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王立医学協会がカンファレンスにおいて自殺幇助の問題を議論し
投票の結果、60%が合法化に反対した、とのこと。

障害者運動家のBaroness Campbell、
St Mary’s Univ.の生命倫理学のディレクター David Jones 教授を始め、
主として、合法化すれば弱者の命が危険にさらされる、と論じる人が多かった。

特に重要な発言として、
2005年に上院に提出された自殺幇助法案(Joffe議員提出)を検討した
委員会の委員長だったAnthony Ozimic議員の発言で、

ターミナルな状態の診断を月単位で正確に下すことは不可能であること、
また病気によって患者の意思決定能力が影響される可能性があることを
当時の委員会が指摘し、

法案での苦痛の定義が本人の主観的なものに過ぎないことを
提出者のJoffe議員自身も認めた、と。

Ozimic議員は現実に起こるすべり坂と概念上のすべり坂の
2つのタイプのすべり坂を挙げ、

オランダで要望も同意もなしに死なされているケースが多数あることが前者であり、

それにもかかわらず、それらの慣行が許容されてしまって
非合法な殺人としてまともに取り上げられず、それに憤る人がいないのは、

合法化によって、
ある状態の人々にとっては安楽死が利益である、
すなわち、それらの人々の状態は生きるに値せず、死んだ方が本人のためだという概念が
生み出され、共有されているからであると、
後者のすべり坂を説明する。

元GPで末期すい臓がん患者のAnn McPherson医師
ビデオ・メッセージで合法化を訴えた。

去年、スタンスを反対から中立にシフトした英国看護学会(the Royal College of Nursing)の
会長 Peter Carter氏は、どうやら今後、合法化支持に向けて動く含みの発言。

英国医療委員会(BMC)の前会長も、
個人的な見解として合法化を支持する発言をした模様。

Ozimic氏によると、
7月早々に英国医師会は自殺幇助に関与しないよう会員に警告するガイダンスを出した、
また4日にも同会年次役員会において通過した動議では
緩和ケア他の患者支援によって自殺幇助の要望はほぼ完全になくせる、としている、とのこと。


British Royal Society of Medicine Rejects Motion to Support Assisted Suicide
LifeNews.com, July 5, 2010/07/07

Royal Society of Medicine rejects assisted suicide
The Christian Institute, July 6, 2010


後者の記事のまとめでは
先般カナダ医師会雑誌に報告されたベルギーの安楽死調査で明らかになった点として、

約半数が患者からの要望なしに行われた安楽死であること、

また面接を受けた看護師の内5分の1に当たる248人もが
安楽死に関与した経験があったこと、

そのうち約半数に当たる120人は
患者の「明確な要望」なしに患者を殺していたこと。

カナダ医師会雑誌に掲載のベルギーの安楽死調査については
5月19日のエントリーで一部を読んでいますが、

その際に私も、
なぜ「明確な要望」のないケースが「死の幇助」として扱われているのか
それは違法な殺人ではないのか、とOzimic議員と同じ疑問を呈しました。

オランダについては、以下に。

去年の安楽死・幇助自殺2300人のオランダで自殺幇助アドボケイトに10カ月の禁固刑(2009/5/3)
オランダで「70以上の高齢者には自殺幇助を」と学者・政治家ら(2010/2/10)
オランダで安楽死が増加し保健相が調査。緩和ケアの崩壊も(2010/6/21)
2010.07.07 / Top↑
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