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私はゲイツ夫妻の社会貢献の純粋な善意を疑うものではありません。
アシュリーに行われた医療介入とそれを巡るプロセスに、
ビル・ゲイツ夫妻が何らかの形で関与したとも考えていません。

アシュリーの両親が「娘にこのようなことをやってほしい」と病院に申し入れた2004年に、
病院サイドは、このような財団との長年の関係
進行中だったと思われる建物買収計画
そのためのメリンダ・ゲイツ夫人によるキャンペーン支援を十分に意識したうえで、
その要望と向かい合わざるを得ない状況にあったのではないかと、
あくまでも病院側の立場を想像するものです。

WPASの報告書に添付された弁護士から父親への手紙には、
誠実な法解釈を提供して弁護士としてのアドバイスを行うよりも、
クライアントが望んでいる結論に繋がる法解釈を捻出しようとの姿勢が見られます。
これは小山さんがブログで指摘しておられる通りです。

考えてみれば、ここで弁護士がやっていることは、
両親の要望が通るように委員会を説得することを自分の仕事と捉えていた、
あの倫理委員会の 委員長の意識と同じ、
単なる迎合なのではないでしょうか。

もちろん、このブログでの検証が示唆しているものは、あくまでも仮説に過ぎません。

しかし何が起きたかについて、
誰もが納得できる検討プロセスがあったことを実証して見せなければならないのは、
他ならぬ医師らの責任のはず。

このブログで検証してきたように、この事件には不可解な点があまりにも多いこと、
それに対して医師らがきちんと説明責任を果たしていないことは、
紛れもない事実ではないでしょうか。

この事件で真に問われるべき本質は、これまで議論されてきたように、
本当に「重症児に対するこのような医療介入は是か非か」という問題なのでしょうか。

実はコトの本質は

「特殊な政治経済的文脈の中で、シアトル子ども病院の医療倫理はきちんと機能したのか否か」

という問題に帰する……という可能性はないのでしょうか。

もし万が一にも、シアトル子ども病院の医療倫理がきちんと機能しなかったことによって、
今後、重症児に対するこのような処置への道を開く前例が誤って作られてしまったのだとしたら、

やはりそれは許されないことなのではないでしょうか。
2007.07.12 / Top↑
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