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米国でこのところ続いている男児の性器の包皮切除の問題で、
またDiekema医師が喋っている。というか、今回は喋りまくっている。

コトの起こりは2006年には新生男児の56%が包皮切除をされていたのに
去年は3分の1を切ったという調査結果。

その結果自体に、保険で支払われなかった症例や
病院以外の宗教施設で行われた症例数が含まれていないとの指摘もあるのだが、

Diekemaは、いや、絶対に減っている、と大問題であるかのように言い、
ものすごい勢いで、その要因を挙げて、あちこちの責任を問いまくる。

曰く、
10年ほど前に小児科学会が包皮切除に曖昧なスタンスのガイドラインを出したものだから
医師が家族に話を持ちかける姿勢を変えてしまったのだろう、

あの妙に中立的なガイドラインのせいで
メディケイドの給付対象から外す州も出てきたし、
それを受けて保険会社が支払い対象から外す。
それで自腹を切ってまでは、と家族がとりやめているんだろう。

それに米国でヒスパニック系の人口が増加していることもある。
包皮切除の伝統がない人たちだから。


しかし、Diekemaが最も力を入れて批判しているのは
intactivistsと呼ばれる包皮切除反対活動家のこと。

inatctivistたちはパワフルな反対ロビーを続けていて、
その激しさは時にワクチン反対アドボケイトにも喩えられるほどだという。

で、Diekemaは、
なんといっても、こいつらのヤリクチが問題なのだ、と熱くなる。

「あの人たちの議論というのはほとんどが感情論ですよ。
包皮切除のことを“性器切断”だと言いつづけていることそのものが
医学的な利益があるとしても断固それを認めないという姿勢の表れです」

そして、今年2月には「利益もリスクも不透明」と言っていたはずの彼は、
ここへきて、利益は大きいと、主張するのです。

「性行為による感染症の感染リスクが、そこそこ、しっかり有意に下がっていますよ。
(なんとも奇怪な表現。fairly substantial, important reduction)

新生児では尿路感染も下がる可能性があります。
尿路感染は起こしたら新生児にとっては深刻な病気です。

アフリカでの少なくとも3つのしっかりしたランダム治験で
HIV感染がかなり減っています」

もちろん、最終的には家族が決めること。
ただ、医師は家族に利益とリスクをちゃんと知らせる役割がある。

それに「包皮切除のリスクは大きくなってからやるよりも
新生児期の方がずいぶん小さい」


――だから小児科学会の指針のように中立的なことを言わず
利益が大きいぞ、今やった方がリスクが小さいぞ、と誘導して、
家族に「やろう」という決断をさせろ、と彼は言っているわけですね。

Study: Circumcision Rates Falling Fast In U.S.
NPR, August 22, 2010


な~んか、“Ashley療法”を巡るDiekemaの喋り口調にそっくりだ。

障害者の権利アドボケイトは、これを身体切断だの人権侵害だのと主張し続けて、
それだけとってみても、成長抑制に医学的であれ社会的であれ利益があることなんか、
そんなの関係ないと彼らは思っているのは明らかで、お話しにならない、と。

それにしても、ワクチンに関しても
Diekemaはやらないという親は法的処罰の対象にしろとまで言っているし、
彼の牙城であるTruman Kats センターが生命倫理カンファを始めた時
その第一回目のテーマが、こともあろうにワクチン問題だった。

そして今度は包皮切除……。

必死で踊っていますね。
提灯ふりふり、ゲイツ音頭を。
白衣を着たポチが。



【関連エントリー】
Gatesの一声で、男児包皮切除にエビデンスが出てくるわ、小児科学会もCDCも方針を転換するわ(2010/8/16)
2010.08.24 / Top↑
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