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米国で初というヴァージニア州の、このプログラム、
正式名称を the Virginia Birth-Related Neurological Injury Compensation Program と。

ぶっちゃけていえば
出産時に何らかの原因で子どもが脳性まひになった場合に
医療過誤で医師や病院を訴えたりしないと約束すれば
生涯その子の医療費はタダにしてあげますよというプログラム。

プログラムができたのは
医療過誤の訴訟が相次いで産婦人科医が訴訟保険に入れないとか、
医師や病院の保険料が急騰するという事態が起こっていた1987年で、
資金源はヴァージニア州の産科医師とお産を扱う病院が拠出している。
同じ制度がフロリダ州にも存在するそうです。

日本でも似たような制度が新年度からスタートしますが、
「訴訟を起こさない代わりにお金をあげる」と表立って露骨な言い方はしないようですね。
まぁ、趣旨はまったく同じなわけですが。

そんな日本の現状を前に気になるのは、
このプログラムを取り上げている以下のWPの記事は、
財政難でプログラムが崩壊の危機に瀕しているというニュースだということ。

Free Care for Life, If Money Holds Out
Washington Post, March6, 2008

財政逼迫の要因として挙げられているのは子どもらの寿命の延びで
プログラムができた20年前には
出産時の酸素不足から脳性まひになった子どもが
5歳を超えて生きるのは珍しかったのだけれども、
現在は優に20歳を超えて生きる子どもたちが当たり前になり、
この先もまだ20年生きる可能性すらある、と。

ヴァージニア州では医師や病院に求める拠出金額を上げたり、
全科の医師と病院に広げて資金提供を求める案を検討したり、
「子どもらを見捨てるわけには行かない」と必死のようですが、
いずれ支給対象やサービスの縮小は避けられそうもない様相。

結局、医療と福祉で見聞きするのは
相対的に縮小する一方のパイを弱者が奪い合う話と、
いっそ争奪線に加わる人数を削減するために「殺そうや」という話なのですね。

今のところ前者で踏みとどまっているこのプログラムが
後者の話と繋がらないことを祈りたいものです。


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確かに私も20年前に
「脳性まひ児の6割は6歳になる前に死んでいる」
という統計を整形外科の医師から聞きました。
(6割という部分についてはウロ覚えですが。)

でも身近で6歳までに死んだ子どもは1人もいなかったから
漠然とみんなラッキーだったのかと思っていたのだけど、
なんだ、古い統計に脅かされてただけなのか。

身近に知っている重症障害のある子どもが初めて死んだ時、
その子は11歳だった。

それからは、
それまで誰も死ななかったのがウソのように、
それはもう次々に、あっちでもこっちでも死んでいったなぁ。

でもね。
あの子も死んだなぁ、あの子ももういないなと振り返る時に
やっぱり長さじゃないと思う。

みんな、まず生きたんだよね。
そして、それから死んでいったんだ。
2008.03.07 / Top↑
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