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「知的障害者の女性に爆弾を巻きつけて遠隔操作で爆破させた」という物語が
一人歩きしているイラクの市場テロ事件ですが、

2月2日に日本のメディアがどういうタイトルでニュースを打ったかを以下に。

市場テロは知的障害ある女性に付けた爆弾…イラク軍報道官(読売新聞)
自爆女性は知的障害者か=市場のテロ、死者99人に─イラク(時事通信)
知的障害女性爆弾に 遠隔操作で爆破? 72人死亡 バグダッド(産経新聞)


よ~く見ると、
読売は「あくまでもイラク軍報道官の発表ですよ」
時事通信は「知的障害者“か”と書き断定はしていませんよ」
産経も「遠隔操作で爆破?と、疑問符をつけていますよ」
と、いずれも事実でなかった場合の微妙な逃げを予め打ってあるのですね。

しかし、このニュースに衝撃を受けた人たちのブログを見る限り、
ほとんどの人がタイトルを見て衝撃を受け、
タイトルから受けた「なんて酷いことを!」という衝撃の中では“か”も“?”も意味を留めず、
「そういう事実があった」との前提で本文が読まれたのです。

(私自身、読売の記事を読んだ後
「なんで分かったんだろう」との漠然とした疑問はありながらも
NYTimesの記事を読むまでは事実だと考えていました。)

読売は確かにイラク軍報道官の発表だと本文でも書いていますが、
それに続く部分が
イラクでは最近、女性による自爆テロも起きていたが、知的障害者を利用した爆弾テロは異例。同国で暗躍する国際テロ組織アル・カーイダ系武装勢力などによる、新たな「手口」の可能性もある。
というのでは、
やはりイラク軍の報道官の発表が事実であることを前提にした記事だとの
印象を与えるのではないでしょうか。

そもそもタイトルで上記のような“逃げ”が打ってあるのは、
タイトルをつけた人たちの頭に「事実でない可能性もある」との認識があったからでしょう。

それならば、なぜもう少し冷静・正確な報道ができなかったのでしょうか。
2008.02.04 / Top↑
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