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去年12月のエントリー遺伝子診断で障害も重病も弾くつもり?(英国)
その後3月7日にも「障害児はnon-person」と英国上院で」で触れましたが、

英国上院でのヒト受精・胚法案が
着床前診断による障害児の排除を謳っていることが懸念されています。
その問題に関連して、

10日にBBCのラジオ番組the Todayにおいて、
聾者のアーティストTomato Lichy氏が
生殖補助医療技術によって聾の子どもを持ちたいと語り、
大きな論争を巻き起こしています。

(現在のヒト受精・胚法案が成立すると聾の胚を選ぶことは違法行為となります。)

パートナーも聾者のアーティストで
2人の間には3歳の聾の娘があります。
パートナーが40代になったので
着床前診断で聾の胚を選んで2人目の子どもを持ちたいとLichy氏は語り、

番組ホストのJohn Humphrys氏と
耳が聞こえないことが不利益になるか否かを巡って激論となったとのこと。

(たとえばベートーベンの音楽が聴けないことをどう考えるかなど。)

直後からリアクションが相次いでいる模様。

          ――――――

なお、
議員から上記法案のClause14を巡って出た
「例えば聴覚障害がある胚をわざわざ選ぶようなことは避けられる」との発言について、
12月に上記エントリーで紹介した際に
なぜ聴覚障害だけをこのように取り上げたのかがわからず、
ずっと疑問に思っていたのですが、
以下のIndependentの記事の中に背景が説明されていました。


6年前に共に聾者であるレズビアンの夫婦が
聾の家系であるという理由で精子のドナーを選び、
国内で大問題となったとのこと。

その際にLancet誌に掲載されたEメール・インタビューで2人は
聾を言語文化の一つと肯定的に捉える聾文化について語り、
「我々は耳が聞こえないことを
目が見えないことや知的障害があることと同一線上で捉えません。
ユダヤ人であることや黒人であることと並んで捉えます」
と述べています。

上記BBCでのホストとゲストの論争においても、
問題になったのはこの点のように思われますが、
聾文化については全く知識が欠落しているのでコメントする能力もなく、
以下に関連記事をいくつか。

日本で今話題になっている「聾学校」の名称の存続問題も
よく分からないままに新聞などで読んでいたのですが、
なるほど、こういうところと通底しているのですね。



Couple who want deaf child angry at IVF ban
The Telegraph, March 11, 2008

[http://www.telegraph.co.uk/opinion/main.jhtml?xml=/opinion/2008/03/11/do1103.xml
Some ‘gifts’ one is better off without]
The Telegraph, March 11, 2008

The hearing’s difficulties
The Guardian, March 11, 2008
2008.03.12 / Top↑
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