2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
以下の2つのエントリーでこの話題を取り上げた際にも疑問を呈しましたが、

ドイツ最高裁が本人意思なら延命治療停止は合法との判断(2010/6/25)
ドイツの延命治療停止判断を自殺幇助とグズグズに書く NY Times(2010/6/29)


AP通信が、6月25日の記事(上記、同日のエントリーにリンクしています)で
自殺幇助を合法化したとの報道が誤りであったことを認め、訂正記事を出しました。

以下、全文です。

6月25日の死ぬ権利訴訟に関する記事で、
AP通信はドイツの最高裁が自殺幇助を合法化したと
誤って報道いたしました。

訴訟は、ターミナルな状態ではないものの、
経管栄養にて生かされている(kept alive)植物昏睡(vegetative coma)の女性に関するものでした。

最高裁は
その女性の娘に母親から栄養の管をはずすことができると告げた弁護士の
過失致死の有罪判決を覆したものでした。

女性は昏睡に陥る以前に、
このような状況下で生かされていたくないと言ったことがありました。

Correction: Germany right-to-die story
AP, July 2


この訂正は当たり前と思いますが、
ダメージは既に広く行われてしまいましたし、

訂正記事そのものにも、
「死ぬ権利訴訟」だとか「経管栄養で生かされている」など、
AP通信もBBCのように合法化アドボケイトなのか……と勘繰りたくなるような
微妙な価値判断を含んだ言いまわしが見られます。

さらに、やはり私が25日のエントリーで懸念した通りに
Kuellmerさんはターミナルな状態ではなかったようです。

それならば、
ターミナルだったと書いたところは訂正記事を出すべきでしょう。

(APはターミナルだったとは書いていませんが、
25日にリンクしたメディアの記事は書いていたし、
当時ネットにあふれていた情報からすれば他にもあったと推測します。)

NY Timesも、自殺幇助の議論とグズグズに記事を書いたことについて
ちゃんと総括すべきだと思うし、

いわゆる権威ある主流メディアの報道のいかがわしさについて
改めて考え込んでしまいます。

もしかして、世論を大きく揺さぶるインパクトを与えるためには、
事実や詳細は無用で、誤報であれ何であれ、くっきりしたイメージを流すことがカギ。
事実でないこと、敢えて誤解を招きそうなことを書いたって後で修正すれば済むし、
どうせ修正記事の方は多くの人の目には止まらないのだから……っていうところまで、

まさか、もう堕ちている……?

(Ashley事件で平気でそこまで堕ちたことをやった新聞は、実際にありました。)
2010.07.03 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://spitzibara.blog.2nt.com/tb.php/1977-2dd55683