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Montana州Libby在住のWilliam Hardgroveさん(81)は探偵業で
Lincoln郡のAndersonシェリフの友人だったらしい。

妻のSwanieさん(81)は脳性まひ以外にも、
crippling medical problems(不自由になるような病気や障害)があって
ここ数週間の間に痛みが激しくなって、薬ではどうにもならなくなっていたとのこと。

そこで8月の最後の土曜日、
Williamさんは財産価値のあるものをガレージに運び込み、
爆発する可能性のあるものを全部家の外に運び出したうえで
妻を射殺し、家に火を放ってから、自分も銃で自殺した。

この記事の表現をそのまま使うと、
「最後の、ギリギリの愛の行為」を説明するメモを残し、
妻の「苦痛を止めてあげた」のである。

友人であるAndersonシェリフは言う。
「基本的には、苦痛を止めてあげる慈悲殺だった。
善良な人たちだった。ただ、ひどい苦痛があったということなんだ」

「愛の行為だった。共感と思いやりと銃弾と放火の行為だった。
もっと他の方法があったはずなのだけど」と。

シェリフによれば、遺書には
妻があまりにひどく苦しむのを見ていることに疲れた、
もっとマシな場所がある、と書かれていたとのこと。

HE was tired of seeing her suffer so badly.

これが、慈悲殺を行う人の心理の本当のところなのでしょう。
SHE was tired of suffering ではなく、HE was tired of seeing her suffer.

しかし、この記事で、びっくりし、かつ不快なことは
こうした慈悲殺擁護の感情論だけに留まらない。まだまだ先がある。

シェリフの「他の方法もあったはずなのに」を受けて、
「支援と情報がちゃんとあるのに」と専門家が登場するのは
こうした報道のお決まりのパターンですが、

その専門家が何と、
自殺幇助合法化ロビーのCompassoin&Choiceだというのだから、
もう思わず、のけぞってしまう。

「終末期の計画、カウンセリング、オプションを
無料で提供するグループ」として紹介されるC&Cの代表者が喋っているのは、

モンタナ州では去年暮れの最高裁の判決以来、
オレゴンやワシントン州と同じく、医師による自殺幇助が認められているのだから
こんな過激な手段をとらなくても、尊厳のある死を選択することは可能だったのに、
そういう情報がちゃんと州民に届いていないからいけない。

そういって、C&Cの相談窓口の電話番号が書かれている。

「いつでもお電話ください。
我々の多くは死ぬことについてはアマチュアです。
どういう選択肢があって、どこで情報を得ることができるか知りません。
お電話ください。我々がお手伝いします。
選択肢をすべて理解した上で選択できるよう、あなたをお手伝いします」

C&Cは、医師と患者、患者と家族、家族と医師との間の
コミュニケーションのお手伝いをするだけなんだそうな。

ふ~ん。C&Cが誘導して、
息のかかった医師のところに連れて行って死なせているという話もあるけど……。

それに、モンタナの最高裁の判断だって、
ターミナルな患者で耐え難い苦痛がある人を前提にしたものであって、

この事件で殺されたSwanieさんに当てはまるとは思えない。

(脳性マヒ以外の病気や障害については詳細がないのは、
さほどの重大な病気や障害ではないからでは?

脳性まひが直接の原因となって、高齢者に起こる耐え難い痛みとしたら
身体の変形から整形外科分野の痛みか、
身体の変形が内臓に影響した苦痛かなんだろうか。

いずれにしても、Swanieさんに死が差し迫っていたとは思えない。
記事の中にも、そういう記述は一切ない。)


でも、この記事には、さらに、まだ先がある。
C&Cの次に出てくる専門家、なんと今度は癌の専門医。

耐え難い症状や平安な死への望みを患者が医師に率直に話しても大丈夫だと
感じることが大事……

……って、

脳性まひの女性が殺されて、いかに犯人の友人だったとしても警察官が
「殺人」とは言わず、法律用語でもないのに「慈悲殺」だと言い、

自殺幇助合法化ロビーやら癌の専門家が出てきて、寄ってたかって、
脳性まひが、あたかもターミナルな病状であるかのように……?

Libby shooting, arson tragedy puts focus on ‘aid in dying’
Missoulian, September 4, 2010


えーかげんにせーよ、あんたら。



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モンタナ州最高裁、医師による自殺幇助は合法と判断(2010/1/2)
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