(Jo Horne, AARP Book, 1985)の
解説によると、多くの団体によって時間をかけて作り上げられてきたもののようです。

去年、これはボロボロの古本を買って読みましたが
米国では85年に既にこんな本が出ていたことに驚き、
著者が介護者に向ける眼差しの暖かさといたわりが、じんと心に沁みました。

折に触れ、その一部をまたご紹介できれば、と思います。

【追記】
上記のHorneの本はPBになっていました。去年、もっと丁寧に検索すればよかった。

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原文では介護を受ける人は relativeとなっていますが、
ここでは「家族」と訳してみました。

訳語については今後改定する可能性があります。
2008.10.10 / Top↑
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