シアトル子ども病院トルーマン・カッツ生命倫理センター主催の生命倫理カンファレンス第1日目午前の最後の講演。
タイトルは、「発達に遅れのある子どもを臓器移植の候補者リストに載せるべきか?」
David Magnusはスタンフォード大学の小児科準教授、スタンフォード生物医学倫理センターのディレクター。スタンフォード大学とルシール・パッカード子ども病院(LPCH)倫理委員会の委員長。
Magnusはまず、神経発達障害のある子どもを臓器移植の候補リストに加えるかどうかの判断を巡る現状分析と問題提起を行います。
データ自体が少ないので、今後もっと調査が必要だが、既存の調査データによると、移植候補として登録するかどうかの判断の際に、子どもの神経発達状態を考慮するかどうかについては、always というところから never というところまで対応は様々。
神経発達遅滞(NDD)の程度で見ても、軽度や中等度でも判断の考慮に含めるという病院もある。自分で食べられるかどうかを基準にしているというチームもある。NDDを理由にリストに載らない子どもがいることは事実。
そこで問題になるのは、その判断に正当な医学上の理由があるのか、それともむしろ「利益vs負担」の問題なのかという点。(Magnus は benefit と burden という用語を使っています。)
医学上の理由という点では、腎臓移植のみでサンプル数も少ないが調査がある。その調査によると、知的障害児での移植のアウトカム(生存率)は健常児とほぼ同じとの結果が出ている。
NDDを移植候補リストに載せない医学上の理由とするには、もっと研究が必要だろう。
神経発達遅滞(NDD)の程度で見ても、軽度や中等度でも判断の考慮に含めるという病院もある。自分で食べられるかどうかを基準にしているというチームもある。NDDを理由にリストに載らない子どもがいることは事実。
そこで問題になるのは、その判断に正当な医学上の理由があるのか、それともむしろ「利益vs負担」の問題なのかという点。(Magnus は benefit と burden という用語を使っています。)
医学上の理由という点では、腎臓移植のみでサンプル数も少ないが調査がある。その調査によると、知的障害児での移植のアウトカム(生存率)は健常児とほぼ同じとの結果が出ている。
NDDを移植候補リストに載せない医学上の理由とするには、もっと研究が必要だろう。
この後、Magnusは実際の事例を挙げてLPCHでの判断プロセスを紹介。それに続いてLPCHがコンセンサス委員会を組織し、多くの生命倫理学者の寄与を得て作った予備的コンセンサスを紹介します。
(続)
2007.09.08 / Top↑
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