The Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatryに発表された
2000年から2007年のデータによる研究で、
2000年から2007年のデータによる研究で、
米国で双極性障害と診断されて強い抗精神病薬を処方される2―5歳児の数が
この10年で倍増していることが明らかに。
この10年で倍増していることが明らかに。
2007年のデータでは、
民間の医療保険に入っている2―5歳児の1,5%(子ども70人に1人)が
なんらかの精神科薬を投与された。
民間の医療保険に入っている2―5歳児の1,5%(子ども70人に1人)が
なんらかの精神科薬を投与された。
双極性障害と診断された2―5歳児は
約半数がZyprexa, Seroquel, Risperdal など抗精神病薬を処方されており、
2歳児の3000人に1人が処方されている計算となる。
約半数がZyprexa, Seroquel, Risperdal など抗精神病薬を処方されており、
2歳児の3000人に1人が処方されている計算となる。
「親あるいは親子を対象に他の介入を試してみた後でなら、
これらの薬にも出番があるかもしれないが、
請求記録を調べると、そういう処方の仕方にはなっていない」と
報告書をまとめたColumbia大学の臨床精神科教授 Mark Olfson氏。
これらの薬にも出番があるかもしれないが、
請求記録を調べると、そういう処方の仕方にはなっていない」と
報告書をまとめたColumbia大学の臨床精神科教授 Mark Olfson氏。
この問題は時々指摘されていますが、そのたびに出てくるように、この記事でも
幼児の双極性障害の診断件数を40倍に増やした人物として
Biederman医師とそのスキャンダルが触れられています。
幼児の双極性障害の診断件数を40倍に増やした人物として
Biederman医師とそのスキャンダルが触れられています。
ところで、
この問題では、近くボストンで始まる裁判が注目を集めているようです。
この問題では、近くボストンで始まる裁判が注目を集めているようです。
2006年に4歳のRebecca Rileyちゃんが安定剤のオーバードースで死亡。
両親が殺人罪に問われている。
両親が殺人罪に問われている。
Rebeccaちゃんは2歳半の時に児童精神科医の Kayoko Kifuji 氏から
双極性障害とADHDを診断されて、Depakote、clonidine という強い薬を複数処方された。
(severalとあるのが、この2種のことなのか、この2種を含む数種類なのかは???)
双極性障害とADHDを診断されて、Depakote、clonidine という強い薬を複数処方された。
(severalとあるのが、この2種のことなのか、この2種を含む数種類なのかは???)
陪審員も州の医療免許委員会も既に
医師の行為には問題はなかったと判断。
医師の行為には問題はなかったと判断。
検察の主張は、両親が娘を落ち着かせるために意図的に薬を過剰に飲ませたというもの。
夫婦は、医師の指示に従っただけで、娘の死因は肺炎だと主張。
夫婦は、医師の指示に従っただけで、娘の死因は肺炎だと主張。
Rebeccaちゃんの事件によって
「幼児に双極性障害を診断することが可能なのかどうか、
また強い薬を処方することが賢明なのかどうか
精神科医の間での論争にスポットライトが当たっている」と記事には書いてあるのですが、
「幼児に双極性障害を診断することが可能なのかどうか、
また強い薬を処方することが賢明なのかどうか
精神科医の間での論争にスポットライトが当たっている」と記事には書いてあるのですが、
でも、この裁判の争点は医師の診断と処方の妥当性ではなくて、
医師が処方した薬を親が医師の指示通りに飲ませたかどうか、なんですよね……。
医師が処方した薬を親が医師の指示通りに飲ませたかどうか、なんですよね……。
その時々の児童精神科医療の知見やエビデンスに基づいた標準的な医療を行っている限りにおいて
現場の医師に過失があるとは言えない……ということなのだろうと思うのですが、
(それなればこそBiederman医師の行為は患者だけでなく現場医師への裏切りでは……と思うのですが)
この裁判については、詳細が分からないので、今のところ何とも言えません。
現場の医師に過失があるとは言えない……ということなのだろうと思うのですが、
(それなればこそBiederman医師の行為は患者だけでなく現場医師への裏切りでは……と思うのですが)
この裁判については、詳細が分からないので、今のところ何とも言えません。
ここで調べてみるほどの余裕はないので、また続報が出てきた時に。
2010.01.16 / Top↑
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