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GuardianにDr. Crippenというシリーズがあるようです。
Dr. Crippen とは英国で長年GPをやってきた人の通称。
したがって、英国GPが匿名で意見を投稿する欄ということでしょうか。

そこに、Gilderdale事件の被害者が慢性疲労症候群であることに目を向ける記事が
やっと登場してくれました。

A caring mother who kills her severely brain-damaged son is found guilty of murder and sentenced to life imprisonment. A caring mother who kills her daughter who is suffering from "myalgic encephalomyelitis", a condition that many doctors only recognise as an inappropriately named psychiatric illness, is found not guilty of murder. It is incomprehensible that she was found not guilty. Where is the logic? The law is clear, but juries are not prepared to enforce it. The law must therefore be changed.

重症の脳障害の息子を殺した愛に満ちた母親が殺人罪で有罪となり終身刑を言い渡された。一方、多くの医師が不適切にも精神疾患だとしか捉えられない慢性疲労症候群の娘を、愛に満ちた母親が殺し、有罪にならなかった。片方が有罪にならなかったこととの間に整合性がない(というが、)どこに論理というものがあるのだろう?法律は明確である。しかし、陪審員がそれを施行したがらない。だから法を変えなければならない、というのは。


殺すことのおぞましさから目をそらせるために
不都合な動物を殺すのは「眠らせる」になり、
人生に嫌気がさした人を殺すのは「安楽死」になる言い換えの欺瞞を突く著者は

自殺幇助合法化に、いったい、どんなセーフガードが可能だというのだ、と
疑問を投げかけ、

中絶が合法になった時にも、
当時の医師は同意書にサインするのに苦しみ抜いたのだが、
その後、医師に説明責任が問われることなどないまま、
いつのまにか求めれば誰にでも行われることになってしまったではないか、と。




英国では去年、
慢性疲労症候群(ME)がどういう病気かを巡って論争が起きていたようです。
当時のGuardian の記事がこちら。


それなのに、どうして今回のGilderdale判決論争では
被害者がそのMEだったことが一向に問題視されないのだろう?????


セーフガードについても、全く同感。
90年代の日本の臓器移植議論でも売買が起こるという懸念が指摘された。
きちんとしたセーフガードさえあれば大丈夫だという反論が
それに対して行われたと記憶しているのだけど、

いま、現に、臓器売買も、臓器目的の人身売買も起こっている。
(日本の子どもが被害にあっていなければいいという問題ではないと思うし)

「セーフガードさえあれば大丈夫」と倫理問題を退けてきた人たちには
セーフガードが実際にどのくらい機能してきたかを検証する責任があるんじゃないかと
考えてみたのが、以下のエントリー。

2010.02.03 / Top↑
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