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これまで当ブログでは
去年1月から2月にかけての“Ashley療法”論争の際に
メディアに登場して両親を擁護した人たちの発言を検討してきました。

現在までに「擁護に登場した奇怪な人々」の書庫にあるエントリーで
とりあげた人物は10人。

この10人の人物像を仔細に眺めてみると、
“Ashley療法”を擁護するためにメディアに登場したり論文を書いた人たちには
はっきりと2つの系譜があるように思われます。

1つはトランスヒューマニストたち
または考え方が非常にトランスヒューマニズムに近い人たちで、
10人の中では以下の6人がこの系譜に入ります。


もう1つの系譜はシアトル子ども病院のいわば「身内」と「お友達」。
10人の中では以下の4人です。


(それぞれの人物についてはリンク以外にもエントリーがあるので、
詳しくは「擁護に登場した奇怪な人々」の書庫を。)


論争当時、1つ1つの記事を読むと、
それなりの専門家が出てきてAshleyに行われたことを是としている
という印象を持った人が多かったかもしれませんが、
去年の論争当時に擁護に登場していたのは
実はそのほとんどが「トランスヒューマニスト」と「子ども病院のオトモダチ」。
作為に満ちた極端な顔ぶれだったというわけです。

            ―――――――――


そして、この2つの系譜を繋げる人物がいるとすれば、
それはNorman Fostではないでしょうか。

シアトル子ども病院の生命倫理カンファのWebcastをいくつか見ただけでも、
Diekemaとその上司 Wilfond の恩師でもあるFostが
同病院とその周辺的な生命倫理の世界で隠然たる力を振るい
影響力の大きな存在であることは充分に感じられます。

今のところ
Fostとトランスヒューマニストらの直接的な繋がりは見つけられていませんが、
スポーツでのステロイド問題、人間の能力強化の問題、障害新生児の切捨てなど、
Fostの主張はことごとくトランスヒューマニズムや功利主義と重なります。

そういえば
“Ashley療法”について“専門家”に意見を問うと称し、
Fost、Wilfond、Fraderが部外者のフリを装って顔をそろえた“メール討論”
場を提供したのはScientific American。
ステロイド問題ではFostをヒーロー扱いでもしそうな
いかにもトランスヒューマンなネットマガジンです。

もしかしたらFostこそ
Ashley事件でキーパーソンだったのでは?

【追記】
その後、Norman Fost は トランスヒューマニストのJulian Savulescuと繋がりました。

2人は共に全米に名前をとどろかせているスポーツでのステロイド解禁論者で
去年ニューヨークで行われたこの問題のディベートの解禁提唱チーム、
3人のうちの2人は Fost と Savulescu でした。
2008.01.17 / Top↑
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