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ステロイド剤の誤用・濫用はもはやスポーツ界だけの問題ではなく、
広く社会に行き渡って、保健医療の問題となっているにも関わらず、
保健行政には副作用のデータがきちんと上がっていない、として、

薬物によってはスポーツでパフォーマンス向上の効果があるとのエビデンスと
副作用についての情報、
社会に誤用・濫用が広がっている実態を考察して、
ステロイドの濫用が長期的に社会にもたらす影響について論じた論文がLancetに。

副作用についてはAAS(anabolic androgenic steroids)の神経精神的副作用、
特に暴力行動に重点をおいて神経生理との相関について論じたとのこと。

アブストラクトは以下に。

Use of doping agents, particularly anabolic steroids, in sports and society
By Folke Sjoqvist, Mats Garie, Anders Rane
The Lancet(2008;371:1872-1882)



ちなみに、上記エントリーでステロイド解禁を説いている3人は、
いずれも去年の“Ashley療法”論争に擁護派として登場した人たちです。
“Ashley療法”がこうした極端な論客(上記2人はトランスヒューマニスト)によって擁護されたことは
もっと知られるべきではないかと私は考えています。

彼らに言わせると、ステロイドの副作用なんて、
サッカーのヘディングやボクシングやその他スポーツの競技中に怪我をするリスクに比べれば
なにほどのものでもないのだそうです。
2008.06.10 / Top↑
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