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前のエントリーで触れたスイスの記事を読んでみました。

スイスでは既にターミナルな病人に対しては一定の条件下で
医師による自殺幇助が認められており、

過去4年間にチューリッヒのDignitas Clinicには
自殺幇助を求めて54人の英国人が訪れたとのこと。

このような動向を加速する危険な判決だと批判の声が出ているのは

致死量のペントバルビタールを医師の処方なしで手に入れたいと訴えた
53歳の重い躁うつ病患者のケースで
スイスの最高裁は男性の訴えを却下し、
医師による病状のアセスメントがきちんと行われるよう求めたというものなのですが、

その裁決の中で以下のように書かれている、と。

It must be recognized that an incurable, permanent, serious mental disorder can cause similar suffering as a physical [disorder], making life appear unbearable to the patient in the long term.

If the death wish is based on an autonomous decision witch takes all circumstances into account, then a mentally ill person can be prescribed sodium-pentobarbital and thereby assisted in suicide.

要するに、
不治、永続的かつ重症の精神障害は身体障害と同様に
患者に「この先もずっと生きていくのは耐え難い」と感じさせる可能性があるので、
あらゆることを考慮したうえでの自己決定であれば
医師は精神障害者に致死量のペントバルビタールを処方し
自殺を幇助してもかまわない、ということですね。

これに対してお馴染みArthur Caplanが以下のように批判しています。

・自殺幇助の権利と他者のQOLや苦痛が結びつくのは、法的にも倫理的にも大きな転換であり、危険。

・ひどい焼けどを負ったり体が変形した人、子どもやパートナーを失って悲嘆にくれる人、仕事で失敗した人など、耐え難い心の苦しみのある人なら誰でも自殺幇助を求めることができるようになり、「滑り坂」に結びつく。

・人を死なせることによって人間のとてつもない苦しみを取り除くというのは、いったい医師の任務なのか?

安楽死反対運動の活動家は
ナチスの時代に逆戻りだと批判。

この記事によるとオランダは2001年に、
ベルギーは2002年に安楽死を合法化。
イギリスとフランスでは
死ぬために治療を拒否することが終末期の患者に認められているとのこと。



【追記】
ドイツでネオナチに教われて障害を負った男性が
上記スイスの Dignitas Clinic で幇助を受けて自殺してやる
と言っているとの記事が昨年末ドイツの新聞にあったとのこと。

TBさせていただきました。
2008.03.12 / Top↑
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